【名前の呼び方】


ジンがサニー号に乗った初めての夕食。


「なぁ、仲間になれよ～」

『モンキー・D・ルフィさん…』

「なぁ、気になってたんだけど、なんでジンはフルネームとか手配書の名で呼ぶんだ？」

ウソップがもぐもぐしながら聞く。


『なぜかと言われると困りますね。癖のようなものです。ソゲキングさんは…』
「あーー違う！！　おれはウソップ！！」

「ジン！　ソゲキングはウソップの友達なんだぞ！」

「そうだ。ウソップとは別人なんだ！」

チョッパーとルフィがワーワー言う。ジンは驚いた顔で周りを見渡す。チョッパーやルフィ、ウソップ以外のメンバーが苦笑するのを見て何かを察したように頷いた。


『……そうだったんですか。それは失礼しました』

「まぁ、ソゲキングはどうでもいいけど、確かに呼び方をなんとかしてほしいわ。いつまでも泥棒猫とか呼ばれたくないし」

「確かにこっちが慣れねぇからな」

ナミの言葉にゾロが頷く。


『なるほど。では皆さんどうお呼びすればよろしいですか？』

「ナミでいいわ」

「ゾロにしてくれ」

「キャプテンウソップと呼んでもいいぞ！」

「おっ、おれは今まで通りでいいぞ」

「フランキーでもいいが、尊敬の意味を込めてアニキと呼んでくれてかまわねぇ」

「ルフィでいいぞ！」

「私はロビンのままでいいわよ」

「サンジでかまわねぇよ」

『わかりました。では、そう呼ぶように心掛けますね。僕のことはジンでよろしくお願いします』

ニコッと笑うジン。みんなも自然と笑顔になる。





「ニシシ、これで仲間だな」

『はは。そうは行きませんよ』