狂人
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エニエス・ロビー長官の部屋。
『……』
CP9長官、スパンダムに呼ばれ部屋に訪れたルンぺン。ドアを開けたまではよかったが、ルンぺンは部屋に入るのを躊躇していた。
「うわーん!!」
「おいおい、泣くなカク!ほら、抱っこしてやるって言ってんだ狼牙!!」
「やじゃー!うわーん!!」
「泣かないで、カク」
「はぁ……。泣き虫が」
『……』
長官室はいつから託児所になったのだろうか、そんなことがルンぺンの頭を過る。しかもよく見たらその子供達はカクとカリファ、ルッチにジャブラだ。
「お~!!ルンぺン遅いじゃねェか!!」
ドアから視線を感じ、振り返ったスパンダムは助かったと安堵の声をあげる。その手には子供をあやすのに使うガラガラと音の鳴るおもちゃが握られていた。
ルンぺンはため息をつく。
『……長官、状況の説明を』
「?おお!!」
…………………
…………
「と、言う訳だ!!」
『……』
ルンぺンは愕然としていた。
『つまり、アナタが盛ったのか?ペガパンクの試作品をアイツらに』
「盛ったとは人聞きの悪ィな!ちゃんと話を聞いてたのか、ルンぺン!!言ってんだろう!おれだって将来は家庭を持つことになる。
当然子供を持つことになるじゃねェか!だからそん時に困らねェように今から実践しようと思っただけだ!」
『……』
「ちなみに約20歳若返る優れもんだ!」
『……』
ルンぺンは目の前の男に心底呆れていた。公私混同どころじゃない。CP最高戦力のCP9を自ら弱体化させて何を考えているのか、思慮に苦しむ。
『(……確か、ブルーノ達は任務だったな)』
CP9内で事を納めたいルンぺンは頭を抱えた。
「んー!!んー!!」
「お?なんだ。あの白髪の野郎がいいのか?」
幼いカクを抱きかかえていたジャブラは、ルンぺンに手を伸ばすカクの行動を見てそう言う。
「なぁ、アンタ!こいつ抱っこしてやってくんねェ?」
『?……ジャブラ、お前……』
「あん?アンタもおれを知ってんのか?」
『……?』
ルンぺンは眉をひそめる。ジャブラはまるで自分を知らないようだ。その疑問にスパンダムは簡単に答えを出した。
「ああ、記憶も20歳若返るんだ」
『!』
「最終構想は記憶を留めた状態らしいが、まぁ試作だし仕方ないよなァ」
『……』
ルンぺンは閉口する。もう声も掛ける気にもならない。
「んー!!」
『?』
「なぁ、カク頼めねェか?」
「んー!!」
すぐ側まで来ていたジャブラとカク。カクはルンぺンに一生懸命手を伸ばしていた。
『……はぁ』
ルンぺンは小さくため息をつくとジャブラからカクを抱き上げる。カクはギュッとルンぺンの黒衣掴んだ。
「ありがとよ!」
『……構わない』
「ヘヘ……。泣き止みやがった。そんなにソイツがよかったのか??」
「うむ」
「うわ!!ちょっと傷つくだ狼牙!!」
『……』
「あ、あの……」
『カリファか……』
「!」
足下で自分を見上げるカリファ。名を呼ばれびっくりした様だ。
『どうした?』
「ううん……。何もないです」
『?』
顔を真っ赤にさせるカリファ。ルンぺンは怪訝な顔をする。
「カリファ、言いたいことは言わなきゃダメだぞ」
ルッチもいつの間にか足下にいた。そしてカリファを諭しながらもルンぺンを睨みつける。警戒心が剥きだした。
「おーおー!さすがルンぺン!懐かれてんな」
『……。長官、この薬の効果は?』
「ああ?確か3日だ」
『3日……定期任務がないのが幸いだな』
「おお!それはちゃんとおれだって考えたんだぜ。よっと」
『?』
スパンダムはそう言うと立ち上がる。その行動にルンぺンは目を丸くした。
「じゃあ、ルンぺン。後は頼んだ!」
『!何を言って……』
「あきたんだ。子供って最初はいいけど今はいらねェな。おれはやっぱ仕事に専念しねェとな」
『!』
「部屋はここを使えばいい……おれはルッチの部屋を」
『指銃(シガン)』
ドスッ……!!
「……!!」
部屋を出ようとしたスパンダムの顔のすぐ横の壁にルンぺンの指が突き刺さる。
「……!!!!ちょ…ルンぺンく…ん?」
『逃げる気か……?』
器用にカクを抱えたまま"指銃"をしたルンぺン。スパンダムは恐々と降り向く。
そこにはゴゴゴゴゴ……と音がしそうな程怒りのオーラを出しているルンぺンが見下ろしていた。
"狂人化"一歩手前くらいだ。
「は、早まるな!ルンぺン!!お、おれはCP9長官だぞ!!」
壁に張り付きちょっとでもルンぺンから離れようとするスパンダム。ルンぺンはそんなスパンダムの努力をたった一歩で無に返した。
『おれにその文言は効かない。アンタらはよく知ってるだろ』
「ひっ……ひぃー!!」
スパンダムの悲鳴がエニエス・ロビーにこだました。
【イクメン……?】
『長官、おれは食事の用意をするのでカク達の面倒を見ていてください』
「は、はい!!」
名残惜しそうにするカクをボロボロになったスパンダムに預ける。そしてルンぺンは自分を見るジャブラに目を向けた。
『ジャブラ、手伝ってくれ』
「おう!まかせとけ!」
「おれも手伝う」
『?ルッチ??』
ルッチが進んでルンぺンに歩み寄ってきた。さっきまでの警戒心が消え、目がリンリンと輝いている。
「こいつ、アンタの"指銃"を見て感動したんだと」
『……』
「食事の後教えてくれよ!おれも知りてェ!!」
『……構わない』
「やったー!」
ジャブラとルッチは喜びの声を上げ、キッチンに向かって行った。ルンぺンはその後に続いていたが、ふと足をとめ、振り返る。
『……長官、』
「な、なんだいルンぺンくん…!?」
『カクとカリファを泣かしたら……殺しますから』
「!!」
無表情でルンぺンはそう言うと、黒衣を翻す。スパンダムはガクガクと体を震わせていた。
fin
*************
ルンぺンはCP9メンバーには甘いので、何かあると制裁は全て長官に向きます。
『……』
CP9長官、スパンダムに呼ばれ部屋に訪れたルンぺン。ドアを開けたまではよかったが、ルンぺンは部屋に入るのを躊躇していた。
「うわーん!!」
「おいおい、泣くなカク!ほら、抱っこしてやるって言ってんだ狼牙!!」
「やじゃー!うわーん!!」
「泣かないで、カク」
「はぁ……。泣き虫が」
『……』
長官室はいつから託児所になったのだろうか、そんなことがルンぺンの頭を過る。しかもよく見たらその子供達はカクとカリファ、ルッチにジャブラだ。
「お~!!ルンぺン遅いじゃねェか!!」
ドアから視線を感じ、振り返ったスパンダムは助かったと安堵の声をあげる。その手には子供をあやすのに使うガラガラと音の鳴るおもちゃが握られていた。
ルンぺンはため息をつく。
『……長官、状況の説明を』
「?おお!!」
…………………
…………
「と、言う訳だ!!」
『……』
ルンぺンは愕然としていた。
『つまり、アナタが盛ったのか?ペガパンクの試作品をアイツらに』
「盛ったとは人聞きの悪ィな!ちゃんと話を聞いてたのか、ルンぺン!!言ってんだろう!おれだって将来は家庭を持つことになる。
当然子供を持つことになるじゃねェか!だからそん時に困らねェように今から実践しようと思っただけだ!」
『……』
「ちなみに約20歳若返る優れもんだ!」
『……』
ルンぺンは目の前の男に心底呆れていた。公私混同どころじゃない。CP最高戦力のCP9を自ら弱体化させて何を考えているのか、思慮に苦しむ。
『(……確か、ブルーノ達は任務だったな)』
CP9内で事を納めたいルンぺンは頭を抱えた。
「んー!!んー!!」
「お?なんだ。あの白髪の野郎がいいのか?」
幼いカクを抱きかかえていたジャブラは、ルンぺンに手を伸ばすカクの行動を見てそう言う。
「なぁ、アンタ!こいつ抱っこしてやってくんねェ?」
『?……ジャブラ、お前……』
「あん?アンタもおれを知ってんのか?」
『……?』
ルンぺンは眉をひそめる。ジャブラはまるで自分を知らないようだ。その疑問にスパンダムは簡単に答えを出した。
「ああ、記憶も20歳若返るんだ」
『!』
「最終構想は記憶を留めた状態らしいが、まぁ試作だし仕方ないよなァ」
『……』
ルンぺンは閉口する。もう声も掛ける気にもならない。
「んー!!」
『?』
「なぁ、カク頼めねェか?」
「んー!!」
すぐ側まで来ていたジャブラとカク。カクはルンぺンに一生懸命手を伸ばしていた。
『……はぁ』
ルンぺンは小さくため息をつくとジャブラからカクを抱き上げる。カクはギュッとルンぺンの黒衣掴んだ。
「ありがとよ!」
『……構わない』
「ヘヘ……。泣き止みやがった。そんなにソイツがよかったのか??」
「うむ」
「うわ!!ちょっと傷つくだ狼牙!!」
『……』
「あ、あの……」
『カリファか……』
「!」
足下で自分を見上げるカリファ。名を呼ばれびっくりした様だ。
『どうした?』
「ううん……。何もないです」
『?』
顔を真っ赤にさせるカリファ。ルンぺンは怪訝な顔をする。
「カリファ、言いたいことは言わなきゃダメだぞ」
ルッチもいつの間にか足下にいた。そしてカリファを諭しながらもルンぺンを睨みつける。警戒心が剥きだした。
「おーおー!さすがルンぺン!懐かれてんな」
『……。長官、この薬の効果は?』
「ああ?確か3日だ」
『3日……定期任務がないのが幸いだな』
「おお!それはちゃんとおれだって考えたんだぜ。よっと」
『?』
スパンダムはそう言うと立ち上がる。その行動にルンぺンは目を丸くした。
「じゃあ、ルンぺン。後は頼んだ!」
『!何を言って……』
「あきたんだ。子供って最初はいいけど今はいらねェな。おれはやっぱ仕事に専念しねェとな」
『!』
「部屋はここを使えばいい……おれはルッチの部屋を」
『指銃(シガン)』
ドスッ……!!
「……!!」
部屋を出ようとしたスパンダムの顔のすぐ横の壁にルンぺンの指が突き刺さる。
「……!!!!ちょ…ルンぺンく…ん?」
『逃げる気か……?』
器用にカクを抱えたまま"指銃"をしたルンぺン。スパンダムは恐々と降り向く。
そこにはゴゴゴゴゴ……と音がしそうな程怒りのオーラを出しているルンぺンが見下ろしていた。
"狂人化"一歩手前くらいだ。
「は、早まるな!ルンぺン!!お、おれはCP9長官だぞ!!」
壁に張り付きちょっとでもルンぺンから離れようとするスパンダム。ルンぺンはそんなスパンダムの努力をたった一歩で無に返した。
『おれにその文言は効かない。アンタらはよく知ってるだろ』
「ひっ……ひぃー!!」
スパンダムの悲鳴がエニエス・ロビーにこだました。
【イクメン……?】
『長官、おれは食事の用意をするのでカク達の面倒を見ていてください』
「は、はい!!」
名残惜しそうにするカクをボロボロになったスパンダムに預ける。そしてルンぺンは自分を見るジャブラに目を向けた。
『ジャブラ、手伝ってくれ』
「おう!まかせとけ!」
「おれも手伝う」
『?ルッチ??』
ルッチが進んでルンぺンに歩み寄ってきた。さっきまでの警戒心が消え、目がリンリンと輝いている。
「こいつ、アンタの"指銃"を見て感動したんだと」
『……』
「食事の後教えてくれよ!おれも知りてェ!!」
『……構わない』
「やったー!」
ジャブラとルッチは喜びの声を上げ、キッチンに向かって行った。ルンぺンはその後に続いていたが、ふと足をとめ、振り返る。
『……長官、』
「な、なんだいルンぺンくん…!?」
『カクとカリファを泣かしたら……殺しますから』
「!!」
無表情でルンぺンはそう言うと、黒衣を翻す。スパンダムはガクガクと体を震わせていた。
fin
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ルンぺンはCP9メンバーには甘いので、何かあると制裁は全て長官に向きます。