“海賊”ゼロvs“海軍”渡り鳥
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「ジン中将!! 海賊船です!」
『今、行きます』
ガチャッと船内から現れたのは右側を覆うような黒い眼帯に黒スーツ。そして正義のコートを羽織ったジン。ジンは声を上げだ准将に微笑む。
『トランプ准将、見張りお疲れ様です』
「い、いえ!!これくらいは!! 中将も本日は急な任務に関わらず……」
『お気になさらずに。持ちつ持たれずで参りましょう。―――ところで、海賊船はどなたのですか?』
「はい! 板チョコを食べるドクロ…ですので“ゼロ”のアルトかと」
『おや…彼ですか』
「? ご存知ですか?」
『ええ…2度程取り逃がしてしまった海賊です』
「中将が2度も!?」
『はい。お恥ずかしい話なんですが……』
「そんな!! 今日こそ捕まえましょう!!」
『ええ、もちろん。それでは“砲撃はしない”で船を接近させることに集中して頂けますか?』
「は?」
首を傾げるトランプ准将を見てジンはクスッと笑う。
『彼に砲撃しても全て“無効”にされます。ですので、接近戦に持ち込みましょう』
【“海賊”ゼロvs“海軍”渡り鳥】
「アルト船長!!」
『んーどうしたんだい? シュフォンクン』
「軍艦がまっすぐこっちに」
『海軍…?』
ジンは船尾から軍艦を目視する。
『?…(目視出来る距離なのに撃ってこない??)……誰の船かわかる??』
「はい。トランプと書いています」
『トランプ……?? 知らないな。ちょっと双眼鏡貸して』
「はい」
ジンはシュフォンから双眼鏡を受け取る。そして軍艦の船首にいる人物に焦点を合わせた。
『……ああ、そう言うことか』
「……??」
『シュフォンクン、軍艦との距離を正確に測ってくれ。船尾に大砲の用意を』
「は、はい!!」
ジンは双眼鏡をシュフォンに返すと、甲板へ振り返りクルーに指示を出す。
『船のスピードをあげれるだけあげて! 後、戦闘の用意も!!』
「「「!!」」」
「アルト船長、新手ですか?」
ロールが尋ねた。ジンは首を横に振ると板チョコの封を切る。
『いや…あの船には“渡り鳥”クンがいる』
「!? “渡り鳥”のジン!?」
『ああ、間違いない。あのピンクシルバーの髪はそういるもんじゃないし』
「だから砲撃をしてこないのですか……?」
『どうかな…。でも僕の“能力”はバレてるって思った方がいい』
「どうしますか?」
『一応、策はある。ただあのお兄さんは手強いからなァ』
「そんな、弱気は……!!」
『フッ…わかってるよ』
「アルト船長!! 距離を掴みました!」
『了解! じゃあ、逃げようか』
*
「海賊船の速度が上がりました!!」
「気付かれたようですね」
『目視出来る距離ですから、仕方ありません』
「しかしこの距離ならば追いつけます!!」
『ええ……。!』
ヒューン……ドカァン!!
「海賊が撃って来ました!!」
「また来ます!!」
ヒューン………ドカァン!!
水しぶきが上がる。軍艦には届いていない様だ。
「上手く避けれていますね」
『……なるほど。相変わらず素晴らしい』
「??」
軍艦の進行方向上に大砲の弾が飛んでくるのを見て、ジンは感心した。
『あの砲撃はこちらの損害を考慮していません』
「えっ!?」
『砲撃は艦ではなく。艦の進行方向上にきっちり乗せて来ています。距離を開かせるのが目的ですね』
「そんな正確に、撃てるものなのですか!?」
『ええ……。と言ってもそれが出来るのは彼の船の砲撃手さんぐらいだと思いますが…』
ジンはそう言うと船首の先へ足を進める。
「ジン中将?」
『作戦変更です。僕があちらに乗り込み、砲撃を止めて来ます。なので皆さんは砲撃で牽制しつつ、船の側面についてください』
「!? 中将お一人で!!?危険です!!」
『ご心配なく。彼は無謀なことはなさらない方、相手は一人です』
「……一人!?」
『はい。―――では、僕が消えたら砲撃を開始して下さい。船の側面についたら彼のクルーと白兵戦となりますので、戦闘の準備をお忘れなく』
「「はっ!!」」
*
『シュフォンクン、距離は……??』
「はい、少しずつですが開いてきてます!!」
『それでいい。少しでも距離を稼げば、活路は見出だせる』
ジンは船尾で砲撃するシュフォンの隣で軍艦を見る。
『!』
一瞬白い何かが目の端を抜けた。
「あれ……何か詰まったか??」
『!……シュフォンクン、離れろ!!』
「え!?」
ジンは言うや否やシュフォンの襟首を掴み、甲板へ投げる。そして何を思ったか大砲に向かって蹴りを繰り出した。
ガキィン…!!
「「「ええ!!!?」」」
アルトのクルーは驚きの声をあげた。アルトが蹴り上げた先には白いステッキでそれを受ける海兵の姿があったからだ。
『まさか、大砲の隙間を縫ってくるとはね……ほんと抜け目ないお兄さんだな』
『フフ…それを瞬時に察知する貴方はとても厄介な方ですよ』
『それ誉めてる?』
『はい。最上級です』
『そう。ならお礼を言うよ。……“聖域 ”!!』
アルトはタンッとジンから2m程距離を取ると同時に、ジンと自分を包むように盾を張った。
「アルト船長!!」
ロールが叫ぶ。アルトは甲板に背を向けたまま、言った。
『ロールクン。悪いけど、余裕はない。この“盾”以外は期待しないでくれ』
「大丈夫です!! こっちでなんとかします」
『ありがと!!』
『相変わらず、お優しいですね』
『それしか取り柄がないもんでね。キミには悪いけど、僕が一人で相手だ』
『悪いだなんて。僕は“貴方”を抑えるために来たのですから、願ってもないですよ。―――“紳士の鎌 ”』
『あらら…こわいなァ』
ジンのステッキが白い鎌へと姿を変えるのを見て、アルトは腰に下げた金と銀の二丁の銃を抜く。
『それでは、“ゼロ”のアルトさん。今日こそその首、頂きます』
『悪いけど僕は“海賊王”になるまで、死ぬ気はないんだ。だから、遠慮するよ……!!』
アルトの言葉を最後にガキィン……!!っと二人の戦闘は幕を開けた。
fin
『今、行きます』
ガチャッと船内から現れたのは右側を覆うような黒い眼帯に黒スーツ。そして正義のコートを羽織ったジン。ジンは声を上げだ准将に微笑む。
『トランプ准将、見張りお疲れ様です』
「い、いえ!!これくらいは!! 中将も本日は急な任務に関わらず……」
『お気になさらずに。持ちつ持たれずで参りましょう。―――ところで、海賊船はどなたのですか?』
「はい! 板チョコを食べるドクロ…ですので“ゼロ”のアルトかと」
『おや…彼ですか』
「? ご存知ですか?」
『ええ…2度程取り逃がしてしまった海賊です』
「中将が2度も!?」
『はい。お恥ずかしい話なんですが……』
「そんな!! 今日こそ捕まえましょう!!」
『ええ、もちろん。それでは“砲撃はしない”で船を接近させることに集中して頂けますか?』
「は?」
首を傾げるトランプ准将を見てジンはクスッと笑う。
『彼に砲撃しても全て“無効”にされます。ですので、接近戦に持ち込みましょう』
【“海賊”ゼロvs“海軍”渡り鳥】
「アルト船長!!」
『んーどうしたんだい? シュフォンクン』
「軍艦がまっすぐこっちに」
『海軍…?』
ジンは船尾から軍艦を目視する。
『?…(目視出来る距離なのに撃ってこない??)……誰の船かわかる??』
「はい。トランプと書いています」
『トランプ……?? 知らないな。ちょっと双眼鏡貸して』
「はい」
ジンはシュフォンから双眼鏡を受け取る。そして軍艦の船首にいる人物に焦点を合わせた。
『……ああ、そう言うことか』
「……??」
『シュフォンクン、軍艦との距離を正確に測ってくれ。船尾に大砲の用意を』
「は、はい!!」
ジンは双眼鏡をシュフォンに返すと、甲板へ振り返りクルーに指示を出す。
『船のスピードをあげれるだけあげて! 後、戦闘の用意も!!』
「「「!!」」」
「アルト船長、新手ですか?」
ロールが尋ねた。ジンは首を横に振ると板チョコの封を切る。
『いや…あの船には“渡り鳥”クンがいる』
「!? “渡り鳥”のジン!?」
『ああ、間違いない。あのピンクシルバーの髪はそういるもんじゃないし』
「だから砲撃をしてこないのですか……?」
『どうかな…。でも僕の“能力”はバレてるって思った方がいい』
「どうしますか?」
『一応、策はある。ただあのお兄さんは手強いからなァ』
「そんな、弱気は……!!」
『フッ…わかってるよ』
「アルト船長!! 距離を掴みました!」
『了解! じゃあ、逃げようか』
*
「海賊船の速度が上がりました!!」
「気付かれたようですね」
『目視出来る距離ですから、仕方ありません』
「しかしこの距離ならば追いつけます!!」
『ええ……。!』
ヒューン……ドカァン!!
「海賊が撃って来ました!!」
「また来ます!!」
ヒューン………ドカァン!!
水しぶきが上がる。軍艦には届いていない様だ。
「上手く避けれていますね」
『……なるほど。相変わらず素晴らしい』
「??」
軍艦の進行方向上に大砲の弾が飛んでくるのを見て、ジンは感心した。
『あの砲撃はこちらの損害を考慮していません』
「えっ!?」
『砲撃は艦ではなく。艦の進行方向上にきっちり乗せて来ています。距離を開かせるのが目的ですね』
「そんな正確に、撃てるものなのですか!?」
『ええ……。と言ってもそれが出来るのは彼の船の砲撃手さんぐらいだと思いますが…』
ジンはそう言うと船首の先へ足を進める。
「ジン中将?」
『作戦変更です。僕があちらに乗り込み、砲撃を止めて来ます。なので皆さんは砲撃で牽制しつつ、船の側面についてください』
「!? 中将お一人で!!?危険です!!」
『ご心配なく。彼は無謀なことはなさらない方、相手は一人です』
「……一人!?」
『はい。―――では、僕が消えたら砲撃を開始して下さい。船の側面についたら彼のクルーと白兵戦となりますので、戦闘の準備をお忘れなく』
「「はっ!!」」
*
『シュフォンクン、距離は……??』
「はい、少しずつですが開いてきてます!!」
『それでいい。少しでも距離を稼げば、活路は見出だせる』
ジンは船尾で砲撃するシュフォンの隣で軍艦を見る。
『!』
一瞬白い何かが目の端を抜けた。
「あれ……何か詰まったか??」
『!……シュフォンクン、離れろ!!』
「え!?」
ジンは言うや否やシュフォンの襟首を掴み、甲板へ投げる。そして何を思ったか大砲に向かって蹴りを繰り出した。
ガキィン…!!
「「「ええ!!!?」」」
アルトのクルーは驚きの声をあげた。アルトが蹴り上げた先には白いステッキでそれを受ける海兵の姿があったからだ。
『まさか、大砲の隙間を縫ってくるとはね……ほんと抜け目ないお兄さんだな』
『フフ…それを瞬時に察知する貴方はとても厄介な方ですよ』
『それ誉めてる?』
『はい。最上級です』
『そう。ならお礼を言うよ。……“
アルトはタンッとジンから2m程距離を取ると同時に、ジンと自分を包むように盾を張った。
「アルト船長!!」
ロールが叫ぶ。アルトは甲板に背を向けたまま、言った。
『ロールクン。悪いけど、余裕はない。この“盾”以外は期待しないでくれ』
「大丈夫です!! こっちでなんとかします」
『ありがと!!』
『相変わらず、お優しいですね』
『それしか取り柄がないもんでね。キミには悪いけど、僕が一人で相手だ』
『悪いだなんて。僕は“貴方”を抑えるために来たのですから、願ってもないですよ。―――“
『あらら…こわいなァ』
ジンのステッキが白い鎌へと姿を変えるのを見て、アルトは腰に下げた金と銀の二丁の銃を抜く。
『それでは、“ゼロ”のアルトさん。今日こそその首、頂きます』
『悪いけど僕は“海賊王”になるまで、死ぬ気はないんだ。だから、遠慮するよ……!!』
アルトの言葉を最後にガキィン……!!っと二人の戦闘は幕を開けた。
fin