渡り鳥
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キィィ……
キッチンの扉を背中で押さえながらジンが現れる。その両手には1つずつカップを手にしていた。
「おーい!ジン!メシまだかァ?」
甲板でウソップ・チョッパーと遊んでいたルフィが、キッチンから出て来たジンに尋ねる。
『1時間後に出来るとサンジさんがおっしゃっていましたよ』
「そっかァ……あ~早く食いてェなァ」
『フフッ…』
ルフィがうなだれるのを見てジンは微笑んだ。
ジンが甲板に降りる。甲板にはルフィ達の他にナミとロビンがベンチに座っていた。ナミとロビンはジンに手を振る。ジンはそれに笑顔を返した。
「なァ、ジン。お前なんでカップ2つも持ってんだ?」
「そんなにのどが渇いてんのか??」
ウソップとチョッパーから次々に質問が投げ込まれる。ジンは首を横に振った。
『いえいえ。これは2人分です』
「「2人分……?」」
『ええ。もうすぐ降りてくる気がしたので持って来たのです』
「「「?」」」
ルフィ達は笑顔を浮かべるジンの言葉に首を傾げる。ふと、マストと縁(フチ)を結ぶ縄梯子がギシギシと音を立てた。
「ふー…」
『ゾロさん、休憩ですか?』
「ああ…喉が渇いてな」
よっ…と縄梯子から甲板に降り立つゾロ。ジンはゾロに持っていたカップを1つ差し出した。
『よかった。そうかなと思い、ご用意しておきました』
「おう。サンキュ」
ゾロはカップを受け取ると、口をつける。ジンもそれに倣いドリンクを飲んだ。
「ああ、そうだジン。あれどこにあるか知ってるか?」
『?…あれですか?あれは確かあちらに置いたままかと思いますが』
「あっちか。そういやそのままだったな…」
『片付けるクセはお付けになった方がよろしいかもしれませんね。ああ、そうだゾロさん』
「なんだ?」
『あの件は考えて頂けましたか?』
「ん?ああ…。考えるまでもねェって感じだがな。いつでもいいぜ」
『ありがとうございます。では昼食後にでも』
「了解だ。じゃあ、昼食まで一休みするか」
『そうして下さい』
ゾロは飲み物の礼を言うとその場を離れる。ジンもカップを受け取るとキッチンに引き返して行った。
「あれ?あっち?」
「なんか2人の会話、暗号みたいだったぞ…何話してたんだ?」
「「さぁ…??」」
チョッパーの疑問にルフィとウソップは首を傾げた。
【この二人、ほぼ夫婦】
「ふーん」
ナミはジュースを飲み干す。カランと氷の音が鳴った。ロビンは本を閉じる。
「恋人って言うより夫婦よね、あれは…」
「フフッ…そうね」
fin
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ゾロとジンの最終形はきっと何もかもが通じる関係だと思います