渡り鳥は風と共に消える
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24番GRレストラン街
ジンは物陰から姿を現す。そして自然な流れで通りに出た。
『とりあえず、ここまで来れば大丈夫でしょう』
ジンはシルクハットを上げ、辺りを見渡す。
『さて…どこに行きましょうか』
ジンは通りを少し歩いた。あるレストランを通りかかった時、そのレストランを出る一団と出くわした。手配書で見た顔と目が合う。
『………おや』
「お前は“渡り鳥”か……」
ジンはその人物の言葉に笑う。
『ご存じでしたか。はじめまして、“魔術師”バジル・ホーキンスさん』
「なんだてめぇ、船長に馴れ馴れしぃぞ!」
ジンに食ってかかるのは三編み頭の男。ホーキンスはそれを手で制す。
「よい、下がっていろ。“渡り鳥”は5億ベリーの賞金首。お前らが敵う相手ではない」
「「5億!?」」
『驚いて頂けて光栄です。しかし僕は見たままの人間ですよ』
ジンは笑う。
「……“渡り鳥”がこの諸島にいるとは知らなかった」
『今来たところです。僕も“魔術師”さんにお会い出来るとは思いませんでした』
「……不思議な男だな」
ホーキンスの表情を変えないままジンを見下ろす。
『……?』
「………」
二人は目を合わせたまま黙る。お互いがお互いを観察するように。暫くしてホーキンスが話し出した。
「……これから“選択”を迫られる相が出ている」
『……“選択”ですか?』
ジンは怪訝な顔をする。
「思う“選択”をすればよい。心配しなくとも今のお前に“死相”は出ていない」
『…今はですか。それは良かった』
死相だなんて縁起の悪い言葉を平然と言うホーキンスに笑顔で返すジン。
「それと、この店に入ることを薦める」
ホーキンスが指したのはホーキンス達が出てきたレストラン。
『なぜです…?』
「お前の運勢を良い方に導く」
『そうなんですか…』
ジンはレストランに目を向ける。
『じゃあ、行ってみます。“魔術師”さんの占いは当たると評判ですからね』
ジンはシルクハットを上げお辞儀をした。 ホーキンスは手を上げる。
「“渡り鳥”、また“新世界”で会えるのを楽しみにしている」
『僕もです』
ジンは笑い、レストランに向う。ホーキンスもクルーを連れ、どこかへ歩いて行った。
レストラン店内
「いらっしゃいませ!」
『こんにちわ。席は空いていますか?』
丁寧な口調で聞くジン。先程から口の悪い海賊相手ばかりだったウェイターはジンを見て安心した。そしてジンに耳打ちするようにコソコソと話す。
「はい、お席は御座います。しかし、本日お客様が多く、メニューのピザ全般がご注文出来ないのですがよろしいでしょうか?」
(ピザ……?)
微かに嫌な予感を感じながらジンは答える。
『ええ、構いませんよ。コーヒーを頂けますか?』
「はい、ではこちらに……」
「おい!ウェイター!! ピザ早く持ってこい!!」
「はいっ!!!只今!!」
ビクビクと震えるウェイター。怒鳴った人物はふとウェイターの横にいる、ジンを見て目を輝かせた。
「ああん!!? ジンじゃねぇか!!」
ジンを見つけて大声で叫ぶ。店内の視線が全てジンに集中した。ジンは苦笑する。
『こんにちわ。ジュエリー・ボニー……やはり貴女でしたか』
「何してんだ? 飯か? こっち来いよ!!」
「あの、お客様…」
ボニーの知り合いということにウェイターは目を丸くする。
『ウェイターさん。コーヒーはあちらに持って来て頂けますか?』
「はっ…はい」
ウェイターに注文を済ませ、ジンはスタスタとボニーの所へ行く。
『お久しぶりです。ジュエリー・ボニー』
「おう、お前も元気そうだな」
食べる手を休めず喋るボニーを見てジンはクスッと笑う。
『相変わらず、良くお食べになりますね』
「まぁな。お前は食わねぇのか?」
『僕はコーヒーを飲みに来ただけですよ』
「ふーん、まぁ座れよ」
『はい』
ボニーにさし出した席に座る。まもなくしてウェイターがコーヒーとピザを持って来た。
「ピザおせぇ!!」
「もっ申し訳ございません!!」
『コーヒーありがとうございます』
「失礼します!」
ウェイターは頭を下げ足早に去る。ジンはコーヒーに口をつける。
(サンジさんのコーヒーよりはやはり質が落ちますか……)
「まさか、お前までここに来てるとはなぁ」
ボニーの言葉にジンがハッと意識を戻す。
『僕も驚きました。新世界の一歩手前で貴女にお会いするとは思いませんでした』
ところで…とジンは後ろを見ながら言う。さっきから痛い程視線が注がれているからだ。
『あちらにいらっしゃるのは、カポネ・“ギャング”ベッジさんですか?』
「ああん? そんなん気にすんなって」
『……はぁ、そうですね』
ボニーのいい切った物言いにジンは苦笑した。
「ところでまた誰かの船に乗ってんのか?」
『……ええ。相変わらず渡り鳥です。と言っても現在は麦わらルフィの船から“降りた”ところですが』
「麦わら? ああ、3億のヤローか」
『はい、ジュエリー・ボニー。貴女に負けず劣らず良く食べる方ですよ』
「………ふーん。でも降りたんだろ。これからどうすんだ?」
ボニーはジンの顔を横目で見る。
『……さぁ、考えていません』
「へぇ、てめえにしては珍しいな。まぁ、どうせ麦わらが名残惜しいんだろ。麦わらのこと嬉しそう話やがって」
その言葉にジンは一瞬ポーカーフェイスが崩れ、怪訝な顔になる。
『そんなことはありませんよ』
ジンは誤魔化す様にコーヒーカップに目を落とす。ボニーは食べる手を止めないながらもにやりと笑った。
「スキだらけじゃねぇかよ、ジン!」
『!?』
ポンッ
ジンがボニーの言葉で顔を上げた。すると周りに見える物がやけに大きく、そしてボニーがさっきまでの目線からやけに高い所にあった。
つまり、ボニーの仕業でジンは小さくなってしまったのだ。
『ジュエリー・ボニー!!!』
「あはははは!! 傑作だなジン。相変わらず似合うじゃねぇか!」
腹を抱えて笑うボニーとその仲間たち。ジンは小さくなった体と少し高くなった声で抗議する。
『元に戻してください!!』
「やだね。せっかく面白くなったんだからな、感謝しろよ」
『面白いのは貴女だけでしょう!!』
「うるせぇなぁ―ちゃんと服のサイズも一緒に変えてやったんだ。ありがたく思えよ」
『戻してくださればお礼はいいましょう』
「かわいくねぇ――」
ボニーはケッと言い、食事を続ける。
『とりあえず、戻してください』
「んなもんほっとけば、いい。夕方までには元に戻るようにしてるからよ」
『……本当ですか?』
「てめぇ、どうせ麦わらから逃げて来たんだろ? せめて目立たないようにしてやったんだよ、ありがたく思え!」
『…そう言う考えがあったのですか、最初から…?』
「いや」
『でしょうね…。はぁ…ジュエリー・ボニー、本当に夕方までには戻りますか?』
「嘘つかねぇよ、まぁ、次会うまでちっこいままでいたいってんなら協力するぜ!」
『結構です…』
そして、席を立つジンは体が小さいため椅子からジャンプして降りた。
「おっ、行くのか?」
『ええ。お代は置いておきましたので、ウェイターさんに渡してください』
「おう、気いつけてな、“新世界”で会おうぜ!!」
ジンは多少、いやウェイターからの驚きの眼差しを受けながらレストランを後にした。
ジンは物陰から姿を現す。そして自然な流れで通りに出た。
『とりあえず、ここまで来れば大丈夫でしょう』
ジンはシルクハットを上げ、辺りを見渡す。
『さて…どこに行きましょうか』
ジンは通りを少し歩いた。あるレストランを通りかかった時、そのレストランを出る一団と出くわした。手配書で見た顔と目が合う。
『………おや』
「お前は“渡り鳥”か……」
ジンはその人物の言葉に笑う。
『ご存じでしたか。はじめまして、“魔術師”バジル・ホーキンスさん』
「なんだてめぇ、船長に馴れ馴れしぃぞ!」
ジンに食ってかかるのは三編み頭の男。ホーキンスはそれを手で制す。
「よい、下がっていろ。“渡り鳥”は5億ベリーの賞金首。お前らが敵う相手ではない」
「「5億!?」」
『驚いて頂けて光栄です。しかし僕は見たままの人間ですよ』
ジンは笑う。
「……“渡り鳥”がこの諸島にいるとは知らなかった」
『今来たところです。僕も“魔術師”さんにお会い出来るとは思いませんでした』
「……不思議な男だな」
ホーキンスの表情を変えないままジンを見下ろす。
『……?』
「………」
二人は目を合わせたまま黙る。お互いがお互いを観察するように。暫くしてホーキンスが話し出した。
「……これから“選択”を迫られる相が出ている」
『……“選択”ですか?』
ジンは怪訝な顔をする。
「思う“選択”をすればよい。心配しなくとも今のお前に“死相”は出ていない」
『…今はですか。それは良かった』
死相だなんて縁起の悪い言葉を平然と言うホーキンスに笑顔で返すジン。
「それと、この店に入ることを薦める」
ホーキンスが指したのはホーキンス達が出てきたレストラン。
『なぜです…?』
「お前の運勢を良い方に導く」
『そうなんですか…』
ジンはレストランに目を向ける。
『じゃあ、行ってみます。“魔術師”さんの占いは当たると評判ですからね』
ジンはシルクハットを上げお辞儀をした。 ホーキンスは手を上げる。
「“渡り鳥”、また“新世界”で会えるのを楽しみにしている」
『僕もです』
ジンは笑い、レストランに向う。ホーキンスもクルーを連れ、どこかへ歩いて行った。
レストラン店内
「いらっしゃいませ!」
『こんにちわ。席は空いていますか?』
丁寧な口調で聞くジン。先程から口の悪い海賊相手ばかりだったウェイターはジンを見て安心した。そしてジンに耳打ちするようにコソコソと話す。
「はい、お席は御座います。しかし、本日お客様が多く、メニューのピザ全般がご注文出来ないのですがよろしいでしょうか?」
(ピザ……?)
微かに嫌な予感を感じながらジンは答える。
『ええ、構いませんよ。コーヒーを頂けますか?』
「はい、ではこちらに……」
「おい!ウェイター!! ピザ早く持ってこい!!」
「はいっ!!!只今!!」
ビクビクと震えるウェイター。怒鳴った人物はふとウェイターの横にいる、ジンを見て目を輝かせた。
「ああん!!? ジンじゃねぇか!!」
ジンを見つけて大声で叫ぶ。店内の視線が全てジンに集中した。ジンは苦笑する。
『こんにちわ。ジュエリー・ボニー……やはり貴女でしたか』
「何してんだ? 飯か? こっち来いよ!!」
「あの、お客様…」
ボニーの知り合いということにウェイターは目を丸くする。
『ウェイターさん。コーヒーはあちらに持って来て頂けますか?』
「はっ…はい」
ウェイターに注文を済ませ、ジンはスタスタとボニーの所へ行く。
『お久しぶりです。ジュエリー・ボニー』
「おう、お前も元気そうだな」
食べる手を休めず喋るボニーを見てジンはクスッと笑う。
『相変わらず、良くお食べになりますね』
「まぁな。お前は食わねぇのか?」
『僕はコーヒーを飲みに来ただけですよ』
「ふーん、まぁ座れよ」
『はい』
ボニーにさし出した席に座る。まもなくしてウェイターがコーヒーとピザを持って来た。
「ピザおせぇ!!」
「もっ申し訳ございません!!」
『コーヒーありがとうございます』
「失礼します!」
ウェイターは頭を下げ足早に去る。ジンはコーヒーに口をつける。
(サンジさんのコーヒーよりはやはり質が落ちますか……)
「まさか、お前までここに来てるとはなぁ」
ボニーの言葉にジンがハッと意識を戻す。
『僕も驚きました。新世界の一歩手前で貴女にお会いするとは思いませんでした』
ところで…とジンは後ろを見ながら言う。さっきから痛い程視線が注がれているからだ。
『あちらにいらっしゃるのは、カポネ・“ギャング”ベッジさんですか?』
「ああん? そんなん気にすんなって」
『……はぁ、そうですね』
ボニーのいい切った物言いにジンは苦笑した。
「ところでまた誰かの船に乗ってんのか?」
『……ええ。相変わらず渡り鳥です。と言っても現在は麦わらルフィの船から“降りた”ところですが』
「麦わら? ああ、3億のヤローか」
『はい、ジュエリー・ボニー。貴女に負けず劣らず良く食べる方ですよ』
「………ふーん。でも降りたんだろ。これからどうすんだ?」
ボニーはジンの顔を横目で見る。
『……さぁ、考えていません』
「へぇ、てめえにしては珍しいな。まぁ、どうせ麦わらが名残惜しいんだろ。麦わらのこと嬉しそう話やがって」
その言葉にジンは一瞬ポーカーフェイスが崩れ、怪訝な顔になる。
『そんなことはありませんよ』
ジンは誤魔化す様にコーヒーカップに目を落とす。ボニーは食べる手を止めないながらもにやりと笑った。
「スキだらけじゃねぇかよ、ジン!」
『!?』
ポンッ
ジンがボニーの言葉で顔を上げた。すると周りに見える物がやけに大きく、そしてボニーがさっきまでの目線からやけに高い所にあった。
つまり、ボニーの仕業でジンは小さくなってしまったのだ。
『ジュエリー・ボニー!!!』
「あはははは!! 傑作だなジン。相変わらず似合うじゃねぇか!」
腹を抱えて笑うボニーとその仲間たち。ジンは小さくなった体と少し高くなった声で抗議する。
『元に戻してください!!』
「やだね。せっかく面白くなったんだからな、感謝しろよ」
『面白いのは貴女だけでしょう!!』
「うるせぇなぁ―ちゃんと服のサイズも一緒に変えてやったんだ。ありがたく思えよ」
『戻してくださればお礼はいいましょう』
「かわいくねぇ――」
ボニーはケッと言い、食事を続ける。
『とりあえず、戻してください』
「んなもんほっとけば、いい。夕方までには元に戻るようにしてるからよ」
『……本当ですか?』
「てめぇ、どうせ麦わらから逃げて来たんだろ? せめて目立たないようにしてやったんだよ、ありがたく思え!」
『…そう言う考えがあったのですか、最初から…?』
「いや」
『でしょうね…。はぁ…ジュエリー・ボニー、本当に夕方までには戻りますか?』
「嘘つかねぇよ、まぁ、次会うまでちっこいままでいたいってんなら協力するぜ!」
『結構です…』
そして、席を立つジンは体が小さいため椅子からジャンプして降りた。
「おっ、行くのか?」
『ええ。お代は置いておきましたので、ウェイターさんに渡してください』
「おう、気いつけてな、“新世界”で会おうぜ!!」
ジンは多少、いやウェイターからの驚きの眼差しを受けながらレストランを後にした。