希望の星、夢の終わり
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「…やった!!し…!!! 塩食わせてやったぞ~~!!」
「塩!?塩がどうしたの!?」
状況が掴めないナミにウソップは“塩の効果”を説明する。同時にオーズの口から影がズズズっと出てきた。
「浄化しやがれ怪物ゾンビ!! ……ん?」
喜びもつかの間、ウソップの予想とは違い、口から顔を出したのはモリアの影。影は塩の袋をウソップに投げ返した。
「キシシシ!! 体内からガードしたんだバーカ」
ウソップに塩がぶつかり、あたりに弾ける。ウソップはすぐに起き上がり、ブルックの集めた塩をかき集める。
「畜生!! 畜生ォ!! あの野郎バカにしやがって……!!」
「キシシシ!! ぬか喜びして、めでてぇヤローだぜ…!! 弱点とわかってるものに対策もうたずにいると思ったか!!」
「……!! くそォ!!!」
笑うモリアに怒るウソップ、しかし目の前にはオーズの足が迫っていた。
「“スターーンプ!!”!!!」
ドゴォン!!!
「うわぁぁ―!!!」
「ウソップ―!!!」
運良く投げ出されたナミはオーズが踏みつけているウソップに叫んだ。
「まだまだ踏んでやれ!!!」
「やめて――!!! やめてよォ!!!」
「そこの女もだ!!」
ナミの叫びも虚しく、オーズの足が向けられる。
「きゃあ!!」
「潰せ潰せ!!どいつもこいつも踏み潰せ!! 倒れてる奴らも全員少しずつ息があるぜ!人の形も残してやるな!!」
モリアの言葉にオーズが足を振り下ろし続ける。
「おい!!!デケェの!!!」
「!?」
「お前は一体何を踏み潰してるんだ?」
オーズが後ろを見るとそこにいたのは大男。
「お前の足の下には誰もいねぇぜ!!!」
「………助かった…」
「どなたか存じませんが、あぶねぇところ……」
ウソップとナミは助かったと安心する。
「誰だ、お前?」
オーズは聞く。
「おれはモンキー!!!D!!!ルフィだぜ!!!」
大男が名乗る。するとナミとウソップは大男を見た。
「「ルフィ~~!!? ど……どこが~~~!!!!」」
「似てるちゃ似てる気もするが…本当なのか!? お前なのか!?」
「本当におれだぜ!!」
「いやその喋り方も……」
「何があったんだよ!!」
二人は驚きを隠せない。それはモリアも同じ。
「……あいつ変身能力もあったのか!? それとも……」
考えを巡らすモリア。しかし結論はわからない。
「ふん、構わねぇ潰せ!!」
「勿論だ!! “ゴ~ム~ゴ~ム~の~”」
オーズの攻撃の前にルフィは二人に聞く。
「みんなやられたのか…」
「ああ、おれ達以外みんなあの怪物ゾンビにやられた!!」
「来た!!」
「危ねぇぞ、わかってんだろうがアレがお前の影の入ったゾンビだ、ルフィ!!」
「………」
「さらに体もゴムみてぇに伸びてお前の技を使ってくる!!」
「“ライフル”!!!」
ギュオオ!!
オーズの拳が向かってくる。ナミやウソップは逃げる。しかしルフィは逃げなかった。
ドン!!
ピタリと力を相殺される。
「ルフィはおれ一人だぜ!!!」
何事もなかったかのようにルフィは拳を構える。 そして思いっ切りオーズに殴りかかった。
「「うわあああ~~~!!!」」
ナミとウソップは悲鳴を上げる。オーズは血を吐きながらモリアごと吹っ飛んだ。
ドガー…ン!!
オーズの巨体が大きな音を立てながら倒れる。
(……………)
(………………)
ジンは座るような姿勢で壁に突っ込んでいた。大きな音の連続にゆっくりと目をあける。
(…………)
オーズの蹴りをくらったのが頭だったせいかクラクラする。
(頭をガードしきれなかった……油断がすぎましたね…)
気を取り直し、状況を整理しようと辺りを見渡す。
すると麦わらのクルーだけではなくたくさんの人がいることに気づいた。2人程こちらに気づいた様で、ジンに近づいて来る。
(…あの方達は?)
「おい、あんた!!大丈夫か!?」
「意識はあるんだな!!?」
『……はい。意識ははっきりしています。ケガも許容範囲です』
そう言うと、ガラッと破片を払いながら立ち上がるジン。突然立ったため、一瞬立ち眩みする。
「おおい、無理すんな!!?」
「そうだ肩を貸すぜ!!」
二人の申し出に笑顔で心配ないと答える。そしてスッと真面目な顔になり二人に尋ねた。
『それよりも…現在の状況を教えて頂けませんか?』
「……という訳だ!」
『なるほど。影をルフィさんに入れるとパワーアップするのですか、なかなか面白いお話です』
「そうだ、長鼻のニィちゃんとオレンジ髪のネェちゃんは無事だせ。後の奴らは気ぃ失ってるみたいだが命はある」
『それは良かった』
ニコっとするジン。すると少しはなれたところから建物が大きな音を立て崩れる音と歓喜の声が上がった。
『何か動きがあったようですね。行きましょう』
ジンは二人と共に声のする方へ行く。
「すげぇぜ麦わら~~~!!」
「オーズを倒したァ~~~!!!」
歓声を上げる。ローラ率いる海賊達。
「無茶させちって何なんだが、体大丈夫か!?」
「おいルフィ!! しっかりしろ!!」
「ルフィ!!」
「肉体の疲労は並みじゃないだろうね。100人分の戦闘力を一人の体で発揮したんだ」
心配して駆け寄るウソップとナミにローラ達も集まる。
「とにかく早く犠牲者の影を全て取り返さにゃあ!!」
「そうだ急ごう!!」
「東の空がだいぶ明るんで来たぞ!! やがて朝だ!!」
口々に話す海賊達。ウソップは影の取り返し方法についてローラ尋ねた。
「……本当は“麦わら”にやってもらいたいんだけど、無理でしょうね。全ゾンビに入った影の支配者はモリア…彼の口から“本来の主人の元へ帰れ”と命令されなければ影は戻らないのよ!!」
「考えねぇでやってみよう!! 何とかモリアを起こして力ずくで言わせるしかない!!」
「影が戻って来なきゃ倒した意味もねぇんだ」
そうだと声を大にする海賊達。行動を開始しようと思った時、ズズゥ…ンっと何かが起き上がる音がした。
「うわああああああ~~!!」
「オ……オーズが!! また立ち上がったァ!!!」
「あれだけ攻撃を受けりゃ、もう体は動かねぇんじゃねぇのかよ!!」
立ち上がるオーズを前に海賊達は震え上がる。オーズは海賊達を睨む。
「痛くもカユくもねぇ…!!」
「畜生ォ!!!」
「やっぱりゾンビに力では勝ち目はねぇんだ…」
「もうリミットだ……!! 今日も夜が明ける…!! おれ達ァこの闇の暮らしから抜け出す事なんて…できねぇんだ」
「諦めよう!!!」
「急いで…森へ帰ろう!! 暗い暗い…光の差さねぇ森へ…!! また帰ろう……」
口々に話す海賊達。逃げ出し始めた者もいた。その一人が後ろで立ち上がるゾロを見て驚く。
「!!? お…おめぇ!!」
「ハァ……ルフィに何が起きたか知らねぇが…充分な追い込みだ」
「お…おい。ちょっとアンタそんな体で動いちゃ死ぬぞ!!!」
刀を抜き、息を切らせながら歩み出すゾロ。ローラはそんなゾロを見て、どっちがゾンビかわからないと、口をあんぐりさせる。
「おい!!こっちに避難させといた麦わらの一味はどこいった!?」
「え!? いや知らねぇよ!! 意識もねぇのに勝手に動くわきゃねぇだろ!!?」
「あれ…!? ここにいた無事だった二人は!?」
「おーい、さっきいたネェちゃんが急にきえちまったんだ!! こっちにいるか!!?」
麦わら一味の姿が見当たらないことに驚く海賊達。
「まさか…!! 一早く逃げたって事は……!!」
「あいつら全員逃げたのか!?」
「ハァ……ハァ…」
ヨロっとしながらも立ち上がるルフィ。それをみて海賊達は麦わらまで…っと驚く。
「……もうちょっと…足りなかったか………!! あと一撃入りゃ………!!!…くっそ―…やっぱさっきの疲れたな…」
ルフィは腹に力を入れて叫ぶ。
「ロビン!!!」
「ええ、いるわよ」
「上へ飛びてぇんだ!!」
「じゃ、足場を作るわ」
「私にも…出来る事があるならば……!!!」
「おわー!!白骨死体まで動き出した!!!」
「え――何で!!?」
白骨のブルックを見て海賊達は目が飛び出る程驚いた。
「よし…ブルック頼みがある!!!」
「そう来ると思った! もう全員サポート態勢に入ってるわ!!」
ガレキの上に立つナミが言う。海賊のひとりがそれを聞いて確信した。
「コイツらまさか!! 逃げたなんてとんでもない………!! オーズが立ち上がった瞬間に………迎撃の準備を始めてたんだ!!!」
「見てろ」
ルフィはニヤリと笑った。
「チョッパー急げ!! 日が昇る!!」
「うん!!」
サンジとチョッパーは上に行く階段を駆け上がる。
「使えそうか!? フランキー!!」
「充分だ! 手ぇかせ!!」
フランキーの突貫作業にウソップは荷物を持って手を貸す。
「信じられねぇ…!! コイツら…微塵も諦めてねぇ!!!」
「おい!!おめぇら邪魔だ!!! どいてろ!!!」
「お言葉に甘えまして~~~!!!」
ゾロの言葉にギャーギャーと走って逃げる海賊達。
『僕も何かお手伝い出来ますか?』
「遅ぇじゃねぇか、ジン……ってなんだその目!!?」
フワッと現れるジン。ゾロは冗談ぽく喋ったがジンの右目をみて驚いた。
『気づくのが遅いですね、ゾロさん』
クスクスと笑うジン。ムッとするゾロ。
「あん? 気づくかよ。それより…」
『始まりますよ、ゾロさん』
「“脚場咲き ”!!」
にょきにょきとマストに脚を交差させた足場を作るロビン。
「行きますヨホホ!!」
「頼む!!」
ヨホホホ~っとルフィを担いでその足場を駆け上がっていくブルック。
「待てぇ!! どこに…!?ん…!?何だコリャ煙?雲?」
ルフィを追おうとするオーズの前に雨雲が出来てる。
「天候は“雨”、“冷気泡 ”! “レイン=テンポ”!!!」
ナミは雨を発生させる。オーズと周りにいた海賊達は突然の雨に魔法かと驚いた。
「よーし!!応急配管工事完了だ!!! “風・来・砲 !!!”」
ボコォォン!!!
「!!?」
「目一杯回せ―!!!」
「回すーー!!!」
「発射!! 特大冷凍庫の超低温冷気砲!!!」
フランキーの掛け声でウソップがレバーを回す。
「いいぞ!!サンジ!! オーズの背骨は今真っ直ぐだ!!」
「行ってルフィ!!」
チョッパーの作戦通りオーズの背骨を真っ直ぐにした。これでダメージを逃がさない。ナミは力強く叫ぶ。
「特大バズーカをくらえ!!」
「ハァ…そんなもん…!! “バズーカ”で打ち返してやる!!! ゴムゴムの………あれ?」
オーズは焦る。
「動かねぇ……!!!あれ??右腕が動かねぇ~~~!!! 伸びもしねぇ」
「ダメージに気づかないのはゾンビの弱点ね」
「てめぇの影だ、ケジメつけろルフィ」
「左手で!! やってる!」
オーズは左手を構えようとする。
『オーズ。“動くことを禁止”します』
「!!?」
オーズはジンの言葉で動けなくなる。
『“大人しく受けてくださいね”』
ジンはニコニコ笑った。
「“ゴムゴムの”ォ…!!!“巨人の バズーカ”!!!!」
ドォン!!!
ルフィの攻撃はオーズの顔を直撃。オーズはモロにダメージを受けたため、ボキボキと背骨が折れる音がする。
「「やった――!!」」
海賊達から歓声が上がる。それと同時にオーズは再び倒れる。
「勝ったわ――!!」
「今度こそやってくれた~~~!!!」
「やっぱり希望の星だった!!」
喜ぶローラと海賊。しかし突然小さくなったルフィを見てびっくりした。
「塩!?塩がどうしたの!?」
状況が掴めないナミにウソップは“塩の効果”を説明する。同時にオーズの口から影がズズズっと出てきた。
「浄化しやがれ怪物ゾンビ!! ……ん?」
喜びもつかの間、ウソップの予想とは違い、口から顔を出したのはモリアの影。影は塩の袋をウソップに投げ返した。
「キシシシ!! 体内からガードしたんだバーカ」
ウソップに塩がぶつかり、あたりに弾ける。ウソップはすぐに起き上がり、ブルックの集めた塩をかき集める。
「畜生!! 畜生ォ!! あの野郎バカにしやがって……!!」
「キシシシ!! ぬか喜びして、めでてぇヤローだぜ…!! 弱点とわかってるものに対策もうたずにいると思ったか!!」
「……!! くそォ!!!」
笑うモリアに怒るウソップ、しかし目の前にはオーズの足が迫っていた。
「“スターーンプ!!”!!!」
ドゴォン!!!
「うわぁぁ―!!!」
「ウソップ―!!!」
運良く投げ出されたナミはオーズが踏みつけているウソップに叫んだ。
「まだまだ踏んでやれ!!!」
「やめて――!!! やめてよォ!!!」
「そこの女もだ!!」
ナミの叫びも虚しく、オーズの足が向けられる。
「きゃあ!!」
「潰せ潰せ!!どいつもこいつも踏み潰せ!! 倒れてる奴らも全員少しずつ息があるぜ!人の形も残してやるな!!」
モリアの言葉にオーズが足を振り下ろし続ける。
「おい!!!デケェの!!!」
「!?」
「お前は一体何を踏み潰してるんだ?」
オーズが後ろを見るとそこにいたのは大男。
「お前の足の下には誰もいねぇぜ!!!」
「………助かった…」
「どなたか存じませんが、あぶねぇところ……」
ウソップとナミは助かったと安心する。
「誰だ、お前?」
オーズは聞く。
「おれはモンキー!!!D!!!ルフィだぜ!!!」
大男が名乗る。するとナミとウソップは大男を見た。
「「ルフィ~~!!? ど……どこが~~~!!!!」」
「似てるちゃ似てる気もするが…本当なのか!? お前なのか!?」
「本当におれだぜ!!」
「いやその喋り方も……」
「何があったんだよ!!」
二人は驚きを隠せない。それはモリアも同じ。
「……あいつ変身能力もあったのか!? それとも……」
考えを巡らすモリア。しかし結論はわからない。
「ふん、構わねぇ潰せ!!」
「勿論だ!! “ゴ~ム~ゴ~ム~の~”」
オーズの攻撃の前にルフィは二人に聞く。
「みんなやられたのか…」
「ああ、おれ達以外みんなあの怪物ゾンビにやられた!!」
「来た!!」
「危ねぇぞ、わかってんだろうがアレがお前の影の入ったゾンビだ、ルフィ!!」
「………」
「さらに体もゴムみてぇに伸びてお前の技を使ってくる!!」
「“ライフル”!!!」
ギュオオ!!
オーズの拳が向かってくる。ナミやウソップは逃げる。しかしルフィは逃げなかった。
ドン!!
ピタリと力を相殺される。
「ルフィはおれ一人だぜ!!!」
何事もなかったかのようにルフィは拳を構える。 そして思いっ切りオーズに殴りかかった。
「「うわあああ~~~!!!」」
ナミとウソップは悲鳴を上げる。オーズは血を吐きながらモリアごと吹っ飛んだ。
ドガー…ン!!
オーズの巨体が大きな音を立てながら倒れる。
(……………)
(………………)
ジンは座るような姿勢で壁に突っ込んでいた。大きな音の連続にゆっくりと目をあける。
(…………)
オーズの蹴りをくらったのが頭だったせいかクラクラする。
(頭をガードしきれなかった……油断がすぎましたね…)
気を取り直し、状況を整理しようと辺りを見渡す。
すると麦わらのクルーだけではなくたくさんの人がいることに気づいた。2人程こちらに気づいた様で、ジンに近づいて来る。
(…あの方達は?)
「おい、あんた!!大丈夫か!?」
「意識はあるんだな!!?」
『……はい。意識ははっきりしています。ケガも許容範囲です』
そう言うと、ガラッと破片を払いながら立ち上がるジン。突然立ったため、一瞬立ち眩みする。
「おおい、無理すんな!!?」
「そうだ肩を貸すぜ!!」
二人の申し出に笑顔で心配ないと答える。そしてスッと真面目な顔になり二人に尋ねた。
『それよりも…現在の状況を教えて頂けませんか?』
「……という訳だ!」
『なるほど。影をルフィさんに入れるとパワーアップするのですか、なかなか面白いお話です』
「そうだ、長鼻のニィちゃんとオレンジ髪のネェちゃんは無事だせ。後の奴らは気ぃ失ってるみたいだが命はある」
『それは良かった』
ニコっとするジン。すると少しはなれたところから建物が大きな音を立て崩れる音と歓喜の声が上がった。
『何か動きがあったようですね。行きましょう』
ジンは二人と共に声のする方へ行く。
「すげぇぜ麦わら~~~!!」
「オーズを倒したァ~~~!!!」
歓声を上げる。ローラ率いる海賊達。
「無茶させちって何なんだが、体大丈夫か!?」
「おいルフィ!! しっかりしろ!!」
「ルフィ!!」
「肉体の疲労は並みじゃないだろうね。100人分の戦闘力を一人の体で発揮したんだ」
心配して駆け寄るウソップとナミにローラ達も集まる。
「とにかく早く犠牲者の影を全て取り返さにゃあ!!」
「そうだ急ごう!!」
「東の空がだいぶ明るんで来たぞ!! やがて朝だ!!」
口々に話す海賊達。ウソップは影の取り返し方法についてローラ尋ねた。
「……本当は“麦わら”にやってもらいたいんだけど、無理でしょうね。全ゾンビに入った影の支配者はモリア…彼の口から“本来の主人の元へ帰れ”と命令されなければ影は戻らないのよ!!」
「考えねぇでやってみよう!! 何とかモリアを起こして力ずくで言わせるしかない!!」
「影が戻って来なきゃ倒した意味もねぇんだ」
そうだと声を大にする海賊達。行動を開始しようと思った時、ズズゥ…ンっと何かが起き上がる音がした。
「うわああああああ~~!!」
「オ……オーズが!! また立ち上がったァ!!!」
「あれだけ攻撃を受けりゃ、もう体は動かねぇんじゃねぇのかよ!!」
立ち上がるオーズを前に海賊達は震え上がる。オーズは海賊達を睨む。
「痛くもカユくもねぇ…!!」
「畜生ォ!!!」
「やっぱりゾンビに力では勝ち目はねぇんだ…」
「もうリミットだ……!! 今日も夜が明ける…!! おれ達ァこの闇の暮らしから抜け出す事なんて…できねぇんだ」
「諦めよう!!!」
「急いで…森へ帰ろう!! 暗い暗い…光の差さねぇ森へ…!! また帰ろう……」
口々に話す海賊達。逃げ出し始めた者もいた。その一人が後ろで立ち上がるゾロを見て驚く。
「!!? お…おめぇ!!」
「ハァ……ルフィに何が起きたか知らねぇが…充分な追い込みだ」
「お…おい。ちょっとアンタそんな体で動いちゃ死ぬぞ!!!」
刀を抜き、息を切らせながら歩み出すゾロ。ローラはそんなゾロを見て、どっちがゾンビかわからないと、口をあんぐりさせる。
「おい!!こっちに避難させといた麦わらの一味はどこいった!?」
「え!? いや知らねぇよ!! 意識もねぇのに勝手に動くわきゃねぇだろ!!?」
「あれ…!? ここにいた無事だった二人は!?」
「おーい、さっきいたネェちゃんが急にきえちまったんだ!! こっちにいるか!!?」
麦わら一味の姿が見当たらないことに驚く海賊達。
「まさか…!! 一早く逃げたって事は……!!」
「あいつら全員逃げたのか!?」
「ハァ……ハァ…」
ヨロっとしながらも立ち上がるルフィ。それをみて海賊達は麦わらまで…っと驚く。
「……もうちょっと…足りなかったか………!! あと一撃入りゃ………!!!…くっそ―…やっぱさっきの疲れたな…」
ルフィは腹に力を入れて叫ぶ。
「ロビン!!!」
「ええ、いるわよ」
「上へ飛びてぇんだ!!」
「じゃ、足場を作るわ」
「私にも…出来る事があるならば……!!!」
「おわー!!白骨死体まで動き出した!!!」
「え――何で!!?」
白骨のブルックを見て海賊達は目が飛び出る程驚いた。
「よし…ブルック頼みがある!!!」
「そう来ると思った! もう全員サポート態勢に入ってるわ!!」
ガレキの上に立つナミが言う。海賊のひとりがそれを聞いて確信した。
「コイツらまさか!! 逃げたなんてとんでもない………!! オーズが立ち上がった瞬間に………迎撃の準備を始めてたんだ!!!」
「見てろ」
ルフィはニヤリと笑った。
「チョッパー急げ!! 日が昇る!!」
「うん!!」
サンジとチョッパーは上に行く階段を駆け上がる。
「使えそうか!? フランキー!!」
「充分だ! 手ぇかせ!!」
フランキーの突貫作業にウソップは荷物を持って手を貸す。
「信じられねぇ…!! コイツら…微塵も諦めてねぇ!!!」
「おい!!おめぇら邪魔だ!!! どいてろ!!!」
「お言葉に甘えまして~~~!!!」
ゾロの言葉にギャーギャーと走って逃げる海賊達。
『僕も何かお手伝い出来ますか?』
「遅ぇじゃねぇか、ジン……ってなんだその目!!?」
フワッと現れるジン。ゾロは冗談ぽく喋ったがジンの右目をみて驚いた。
『気づくのが遅いですね、ゾロさん』
クスクスと笑うジン。ムッとするゾロ。
「あん? 気づくかよ。それより…」
『始まりますよ、ゾロさん』
「“
にょきにょきとマストに脚を交差させた足場を作るロビン。
「行きますヨホホ!!」
「頼む!!」
ヨホホホ~っとルフィを担いでその足場を駆け上がっていくブルック。
「待てぇ!! どこに…!?ん…!?何だコリャ煙?雲?」
ルフィを追おうとするオーズの前に雨雲が出来てる。
「天候は“雨”、“
ナミは雨を発生させる。オーズと周りにいた海賊達は突然の雨に魔法かと驚いた。
「よーし!!応急配管工事完了だ!!! “
ボコォォン!!!
「!!?」
「目一杯回せ―!!!」
「回すーー!!!」
「発射!! 特大冷凍庫の超低温冷気砲!!!」
フランキーの掛け声でウソップがレバーを回す。
「いいぞ!!サンジ!! オーズの背骨は今真っ直ぐだ!!」
「行ってルフィ!!」
チョッパーの作戦通りオーズの背骨を真っ直ぐにした。これでダメージを逃がさない。ナミは力強く叫ぶ。
「特大バズーカをくらえ!!」
「ハァ…そんなもん…!! “バズーカ”で打ち返してやる!!! ゴムゴムの………あれ?」
オーズは焦る。
「動かねぇ……!!!あれ??右腕が動かねぇ~~~!!! 伸びもしねぇ」
「ダメージに気づかないのはゾンビの弱点ね」
「てめぇの影だ、ケジメつけろルフィ」
「左手で!! やってる!」
オーズは左手を構えようとする。
『オーズ。“動くことを禁止”します』
「!!?」
オーズはジンの言葉で動けなくなる。
『“大人しく受けてくださいね”』
ジンはニコニコ笑った。
「“ゴムゴムの”ォ…!!!“
ドォン!!!
ルフィの攻撃はオーズの顔を直撃。オーズはモロにダメージを受けたため、ボキボキと背骨が折れる音がする。
「「やった――!!」」
海賊達から歓声が上がる。それと同時にオーズは再び倒れる。
「勝ったわ――!!」
「今度こそやってくれた~~~!!!」
「やっぱり希望の星だった!!」
喜ぶローラと海賊。しかし突然小さくなったルフィを見てびっくりした。