周りの心臓が持ちません
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数日前のある日、おさぼりスポットにて。
アルトとドレークはいつものように話をしていた。
「ん?」
ふと、ドレークはアルトが甘く苦い香りをさせていることに気付く。その香りに眉をひそめた。
「(なんだ…この匂いは)」
アルトはお菓子を食べるせいか、いつも甘い香りをさせている。
しかし今日はそれにプラスして苦い香りがほんのり後を引いていた。
「(香?いや、これは葉巻だな…。青キジ殿は葉巻を吸わないはずだが…)」
『ドレーククン…?どうかしたのかい?』
黙ったドレークにアルトは首を傾げる。ドレークは疑問を内に秘め、何もないっと首を振った。
*
それから数日後。場所は変わってドレーク艦隊、甲板。
アルトはドレークの船に搭載された新兵器を見に来ていた。
『せっかく飛距離が伸びたんだから、この砲台の設置はあっちよりこの部分に置いた方がいいよ』
「なるほど…確かにそうだな」
『うん。絶対ここだ』
自信満々に言うアルトに、ドレークは微笑む。
(ドレーク少将はノティ少将がいると、いつも以上に機嫌がいいよな)
(ああ。いっそのこと少将もうちの艦に来てほしいくらいだ)
ドレークとアルトを見る海兵達はこそこそと話す。
皆、ドレークの心の内を知っているので二人の仲が進展することを切に願っていた。
「はは。ここにいる誰よりもお前の方が設計書を読み込んでるな」
『僕、こういうの好きなんだ』
ドレークとアルトが設計書片手にそんな談義していると、ふっと甘く苦い香りがした。
「!?」
ドレークはその香りに一瞬目を見張る。以前アルトから香った葉巻の匂いだったからだ。
アルトもその香りを嗅ぎ付けた。
『この匂い…』
「アルト?」
アルトはスッとドレークから離れると、甲板から港を見下ろす。
そこにはいつも通り葉巻を吹かしたスモーカーが立っていた。
『やっぱり、スモーカークンだ』
「よぉ」
スモーカーは甲板にいるアルトを見上げ、葉巻を吹かす。
『こんなとこで会うなんてびっくりした。どうしたんだい?』
「あん?……いや……アンタがここにいるって上司が言ってたからな」
『キミがわざわざクザンクンに……?珍しいな。急ぎかい?』
「あ……べ、別に急ぎじゃねェが……」
アルトは不思議そうな声で尋ねた。スモーカーは言葉を詰まらす。
(スモーカー…?誰だ?)
(お前知らないのかよ。アラバスタで元七武海のクロコダイルを捕まえた海兵じゃねェか)
(ええっ!?あの!!?)
(あの感じじゃ、ノティ少将と結構仲が良さそうだな)
(え、じゃあドレーク少将ヤバいんじゃねェの)
(((………)))
海兵達はドレークを見る。ドレークは一瞬不機嫌そうな顔をしたが、すぐに笑顔をつくる。
「アルト、知り合いなら上がってもらえ」
『いいのかい?』
「…ああ。構わない」
(((え…ええー―!!?)))
(少将自ら恋敵 を艦に上げるなんて……!!)
(どどどどうする気なんだ??)
『スモーカークン…!上がっていいって!こっち来なよ』
「……。ああ」
スモーカーは能力を使ってフワッと甲板に登ってきた。
「……」
「……」
アルトを挟んでスモーカーとドレークは互いを一瞥する。その二人の間には、外野に見える程の火花が散っていた。
(両者共すでに臨戦体勢だな……)
((……コクコク))
「……で、アルト。彼を紹介してくれないか?」
ドレークはアルトの肩に手を回す。その行動にスモーカーはカッと目を見開いた。
アルトはそれに気付くことなくドレークに話す。
『ああ、彼はスモーカークン。准将だ。以前特務で一緒に仕事をして以来の“友達”で、最近結構一緒に遊んでるんだ。
スモーカークンはいつも面白い所に連れて行ってくれるんだよ』
「……」
(うわー!ノティ少将…!!そんな嬉しそうな声出しちゃダメですよ)
(ドレーク少将が傷付いてます!!)
「……。特務と言うと?」
『アラバスタだよ。クロコダイルクン討伐の件さ』
「…ああ、あれか」
「……フン」
ドレークの心理に気付いたスモーカーはドレークにだけ分かるようにニヤリと笑った。
ドレークはそれを見てゴホンッと咳払いをする。
「そうだったのか、知らなかったな。
“おれ達の仲なんだから”紹介してくれても良かったのに」
「!」
その言葉にスモーカーは眉をひそめた。アルトは申し訳なさそうに言葉を返す。
『…ごめん。そんなつもりじゃなかったんだ……』
「いいさ。お前がそんな奴じゃないってのはわかってる」
「……」
二人のその姿にスモーカーがチッと小さく舌打ちをする。
ドレークはそれを片隅に捉えながらもニヤリと微笑んだ。
「……おい、おれにも紹介しろ」
スモーカーがアルトの手を引き、自分の方に寄せる。アルトを取られたドレークは眉を寄せた。
『はは。そんなに引っ張らなくても紹介するよ。
彼はドレーククン。僕と同じ少将で、僕の“初めての友達”なんだ』
「!!初めて……?」
『ああ。バイオリンを弾き始めた頃に友達になってね』
「フッ……。よろしく、スモーカー准将」
ドレークはニコッと笑い握手を求める。スモーカーは葉巻をギリッと噛んだ後、アルトの掴む手とは反対の手を出した。
「ああ、よろしく……ドレーク少将」
ガシッとお互い力強く握手する。二人は互いの目をギッと睨む。
「(いい加減、アルトを離したらどうだ……!!)」
「(初めてって言っても所詮“友達”だ。いい気になんなよ……!!)」
心なしか先程よりもバリバリと強く二人の間に火花が散った。
(二人共背中から出てるオーラがドス黒い……)
(((コェエー――!!!!)))
海兵達はガクガクと震えた。
『エヘヘ……』
「「??」」
そんな周りを尻目にアルトは嬉しそうに声を上げた。ドレークとスモーカーはアルトに目を向ける。
アルトは握手する二人の手の上に自分の手を置き、言った。
『これでドレーククンとスモーカークンも“友達”だね!』
「「なっ!!?」」
ビシャーン!!っとドレークとスモーカーは雷が撃たれたような衝撃が走った。
それは周りで見ていた海兵達も同じ。
(((ええぇ!!?)))
(あれの、ど…どこをどう見たら“友達”なんだ?)
(恋敵 だよな……)
(でも、ノティ少将ってあんな冗談は言わないから…)
(本気だな……)
「アルト……?」
「お前何言って……」
『えっ!?違うの??』
アルトは二人の言葉にショックを受けた様だ。眉が下がる。二人の手をギュッと握った。
「「!!?」」
『……だって、友達 と友達 が仲良くなるって嬉しいことだろ…?』
「「……」」
『あ、でも……違うんだよね…。ごめん…僕、嬉しくてつい…』
徐々に小さくなる声。視線を落とし、落ち込むアルトの姿を見てみんな胸がキュンッとした。
「「……!!」」
((((なんだこのかっ、かわいい生き物!!!!))))
ガシッ!!
「アルト!」
「ノティ!」
『?』
アルトが顔を上げるとドレークとスモーカーは肩を組んでいた。
『へっ……?』
「「おれ達は“友達”になったぞ……!!」」
(((!!?)))
ドレークとスモーカーはぎこちない笑顔を見せる。
「「な!」」
『……うん!!』
アルトの目が輝く、笑顔で頷いた。そこへガチャっとキッチンから海兵が出て来る。
「ノティ少将!もうすぐケーキ焼きあがりますよ~!!」
『ほんと!?じゃあ、準備手伝うよ~』
「「えっ!?」」
『スモーカークンも食べるよね!』
「あ…?ああ」
『よかった!じゃあ、二人共準備出来るまで話でもして待っててくれ!』
「アルト、待……!!?」
アルトは二人に手を上げるとキッチンに走って行った。
ドレークとスモーカーはキッチンへ消えたアルトの背を肩を組んだまま見送った。
【周りの心臓が持ちません】
10分経過…。
「「………」」
(いつまで肩組んでるんだろう…あの二人)
(外すタイミングを完全に失ったな)
(ああーノティ少将……はやく!!来てください!!)
(((この空気はキツイです……!!!)))
fin
アルトとドレークはいつものように話をしていた。
「ん?」
ふと、ドレークはアルトが甘く苦い香りをさせていることに気付く。その香りに眉をひそめた。
「(なんだ…この匂いは)」
アルトはお菓子を食べるせいか、いつも甘い香りをさせている。
しかし今日はそれにプラスして苦い香りがほんのり後を引いていた。
「(香?いや、これは葉巻だな…。青キジ殿は葉巻を吸わないはずだが…)」
『ドレーククン…?どうかしたのかい?』
黙ったドレークにアルトは首を傾げる。ドレークは疑問を内に秘め、何もないっと首を振った。
*
それから数日後。場所は変わってドレーク艦隊、甲板。
アルトはドレークの船に搭載された新兵器を見に来ていた。
『せっかく飛距離が伸びたんだから、この砲台の設置はあっちよりこの部分に置いた方がいいよ』
「なるほど…確かにそうだな」
『うん。絶対ここだ』
自信満々に言うアルトに、ドレークは微笑む。
(ドレーク少将はノティ少将がいると、いつも以上に機嫌がいいよな)
(ああ。いっそのこと少将もうちの艦に来てほしいくらいだ)
ドレークとアルトを見る海兵達はこそこそと話す。
皆、ドレークの心の内を知っているので二人の仲が進展することを切に願っていた。
「はは。ここにいる誰よりもお前の方が設計書を読み込んでるな」
『僕、こういうの好きなんだ』
ドレークとアルトが設計書片手にそんな談義していると、ふっと甘く苦い香りがした。
「!?」
ドレークはその香りに一瞬目を見張る。以前アルトから香った葉巻の匂いだったからだ。
アルトもその香りを嗅ぎ付けた。
『この匂い…』
「アルト?」
アルトはスッとドレークから離れると、甲板から港を見下ろす。
そこにはいつも通り葉巻を吹かしたスモーカーが立っていた。
『やっぱり、スモーカークンだ』
「よぉ」
スモーカーは甲板にいるアルトを見上げ、葉巻を吹かす。
『こんなとこで会うなんてびっくりした。どうしたんだい?』
「あん?……いや……アンタがここにいるって上司が言ってたからな」
『キミがわざわざクザンクンに……?珍しいな。急ぎかい?』
「あ……べ、別に急ぎじゃねェが……」
アルトは不思議そうな声で尋ねた。スモーカーは言葉を詰まらす。
(スモーカー…?誰だ?)
(お前知らないのかよ。アラバスタで元七武海のクロコダイルを捕まえた海兵じゃねェか)
(ええっ!?あの!!?)
(あの感じじゃ、ノティ少将と結構仲が良さそうだな)
(え、じゃあドレーク少将ヤバいんじゃねェの)
(((………)))
海兵達はドレークを見る。ドレークは一瞬不機嫌そうな顔をしたが、すぐに笑顔をつくる。
「アルト、知り合いなら上がってもらえ」
『いいのかい?』
「…ああ。構わない」
(((え…ええー―!!?)))
(少将自ら
(どどどどうする気なんだ??)
『スモーカークン…!上がっていいって!こっち来なよ』
「……。ああ」
スモーカーは能力を使ってフワッと甲板に登ってきた。
「……」
「……」
アルトを挟んでスモーカーとドレークは互いを一瞥する。その二人の間には、外野に見える程の火花が散っていた。
(両者共すでに臨戦体勢だな……)
((……コクコク))
「……で、アルト。彼を紹介してくれないか?」
ドレークはアルトの肩に手を回す。その行動にスモーカーはカッと目を見開いた。
アルトはそれに気付くことなくドレークに話す。
『ああ、彼はスモーカークン。准将だ。以前特務で一緒に仕事をして以来の“友達”で、最近結構一緒に遊んでるんだ。
スモーカークンはいつも面白い所に連れて行ってくれるんだよ』
「……」
(うわー!ノティ少将…!!そんな嬉しそうな声出しちゃダメですよ)
(ドレーク少将が傷付いてます!!)
「……。特務と言うと?」
『アラバスタだよ。クロコダイルクン討伐の件さ』
「…ああ、あれか」
「……フン」
ドレークの心理に気付いたスモーカーはドレークにだけ分かるようにニヤリと笑った。
ドレークはそれを見てゴホンッと咳払いをする。
「そうだったのか、知らなかったな。
“おれ達の仲なんだから”紹介してくれても良かったのに」
「!」
その言葉にスモーカーは眉をひそめた。アルトは申し訳なさそうに言葉を返す。
『…ごめん。そんなつもりじゃなかったんだ……』
「いいさ。お前がそんな奴じゃないってのはわかってる」
「……」
二人のその姿にスモーカーがチッと小さく舌打ちをする。
ドレークはそれを片隅に捉えながらもニヤリと微笑んだ。
「……おい、おれにも紹介しろ」
スモーカーがアルトの手を引き、自分の方に寄せる。アルトを取られたドレークは眉を寄せた。
『はは。そんなに引っ張らなくても紹介するよ。
彼はドレーククン。僕と同じ少将で、僕の“初めての友達”なんだ』
「!!初めて……?」
『ああ。バイオリンを弾き始めた頃に友達になってね』
「フッ……。よろしく、スモーカー准将」
ドレークはニコッと笑い握手を求める。スモーカーは葉巻をギリッと噛んだ後、アルトの掴む手とは反対の手を出した。
「ああ、よろしく……ドレーク少将」
ガシッとお互い力強く握手する。二人は互いの目をギッと睨む。
「(いい加減、アルトを離したらどうだ……!!)」
「(初めてって言っても所詮“友達”だ。いい気になんなよ……!!)」
心なしか先程よりもバリバリと強く二人の間に火花が散った。
(二人共背中から出てるオーラがドス黒い……)
(((コェエー――!!!!)))
海兵達はガクガクと震えた。
『エヘヘ……』
「「??」」
そんな周りを尻目にアルトは嬉しそうに声を上げた。ドレークとスモーカーはアルトに目を向ける。
アルトは握手する二人の手の上に自分の手を置き、言った。
『これでドレーククンとスモーカークンも“友達”だね!』
「「なっ!!?」」
ビシャーン!!っとドレークとスモーカーは雷が撃たれたような衝撃が走った。
それは周りで見ていた海兵達も同じ。
(((ええぇ!!?)))
(あれの、ど…どこをどう見たら“友達”なんだ?)
(
(でも、ノティ少将ってあんな冗談は言わないから…)
(本気だな……)
「アルト……?」
「お前何言って……」
『えっ!?違うの??』
アルトは二人の言葉にショックを受けた様だ。眉が下がる。二人の手をギュッと握った。
「「!!?」」
『……だって、
「「……」」
『あ、でも……違うんだよね…。ごめん…僕、嬉しくてつい…』
徐々に小さくなる声。視線を落とし、落ち込むアルトの姿を見てみんな胸がキュンッとした。
「「……!!」」
((((なんだこのかっ、かわいい生き物!!!!))))
ガシッ!!
「アルト!」
「ノティ!」
『?』
アルトが顔を上げるとドレークとスモーカーは肩を組んでいた。
『へっ……?』
「「おれ達は“友達”になったぞ……!!」」
(((!!?)))
ドレークとスモーカーはぎこちない笑顔を見せる。
「「な!」」
『……うん!!』
アルトの目が輝く、笑顔で頷いた。そこへガチャっとキッチンから海兵が出て来る。
「ノティ少将!もうすぐケーキ焼きあがりますよ~!!」
『ほんと!?じゃあ、準備手伝うよ~』
「「えっ!?」」
『スモーカークンも食べるよね!』
「あ…?ああ」
『よかった!じゃあ、二人共準備出来るまで話でもして待っててくれ!』
「アルト、待……!!?」
アルトは二人に手を上げるとキッチンに走って行った。
ドレークとスモーカーはキッチンへ消えたアルトの背を肩を組んだまま見送った。
【周りの心臓が持ちません】
10分経過…。
「「………」」
(いつまで肩組んでるんだろう…あの二人)
(外すタイミングを完全に失ったな)
(ああーノティ少将……はやく!!来てください!!)
(((この空気はキツイです……!!!)))
fin