ゼロ
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エースはモビーディック号のビークヘッドに座り、海を眺めていた。
ブロロロロ……!!
「!」
海上、後方からエンジン音が聞こえた。エースは聞き覚えのある音に立ち上がり、急いで縁に乗り出した。
【キミを呼ぶ魔法のコトバ】
「アルト!!」
モビーディッグ号に併走するように走るのは海軍のビローアバイクだ。
『やぁ。"白ひげ海賊団"がこんなとこで何してるんだい?』
アルトは片手で器用にハンドルを握りながら、掛けていたスナイパーグラスを外す。
「お前こそ。何してんだ?」
ニカッと太陽のように笑うエースはアルトの質問をすっ飛ばした。
『先に質問したのは僕だよ』
「いいじゃねェか。なんも悪いことしてねェし」
『"海賊"なのに?』
「海賊にだっていろいろあんだよ」
『いろいろねェ』
エースは足を海の方へ投げ出し、アルトを見下ろした。
「お前だって"海軍"のくせに海賊のおれと話してるじゃねェか」
『……海軍だっていろいろあるんだよ』
「へへっ……」
アルトのオウム返しにエースは頬を緩める。
「そうだアルト、寄ってけよ」
『残念だけど、無理だ。任務中だしね』
「任務って?」
帽子を抑えながら、エースは海上を走るアルトに尋ねる。
『見回り。ああ、そうだ。この海域、離れた方がいいよ。さっき海賊の一団をひとつ壊滅させて来たから、後片付けで軍艦が来る』
「へェ、そりゃスゲェ!なぁ、アルト!ウチに来いよ。歓迎するぜ!」
エースの言葉にアルトは大げさに肩を落とした。
『はぁ……何度言ったらわかるのかな。僕は海軍、海賊になる気はないよ』
「もったいねェ。お前なら隊長になれるぜ」
『……ふーん。キミを押しのけていいの?』
「ハハッ!!そりゃ無理だ。おれの方が強ェからな」
『何を根拠に言ってるの?僕がキミに負けるって』
不機嫌そうな声を上げるアルト。エースは手をヒラヒラと振った。
「まぁまぁ、怒るなよ。なら、一丁手合わせしようぜ」
『……だから任務中だって』
「"海賊"相手なんだから、いいだろ?おれに勝ったらうちのシェフのデザート食わしてやるよ」
『!』
アルトの表情がピクッと動く。どうやら気が向いたらしい。
「まったくおれよりデザート目的かよ」
エースはデザートに嫉妬してる自分に笑う。
『バイク固定するから、ロープ降ろして』
「あいよ」
だが、その言葉のおかげでアルトが船に寄ってくるのは明白なので、利用させてもらうのも悪くない。
「ほんと、魔法のコトバだよな」
『何か言ったかい?』
「いんや、何にも」
『?』
エースはニカッと笑うと、アルトに手を差し出した。
fin
**************
普通に出逢っていたらこんな感じです。この二人はケンカ友達から仲良くなるタイプかなぁ~と思います。
ブロロロロ……!!
「!」
海上、後方からエンジン音が聞こえた。エースは聞き覚えのある音に立ち上がり、急いで縁に乗り出した。
【キミを呼ぶ魔法のコトバ】
「アルト!!」
モビーディッグ号に併走するように走るのは海軍のビローアバイクだ。
『やぁ。"白ひげ海賊団"がこんなとこで何してるんだい?』
アルトは片手で器用にハンドルを握りながら、掛けていたスナイパーグラスを外す。
「お前こそ。何してんだ?」
ニカッと太陽のように笑うエースはアルトの質問をすっ飛ばした。
『先に質問したのは僕だよ』
「いいじゃねェか。なんも悪いことしてねェし」
『"海賊"なのに?』
「海賊にだっていろいろあんだよ」
『いろいろねェ』
エースは足を海の方へ投げ出し、アルトを見下ろした。
「お前だって"海軍"のくせに海賊のおれと話してるじゃねェか」
『……海軍だっていろいろあるんだよ』
「へへっ……」
アルトのオウム返しにエースは頬を緩める。
「そうだアルト、寄ってけよ」
『残念だけど、無理だ。任務中だしね』
「任務って?」
帽子を抑えながら、エースは海上を走るアルトに尋ねる。
『見回り。ああ、そうだ。この海域、離れた方がいいよ。さっき海賊の一団をひとつ壊滅させて来たから、後片付けで軍艦が来る』
「へェ、そりゃスゲェ!なぁ、アルト!ウチに来いよ。歓迎するぜ!」
エースの言葉にアルトは大げさに肩を落とした。
『はぁ……何度言ったらわかるのかな。僕は海軍、海賊になる気はないよ』
「もったいねェ。お前なら隊長になれるぜ」
『……ふーん。キミを押しのけていいの?』
「ハハッ!!そりゃ無理だ。おれの方が強ェからな」
『何を根拠に言ってるの?僕がキミに負けるって』
不機嫌そうな声を上げるアルト。エースは手をヒラヒラと振った。
「まぁまぁ、怒るなよ。なら、一丁手合わせしようぜ」
『……だから任務中だって』
「"海賊"相手なんだから、いいだろ?おれに勝ったらうちのシェフのデザート食わしてやるよ」
『!』
アルトの表情がピクッと動く。どうやら気が向いたらしい。
「まったくおれよりデザート目的かよ」
エースはデザートに嫉妬してる自分に笑う。
『バイク固定するから、ロープ降ろして』
「あいよ」
だが、その言葉のおかげでアルトが船に寄ってくるのは明白なので、利用させてもらうのも悪くない。
「ほんと、魔法のコトバだよな」
『何か言ったかい?』
「いんや、何にも」
『?』
エースはニカッと笑うと、アルトに手を差し出した。
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普通に出逢っていたらこんな感じです。この二人はケンカ友達から仲良くなるタイプかなぁ~と思います。