“嫉妬”を知らないキミが愛おしい
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シャボンティ諸島24Gにあるカフェテリア。
「ヒナ不満」
『……』
「アルト。キミ、わたくしの話聞いてるの?」
『……聞いてるよ』
パクパクと味わうことなくケーキを食べるアルト。なぜかいつもより不機嫌そうに見える。
その向かいに座るヒナは足を組み、タバコを吹かした。
「ヒナ疑問。なぜそんなに不機嫌なの?」
『……不機嫌じゃない』
「??じゃあ何?わたくし何かした?」
『……してないよ』
ヒナはタバコを吹かしながら眉をひそめた。
今日は久しぶりに二人で休みを合わせてデートをしている。
一昨日会った時はいつも通り嬉しそうな声で話し掛けてきたのに、今日は一転…機嫌が悪い。
「(いえ…機嫌は悪くないって言ったわね)」
アルトは喜怒哀楽がわかりにくい。目付きの悪さだけで見るといつも機嫌が悪そうに見える。
それはアルト自身も自覚してるらしく、伝わりにくい気持ちを言葉に変換して相手に伝えていた。
だから先程の言葉を受ければ、機嫌が悪い訳でもヒナが悪い訳でもないらしい。
ヒナは左手の肘をつき顔を乗せると、右手でタバコを灰皿に押し付ける。
「(いつもは嬉しいとか眠いとか言葉にするのに、今日は言わない…)……!!」
そこでヒナは何かに気付いた。そして向かいのアルトに尋ねる。
「――アルト」
『?』
「キミ、今の気持ち言葉に出来るかしら?」
『言葉に……?』
「そう」
アルトは首を横に振った。
『……出来ない。ごちゃごちゃしてわからないんだ』
「やっぱりね……。なら、怒ってるとか悲しいとか……あるだけ口に出してみなさい」
『ん~』
アルトはうなりながら、ひねり出した。
『……モヤモヤして……悲しくて……イライラする、かな』
「??なぜ、そう思ったの?」
『えっと……昨日ヒナクンとスモーカークンが二人でいるのを見たら何だか胸がモヤモヤしてきて、悲しくなった』
「……」
『ヒナクンもスモーカークンも悪くないのに二人にイライラしちゃうんだ……』
ヒナはポカンとする。ヒナには思い当たる感情があるのだ。
「……。キミ、それがどういう感情かわからないの?」
『?うん……。こんな感情になったこと、今までにないんだ。なんで好きなキミにイライラするんだろう』
真剣に悩むアルト。ケーキを食べる手を止めて考え出す。
「……(初めての感情…ね)」
『うーん……』
「……ヒナ納得」
ヒナはそう呟くと、テーブルに身を乗り出し、アルトの顔に手を添えた。
【“嫉妬”を知らないキミが愛おしい】
『――!!』
「フフ……イチゴとクリームの味。相変わらず甘いわね。キミは」
『え…ヒナ、クン…??』
ヒナからの突然キスにアルトは目を丸くする。
一方、ヒナは何事もなかったように席に座ると微笑んだ。
「アルト、その感情はわたくしにだけ持っていなさい」
fin
⇒あとがき
「ヒナ不満」
『……』
「アルト。キミ、わたくしの話聞いてるの?」
『……聞いてるよ』
パクパクと味わうことなくケーキを食べるアルト。なぜかいつもより不機嫌そうに見える。
その向かいに座るヒナは足を組み、タバコを吹かした。
「ヒナ疑問。なぜそんなに不機嫌なの?」
『……不機嫌じゃない』
「??じゃあ何?わたくし何かした?」
『……してないよ』
ヒナはタバコを吹かしながら眉をひそめた。
今日は久しぶりに二人で休みを合わせてデートをしている。
一昨日会った時はいつも通り嬉しそうな声で話し掛けてきたのに、今日は一転…機嫌が悪い。
「(いえ…機嫌は悪くないって言ったわね)」
アルトは喜怒哀楽がわかりにくい。目付きの悪さだけで見るといつも機嫌が悪そうに見える。
それはアルト自身も自覚してるらしく、伝わりにくい気持ちを言葉に変換して相手に伝えていた。
だから先程の言葉を受ければ、機嫌が悪い訳でもヒナが悪い訳でもないらしい。
ヒナは左手の肘をつき顔を乗せると、右手でタバコを灰皿に押し付ける。
「(いつもは嬉しいとか眠いとか言葉にするのに、今日は言わない…)……!!」
そこでヒナは何かに気付いた。そして向かいのアルトに尋ねる。
「――アルト」
『?』
「キミ、今の気持ち言葉に出来るかしら?」
『言葉に……?』
「そう」
アルトは首を横に振った。
『……出来ない。ごちゃごちゃしてわからないんだ』
「やっぱりね……。なら、怒ってるとか悲しいとか……あるだけ口に出してみなさい」
『ん~』
アルトはうなりながら、ひねり出した。
『……モヤモヤして……悲しくて……イライラする、かな』
「??なぜ、そう思ったの?」
『えっと……昨日ヒナクンとスモーカークンが二人でいるのを見たら何だか胸がモヤモヤしてきて、悲しくなった』
「……」
『ヒナクンもスモーカークンも悪くないのに二人にイライラしちゃうんだ……』
ヒナはポカンとする。ヒナには思い当たる感情があるのだ。
「……。キミ、それがどういう感情かわからないの?」
『?うん……。こんな感情になったこと、今までにないんだ。なんで好きなキミにイライラするんだろう』
真剣に悩むアルト。ケーキを食べる手を止めて考え出す。
「……(初めての感情…ね)」
『うーん……』
「……ヒナ納得」
ヒナはそう呟くと、テーブルに身を乗り出し、アルトの顔に手を添えた。
【“嫉妬”を知らないキミが愛おしい】
『――!!』
「フフ……イチゴとクリームの味。相変わらず甘いわね。キミは」
『え…ヒナ、クン…??』
ヒナからの突然キスにアルトは目を丸くする。
一方、ヒナは何事もなかったように席に座ると微笑んだ。
「アルト、その感情はわたくしにだけ持っていなさい」
fin
⇒あとがき