渡り鳥のユメ
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「サンジ、ゆっくりベッドに下ろして」
「ああ」
チョッパーの指示でサンジはジンを医務室のベッドに下ろす。
「出来るだけ楽な格好にした方がいいから、髪止めとベスト…後、眼帯を外してくれ。」
サンジは頷き、座らせたジンからチョッパーに言われたようにベスト脱がす。
「サンジくん。バレッタの外し方わかんないでしょ? 私がやるわ」
ナミがジンの後ろに周りバレッタを2つ外す。眼帯も外した。そのままサンジとナミは気を使いながらジンをベッドに寝かす。
準備が出来たチョッパーがジンを診察した。
「チョッパー!! ジンは大丈夫なのか!!?」
狭い医務室に入れずに心配そうに食堂に続くドアから顔を出すルフィ。チョッパーは、ん―――っと腕を組む。
「生きてんのか? チョッパー??」
サンジが聞く。チョッパーは考えたのち、話し出した。
「……寝てるんだ」
「「「???」」」
チョッパーの言葉に間が抜けるクルー。
「どういうことだ?」
ウソップがわからないながらに聞く。
「今、診たけど、ケガも病気もないんだ。本当に…ただ寝てるだけ」
「寝てるだけって、じゃあいいんじゃねぇのか」
フランキーがサングラスを上げながら言う。チョッパーはジンに目を向けている。
「でも、呼吸や脈拍が異常に低いんだ……まるで動物の“冬眠”みたいに、人間でこんな状態になるはずないんだ。なにか原因があるはずだよ」
「ヨホホ、原因ですかぁ…」
ブルックが首を傾げる。ルフィが食堂から食べ物を持って行く。
「なぁ、メシ食えばなおらねぇかな」
「「治るか!!」」
ウソップとナミが二人で突っ込みを入れる。
「食事か……そう言えばコイツほとんど食ってなかったな」
サンジが壁に寄りかかりながら言う。
「……原因はこれかも知れないわね」
ロビンがジンの眼帯を手に取りながら言う。
「眼帯が?」
ナミが言う。
「チョッパー。ここを触ってみて」
「?」
チョッパーはロビンが差し出すジンの眼帯の裏に手を触れる。
「!!」
「どうしたチョッパー!!」
ルフィがチョッパーに近づく。チョッパーはびっくりしたようにロビンを見上げた。
「ロビン、これ!!?」
「ええ…たぶん“海楼石”よ。とても僅かだけど感じるわ」
「“海楼石”!? 能力者の力を奪うあれだろ??」
ウソップが驚く。ルフィも触って見たらなんかだるくなるっと言う。
「おいおい、こいつは悪魔の実の能力者だろう。なんでわざわざ自分を弱める海楼石なんか持ってやがんだ」
フランキーが呆れたというように言う。
「……ロビンちゃんはジンが違う能力を隠してると思ってるんだろ」
「ええ、仮説だけど」
「まさかロビン、あの七武海が言ったこと本気で思ってるの??」
サンジの言葉にロビンが頷く。ナミは反論した。
「七武海が言ったこと? 何を言ったんだ」
「ああ、ルフィは寝てたからわかんねぇな。後から来た七武海がジンに“コエコエの能力”があるって言ったんだ」
ルフィに説明するウソップ。
「でも、有り得るのでしょうか…2つの実を口にして生きているなんて…私、2つ目の実を食べた瞬間跡形もなく死んでしまうというお話を聞いたことがありますよ…」
「おっ、おれもそう聞いてるぞ! あいつの気のせいじゃないのか?」
「おれは有り得ると思うぜ」
ブルックとウソップの言葉を切りゾロは言う。
「でねぇとあのオーズを抑えることは出来ねぇだろ」
「「「………」」」
ゾロはジンが端々でオーズの動きを抑えたことを思いながら言う。みんなも思い当たることを考える。
「なぁ、そんなのジンが起きてから聞いたらいいじゃねぇか」
「はぁ!?」
ルフィがジンをつんつんとつつきながら言う。
「ジンは聞いたら教えてくれるじゃねぇか。本人がいねぇとこで話したって本当のことはわかんねぇだろ」
「……確かに」
「寝てるだけなら起きるんだろ、チョッパー?」
「うん。ちゃんと起きるよ」
「ほら、だから今はゆっくり寝かしてやろうぜ!! で、メシにしよう」
ニィと笑顔でいう船長にクルーはそうだなっと頷いた。
次の日
『…………ハァ…ハァ』
ジンの呼吸が戻る。体温が上昇したため汗がわっと出た。そんな中、ジンは静かに目をあける。
『…………』
ジンの目に入ったのは最近乗った船、サニー号の天井。 ジンは虚ろな目で横に顔を向ける。
すると自身の肩あたりでスヤスヤ眠るチョッパーを見つける。
『……チョッパーくん…ずっとここに』
ジンは笑う。とても優しい顔をしていた。ゆっくりと手を伸ばし、頭を撫でる。
『……あれ、眼帯が…』
ジンは眼帯がないことに気づき、右目を抑えながら体を起こす。その振動でチョッパーが目を覚ます。
「…ん…ジン? 起きたのか!!?」
ガバッとチョッパーが目を覚ます。
『おはようございます。チョッパーくん、ご心配おかけしました』
「ううん、いいんだ。おれは医者だからな。それより何か食べれるか?」
『ええ。……あの、チョッパーくん…眼帯を取って頂けますか?』
「うん。はい、眼帯」
『ありがとうございます』
ジンはチョッパーから眼帯を受け取り、右目に着けた。ジンは安堵の表情になる。
「じゃあおれ、サンジにご飯頼んでくるな。動いちゃダメだぞ!!」
『わかりました』
ジンはニコッと笑って、チョッパーを見送った。ジンは辺りを見渡す。
(………)
ガチャ
ドアの音で静かにジンは目を向ける。
「おう、起きたらしいな」
『サンジさん。あの、今は朝ですか?』
「いや、夜だ。お前が寝て1日ちょっとってとこか。みんなは寝てる。チョッパーも今寝かして来た。あいつ、ずっとお前の側に居たからな」
『それはご心配おかけしました。サンジさんも遅くまで…』
「おれは明日の仕込みだ。気にすんな。それよりスープ作って来たぞ、飲めるか?」
『はい、頂きます』
サンジはジンにスープを渡し、チョッパーの回るイスに座る。
『頂きます』
ジンはスープに口をつける。おいしいと笑顔になる。サンジはどうもっとタバコを吹かす。
「………」
『……あの、サンジさん。どうしましたか?』
「え…?? ああ、いやなんだ……その格好、女みたいだなって」
サンジはジンから顔を背ける。ジンは、おりている自分の髪を見てああっと思う。
『切ろうかって思ってるんですが…なかなか機会がなくて』
「……まぁ、切らなくていいんじゃねぇか。あんまりない色の髪だし」
『……嬉しいです。ありがとうございます』
「男に喜ばれても嬉しくねぇ」
『ははは』
ジンはそうですねっと笑う。サンジはスープが空になったのを見てジンから皿を取る。
『ありがとうございます。ご馳走様でした』
「お粗末さま。汗はこのタオルで拭いとけ」
ポンッとタオルを投げるサンジ。ジンはお礼を言って軽く顔を拭く。
『……サンジさん』
「ん? なんだ??」
サンジは皿をチョッパーの机に置いた。
『僕にご質問があったのでは?』
「ああ。あれか…誰も気づいてなかったみたいだから、そうだな今聞いとくか」
サンジはイスに座りなおし、胸ポケットから紙を取り出す。
「あのくま野郎の爆発の後、目を開けたらこの破片が手の中にあった」
『ああ…なるほど』
「何をしたんだ?」
『簡単なことです。皆さんの前に紙の壁を作って直撃を抑えました』
「みんなってあそこにいた全員か!!?」
『はい。その分完璧とはいきませんでしたが……』
「………そのダメージは全部てめえに行くんじゃねぇのか?」
『まったくないとはいいませんが、サンジさんが思っているよりダメージはありません。しかし、あの衝撃波を直撃で受けていたら皆さん今頃生きてはいません』
「…………そうか」
『いらぬ事でしたか…?』
「いや」
サンジは言い、立ち上がる。
「あの衝撃で死んじゃあ元も子もねぇ。それにこれが倒れた原因じゃないならいい」
『サンジさん……』
「とりあえず、今は寝ろ。明日また起こすからゆっくり休め」
サンジは皿を取り、医務室から食堂へのドアを開ける。ドアの前に立つサンジはジンに背を向けたままバツが悪そうに言う。
「……その、なんだ。助かったのには礼を言う。だが、あんま無茶はすんじゃねぇよ」
バタンッ
ドアが閉まる。 ジンはぼーっとドアに目を向けていた。
(これが彼らの仲間を思う気持ち……)
ジンはシーツを握りしめる。
『こんな僕にまで…』
ジンはサンジに言われたように床につき目を閉じる。 サニー号の空気の暖かさに包まれながら眠りについた。
「ああ」
チョッパーの指示でサンジはジンを医務室のベッドに下ろす。
「出来るだけ楽な格好にした方がいいから、髪止めとベスト…後、眼帯を外してくれ。」
サンジは頷き、座らせたジンからチョッパーに言われたようにベスト脱がす。
「サンジくん。バレッタの外し方わかんないでしょ? 私がやるわ」
ナミがジンの後ろに周りバレッタを2つ外す。眼帯も外した。そのままサンジとナミは気を使いながらジンをベッドに寝かす。
準備が出来たチョッパーがジンを診察した。
「チョッパー!! ジンは大丈夫なのか!!?」
狭い医務室に入れずに心配そうに食堂に続くドアから顔を出すルフィ。チョッパーは、ん―――っと腕を組む。
「生きてんのか? チョッパー??」
サンジが聞く。チョッパーは考えたのち、話し出した。
「……寝てるんだ」
「「「???」」」
チョッパーの言葉に間が抜けるクルー。
「どういうことだ?」
ウソップがわからないながらに聞く。
「今、診たけど、ケガも病気もないんだ。本当に…ただ寝てるだけ」
「寝てるだけって、じゃあいいんじゃねぇのか」
フランキーがサングラスを上げながら言う。チョッパーはジンに目を向けている。
「でも、呼吸や脈拍が異常に低いんだ……まるで動物の“冬眠”みたいに、人間でこんな状態になるはずないんだ。なにか原因があるはずだよ」
「ヨホホ、原因ですかぁ…」
ブルックが首を傾げる。ルフィが食堂から食べ物を持って行く。
「なぁ、メシ食えばなおらねぇかな」
「「治るか!!」」
ウソップとナミが二人で突っ込みを入れる。
「食事か……そう言えばコイツほとんど食ってなかったな」
サンジが壁に寄りかかりながら言う。
「……原因はこれかも知れないわね」
ロビンがジンの眼帯を手に取りながら言う。
「眼帯が?」
ナミが言う。
「チョッパー。ここを触ってみて」
「?」
チョッパーはロビンが差し出すジンの眼帯の裏に手を触れる。
「!!」
「どうしたチョッパー!!」
ルフィがチョッパーに近づく。チョッパーはびっくりしたようにロビンを見上げた。
「ロビン、これ!!?」
「ええ…たぶん“海楼石”よ。とても僅かだけど感じるわ」
「“海楼石”!? 能力者の力を奪うあれだろ??」
ウソップが驚く。ルフィも触って見たらなんかだるくなるっと言う。
「おいおい、こいつは悪魔の実の能力者だろう。なんでわざわざ自分を弱める海楼石なんか持ってやがんだ」
フランキーが呆れたというように言う。
「……ロビンちゃんはジンが違う能力を隠してると思ってるんだろ」
「ええ、仮説だけど」
「まさかロビン、あの七武海が言ったこと本気で思ってるの??」
サンジの言葉にロビンが頷く。ナミは反論した。
「七武海が言ったこと? 何を言ったんだ」
「ああ、ルフィは寝てたからわかんねぇな。後から来た七武海がジンに“コエコエの能力”があるって言ったんだ」
ルフィに説明するウソップ。
「でも、有り得るのでしょうか…2つの実を口にして生きているなんて…私、2つ目の実を食べた瞬間跡形もなく死んでしまうというお話を聞いたことがありますよ…」
「おっ、おれもそう聞いてるぞ! あいつの気のせいじゃないのか?」
「おれは有り得ると思うぜ」
ブルックとウソップの言葉を切りゾロは言う。
「でねぇとあのオーズを抑えることは出来ねぇだろ」
「「「………」」」
ゾロはジンが端々でオーズの動きを抑えたことを思いながら言う。みんなも思い当たることを考える。
「なぁ、そんなのジンが起きてから聞いたらいいじゃねぇか」
「はぁ!?」
ルフィがジンをつんつんとつつきながら言う。
「ジンは聞いたら教えてくれるじゃねぇか。本人がいねぇとこで話したって本当のことはわかんねぇだろ」
「……確かに」
「寝てるだけなら起きるんだろ、チョッパー?」
「うん。ちゃんと起きるよ」
「ほら、だから今はゆっくり寝かしてやろうぜ!! で、メシにしよう」
ニィと笑顔でいう船長にクルーはそうだなっと頷いた。
次の日
『…………ハァ…ハァ』
ジンの呼吸が戻る。体温が上昇したため汗がわっと出た。そんな中、ジンは静かに目をあける。
『…………』
ジンの目に入ったのは最近乗った船、サニー号の天井。 ジンは虚ろな目で横に顔を向ける。
すると自身の肩あたりでスヤスヤ眠るチョッパーを見つける。
『……チョッパーくん…ずっとここに』
ジンは笑う。とても優しい顔をしていた。ゆっくりと手を伸ばし、頭を撫でる。
『……あれ、眼帯が…』
ジンは眼帯がないことに気づき、右目を抑えながら体を起こす。その振動でチョッパーが目を覚ます。
「…ん…ジン? 起きたのか!!?」
ガバッとチョッパーが目を覚ます。
『おはようございます。チョッパーくん、ご心配おかけしました』
「ううん、いいんだ。おれは医者だからな。それより何か食べれるか?」
『ええ。……あの、チョッパーくん…眼帯を取って頂けますか?』
「うん。はい、眼帯」
『ありがとうございます』
ジンはチョッパーから眼帯を受け取り、右目に着けた。ジンは安堵の表情になる。
「じゃあおれ、サンジにご飯頼んでくるな。動いちゃダメだぞ!!」
『わかりました』
ジンはニコッと笑って、チョッパーを見送った。ジンは辺りを見渡す。
(………)
ガチャ
ドアの音で静かにジンは目を向ける。
「おう、起きたらしいな」
『サンジさん。あの、今は朝ですか?』
「いや、夜だ。お前が寝て1日ちょっとってとこか。みんなは寝てる。チョッパーも今寝かして来た。あいつ、ずっとお前の側に居たからな」
『それはご心配おかけしました。サンジさんも遅くまで…』
「おれは明日の仕込みだ。気にすんな。それよりスープ作って来たぞ、飲めるか?」
『はい、頂きます』
サンジはジンにスープを渡し、チョッパーの回るイスに座る。
『頂きます』
ジンはスープに口をつける。おいしいと笑顔になる。サンジはどうもっとタバコを吹かす。
「………」
『……あの、サンジさん。どうしましたか?』
「え…?? ああ、いやなんだ……その格好、女みたいだなって」
サンジはジンから顔を背ける。ジンは、おりている自分の髪を見てああっと思う。
『切ろうかって思ってるんですが…なかなか機会がなくて』
「……まぁ、切らなくていいんじゃねぇか。あんまりない色の髪だし」
『……嬉しいです。ありがとうございます』
「男に喜ばれても嬉しくねぇ」
『ははは』
ジンはそうですねっと笑う。サンジはスープが空になったのを見てジンから皿を取る。
『ありがとうございます。ご馳走様でした』
「お粗末さま。汗はこのタオルで拭いとけ」
ポンッとタオルを投げるサンジ。ジンはお礼を言って軽く顔を拭く。
『……サンジさん』
「ん? なんだ??」
サンジは皿をチョッパーの机に置いた。
『僕にご質問があったのでは?』
「ああ。あれか…誰も気づいてなかったみたいだから、そうだな今聞いとくか」
サンジはイスに座りなおし、胸ポケットから紙を取り出す。
「あのくま野郎の爆発の後、目を開けたらこの破片が手の中にあった」
『ああ…なるほど』
「何をしたんだ?」
『簡単なことです。皆さんの前に紙の壁を作って直撃を抑えました』
「みんなってあそこにいた全員か!!?」
『はい。その分完璧とはいきませんでしたが……』
「………そのダメージは全部てめえに行くんじゃねぇのか?」
『まったくないとはいいませんが、サンジさんが思っているよりダメージはありません。しかし、あの衝撃波を直撃で受けていたら皆さん今頃生きてはいません』
「…………そうか」
『いらぬ事でしたか…?』
「いや」
サンジは言い、立ち上がる。
「あの衝撃で死んじゃあ元も子もねぇ。それにこれが倒れた原因じゃないならいい」
『サンジさん……』
「とりあえず、今は寝ろ。明日また起こすからゆっくり休め」
サンジは皿を取り、医務室から食堂へのドアを開ける。ドアの前に立つサンジはジンに背を向けたままバツが悪そうに言う。
「……その、なんだ。助かったのには礼を言う。だが、あんま無茶はすんじゃねぇよ」
バタンッ
ドアが閉まる。 ジンはぼーっとドアに目を向けていた。
(これが彼らの仲間を思う気持ち……)
ジンはシーツを握りしめる。
『こんな僕にまで…』
ジンはサンジに言われたように床につき目を閉じる。 サニー号の空気の暖かさに包まれながら眠りについた。