ハットリを探せ!
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「(まずい……)」
ある晴れた日のガレーラカンパニー。
ルッチはいつも通り仕事をしていたが、気付いた時には肩にいたハズのハットリがいなくなっていた。
「(このままでは、何も話せない)」
「お~い、ルッチ!!メシに行くぞ~!!」
「……!!」
パウリーがルッチに声を掛けてくる。しかしルッチは1番ドッグから走り出した。
「あん?ルッチの奴、何急いでんだ??」
【ハットリを探せ!】
「(どこだ……?)」
「ああ、ルッチさんだ!!」
「相変わらず、カッコイイ!!」
1番ドッグを出たルッチを住人達がワーワーと出迎える。ルッチはそれを全て無視してひたすらハットリの気配を探した。
「ルッチ、何をしとる?」
「……(カクか)」
ストンッとルッチの隣に落ちて来たのはカク。同じく1番ドッグの職人で、なおかつCP9の仲間である彼にならそのまま話掛けてもいいのだが……。
「カクさんも来た!!」
「うわァ~やっぱりカッコイイ!!!」
「……(外野が邪魔だ)」
「どうしたんじゃ?気分でも悪いのか??」
首を傾げるカク。しかしルッチは周りの住人の前で喋る訳にもいかず、仕方なくジェスチャーでカクに伝えようと自分の肩をポンポンと叩く。
「なんじゃ?肩が凝っとるのか??」
「……」
ルッチはブンブンと首を横に振る。仕方なくさらに手を翼に見立ててパタパタと羽ばたかせる。そしてまた肩を指差した。
カクは気付く。
「……ああ、なんじゃ。ハットリがおらんのか」
「……(よし、伝わった!!)」
ルッチは心の中でガッツポーズをした。一方カクは腕を組み、呟く。
「ということはハットリは気付いたんじゃな」
「??(気付いた…?)」
ルッチは首を傾げる。カクは周りに聞こえないくらいの声で話す。
「ルッチ、あいつが来とるぞ」
「……(あいつ??)」
ルッチの疑問を他所にカクは続ける。
「さっき会ってな。お前に用があるんじゃと。今は仕事をしとると言うたら、終わるまで待つと言うておったぞ」
「……!(まさか…!!)」
ルッチは目を見張った。ルッチの頭に過るのはくせの強い黒髪に目付きの悪い緑の瞳を持つ青年。
「ハットリはルッチよりアルトが好きじゃからなァ、気付いて先に行ったんじゃないの……か?」
「……」
ポンッとルッチはカクの肩に手を置く。その目は“今すぐ場所を言え”と言わんばかりにギラギラと光った。
「……。アルトはいつもの場所におると言うておったぞ」
「……」
ルッチはカクの言葉を聞く、くるりと方向を転換すると歩いて行く。
「はぁ…面倒くさい奴じゃな……。嬉しいなら嬉しそうな顔をすれば良いのに」
カクはそんなルッチの後ろ姿を見送った。
ウォーターセブンのとある岬。
「ポッポー!!」
『!?あ、ハットリクン…!!』
「ポッポー」
アルトは手を出す。ハットリはそんなアルトの人差し指に降り立つ。
『久しぶり、よくわかったね』
「ポッポー」
『ハットリクンは元気にしてたかい?』
「ポッポー」
『んー??元気でいいのかな??』
「ポッポー♪」
『…やっぱりわからないな。でも楽しそうだからいいや』
アルトはハットリの頭を撫でる。ハットリは擽ったそうにアルトの手に頭をぐりぐりと押し付けた。
『ハットリクン、キミのご主人はまだ仕事かい?』
「ポッポー」
『んん??』
ハットリはアルトの肩に移動する。
『やっぱりルッチクンがいないとキミの言葉がわからないな…。
終わったかどうか見に行こうか?』
「もうとっくに終わってるっポー」
「『!』」
アルトとハットリは声の方へ顔を向ける。そこには腕を組み、仁王立ちをしているルッチがいた。
『あ!ルッチクン。仕事終わったんだね、お疲れ様』
「なぜ来た?」
ルッチはハットリを介さずに話す。
『ん?久しぶりにハットリクンの顔を見たかったから』
「……」
『嘘だ。今日はおつかい』
「?」
そう言うとアルトはハットリの首輪に紙を巻き付ける。
『これクザンクンから。キミに渡す様に言われたんだ』
「おれに……?」
『ああ。中身は見てないから知らないけど、とりあえずキミに直接渡すようにって』
「……そうか。ハットリ」
ルッチはハットリを呼ぶとハットリはアルトの肩からルッチの肩へ飛び移った。
それを見たアルトはうんうんと納得する。
「なんだ?」
『いや、やっぱり好きだなァって思って』
「!?」
ルッチは目を見張る。微かに抱いた“期待”は次の言葉で打ち砕かれた。
『キミとハットリクンが二人でいる姿ってすごくいいよね。ハットリクンも嬉しそうだ』
「「……」」
呆然としたルッチとハットリ。その目の前でアルトは、ん~っと背伸びする。
『じゃあ、僕帰るよ。これ以上はキミ達の仕事の邪魔になるし』
アルトはそう言うと二人に背を向けた。ルッチは肩を落とす。
「(はぁ……今のは期待したおれが悪い……か)―――アルト」
『ん?何??』
振り返ったアルトにルッチはドサッと袋一杯の水水アメを渡す。
「これ持って帰るっポー」
ルッチの声に合わせてハットリが羽根を広げた。
「ルッチがそこで買ってきたっポー。甘いもの好きなアルトなら気に入るっポ」
『こんなにいいの??』
「……。量がわからなかったからいっぱい買っただけだっポ。迷惑だったっポ??」
シュン…としょげるハットリ。アルトはそんなハットリの頭を撫でた。
『いや……すごく嬉しいよ』
「……ルッチが買って来たっポー」
『……フフ』
ハットリを介してルッチが不機嫌そうに言う。アルトはそんなルッチに視線を移す。そして笑った。
『ありがとう、ルッチクン』
「……!!」
ルッチはアルトのキラキラした笑顔に頬を染めた。
「(かわいい……)……つ、次に来るときは先にルッチに連絡しろっポ。ブルーノの店でメシでも食うっポ」
『わかった、そうする。じゃあ、またね!』
「必ずするっポー!!」
「……」
「ポッポー!」
「ああ」
アルトを見送ったルッチはハットリの首に巻かれた紙をとる。
「(大将から自分宛てに…??)」
っと疑問に思いながらもパラッと開いた。
「……!!」
グシャ!!
しかし、次の瞬間ルッチは紙を握り潰す。そんなルッチの姿にハットリはガタガタと震えた。
fin
⇒あとがき
ある晴れた日のガレーラカンパニー。
ルッチはいつも通り仕事をしていたが、気付いた時には肩にいたハズのハットリがいなくなっていた。
「(このままでは、何も話せない)」
「お~い、ルッチ!!メシに行くぞ~!!」
「……!!」
パウリーがルッチに声を掛けてくる。しかしルッチは1番ドッグから走り出した。
「あん?ルッチの奴、何急いでんだ??」
【ハットリを探せ!】
「(どこだ……?)」
「ああ、ルッチさんだ!!」
「相変わらず、カッコイイ!!」
1番ドッグを出たルッチを住人達がワーワーと出迎える。ルッチはそれを全て無視してひたすらハットリの気配を探した。
「ルッチ、何をしとる?」
「……(カクか)」
ストンッとルッチの隣に落ちて来たのはカク。同じく1番ドッグの職人で、なおかつCP9の仲間である彼にならそのまま話掛けてもいいのだが……。
「カクさんも来た!!」
「うわァ~やっぱりカッコイイ!!!」
「……(外野が邪魔だ)」
「どうしたんじゃ?気分でも悪いのか??」
首を傾げるカク。しかしルッチは周りの住人の前で喋る訳にもいかず、仕方なくジェスチャーでカクに伝えようと自分の肩をポンポンと叩く。
「なんじゃ?肩が凝っとるのか??」
「……」
ルッチはブンブンと首を横に振る。仕方なくさらに手を翼に見立ててパタパタと羽ばたかせる。そしてまた肩を指差した。
カクは気付く。
「……ああ、なんじゃ。ハットリがおらんのか」
「……(よし、伝わった!!)」
ルッチは心の中でガッツポーズをした。一方カクは腕を組み、呟く。
「ということはハットリは気付いたんじゃな」
「??(気付いた…?)」
ルッチは首を傾げる。カクは周りに聞こえないくらいの声で話す。
「ルッチ、あいつが来とるぞ」
「……(あいつ??)」
ルッチの疑問を他所にカクは続ける。
「さっき会ってな。お前に用があるんじゃと。今は仕事をしとると言うたら、終わるまで待つと言うておったぞ」
「……!(まさか…!!)」
ルッチは目を見張った。ルッチの頭に過るのはくせの強い黒髪に目付きの悪い緑の瞳を持つ青年。
「ハットリはルッチよりアルトが好きじゃからなァ、気付いて先に行ったんじゃないの……か?」
「……」
ポンッとルッチはカクの肩に手を置く。その目は“今すぐ場所を言え”と言わんばかりにギラギラと光った。
「……。アルトはいつもの場所におると言うておったぞ」
「……」
ルッチはカクの言葉を聞く、くるりと方向を転換すると歩いて行く。
「はぁ…面倒くさい奴じゃな……。嬉しいなら嬉しそうな顔をすれば良いのに」
カクはそんなルッチの後ろ姿を見送った。
ウォーターセブンのとある岬。
「ポッポー!!」
『!?あ、ハットリクン…!!』
「ポッポー」
アルトは手を出す。ハットリはそんなアルトの人差し指に降り立つ。
『久しぶり、よくわかったね』
「ポッポー」
『ハットリクンは元気にしてたかい?』
「ポッポー」
『んー??元気でいいのかな??』
「ポッポー♪」
『…やっぱりわからないな。でも楽しそうだからいいや』
アルトはハットリの頭を撫でる。ハットリは擽ったそうにアルトの手に頭をぐりぐりと押し付けた。
『ハットリクン、キミのご主人はまだ仕事かい?』
「ポッポー」
『んん??』
ハットリはアルトの肩に移動する。
『やっぱりルッチクンがいないとキミの言葉がわからないな…。
終わったかどうか見に行こうか?』
「もうとっくに終わってるっポー」
「『!』」
アルトとハットリは声の方へ顔を向ける。そこには腕を組み、仁王立ちをしているルッチがいた。
『あ!ルッチクン。仕事終わったんだね、お疲れ様』
「なぜ来た?」
ルッチはハットリを介さずに話す。
『ん?久しぶりにハットリクンの顔を見たかったから』
「……」
『嘘だ。今日はおつかい』
「?」
そう言うとアルトはハットリの首輪に紙を巻き付ける。
『これクザンクンから。キミに渡す様に言われたんだ』
「おれに……?」
『ああ。中身は見てないから知らないけど、とりあえずキミに直接渡すようにって』
「……そうか。ハットリ」
ルッチはハットリを呼ぶとハットリはアルトの肩からルッチの肩へ飛び移った。
それを見たアルトはうんうんと納得する。
「なんだ?」
『いや、やっぱり好きだなァって思って』
「!?」
ルッチは目を見張る。微かに抱いた“期待”は次の言葉で打ち砕かれた。
『キミとハットリクンが二人でいる姿ってすごくいいよね。ハットリクンも嬉しそうだ』
「「……」」
呆然としたルッチとハットリ。その目の前でアルトは、ん~っと背伸びする。
『じゃあ、僕帰るよ。これ以上はキミ達の仕事の邪魔になるし』
アルトはそう言うと二人に背を向けた。ルッチは肩を落とす。
「(はぁ……今のは期待したおれが悪い……か)―――アルト」
『ん?何??』
振り返ったアルトにルッチはドサッと袋一杯の水水アメを渡す。
「これ持って帰るっポー」
ルッチの声に合わせてハットリが羽根を広げた。
「ルッチがそこで買ってきたっポー。甘いもの好きなアルトなら気に入るっポ」
『こんなにいいの??』
「……。量がわからなかったからいっぱい買っただけだっポ。迷惑だったっポ??」
シュン…としょげるハットリ。アルトはそんなハットリの頭を撫でた。
『いや……すごく嬉しいよ』
「……ルッチが買って来たっポー」
『……フフ』
ハットリを介してルッチが不機嫌そうに言う。アルトはそんなルッチに視線を移す。そして笑った。
『ありがとう、ルッチクン』
「……!!」
ルッチはアルトのキラキラした笑顔に頬を染めた。
「(かわいい……)……つ、次に来るときは先にルッチに連絡しろっポ。ブルーノの店でメシでも食うっポ」
『わかった、そうする。じゃあ、またね!』
「必ずするっポー!!」
「……」
「ポッポー!」
「ああ」
アルトを見送ったルッチはハットリの首に巻かれた紙をとる。
「(大将から自分宛てに…??)」
っと疑問に思いながらもパラッと開いた。
「……!!」
グシャ!!
しかし、次の瞬間ルッチは紙を握り潰す。そんなルッチの姿にハットリはガタガタと震えた。
fin
⇒あとがき