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前回、アルトの勘違いにより"友達"の烙印を押されてしまったドレークとスモーカー。その噂はすでに海軍本部の隅々にまで広まっていた。
「(あのスモーカーより一歩上に行くには、やはり……)」
本部の廊下を歩くドレークはある決意の下、青キジの部屋に向かっていた。仕事中にこんなことが出来るのも部下達のおかげだ。
「(やりたくねェが、あいつに勝つにはこれ以外に方法がねェ……)」
反対の廊下を歩くのはスモーカー。彼は腹心であるたしぎの勧めで青キジの下へ向かう。たしぎ曰く、アルトが一番信頼しているのは"後見人"である青キジなのだ。
「「あ……」」
青キジの執務室の前にたどり着いた時、ドレークとスモーカーは出会った。
「……やぁ、奇遇だな。スモーカー」
「ああ……アンタ仕事じゃねェのか」
「今日の分は部下がしてくれるんだ。お前も仕事中だろ?」
「おれはデスクワークはしない派なんでね」
スモーカーはそう言うと青キジの部屋のドアに手をかける。ドレークは慌てた。
「スモーカー……!?青キジさんに、な…何の用だ?」
「……てめェには関係ねェだろ」
「おれも青キジさんに用があるんだ」
「!何の用だ……?」
「言う必要はない、のだろう?」
「「……!!」」
バチバチと火花が散る。青キジ部屋の前を通り過ぎる海兵達はその不穏な空気にその場から逃げ出した。
ガラガラガラ
「誰だ?おれの部屋の前で騒いでんのは??」
目を擦りながらドアから顔を出した青キジ。どうやら寝起きのようだ。
「「!」」
「あらら、ドレーク。それにスモーカーじゃない」
青キジは覚醒したのか。珍しい客人達に目を丸くする。
「何?お前ら二人してどうしたの?」
「あ、いや……」
「これはたまたまだ……」
突然の青キジの登場にドレークとスモーカーは混乱していた。しかし互いが互いを改めて認知した瞬間、負けたくないという感情が湧き上がる。
同時に今言うしかないという結論に両方が達する。
「青キジさん……!!」
「大将……!!」
「?」
「アルトをおれにください……!!」
「アルトをおれにくれ……!!」
―――間
「まぁ、とりあえず茶でも飲めや」
二人を部屋に招いた青キジそう言うと、粗茶を出す。二人はその茶をズズッと飲んだ。
「で。お前らさっきのはマジで言ってんの?」
「はい」
「おう」
「……ん~」
青キジは頭をボリボリと掻く。
「そんなのはおれじゃなくアルトに言うべきじゃねェの?」
「何度も言ってます」
「だが、あいつは気づかねェんだよ」
「……まぁ、そうか。(アルトはそう言うのには鈍感ってだし、前提として気づいていない)……あいつ仕事熱心だしねェ」
「「……」」
神妙な顔をしたドレークとスモーカーに青キジは苦笑した。
「で、"後見人"であるおれのお墨付きが欲しいと」
「はい……!」
「ああ」
「おれがOK出したからってアルトが首を縦に振るとは限らんよ」
「「うっ……」」
「でもまぁ、口添えはしてやらない訳でもない」
青キジの言葉で二人の顔は明るくなる。青キジはコーヒーを飲んだ。
「ただし、条件がある」
「!」
「!……なんですか?」
「おれの部下になれ」
「「!!?」」
「なぁにずっとじゃねェよ。数日でいい。あいつがおれの下でどんな仕事をしてるか経験しろってこと。アルトがいる職場だし悪くない話だろ?
その間おれはお前らの働きぶりを見てアルトにふさわしい方にお墨付きをつけてやるよ」
「「……」」
二人は互いの動向を確かめながら、頷いた。青キジはニヤッと笑う。
「まぁ、がんばりなさいな」
数日後……
『ただいま~』
ガラッと青キジの部屋に入って来たアルト。青キジはちょうど茶を入れていた所らしく、立ってアルトを出迎えた。
「おう、アルトおかえり~♪おつるさんの講義楽しかったか?」
『ああ、すごく楽しかった。キミとはまた違う戦略の組み方を教わったんだ』
「そりゃよかった」
青キジはアルトの頭を撫でる。アルトはそれを受けながら、ふと机に顔を向けた。
『あれ……?』
「?なんだ??」
『クザンクン。僕、今日までの書類があったから急いで帰って来たんだけど……あれだけ溜まってた書類はどうしたんだい?』
アルトは綺麗になっている机を指さす。心底不思議だと言わんばかりの態度だ。青キジはニコッと笑う。
「終わらせたんだ。ついでに来週分までな」
『来週分も!?本当に……!!?』
「ああ。たまにはアルトを楽させねェとな」
『たまには……か。いつもそうだといいんだけど。でも見直したよ、クザンクン』
「ありがとよ」
ガララ……ピシャッ!!
「「大将!!……ってアルト!?」」
ドアを開けた途端、驚きの声を上げるドレークとスモーカー。なぜか二人はボロボロだ。アルトはいつも通りの表情を二人に向ける。
『ドレーククンにスモーカークン?久しぶりだね。クザンクンに用かい?』
「「あ……ああ」」
『じゃあ、お茶を入れようか?それとも席を外そうか?』
「いや…――じゃなくて!!アルト!お前、今までどこにいたんだ?」
「この5日間てめェを一度も見てねェぞ」
『??この5日間?僕、おつるサンのとこに出向してたんだけど……』
「「!!?」」
二人は一瞬ギロッと青キジを睨んだ。青キジは涼しげにスルーする。
『何かあったのかい?』
「実はな、アルト。こいつら"ボランティア"でおれの仕事を手伝ってくれたんだ。後ろの書類片づけるのを・・・な」
青キジは二人にニヤッと笑う。いたずら心が顔を覗かせていた。
『本当かい!?ありがとう!すごく助かるよ』
「「!!……ああ」」
アルトの嬉しそうな声に二人は自然に頬がゆるむ。しかしそのゆるみは次の青キジの言葉で引き締まることになる。
「だが、結果は先延ばしだな。まだまだダメ、おれの目には敵わん」
「「なっ!!?」」
『結果…??敵うって??』
「何もないよ」
青キジはそういうと二人の前でアルトを後ろから抱きしめた。
「「!!」」
『??』
「お前ら考えが甘いよ。おれがそう簡単にお墨付きをやる訳ねェだろ」
「「!!」」
ベーッと舌を出す青キジ。その表情を見て二人は確信する。
「(こいつ……!!)」
「(まさか青キジさんまでもが……!!!)」
二人に向けられた目に見えぬ火花。ドレークとスモーカーはここに最も巨大な敵がいることを知った。
【伏兵現る……!!】
(おいおい、なんか青キジの部屋からドス黒いオーラが出てないか……??)
(殺気だよな、あれ…)
(なぁ、誰か青キジさんにこの書類渡しに行ってくれない?)
(((無理無理無理……!!)))
(それより黄猿さんか赤犬さんを呼んで来ようぜ)
(((それ賛成!!)))
fin
************
伏兵現る。青キジだって立派なライバルなんです。
「(あのスモーカーより一歩上に行くには、やはり……)」
本部の廊下を歩くドレークはある決意の下、青キジの部屋に向かっていた。仕事中にこんなことが出来るのも部下達のおかげだ。
「(やりたくねェが、あいつに勝つにはこれ以外に方法がねェ……)」
反対の廊下を歩くのはスモーカー。彼は腹心であるたしぎの勧めで青キジの下へ向かう。たしぎ曰く、アルトが一番信頼しているのは"後見人"である青キジなのだ。
「「あ……」」
青キジの執務室の前にたどり着いた時、ドレークとスモーカーは出会った。
「……やぁ、奇遇だな。スモーカー」
「ああ……アンタ仕事じゃねェのか」
「今日の分は部下がしてくれるんだ。お前も仕事中だろ?」
「おれはデスクワークはしない派なんでね」
スモーカーはそう言うと青キジの部屋のドアに手をかける。ドレークは慌てた。
「スモーカー……!?青キジさんに、な…何の用だ?」
「……てめェには関係ねェだろ」
「おれも青キジさんに用があるんだ」
「!何の用だ……?」
「言う必要はない、のだろう?」
「「……!!」」
バチバチと火花が散る。青キジ部屋の前を通り過ぎる海兵達はその不穏な空気にその場から逃げ出した。
ガラガラガラ
「誰だ?おれの部屋の前で騒いでんのは??」
目を擦りながらドアから顔を出した青キジ。どうやら寝起きのようだ。
「「!」」
「あらら、ドレーク。それにスモーカーじゃない」
青キジは覚醒したのか。珍しい客人達に目を丸くする。
「何?お前ら二人してどうしたの?」
「あ、いや……」
「これはたまたまだ……」
突然の青キジの登場にドレークとスモーカーは混乱していた。しかし互いが互いを改めて認知した瞬間、負けたくないという感情が湧き上がる。
同時に今言うしかないという結論に両方が達する。
「青キジさん……!!」
「大将……!!」
「?」
「アルトをおれにください……!!」
「アルトをおれにくれ……!!」
―――間
「まぁ、とりあえず茶でも飲めや」
二人を部屋に招いた青キジそう言うと、粗茶を出す。二人はその茶をズズッと飲んだ。
「で。お前らさっきのはマジで言ってんの?」
「はい」
「おう」
「……ん~」
青キジは頭をボリボリと掻く。
「そんなのはおれじゃなくアルトに言うべきじゃねェの?」
「何度も言ってます」
「だが、あいつは気づかねェんだよ」
「……まぁ、そうか。(アルトはそう言うのには鈍感ってだし、前提として気づいていない)……あいつ仕事熱心だしねェ」
「「……」」
神妙な顔をしたドレークとスモーカーに青キジは苦笑した。
「で、"後見人"であるおれのお墨付きが欲しいと」
「はい……!」
「ああ」
「おれがOK出したからってアルトが首を縦に振るとは限らんよ」
「「うっ……」」
「でもまぁ、口添えはしてやらない訳でもない」
青キジの言葉で二人の顔は明るくなる。青キジはコーヒーを飲んだ。
「ただし、条件がある」
「!」
「!……なんですか?」
「おれの部下になれ」
「「!!?」」
「なぁにずっとじゃねェよ。数日でいい。あいつがおれの下でどんな仕事をしてるか経験しろってこと。アルトがいる職場だし悪くない話だろ?
その間おれはお前らの働きぶりを見てアルトにふさわしい方にお墨付きをつけてやるよ」
「「……」」
二人は互いの動向を確かめながら、頷いた。青キジはニヤッと笑う。
「まぁ、がんばりなさいな」
数日後……
『ただいま~』
ガラッと青キジの部屋に入って来たアルト。青キジはちょうど茶を入れていた所らしく、立ってアルトを出迎えた。
「おう、アルトおかえり~♪おつるさんの講義楽しかったか?」
『ああ、すごく楽しかった。キミとはまた違う戦略の組み方を教わったんだ』
「そりゃよかった」
青キジはアルトの頭を撫でる。アルトはそれを受けながら、ふと机に顔を向けた。
『あれ……?』
「?なんだ??」
『クザンクン。僕、今日までの書類があったから急いで帰って来たんだけど……あれだけ溜まってた書類はどうしたんだい?』
アルトは綺麗になっている机を指さす。心底不思議だと言わんばかりの態度だ。青キジはニコッと笑う。
「終わらせたんだ。ついでに来週分までな」
『来週分も!?本当に……!!?』
「ああ。たまにはアルトを楽させねェとな」
『たまには……か。いつもそうだといいんだけど。でも見直したよ、クザンクン』
「ありがとよ」
ガララ……ピシャッ!!
「「大将!!……ってアルト!?」」
ドアを開けた途端、驚きの声を上げるドレークとスモーカー。なぜか二人はボロボロだ。アルトはいつも通りの表情を二人に向ける。
『ドレーククンにスモーカークン?久しぶりだね。クザンクンに用かい?』
「「あ……ああ」」
『じゃあ、お茶を入れようか?それとも席を外そうか?』
「いや…――じゃなくて!!アルト!お前、今までどこにいたんだ?」
「この5日間てめェを一度も見てねェぞ」
『??この5日間?僕、おつるサンのとこに出向してたんだけど……』
「「!!?」」
二人は一瞬ギロッと青キジを睨んだ。青キジは涼しげにスルーする。
『何かあったのかい?』
「実はな、アルト。こいつら"ボランティア"でおれの仕事を手伝ってくれたんだ。後ろの書類片づけるのを・・・な」
青キジは二人にニヤッと笑う。いたずら心が顔を覗かせていた。
『本当かい!?ありがとう!すごく助かるよ』
「「!!……ああ」」
アルトの嬉しそうな声に二人は自然に頬がゆるむ。しかしそのゆるみは次の青キジの言葉で引き締まることになる。
「だが、結果は先延ばしだな。まだまだダメ、おれの目には敵わん」
「「なっ!!?」」
『結果…??敵うって??』
「何もないよ」
青キジはそういうと二人の前でアルトを後ろから抱きしめた。
「「!!」」
『??』
「お前ら考えが甘いよ。おれがそう簡単にお墨付きをやる訳ねェだろ」
「「!!」」
ベーッと舌を出す青キジ。その表情を見て二人は確信する。
「(こいつ……!!)」
「(まさか青キジさんまでもが……!!!)」
二人に向けられた目に見えぬ火花。ドレークとスモーカーはここに最も巨大な敵がいることを知った。
【伏兵現る……!!】
(おいおい、なんか青キジの部屋からドス黒いオーラが出てないか……??)
(殺気だよな、あれ…)
(なぁ、誰か青キジさんにこの書類渡しに行ってくれない?)
(((無理無理無理……!!)))
(それより黄猿さんか赤犬さんを呼んで来ようぜ)
(((それ賛成!!)))
fin
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伏兵現る。青キジだって立派なライバルなんです。