べビーシッター
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「ああ。頼めるかい?」
『構いませんが…』
「じゃあ、例の会議室にいるから頼んだよ」
そう言うと海軍本部の大参謀つるはジンを送り出した。
【ベビーシッター】
ここはマリンフォード。ジンはひょんなことからこの仕事を請け負うことになった。
『(軍に託児所があるとは知りませんでしたね)』
ジンはシルクハットをなおしながら、ふむっと息をつく。
『まぁ、請け負った限りは頑張りましょう』
そう自分に言い聞かせると、ジンはドアを開けた。
「待て待てー!!」
「寄るんじゃねェよ」
『おっと』
中に入った直後、ジンの目の前を砂ぽいのとピンクのもふもふが通り過ぎた。
『元気ですね』
ジンは元気に走り回る二人を見て、ほほ笑む。
「貴様、何者だ」
『?』
ジンに視線を下に落とす。そこにはずるずると“黒刀”を引きずって歩いてくる子供が一人。
『(“鷹の目”さんに似てますね)』
ジンはそう思いながら、子供の視線に合わすため屈む。そしてニコッ笑った。
『はじめまして、僕はジンと申します。貴方のお名前をお聞きしてもいいですか?』
「うむ。おれはミホークだ」
『ミホークくんですね、よろしくお願いします』
「うむ」
『ところでミホークくん。その大きな刀はどうされたんですか?』
「む。これは我が黒刀“夜”だ」
『…そうなんですか。しかし、そうやって引きずっているのは危ないですよ』
ジンはそういうと失礼しますねっと“黒刀”を手に取る。
「ダメだ。返せ…!!」
『安全な場所へ置いておくだけです。このまま引きずっていたら、他のお友達が怪我をしてしまうかもしれません。それは悲しいことですよね?』
「…うむ」
『だから少しの間ここに置かせてください』
ジンはそういうと“黒刀”を安全な場所に置いた。
ミホークを見ると手持ち無沙汰なのか手をワキワキと動かしていた。
『ミホークくん、僕の右手を見て下さい』
「?」
ジンは手のひらをミホークに見せる。何もないことを確認させた後、ぐっと手を握った。
ポンッ
「!?」
その音と共にジンの右手にはペロペロキャンディーが現れた。ミホークは驚き、目を見張る。
『刀の代わりにはならないかもしれませんが……』
「くれるのか…!!」
『ええ』
ジンは笑顔でミホークにペロペロキャンディーを手渡す。ミホークはキラキラした目をジンに向けた。
「ジンは魔法使いなんだな」
『フフ…そうかもしれませんね』
嬉しそうにペロペロキャンディーを眺めるミホーク。その頭をジンは優しく撫でた。
「あ、ミポたんがなんかもらってる!!」
ピンクのもふもふがミホークに向かって走ってくる。ミホークはそれをヒラリと避けた。
ピンクのもふもふは勢いのまま、ズドーンと転ぶ。
「これはやらんぞ、ミンゴ。ジンがくれたんだ」
「……ひどい」
『大丈夫ですか!?』
ジンは転んだピンクのもふもふこと、ミンゴを急いで起こす。
『(このピンクのもふもふどこかで……)』
「お前だれだよ…!!」
ミンゴはジンを睨み付ける。サングラス越しなので確証はないようだが、泣きそうになっているようだ。
『僕のことはジンと呼んで下さい。それよりもミンゴくん、ケガはありませんか?』
ミンゴはキュウッと口を噤んだ後、言った。
「……っ。ひざ、いたい…」
『見せて下さい』
ミンゴは膝をジンに見せる。擦っただけだが、少し血が滲んでいた。
『この程度なら問題ありませんね』
ジンはそういうと水に塗らした清潔な紙で優しく膝を拭く。
「…いたっ!!」
『もう少し我慢して下さい。あとは絆創膏の代わりに…』
そういうとジンは指から包帯くらいの柔らかい紙を精製する。
「!」
「また魔法だ…!!」
それを見たミンゴはびっくりし、ミホークは目を輝かせる。
ジンはその包帯をミンゴの膝に巻いた。
『はい。終わりましたよ。動いても取れないのでまた遊んで下さいね』
「……お、おう。お前スゲェな!!」
「やはり魔法なんだな!!」
ジンはクスクスと笑みを溢す。
『……!?』
ふと、砂っぽい気配と共にジンとミホーク・ミンゴの間に現れた。
「ケッ…何が魔法だ…!魔法使いなんていねェんだよ…!!」
「クロコ!!」
「クロコちゃん!!」
さらさらとした砂から現れたのは顔に傷、右手は鉤爪の子供。
『(……砂…?)』
「おれは騙されねェぞ。お前はなんかの能力者なんだ」
鉤爪を向けられるジンは少し苦笑した。
「ほら、何も言えねェじゃねェか!お前はおれ達をだます気なんだ!!」
「だが、クロコ。ジンは何もないところからキャンディーを出したぞ」
「この包帯も、何もないところから出してた」
「え……」
クロコはミホークとミンゴの言葉に動揺する。そして二人とジンを交互に見た。
ジンはクスッと笑う。
『ではクロコくんにも魔法を見せてあげましょう』
「!?」
『そうですね。何か欲しい物はありますか?』
「うっ……」
『何でもいいですよ』
ジンは優しくクロコに尋ねる。クロコは疑いながらも期待を持った目でジンを見た。
「……じゃあ、バナナワニのぬいぐるみ」
『バナナワニ……』
ジンは胸に手を当てて検索する。
『なるほど、アラバスタ近くに生息するワニさんですね』
「!!なんでそれを」
『では、クロコくんが持てる大きさのバナナワニさんにしましょう』
ジンはそういうとシルクハットを脱ぎ、床に置く。
『では、クロコくん。右手をシルクハットの上に置いてくれますか?』
「?……」
クロコは恐る恐る手を置く。
『では、一緒にバナナワニさんが現れるようにお願いして下さい』
「え…」
『しっかりお願いして下さいね。そうしないとバナナワニさんは現れません』
「………(バナナワニ、バナナワニ…)」
『……』
ジンはクロコが願っているのを見ながら手を前に出し、パチンッと鳴らす。
「「「………」」」
一瞬の沈黙。一同が見守る中、シルクハットがピクッと動いた。
「!?」
クロコはびっくりして、シルクハットから手を離す。するとシルクハットは床をのそのそと動き出した。
「動いてるぞ!!」
「おお!!」
『クロコくん。シルクハットを上げてみましょうか』
「……」
クロコは動くシルクハットを止め、筒の部分を持ち上げた。
「「「!!!」」」
シルクハットの中から小さなバナナワニが現れた。小さなバナナワニはヨチヨチと歩く。
そしてクロコの足元に来た。クロコはバナナワニを拾い、ジンを見る。
「…魔法……」
ジンはその言葉を聞いてニコッと笑った。
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『構いませんが…』
「じゃあ、例の会議室にいるから頼んだよ」
そう言うと海軍本部の大参謀つるはジンを送り出した。
【ベビーシッター】
ここはマリンフォード。ジンはひょんなことからこの仕事を請け負うことになった。
『(軍に託児所があるとは知りませんでしたね)』
ジンはシルクハットをなおしながら、ふむっと息をつく。
『まぁ、請け負った限りは頑張りましょう』
そう自分に言い聞かせると、ジンはドアを開けた。
「待て待てー!!」
「寄るんじゃねェよ」
『おっと』
中に入った直後、ジンの目の前を砂ぽいのとピンクのもふもふが通り過ぎた。
『元気ですね』
ジンは元気に走り回る二人を見て、ほほ笑む。
「貴様、何者だ」
『?』
ジンに視線を下に落とす。そこにはずるずると“黒刀”を引きずって歩いてくる子供が一人。
『(“鷹の目”さんに似てますね)』
ジンはそう思いながら、子供の視線に合わすため屈む。そしてニコッ笑った。
『はじめまして、僕はジンと申します。貴方のお名前をお聞きしてもいいですか?』
「うむ。おれはミホークだ」
『ミホークくんですね、よろしくお願いします』
「うむ」
『ところでミホークくん。その大きな刀はどうされたんですか?』
「む。これは我が黒刀“夜”だ」
『…そうなんですか。しかし、そうやって引きずっているのは危ないですよ』
ジンはそういうと失礼しますねっと“黒刀”を手に取る。
「ダメだ。返せ…!!」
『安全な場所へ置いておくだけです。このまま引きずっていたら、他のお友達が怪我をしてしまうかもしれません。それは悲しいことですよね?』
「…うむ」
『だから少しの間ここに置かせてください』
ジンはそういうと“黒刀”を安全な場所に置いた。
ミホークを見ると手持ち無沙汰なのか手をワキワキと動かしていた。
『ミホークくん、僕の右手を見て下さい』
「?」
ジンは手のひらをミホークに見せる。何もないことを確認させた後、ぐっと手を握った。
ポンッ
「!?」
その音と共にジンの右手にはペロペロキャンディーが現れた。ミホークは驚き、目を見張る。
『刀の代わりにはならないかもしれませんが……』
「くれるのか…!!」
『ええ』
ジンは笑顔でミホークにペロペロキャンディーを手渡す。ミホークはキラキラした目をジンに向けた。
「ジンは魔法使いなんだな」
『フフ…そうかもしれませんね』
嬉しそうにペロペロキャンディーを眺めるミホーク。その頭をジンは優しく撫でた。
「あ、ミポたんがなんかもらってる!!」
ピンクのもふもふがミホークに向かって走ってくる。ミホークはそれをヒラリと避けた。
ピンクのもふもふは勢いのまま、ズドーンと転ぶ。
「これはやらんぞ、ミンゴ。ジンがくれたんだ」
「……ひどい」
『大丈夫ですか!?』
ジンは転んだピンクのもふもふこと、ミンゴを急いで起こす。
『(このピンクのもふもふどこかで……)』
「お前だれだよ…!!」
ミンゴはジンを睨み付ける。サングラス越しなので確証はないようだが、泣きそうになっているようだ。
『僕のことはジンと呼んで下さい。それよりもミンゴくん、ケガはありませんか?』
ミンゴはキュウッと口を噤んだ後、言った。
「……っ。ひざ、いたい…」
『見せて下さい』
ミンゴは膝をジンに見せる。擦っただけだが、少し血が滲んでいた。
『この程度なら問題ありませんね』
ジンはそういうと水に塗らした清潔な紙で優しく膝を拭く。
「…いたっ!!」
『もう少し我慢して下さい。あとは絆創膏の代わりに…』
そういうとジンは指から包帯くらいの柔らかい紙を精製する。
「!」
「また魔法だ…!!」
それを見たミンゴはびっくりし、ミホークは目を輝かせる。
ジンはその包帯をミンゴの膝に巻いた。
『はい。終わりましたよ。動いても取れないのでまた遊んで下さいね』
「……お、おう。お前スゲェな!!」
「やはり魔法なんだな!!」
ジンはクスクスと笑みを溢す。
『……!?』
ふと、砂っぽい気配と共にジンとミホーク・ミンゴの間に現れた。
「ケッ…何が魔法だ…!魔法使いなんていねェんだよ…!!」
「クロコ!!」
「クロコちゃん!!」
さらさらとした砂から現れたのは顔に傷、右手は鉤爪の子供。
『(……砂…?)』
「おれは騙されねェぞ。お前はなんかの能力者なんだ」
鉤爪を向けられるジンは少し苦笑した。
「ほら、何も言えねェじゃねェか!お前はおれ達をだます気なんだ!!」
「だが、クロコ。ジンは何もないところからキャンディーを出したぞ」
「この包帯も、何もないところから出してた」
「え……」
クロコはミホークとミンゴの言葉に動揺する。そして二人とジンを交互に見た。
ジンはクスッと笑う。
『ではクロコくんにも魔法を見せてあげましょう』
「!?」
『そうですね。何か欲しい物はありますか?』
「うっ……」
『何でもいいですよ』
ジンは優しくクロコに尋ねる。クロコは疑いながらも期待を持った目でジンを見た。
「……じゃあ、バナナワニのぬいぐるみ」
『バナナワニ……』
ジンは胸に手を当てて検索する。
『なるほど、アラバスタ近くに生息するワニさんですね』
「!!なんでそれを」
『では、クロコくんが持てる大きさのバナナワニさんにしましょう』
ジンはそういうとシルクハットを脱ぎ、床に置く。
『では、クロコくん。右手をシルクハットの上に置いてくれますか?』
「?……」
クロコは恐る恐る手を置く。
『では、一緒にバナナワニさんが現れるようにお願いして下さい』
「え…」
『しっかりお願いして下さいね。そうしないとバナナワニさんは現れません』
「………(バナナワニ、バナナワニ…)」
『……』
ジンはクロコが願っているのを見ながら手を前に出し、パチンッと鳴らす。
「「「………」」」
一瞬の沈黙。一同が見守る中、シルクハットがピクッと動いた。
「!?」
クロコはびっくりして、シルクハットから手を離す。するとシルクハットは床をのそのそと動き出した。
「動いてるぞ!!」
「おお!!」
『クロコくん。シルクハットを上げてみましょうか』
「……」
クロコは動くシルクハットを止め、筒の部分を持ち上げた。
「「「!!!」」」
シルクハットの中から小さなバナナワニが現れた。小さなバナナワニはヨチヨチと歩く。
そしてクロコの足元に来た。クロコはバナナワニを拾い、ジンを見る。
「…魔法……」
ジンはその言葉を聞いてニコッと笑った。
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