渡り鳥は風と共に消える
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レストランから出たジン。
『とりあえず…帽子が大きいですね』
ズレるシルクハットを取り、一回り小さくする。 それを頭にのせた。
『さて、この身なりでは夕方まで宿は取れなさそうですね。コーティングについて調べますか』
21番GR
ジンは子供を装いながら、街の人達に話を聞きた。しかしいい話には出会えなかった。少し横道に入り、考えながら歩いていると、人にぶつかった。
『………っ。すいま……いえ、ごめんなさい』
ジンは慣れない体のせいか、尻餅をつく。ぶつかった相手は2人連れの悪そうな男だった。
「ああん?? ぶつかってごめんなさいで済むのかよ」
「ほんとだぜ。嬢ちゃんナメてんのか」
『そう言われましても……』
困ったなぁと思うジン。この諸島は海軍本部の近く。この身体な上、どこに海軍がいるかわからない状態で能力を使うのは避けたい。
「おいおい。よく見りゃあ、かわいいじゃねぇか」
「確かにな。ヒューマンショップに売っちまうか」
「へへ。いい金になりそうだ。来い、嬢ちゃん」
『離して下さい!』
男はジンは腕を掴む。ジンは抵抗するが子供の力が敵う訳がない。
(能力を使うしか…)
ジンは仕方ないと能力を使おうとしたその時、男達の後ろから声がした。
「命が惜しかったら、今すぐそいつの手を離して消えろ」
男達は振り返る。ジンは声の主に目を見開いた。
その人物はドクロマークが描かれた黄色パーカーにジーンズ、頭にはモコモコの帽子。肩に身の丈程ある刀を持っている一見海賊には見えなラフな出で立ちの男。
『トラファルガー・ロー!!?』
「なんだてめぇ…」
「いきなり出てきてなんだ!!」
「聞こえなかったのか、命が惜しいなら消えろと言ってる」
「あんだと!! てめぇも一緒に売り飛ばすぞ!!」
「お前らには無理だ」
ローは口角をあげて笑う。それを合図に男達がローに飛びかかった。
ギャアアァ…
グハァ……
たっ、助けて…
「消えろ。お前らに用はない」
一瞬だった。ローは刀を抜くことなく男達を薙ぎ倒し、睨みつける。男達は死にもの狂いで逃げて行った。ローは振り向きジンを見下ろす。
「やれやれ…めんどくさいことに巻き込まれていたな、クロスロード屋」
『……トラファルガー・ロー。貴方まで、この諸島に…』
「“まで”? なんだ誰か他に会ったのか」
ローは不機嫌そうな顔をする。そして今のジンの目線に合わせた。
「だから、こんなナリなんだな」
『はは…否定はしません』
ジンは笑うが多少強張っていた。ジンはローから離れながら言う。
『それでは僕は…』
「待て、クロスロード屋。だれが行っていいと言った」
ガシッとローはジンの腕を掴む。
『………』
「おれの船から勝手に“消えた”野郎に会えたんだ。ゆっくり話をしようぜ」
『消えたなんて…貴方が無茶を言うからですよ』
「何が無茶だ。“仲間”になることの何が無茶なんだ?」
『………それは』
ジンは戸惑った。ローはそんなジンを観察しながら言う。
「………クロスロード屋。誰の船に乗ってこの諸島に来た?」
『…“麦わらのルフィ”の船ですが、今は降りていますよ』
「降りた? ならいいな、付き合え」
『!!?』
ローはそういうとジン首もとを掴み、背中に担いだ。首が締まり流石のジンも息苦しい。
『ト、トラファルガー・ロー……苦しいです』
「こうでもしないと逃げるだろ。それともバラバラにしてやろうか?」
『遠慮…します』
ジンはため息をついた。
ジンはローに担がれながら表通りに出た。
すぐ近くにはツナギを来たローのクルー達が待っている。
「あっ、キャプテン」
オレンジのツナギを着たシロクマがローに寄ってくる。
「遅いですよ―キャプテン、何してたんですか?」
キャスケットの帽子をかぶったクルーが聞く。
「野暮用だ。おいベポ、コイツ持っとけ」
ポイッと担いでいたジンをシロクマ、もといベポに投げる。ベポはおっとっと、とジンをキャッチした。
『……っ。ゴホッ…ゴホッ』
「キャプテン。女の子を誘拐して来たの?」
ジンは息苦しさを取り戻すため咳き込む。キャッチしたベポはローに聞いた。
「「誘拐!?」」
「キャプテンそりゃまずいですよ!!?」
クルー達はジンを見て慌てる。 ローはため息をついた。
「よく見ろ。お前らの知ってる奴だ」
ローの言葉にみんながジンを見る。ジンはやっと息が整い、顔をあげる。ベポと目が合った。
シルクハットにシルバーピンクの髪に整った顔。特徴はやはり右半分をおおうくらいの眼帯。そしてニコッ笑うその笑顔。
『お久しぶりですね、ベポさん』
「ジン!!」
ベポは喜び、ぎゅーっとジンを抱き締める。
「ジン!?」
「本当にジンなのか!!?」
クルー達は沸き立つ。ベポから解放されたジンは振り向きクルーにあいさつした。
「………」
「どうしたお前はいいのか」
ローはジンを中心とした輪から外れているペンギンと書かれた帽子をかぶったクルーに聞く。クルーは答えず逆に聞き返した。
「……なぜ連れて来たんだ?」
ローは口角をあげ笑う。
「何を言うかと思えば、“仲間にするため”に決まってるだろ」
もたれていた壁から離れたローは騒いでいるクルー達に言う。
「おい、お前ら行くぞ」
ローは言うだけ言ってスタスタと歩きはじめた。クルー達も慌てて歩き出す。
歩くハートの海賊団。ジンはベポの肩に座っていた。
『あの…歩けますので、降ろして頂けませんか? トラファルガー・ロー』
「ダメだ。ベポ、絶対逃がすなよ」
「アイアイ、キャプテン」
『しかし……』
「今、お前がベポから離れたらベポがバラバラになるぞ」
『!?』
ペンギン帽子をかぶったクルーが言う。キャスケットをかぶったクルーもそれに続いた。
「そうそう。前、ジンが居なくなった時もベポがバラバラにさせられて…」
そこから先は言わなくても想像がつく。
『………ベポさん、ご迷惑をおかけしました』
「いいよ。ジンは帰って来たもん」
『………』
ベポは笑う。ベポの最後の言葉にジンは動揺したのか、言葉も笑みも返すことが出来なかった。ローはそれを見てにやりと笑った。
結局ジンは大人しく、ベポの肩に乗ってハートの海賊団と行動を共にすることになった。
「ところでキャプテンどこ行くの?」
「ああ、ヒューマンショップだ」
ベポの疑問にローは先を見据えながらニヤリと笑った。
⇒あとがき
『とりあえず…帽子が大きいですね』
ズレるシルクハットを取り、一回り小さくする。 それを頭にのせた。
『さて、この身なりでは夕方まで宿は取れなさそうですね。コーティングについて調べますか』
21番GR
ジンは子供を装いながら、街の人達に話を聞きた。しかしいい話には出会えなかった。少し横道に入り、考えながら歩いていると、人にぶつかった。
『………っ。すいま……いえ、ごめんなさい』
ジンは慣れない体のせいか、尻餅をつく。ぶつかった相手は2人連れの悪そうな男だった。
「ああん?? ぶつかってごめんなさいで済むのかよ」
「ほんとだぜ。嬢ちゃんナメてんのか」
『そう言われましても……』
困ったなぁと思うジン。この諸島は海軍本部の近く。この身体な上、どこに海軍がいるかわからない状態で能力を使うのは避けたい。
「おいおい。よく見りゃあ、かわいいじゃねぇか」
「確かにな。ヒューマンショップに売っちまうか」
「へへ。いい金になりそうだ。来い、嬢ちゃん」
『離して下さい!』
男はジンは腕を掴む。ジンは抵抗するが子供の力が敵う訳がない。
(能力を使うしか…)
ジンは仕方ないと能力を使おうとしたその時、男達の後ろから声がした。
「命が惜しかったら、今すぐそいつの手を離して消えろ」
男達は振り返る。ジンは声の主に目を見開いた。
その人物はドクロマークが描かれた黄色パーカーにジーンズ、頭にはモコモコの帽子。肩に身の丈程ある刀を持っている一見海賊には見えなラフな出で立ちの男。
『トラファルガー・ロー!!?』
「なんだてめぇ…」
「いきなり出てきてなんだ!!」
「聞こえなかったのか、命が惜しいなら消えろと言ってる」
「あんだと!! てめぇも一緒に売り飛ばすぞ!!」
「お前らには無理だ」
ローは口角をあげて笑う。それを合図に男達がローに飛びかかった。
ギャアアァ…
グハァ……
たっ、助けて…
「消えろ。お前らに用はない」
一瞬だった。ローは刀を抜くことなく男達を薙ぎ倒し、睨みつける。男達は死にもの狂いで逃げて行った。ローは振り向きジンを見下ろす。
「やれやれ…めんどくさいことに巻き込まれていたな、クロスロード屋」
『……トラファルガー・ロー。貴方まで、この諸島に…』
「“まで”? なんだ誰か他に会ったのか」
ローは不機嫌そうな顔をする。そして今のジンの目線に合わせた。
「だから、こんなナリなんだな」
『はは…否定はしません』
ジンは笑うが多少強張っていた。ジンはローから離れながら言う。
『それでは僕は…』
「待て、クロスロード屋。だれが行っていいと言った」
ガシッとローはジンの腕を掴む。
『………』
「おれの船から勝手に“消えた”野郎に会えたんだ。ゆっくり話をしようぜ」
『消えたなんて…貴方が無茶を言うからですよ』
「何が無茶だ。“仲間”になることの何が無茶なんだ?」
『………それは』
ジンは戸惑った。ローはそんなジンを観察しながら言う。
「………クロスロード屋。誰の船に乗ってこの諸島に来た?」
『…“麦わらのルフィ”の船ですが、今は降りていますよ』
「降りた? ならいいな、付き合え」
『!!?』
ローはそういうとジン首もとを掴み、背中に担いだ。首が締まり流石のジンも息苦しい。
『ト、トラファルガー・ロー……苦しいです』
「こうでもしないと逃げるだろ。それともバラバラにしてやろうか?」
『遠慮…します』
ジンはため息をついた。
ジンはローに担がれながら表通りに出た。
すぐ近くにはツナギを来たローのクルー達が待っている。
「あっ、キャプテン」
オレンジのツナギを着たシロクマがローに寄ってくる。
「遅いですよ―キャプテン、何してたんですか?」
キャスケットの帽子をかぶったクルーが聞く。
「野暮用だ。おいベポ、コイツ持っとけ」
ポイッと担いでいたジンをシロクマ、もといベポに投げる。ベポはおっとっと、とジンをキャッチした。
『……っ。ゴホッ…ゴホッ』
「キャプテン。女の子を誘拐して来たの?」
ジンは息苦しさを取り戻すため咳き込む。キャッチしたベポはローに聞いた。
「「誘拐!?」」
「キャプテンそりゃまずいですよ!!?」
クルー達はジンを見て慌てる。 ローはため息をついた。
「よく見ろ。お前らの知ってる奴だ」
ローの言葉にみんながジンを見る。ジンはやっと息が整い、顔をあげる。ベポと目が合った。
シルクハットにシルバーピンクの髪に整った顔。特徴はやはり右半分をおおうくらいの眼帯。そしてニコッ笑うその笑顔。
『お久しぶりですね、ベポさん』
「ジン!!」
ベポは喜び、ぎゅーっとジンを抱き締める。
「ジン!?」
「本当にジンなのか!!?」
クルー達は沸き立つ。ベポから解放されたジンは振り向きクルーにあいさつした。
「………」
「どうしたお前はいいのか」
ローはジンを中心とした輪から外れているペンギンと書かれた帽子をかぶったクルーに聞く。クルーは答えず逆に聞き返した。
「……なぜ連れて来たんだ?」
ローは口角をあげ笑う。
「何を言うかと思えば、“仲間にするため”に決まってるだろ」
もたれていた壁から離れたローは騒いでいるクルー達に言う。
「おい、お前ら行くぞ」
ローは言うだけ言ってスタスタと歩きはじめた。クルー達も慌てて歩き出す。
歩くハートの海賊団。ジンはベポの肩に座っていた。
『あの…歩けますので、降ろして頂けませんか? トラファルガー・ロー』
「ダメだ。ベポ、絶対逃がすなよ」
「アイアイ、キャプテン」
『しかし……』
「今、お前がベポから離れたらベポがバラバラになるぞ」
『!?』
ペンギン帽子をかぶったクルーが言う。キャスケットをかぶったクルーもそれに続いた。
「そうそう。前、ジンが居なくなった時もベポがバラバラにさせられて…」
そこから先は言わなくても想像がつく。
『………ベポさん、ご迷惑をおかけしました』
「いいよ。ジンは帰って来たもん」
『………』
ベポは笑う。ベポの最後の言葉にジンは動揺したのか、言葉も笑みも返すことが出来なかった。ローはそれを見てにやりと笑った。
結局ジンは大人しく、ベポの肩に乗ってハートの海賊団と行動を共にすることになった。
「ところでキャプテンどこ行くの?」
「ああ、ヒューマンショップだ」
ベポの疑問にローは先を見据えながらニヤリと笑った。
⇒あとがき