等価交換
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『フンフ~ン♪♪フン♪♪』
トントントントン
軽快な鼻唄を奏でながら包丁を走らせるアルト。
キッドはその背中を見て、怪訝な声を出す。
「お前……何してんだ?」
『ん?料理だよ』
と、アルト後ろを振り返ることもなく返事をし、切った野菜や肉を火にかけたフライパンに入れた。
「そうそう料理な……じゃねェ!!てめェ、勝手に船に乗ってくんな!!しかも厨房まで使ってんじゃねェよ」
キッドは暢気なアルトに突っ込みを入れる。しかしアルトは平然と言った。
『キラークンには借りるって言った』
「はぁ!?」
アルトの言葉にキッドに呆れた。
「(キラーの奴、またおれの許可なく……)」
キラーを含めたクルーはキッドを置いて街へ出ている。つまり今はアルトと二人っきりだ。
「……にしても」
美味しそうな匂いがキッドの鼻を掠める。テーブルにはアルトが作ったらしい料理が並べられていた。
「お前……料理出来るんだな」
『うん。クザンクンやロールクン達にも食べてもらってるけど、結構評判いいよ』
「へェ……」
『まぁ、座って。お酒は飲む?』
「おお…。ってここはおれの船だ…!!って。はぁ……」
突っ込むのも疲れたキッドは大人しく座敷に座る。
アルトはグラスを持ってくると、キッドの隣に座った。
『はい、キッドクン』
「……ああ」
アルトはグラスに酒を注ぐ。
『食べて。たぶんおいしいから』
「……おう」
アルトに促されキッドは食事に手をつけ始めた。
「うめェ……!!」
アルトの料理を一口食べたキッドは目を見張る。
『それは良かった』
アルトは嬉しそうな声を出した。キッドは箸を進めながら話す。
「いつも菓子ばっかり食ってて普通の食事には縁がねェ奴だと思ったが……」
『僕は作るだけ。食べるのは周りだよ』
「はぁ?なんで食わねェんだ?」
『味見だけでお腹一杯になるんだ』
「……。この味付けは、習ったのか?」
『うん。本部のコックに味見してもらいながら……ね』
「?」
アルトはゆっくりと瞬きをする。ウトウトしてるように見えた。
「おい、どうした??」
『ん……ちょっと眠くなった。膝借りるよ』
「はあ!?」
そう言うと、ゴロンッとキッドの膝の上に頭を乗せた。
「おい!何して」
『膝枕……』
「見りゃわかる」
『気にしないで、ごはん食べてていいよ』
「いや、気にすんなっつっても。気になるだろ」
『少しだけだから。ああ、海軍は海賊に借りを作っちゃいけないって言われたから、そのご飯で許して……ね』
アルトはそう言うと目を瞑る。まもなくスースーと寝息を立て始めた。
「おい……ってもう寝てやがる」
キッドはため息をつく。仕方なく、アルトの料理を食べた。
『……』
「借りを作らねェってのはわかるが、海軍が海賊の膝で気持ちよさそうに寝るなっての」
モグモグと口に料理を詰め込みながら言う。相当おいしいらしい。
「(でも、こいつが自分から寄って来るって珍しくないか……?)・・・・・・あ」
キッドはこの状況を考えながら料理を平らげ、アルトを見下ろした。
「……まさか、これ甘えてんのか??」
『……』
「……」
スヤスヤと眠りにつくアルトの頭をくしゃっと撫でる。
『ん……』
アルトはくすぐったそうに頭を動かすが、起きることはない。
「猫みてェ……」
キッドはもう一度アルトの頭を撫でる。アルトは気持ちよさそうだ。
『……んん』
「(やべっかわいい……!!)」
キッドは口元を押さえる。にやけ顔を止まらなかった。
【等価交換】
「キッドー、帰ってき……」
「“反発 ”!!」
ドゴッ!!
「ぐはっ!!?キッ……キッド…なんのつも…」
「静かにしろ!!今、寝てんだ!!」
「え……??誰が??」
fin
トントントントン
軽快な鼻唄を奏でながら包丁を走らせるアルト。
キッドはその背中を見て、怪訝な声を出す。
「お前……何してんだ?」
『ん?料理だよ』
と、アルト後ろを振り返ることもなく返事をし、切った野菜や肉を火にかけたフライパンに入れた。
「そうそう料理な……じゃねェ!!てめェ、勝手に船に乗ってくんな!!しかも厨房まで使ってんじゃねェよ」
キッドは暢気なアルトに突っ込みを入れる。しかしアルトは平然と言った。
『キラークンには借りるって言った』
「はぁ!?」
アルトの言葉にキッドに呆れた。
「(キラーの奴、またおれの許可なく……)」
キラーを含めたクルーはキッドを置いて街へ出ている。つまり今はアルトと二人っきりだ。
「……にしても」
美味しそうな匂いがキッドの鼻を掠める。テーブルにはアルトが作ったらしい料理が並べられていた。
「お前……料理出来るんだな」
『うん。クザンクンやロールクン達にも食べてもらってるけど、結構評判いいよ』
「へェ……」
『まぁ、座って。お酒は飲む?』
「おお…。ってここはおれの船だ…!!って。はぁ……」
突っ込むのも疲れたキッドは大人しく座敷に座る。
アルトはグラスを持ってくると、キッドの隣に座った。
『はい、キッドクン』
「……ああ」
アルトはグラスに酒を注ぐ。
『食べて。たぶんおいしいから』
「……おう」
アルトに促されキッドは食事に手をつけ始めた。
「うめェ……!!」
アルトの料理を一口食べたキッドは目を見張る。
『それは良かった』
アルトは嬉しそうな声を出した。キッドは箸を進めながら話す。
「いつも菓子ばっかり食ってて普通の食事には縁がねェ奴だと思ったが……」
『僕は作るだけ。食べるのは周りだよ』
「はぁ?なんで食わねェんだ?」
『味見だけでお腹一杯になるんだ』
「……。この味付けは、習ったのか?」
『うん。本部のコックに味見してもらいながら……ね』
「?」
アルトはゆっくりと瞬きをする。ウトウトしてるように見えた。
「おい、どうした??」
『ん……ちょっと眠くなった。膝借りるよ』
「はあ!?」
そう言うと、ゴロンッとキッドの膝の上に頭を乗せた。
「おい!何して」
『膝枕……』
「見りゃわかる」
『気にしないで、ごはん食べてていいよ』
「いや、気にすんなっつっても。気になるだろ」
『少しだけだから。ああ、海軍は海賊に借りを作っちゃいけないって言われたから、そのご飯で許して……ね』
アルトはそう言うと目を瞑る。まもなくスースーと寝息を立て始めた。
「おい……ってもう寝てやがる」
キッドはため息をつく。仕方なく、アルトの料理を食べた。
『……』
「借りを作らねェってのはわかるが、海軍が海賊の膝で気持ちよさそうに寝るなっての」
モグモグと口に料理を詰め込みながら言う。相当おいしいらしい。
「(でも、こいつが自分から寄って来るって珍しくないか……?)・・・・・・あ」
キッドはこの状況を考えながら料理を平らげ、アルトを見下ろした。
「……まさか、これ甘えてんのか??」
『……』
「……」
スヤスヤと眠りにつくアルトの頭をくしゃっと撫でる。
『ん……』
アルトはくすぐったそうに頭を動かすが、起きることはない。
「猫みてェ……」
キッドはもう一度アルトの頭を撫でる。アルトは気持ちよさそうだ。
『……んん』
「(やべっかわいい……!!)」
キッドは口元を押さえる。にやけ顔を止まらなかった。
【等価交換】
「キッドー、帰ってき……」
「“
ドゴッ!!
「ぐはっ!!?キッ……キッド…なんのつも…」
「静かにしろ!!今、寝てんだ!!」
「え……??誰が??」
fin