G-2支部へ潜入
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「ノティ中将、お会い出来て光栄です」
「あ…ああ、そうか。そりゃ良かった」
「しかし23歳とお聞きしてましたが…威厳がありますなァ」
「23…!若ェな」
「は?」
「あ、いやいや!!なんもねェよ。で、“あれは”いつ来るんだ?」
「はいっ!!会議後に到着予定です」
「……昼くらいか」
口元に黒い髭を描き、白い正義のコートと帽子を被ったノティ中将……否、火拳のエースは帽子の下でニヤリと笑った。
【G-2支部へ潜入】
それから1時間後。
「いやぁ、今どきの若者にしては感心感心!海軍に入りたいとは…」
『いや…だから…僕、見学したい訳じゃないんだけど…』
アルトは30代くらいの軍曹に連れられ、海軍内を案内されていた。
どうやらこの軍曹はアルトを一般人だと思っているらしい。
『コート着てきた方が良かったのかな……』
「ん?どうした。元気ないな!!謙遜しなくていいんだぞ!」
バンバンと肩を叩かれるアルトは怪訝な声を出す。
『いや…謙遜じゃなくて……』
アルトはそういうとため息をつく。先程から何度か話すタイミングを逃しており、もううんざりしていた。
『何でもいいけど、コミール中将に会わせてくれない?』
「おお!!コミール中将を知っているとはさすがだな。だが、ダメだぞ。
海兵になるにはまず目上に対して言葉使いをだな……」
『……はぁ』
ベラベラと話す軍曹の言葉をアルトは受け流す。
「…とまぁ、コミール中将は会議が終わり次第面会出来るかお聞きしよう。あの方は寛容だからきっと君の頼みも聞いてくれる。
そうだ…!!」
『……?』
軍曹は飛びきり嬉しそうに言った。
「君、運がいいぞ!今日は海軍本部から中将がいらっしゃってるんだ」
『本部から中将…?』
アルトは首を傾げる。自分の他に中将が来るとは聞いていない。
「そう本部からだ。しかもその方は中将の中で一番お若い!!なのに貫禄があったなぁ……」
どうやらこの軍曹はその人物を見ているようだ。アルトは他の中将をあまり知らないため首を傾げるばかり。
『……貫禄。ねェ、その中将の名前はなんて言うの?』
「ははは。さすがに本部の方は知らないか。名前はノティ・アルト。なんと23歳で中将だ!!」
『……。ん?』
アルトはさらに首を傾げた。
「ん?どうした…?」
『…その中将って』
「?」
アルトは頭をポリポリと掻く。
そしてポケットからやっと出すタイミングを得た、一枚の指令書を取り出した。
『僕なんだけど…』
「え!?」
軍曹は指令書とアルトを交互に見る。突然悲鳴が聞こえた。
「極秘情報船が!!」
「燃えてるぞぉー!!」
「!?」
『……!これ、持っといて』
アルトは指令書を軍曹に渡す、港へ飛び出した。
「極秘情報が燃えたら失態だァー―!!」
「犯人は誰だ!?」
「か、海賊です!!以前の仲間を逮捕した報復かと」
「うぉー―!!やばい!!やばいぞ!!ノティ、これは……!!」
コミール中将は情けない声を出す。その隣にいたノティ中将こと、エースは一歩を踏み出した。
「まかせな!」
「あ、ノティ中将!!」
「危ないですよ!!」
ノティ中将に変装したエースが燃え盛る炎の船へ飛び込む。
「君!!危ないぞ!!」
『……どいて』
アルトは道を阻む海兵を越え、エースと同じように炎を上げる船へ飛び込んだ。
炎が上がる極秘情報船内。
「おーこれか、極秘情報ってのは……」
海兵を肩に背負ったエースは極秘っと書かれたスーツケースを見つける。
『偽物の割に勇敢なんだね』
「!」
エースはその声に振り向いた。
「偽物…?おっ!!ってことはアンタがノティ中将か?」
『そうだよ。で、キミは……あの“火拳”かい?』
「おお!よく、わかったな」
『まぁ、こんな火の中に飛び込むのは無謀な奴か、“能力者”か…だ。僕は火系の能力者を赤犬サン以外にキミしか知らない』
アルトの言葉にエースはニヤリと笑う。
「なるほどなァ…。じゃあお前は“無謀な奴”なのか…?」
『違うよ。僕も“能力者”だ』
「?」
『ただし“火”じゃない』
「!」
アルトはそういうとエースと自分を囲む様にピースを組んだ。
「(なんだ……壁みたいな、火の暑さを感じない)」
エースは辺りに目を配ると、透明なピースが組み上がっていた。
『僕の能力は“盾”だ』
「“盾”…!!ヘェ、面白ェな」
『…どうも』
アルトは呆れたように言うと一歩、エースに近づいた。
『じゃあ、悪いけど今キミ担いでる海兵と機密、返してもらうよ。抵抗するなら逮捕する』
「あ?なんだ抵抗しなかったら捕まえねェのか?」
『今は彼の手当てを優先するべきだと思ったからそうするだけ』
「……。そりゃ、おれなんかはいつでも捕まえれるってことか?」
『そうとも言うかもね。ただ今回は海軍の失態が多すぎる。それに…』
「それに?」
『キミが居なかったら彼の命をなかったかもしれない。それは感謝するよ』
アルトはエースから海兵を受け取る。エースはニコッと笑った。
「あはは。アンタ海軍のくせに変わってんじゃねェか。気に入ったぜ」
『海賊に気に入られてもなぁ…面倒なだけだよ』
アルトは極秘と書かれたスーツケースを受け取る。
『ところで何の“目的”でこの支部に来たの??』
「そりゃ…って。そうだ」
『?』
「これ、支部の奴に渡してやってくれ」
エースから差し出された一枚の封筒を受け取ったアルトは首を傾げた。
『これが目的?なんの手紙なんだい?』
「牛乳売りの子から渡してくれって頼まれたんだ。贔屓にしてやってくれ」
『??』
アルトは話が掴めず、少し眉をひそめる。
「見たらわかるさ」
『……まぁ、いいや。用が終わったんならさっさと消えてくれ』
アルトを囲んでいたピースからエースだけを出す。
『次見つけたら捕まえるから』
「ああ。気をつけるよ」
手を振り消えたエースをアルトは見送った。
『はぁ…センゴクサンに怒られそうだな』
アルトは肩を落とし、ため息をつく。仕方ないと、とりあえず海兵の手当てのために燃え盛る炎を後にした。
fin
⇒あとがき
「あ…ああ、そうか。そりゃ良かった」
「しかし23歳とお聞きしてましたが…威厳がありますなァ」
「23…!若ェな」
「は?」
「あ、いやいや!!なんもねェよ。で、“あれは”いつ来るんだ?」
「はいっ!!会議後に到着予定です」
「……昼くらいか」
口元に黒い髭を描き、白い正義のコートと帽子を被ったノティ中将……否、火拳のエースは帽子の下でニヤリと笑った。
【G-2支部へ潜入】
それから1時間後。
「いやぁ、今どきの若者にしては感心感心!海軍に入りたいとは…」
『いや…だから…僕、見学したい訳じゃないんだけど…』
アルトは30代くらいの軍曹に連れられ、海軍内を案内されていた。
どうやらこの軍曹はアルトを一般人だと思っているらしい。
『コート着てきた方が良かったのかな……』
「ん?どうした。元気ないな!!謙遜しなくていいんだぞ!」
バンバンと肩を叩かれるアルトは怪訝な声を出す。
『いや…謙遜じゃなくて……』
アルトはそういうとため息をつく。先程から何度か話すタイミングを逃しており、もううんざりしていた。
『何でもいいけど、コミール中将に会わせてくれない?』
「おお!!コミール中将を知っているとはさすがだな。だが、ダメだぞ。
海兵になるにはまず目上に対して言葉使いをだな……」
『……はぁ』
ベラベラと話す軍曹の言葉をアルトは受け流す。
「…とまぁ、コミール中将は会議が終わり次第面会出来るかお聞きしよう。あの方は寛容だからきっと君の頼みも聞いてくれる。
そうだ…!!」
『……?』
軍曹は飛びきり嬉しそうに言った。
「君、運がいいぞ!今日は海軍本部から中将がいらっしゃってるんだ」
『本部から中将…?』
アルトは首を傾げる。自分の他に中将が来るとは聞いていない。
「そう本部からだ。しかもその方は中将の中で一番お若い!!なのに貫禄があったなぁ……」
どうやらこの軍曹はその人物を見ているようだ。アルトは他の中将をあまり知らないため首を傾げるばかり。
『……貫禄。ねェ、その中将の名前はなんて言うの?』
「ははは。さすがに本部の方は知らないか。名前はノティ・アルト。なんと23歳で中将だ!!」
『……。ん?』
アルトはさらに首を傾げた。
「ん?どうした…?」
『…その中将って』
「?」
アルトは頭をポリポリと掻く。
そしてポケットからやっと出すタイミングを得た、一枚の指令書を取り出した。
『僕なんだけど…』
「え!?」
軍曹は指令書とアルトを交互に見る。突然悲鳴が聞こえた。
「極秘情報船が!!」
「燃えてるぞぉー!!」
「!?」
『……!これ、持っといて』
アルトは指令書を軍曹に渡す、港へ飛び出した。
「極秘情報が燃えたら失態だァー―!!」
「犯人は誰だ!?」
「か、海賊です!!以前の仲間を逮捕した報復かと」
「うぉー―!!やばい!!やばいぞ!!ノティ、これは……!!」
コミール中将は情けない声を出す。その隣にいたノティ中将こと、エースは一歩を踏み出した。
「まかせな!」
「あ、ノティ中将!!」
「危ないですよ!!」
ノティ中将に変装したエースが燃え盛る炎の船へ飛び込む。
「君!!危ないぞ!!」
『……どいて』
アルトは道を阻む海兵を越え、エースと同じように炎を上げる船へ飛び込んだ。
炎が上がる極秘情報船内。
「おーこれか、極秘情報ってのは……」
海兵を肩に背負ったエースは極秘っと書かれたスーツケースを見つける。
『偽物の割に勇敢なんだね』
「!」
エースはその声に振り向いた。
「偽物…?おっ!!ってことはアンタがノティ中将か?」
『そうだよ。で、キミは……あの“火拳”かい?』
「おお!よく、わかったな」
『まぁ、こんな火の中に飛び込むのは無謀な奴か、“能力者”か…だ。僕は火系の能力者を赤犬サン以外にキミしか知らない』
アルトの言葉にエースはニヤリと笑う。
「なるほどなァ…。じゃあお前は“無謀な奴”なのか…?」
『違うよ。僕も“能力者”だ』
「?」
『ただし“火”じゃない』
「!」
アルトはそういうとエースと自分を囲む様にピースを組んだ。
「(なんだ……壁みたいな、火の暑さを感じない)」
エースは辺りに目を配ると、透明なピースが組み上がっていた。
『僕の能力は“盾”だ』
「“盾”…!!ヘェ、面白ェな」
『…どうも』
アルトは呆れたように言うと一歩、エースに近づいた。
『じゃあ、悪いけど今キミ担いでる海兵と機密、返してもらうよ。抵抗するなら逮捕する』
「あ?なんだ抵抗しなかったら捕まえねェのか?」
『今は彼の手当てを優先するべきだと思ったからそうするだけ』
「……。そりゃ、おれなんかはいつでも捕まえれるってことか?」
『そうとも言うかもね。ただ今回は海軍の失態が多すぎる。それに…』
「それに?」
『キミが居なかったら彼の命をなかったかもしれない。それは感謝するよ』
アルトはエースから海兵を受け取る。エースはニコッと笑った。
「あはは。アンタ海軍のくせに変わってんじゃねェか。気に入ったぜ」
『海賊に気に入られてもなぁ…面倒なだけだよ』
アルトは極秘と書かれたスーツケースを受け取る。
『ところで何の“目的”でこの支部に来たの??』
「そりゃ…って。そうだ」
『?』
「これ、支部の奴に渡してやってくれ」
エースから差し出された一枚の封筒を受け取ったアルトは首を傾げた。
『これが目的?なんの手紙なんだい?』
「牛乳売りの子から渡してくれって頼まれたんだ。贔屓にしてやってくれ」
『??』
アルトは話が掴めず、少し眉をひそめる。
「見たらわかるさ」
『……まぁ、いいや。用が終わったんならさっさと消えてくれ』
アルトを囲んでいたピースからエースだけを出す。
『次見つけたら捕まえるから』
「ああ。気をつけるよ」
手を振り消えたエースをアルトは見送った。
『はぁ…センゴクサンに怒られそうだな』
アルトは肩を落とし、ため息をつく。仕方ないと、とりあえず海兵の手当てのために燃え盛る炎を後にした。
fin
⇒あとがき