渡り鳥
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キィンキィンキィン……!!
二つの金属音が交わる。刃と硬い金属で出来た銃がぶつかりあっているのだ。
「今日こそは大人しく、捕まってもらうぞ……アルト!!」
『しつこい人は"キラワレル"って言葉聞いたことあるかい?―――ドレーク少将殿』
「フン!」
ガキィン…!!
濃い金髪を後ろに流し、十字の傷がある海軍本部少将、X・ドレークは今まさに刃を交えている海賊に重い一撃を与えた。
―――が……
『……相変わらず、痛そうな一発だね』
「!」
ドレークの一撃は"ゼロ海賊団船長"ノティ・アルトが出した透明なピースに阻まれる。威力が無効にされた。
『でも、大技は止めれれば大きいよね。――"退屈(モノトナス)"』
ガチャ…バンバン!
アルトは透明な盾を消すと、ドレークの額に銃を押し当て引き金を引く。
「……グルルル……!!」
唸り、アルトから距離を置くドレーク。恐竜への半獣化で額への衝撃を防いだ。
『ん~。相変わらず堅いな、恐竜って』
「………能力を使う気はなかった…」
『先に僕に能力を使わせたんだから、いいじゃないか……――って!!』
ヒュン…!!
アルトは音する右側に目を向ける。巨大な矢が襲って来ていた。
『チッ…!!"聖域(ジ・ハード)"!!!』
アルトはとっさに、自身を囲うようにピースを組み立てた。
ドーン……!!
「!」
『……』
巨大な矢はアルトの盾に沿うように放射状に広がった。その矢の材質は"紙"……。アルトはため息をつく。
『参ったな……今日はドレーククンだけじゃないんだ』
ポツリと呟くアルト。その耳にゆったりとした足音を立てながら海軍本部少将、クロスロード・ジンが現れた。
『お見事です。"ゼロ海賊団船長"、ノティ・アルトさん』
ニコッと嫌みのない綺麗な笑顔をみせるジン。アルトは頭をポリポリとかく。
『…どうも。でも、まさかキミまで来てるとは、予想外なんだけど』
『"策士"である貴方の予想の上をいけたとは…誇らしいです』
『ん~……相変わらず、流すねェ』
「ジン!」
『ああ、ドレーク。すみません、少々遅くなりました』
「構わん。足止めはしておいた」
『なるほど…共闘か。キミ達仲がいいんだね』
『フフ。ドレークがどうしても貴方を捕えたいそうですので、お手伝いを』
「ジン!いらないことを言うな!」
『おや、これは失礼しました。ああ、もちろん、僕も貴方を捕まえたいと思っていますよ』
『ん~海兵にモテるのはあんまり嬉しくないんだけどなァ』
『そうですか?僕らは貴方が大好きですよ。大人しく捕まって頂ければなおのこと…ですが』
『それ、本気で言ってるのかい?』
『もちろん。冗談です』
ニコッと微笑むジン。アルトは肩をすくめた。
『困ったな…僕はキミが苦手なの知ってるよね』
『ええ、存じております』
「だからこそ、ジンに手を借りたんだ。アルト、海軍本部少将の名において今日こそ捕まってもらう!!!」
『ええ、ドレーク。世界に吉報を持って帰りましょう』
アルトの前に立ちはだかるジンとドレーク。アルトはフッと空を見上げた。
『……戸惑いこそが人生か……レイリーさんの言う通りだな』
空を見上げるのをやめたアルトは完全防御からピース組み換え自身の周りに浮かべる。
『仕方ない、久々に本気を出そう』
「ああ、そうするがいい。処刑台で後悔しないように…な!!」
『僕らも全力でお相手します。さぁ、派手に参りましょう…!!』
『……ああ、そうだね。せっかくだから今日という人生を楽しむとしようか』
アルトは盾を消すと銃を抜く。ドレークとジンは同時に駆け出した。
fin
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前回に続き海軍ジンと海賊アルトでした。立場入れ替えが人気なのはなんだか不思議で面白いですねww