モリアとオーズと対峙する麦わらクルーとジン。状況把握のためナミが疑問を口にする。


「ルフィがいないってことはもしかして、まずルフィゾンビ倒して、さらにモリアも倒さなきゃみんなの影は戻らないとか、そういう状況！？　もう朝になるわよ！？」

「それが敵の狙いなんだ！　やるしかねぇだろ！！」

ウソップは半場ヤケになってナミに言う。


(さぁ、どうしましょうか…)

ジンは冷静に状況を観察する。するとブルックがナミの雷を纏い、回転しながらオーズに突っ込む。


「さぁ、行きますよ！！雷（イカズチ）の矢の如くっ！！！　“雷骨剣”！“革命舞曲（ｶﾞﾎﾞｯﾄ）ボンナバン”！！！」


ドキュン！！！


ブルックはオーズの右肩を貫く。


「うﾞあぁ！！！　肩貫かれた！！！」

「スゲェ！！撃ち抜いた！！！　スキがてきたぞ！！！」

「………任務完了」

右肩を貫かれたオーズは体をふらつかす。ブルックは壁にめり込んだ。ウソップは再び叫ぶ。


「攻撃をつなげぇ！！」

「上出来だホネ…！！　二刀流“弐斬り”」

『本当にブルックさんには驚嘆しますね。“原点の紙（ｵﾘｼﾞﾝﾍﾟｰﾊﾟｰ）”フォーム：気ままな鎖（ﾌｨｸﾙﾁｪｲﾝ）”』

ゾロが刀を構え、ジンが手を前に出し鎖のついた2つの剣を精製する。


「“登楼（ﾄｳﾛｳ）”！！！！」
『“交差する翼（ｸﾛｽﾄﾌﾗﾝｸ）”』

縦に打ち上げるように斬撃を放つゾロ。ジンは両手から剣を離し、鎖を手に取る。両手で鎖を交差すると剣も交差し、“翼”のようにオーズに向かう。タイミングよく引くとオーズを思いっきり斬りつけた。


ズバッ！！！

ズサッ！！！


「どわ！！！この……！！　いや…まずは」

縦に横にと攻撃を受けたオーズはふたりの攻撃を受けて怯んだが、ブルックの方に目を向ける。


「このガイコツにとどめだ！！！“ゴムゴムの”……“戦斧（オノ）”！！！」

「！！！」


ボコォン！！


「ブルック～～～！！！こ、この！　必殺“アトラス彗星（スイセイ）”！！！」

ウソップはバシュと4つの弾を放つ。


「ドゥあぁ～～～！！効くかぁ～～！！！」



オーズ右手ですべての弾を破壊、ウソップを標的にする。


「次はお前だぁ～～！！！　鼻の奴～～～っ！！！」

「うわ、狙われた」

「“ゴムゴムの”……“バズーカ”！！」

「ギャア～～！！　死んだ～～」

必死に防御の姿勢を取るウソップ。しかしオーズからの攻撃がこない。





「……ん？伸びなくなった」

「“八十輪咲き（ｵﾁｪﾝﾀﾌﾙｰﾙ）”四本樹（ｸﾜﾄﾛ・ﾏｰﾉ）……」

「え！？」

「“ホールド”！！！」

「ぬぬぬ……！！何だぁこの手は！！！　うっとうしい！！！」

ロビンの手がモリアを拘束する。


「ちょっと影の操作やめてもらえないかしら…」

「はぁ？」

ロビンとモリアはにらみ合う。ウソップはいいぞ！！と歓喜の声をあげた。


「あり？　なんで伸びなくなったんだ！？」

「ロビン！！助かった！！　死ぬとこだった！！！」

「………」

「……キシシシ。オエ…苦しい………！！」

苦しむモリア。しかしニタァっとした笑みをこぼす。


「これでおれを封じたつもりなのか……？　つまらんマネしてくれるじゃねぇか……」

『………！！　ロビン気をつけてください！』

「“欠片蝙蝠（ﾊﾌﾞﾘｯｸﾊﾞｯﾄ）”！！！」

「！？」

オーズの影から出てきた。モリアの影がコウモリになってロビンを襲う。


「うっ！！“二十輪咲き（ﾍﾟｲﾝﾃﾌﾙｰﾙ）…カンデュラ”！！」

「ロビンちゃん！！」
「ロビン！！」

ロビンは無数の手を回転させ、コウモリに対抗する。しかし数が多く倒れてしまった。


「ん何をしてんだ、ロビンちゃんにぃ～～！！！」

サンジはロビンを襲うコウモリを倒して行く。蹴り倒されたコウモリは液体のように地面に飛び散った。 それ影の破片がロビンの後ろに集まるように不穏な動きをする。集まった影はモリアの形になっていく。


「……モリアの影！？」

「キシシシ……オｪ、キシシシ…さぁ遠隔能力勝負といこうか…なかなか効くぜ、てめえの締め！！」

「……影に惑わされちゃいけない……！！　本体さえ仕留めれば影は必ず消滅する！！」

ロビンはモリアの影を背に手をクロスする。


「“四本樹（ｸﾜﾄﾛ・ﾏｰﾉ）”……“クラッチ”！！！」

ガッっとモリアの首をを固めるロビンの手。そして思いっきり後ろに折った。


ボキン！！！






「グギャ～～～！！！」

「！！…………やった」

「すご―い！！ロビン！！」

『……』

「………ん？」

「！？」


ウソップやナミが喜ぶ中、ロビンをはじめとしたクルーとジンは違和感を覚えてた。ゾロが気づき声をあげる。

「おい、ロビン！！　後ろの“影”に気をつけろ！！！」

「！？」

ロビンが後ろを振り向く。すると、モリア影がモリア自身になって姿を現した。


「キシシシ…おしかったな…だが残念。おれと影法師（ﾄﾞｯﾍﾟﾙﾏﾝ）はいつでも居場所を逆転出来るんだ」

「！！！」

「えっ！？　何でモリアがここに！？」

「入れ代わっただと！？…じゃあ、“あっち”にいるのは…」

みんなが混乱する中、モリアはウソップの言葉に補足を入れる。


「したがって今オーズの腹の中にいるのは、さっきまでここにいたおれの“影”。関節技など効かねぇ“影武者”。勝負あり…」

「あっ」

モリアによってベリベリとロビンの影が剥がされる。


「ロビンちゃ…」

ジョキン！！！


「……やられた！！　ロビンまで…！！！」

サンジの叫びも虚しくロビンの影は取られてしまった。ゾロは歯をくいしばる。


「うわぁぁ、ロビ～～ン！！！」

「キシシシ―――さてこれで3人目消去」

大きなハサミを持ち、ロビンの影を持ったモリアは笑う。


「“悪魔風脚（ﾃﾞｨｱﾌﾞﾙｼﾞｬﾝﾌﾟ）”！！！」

高速回転により、左脚に炎を纏ったサンジはモリアに向かう。


「……んの、クソ野郎が！！！　ロビンちゃんの影を返せェ～～～！！！」

モリアはそんなサンジの存在を無視するかのようにロビンの影の扱いを考える。


「“最上級挽き肉（ｴｸｽﾄﾗｱｯｼｭ）”」
「欠片蝙蝠（ﾌﾞﾘｯｸﾊﾞｯﾄ）」

サンジは蹴りを入れる。しかしモリアはコウモリの影と入れ替わってしまった。 コウモリたちもオーズの下へ飛ぶ。


「入れ代わったって事は…！！　モリアはまたオーズのお腹の中に戻ってる！！」

ナミの予想通りモリアは、オーズの腹の中。

「キシシシ！！……そして全てが元通り！！　悪ぃなオーズ。少し遊んで来ちまった」

「コノヤロー！！ご主人様！！おれのケンカだっつってんのにぃ！！　その女のとどめはおれが刺してやるーー！！！“ゴムゴムの”～～～～」

影が伸びるようになったオーズは気絶しているロビンに向けて攻撃する。


「また伸びる様になっちまった！！　ちょっとその技逃げ場がねぇって！！！」

「ウソでしょ！？　意識のないロビンに！！？」

ああああっとウソップとナミが叫ぶ。


「“バズーカ”！！！」


ゴォ―ン！！


「サンジ！！　ロビン！！　逃げろ～！！！」

ウソップが叫ぶ。サンジは受けようとする。


「“悪魔風（ﾃﾞｨｱﾌﾞﾙ）”……」
『“文字化け（ｶﾞｰﾌﾞﾙ）”…“詐欺師（ﾄﾘｯｸｽﾀｰ）”』

「！」

オーズの技が巨大な“紙”の兵士によっと阻まれる。


「ナンだぁ！？変なヨロイが出てきたぁ！！？　動かなねぇ！！」

「紙…！って事はジン！！　よくやった！！！」

「すごい…！！」

オーズの技は紙兵士によって威力を消される。ジンはいつの間にかオーズとサンジたちの間に紙兵士と共に現れた。オーズと渡り合うジンの技を見てウソップとナミは感心する。


「ジン！！」

『僕がオーズを抑えます。サンジさんはロビンを』

ジンはオーズに手を向けた状態で後ろを振り向かずサンジに言う。


「まかせろ！！」

オーズの腕は紙兵士によって捕まえられる。その間にサンジはロビンを抱え場を離れる。サンジが離れたのを確認したジンはオーズに声を掛ける。


『ハァ…ハァ……“繰り人形（ﾊﾟﾍﾟｯﾄ）”』

ジンが言うと、紙兵士の体から紙がオーズに向かって伸びる。それはオーズを捕らえ巻き締め付ける。


「うぐぐぐ…」

オーズは身体中が紙で覆われミイラの様になった。息苦しい声をもらす。


「今のうちに攻撃した方が良さそうだな」

ゾロがジンの奮闘を見て、刀を構える。しかし、次の瞬間…


『！！』



ドガーン！！



ジンは気付いた時にはすでにオーズ足が頭の真横にあり、勢いよく壁へ“蹴り”飛ばされた。しかし、オーズ自身は蹴りが入れれるような体制ではない。


「キシシシ。これで動けるだろう、オーズ」

「あっ、本当だ」

ジンが攻撃を受けたことによりオーズを拘束していた紙が解け、自由になった。


「よくもやってくれたな、あいつ！！くらえ！！　“ゴムゴムの”ォ～～“ピストル”！！！」

オーズはジンがぶっ飛んだ壁に向けて拳を打ち込む。


「キシシシ。オーズそいつはそれくらいにしとけ。捕獲だからな」


「ジン！！」

「なんで！？」

「モリアが影でオーズの足を動かしやがったんだ」

ウソップとナミが突然飛ばされたジンに驚き、状況を目で追えたゾロが話す。


「その後にあんなパンチをモロに食らったのか……」

「クソォ…ジンまで…」

ウソップが膝をついた。サンジはタバコを噛みしめる。







「おーい、サンジ～～！！ゾロ～～！！」

「「！？」」

どこからかチョッパーの声が聞こえる。チョッパーはオーズの肩にいた。


「チョッパー！！？お前何でそんなとこに！！」

「ハァハァ……探してたんだ…！！　500年前のオーズの“死因”を！！」

「！？ 死因！？」

「大悪党が寿命を待たず死んだのなら“外傷”が原因の可能性は高い」

「ん？　こんなところに！！」

「う」

オーズが肩にいるチョッパーに今気づく。チョッパーはギクッとしたが続けてふたりに話す。


「この“右腕”を狙え！！これは元々のオーズの腕じゃない！！！　ホグバックの手で天才的に復元されてるけど！！継ぎ目にひどい凍傷の跡がある！！！」

「何！？」

「断定はできないけど500年前のコイツの死因はおそらく“凍死”！！ハァハァ…こんな怪物でも自然の力には敵わずに氷の国をさ迷って死んだんだ！！！
なぜなら500年の昔もきっと…オーズは…裸だったから！！！」


「「そんなアホに負けたくねぇ～！！！」」


チョッパーの言葉にショックを受けたゾロとサンジ。チョッパーは続けて右手のダメージが蓄積していること、自分のいるこの1点を狙うよう言う。


「何をゴチャゴチャ人の肩で！！！　ちび人間め！！！」


ドスゥン！！


オーズはチョッパーを潰すように自分の右肩を殴る。


「うわっ！！」

「チョッパー！！！」

サンジとゾロは叫ぶ。





「あれ？」

オーズが手をどけるとチョッパーはいない。


「今のパンチだって自分の体を痛めつけてる事もゾンビのお前にはわからないんだな！！」

「え！？　手の中に」

「おれはチビだから、お前の拳のすき間は洞窟みたいなもんだ！！　“ランブル”！！」

ガリッとチョッパーはランブルボールを買う。


「“飛力強化（ｼﾞｬﾝﾋﾟﾝｸﾞﾎﾟｲﾝﾄ）”！　“腕力強化（ｱｰﾑﾎﾟｲﾝﾄ）”！！」

オーズの手から空中へ飛び出したチョッパー。下からはサンジが上がって来ていた。


「よくかわした！！　手ェかすぞ チョッパー！！」

「サンジ！！　頼むよ！！」

「“空軍（ｱﾙﾒ・ﾄﾞ・ﾚｰﾙ）”」

「“刻蹄”…」

「いけっ」

サンジはチョッパーの攻撃に合わせ、蹴りで勢いをつける。


「“桜（ﾛｾﾞｵ）シュート！！！！”」

オーズの右手に向けて放たれた。その勢いでオーズの体が揺らぎ、チョッパーの蹄の形に跡がつく。


「このヤロ何度も同じとこ攻撃しやがって！！　効かねぇもんは効かねぇぞ！！！」

「効いてくるさ、必ず！！　痛みは人体を守る信号なのに、それがないなんて強みでも何でもない！！」

「勝手に言ってろ！！」

ばっと飛び上がりオーズ。サンジやチョッパーは空中な投げ出される。


「おい！！マズイぞ二人共！　なんとか逃げろ！！！」

「“ゴムゴムの”ぉ～～～！！！」

ゾロは叫ぶ。しかし空中にいる二人は身動きが取れない。


「……まいったな…」

「やべ……！！」

「“ガトリング”！！！！」


ドガガガガガガ


「サンジ！！！　チョッパー～～～！！！」

オーズのパンチの嵐がサンジとチョッパーにに降り注ぐ。あまりの光景に言葉を無くすナミ。


「畜生ォ――！！！また二人…！！　みんなやられてく…！！！」

「キシシシ……あと“3人”！！！」

モリアの声にオーズも反応し、3人に目を向ける。


「どわ～～来るぞ！」

「無理よ！！倒せるわけないじゃない！！　私達3人でこんな怪物………！！！」

「同感だ！！　もう打つ手だってねぇよ！！」

「キシシシシシシ…！！　さっさと踏み潰せオーズ！！」

「……ウソップ！！」

ゾロはオーズから目を離さず、ウソップを呼ぶ。


「ん！？」

「おれが隙を作る…！！」

「…んあ？　なんの！？」


一瞬考えるウソップ。そして閃き、わかったと頷いた。ゾロはオーズの右腕に刀を突き立てながら乗り上げる。


「“三刀流”…“夜叉鴉”！！！」

鴉の足の様に刀を構え、回転しながら斬りつける。


「また右腕か！！　何度も何度も、効かねぇって言ってんのに」

「………！！」

「このやろうが！！！」

「！！ 　“虎狩り”！！！」

オーズの攻撃を受けようとしたゾロ。しかし力負けで膝蹴りをくらう。


「ゾロぉーーー！！！」

「おい！！　こっち向けオーズ！！！」


バクン！！


ナミは叫ぶ。しかしウソップは冷静に狙い撃つ。それはオーズの口に入った。


「………？　なんか、口に入った…」

「ハァ…ハァ…」

「何？　今の…ウソップ……！！」

ナミの心配をよそにウソップは喜びの顔になる。