ハナウタ
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「………アァ!?」
タラランは斬られたことに気づかす、戸惑った。フランキーが叫ぶ。
「まだだ、斬ったところでゾンビだぞまた立ち上がる」
「………コノォ~~~~……」
ゴゴゴゴっと立ち上がる、タララン。
「ヨホホホ…ご心配なく、対処もしました」
「?」
「対処?」
「ゾンビにも弱点があるのです!!」
『……?』
「!?」
「アーアー―――!!アアー―――!!!」
「何だありゃ!!」
「あれこそがゾンビの“魂”…!!」
「…魂!? 目に見えて抜けてくぞ!!」
「アアアーー」
黒い“魂”がタラランの口から出てくる。
「さぁ、帰りなさい!!主人の下へ!!!」
ひゅーんと魂が飛んでいく。タラランは抜け殻となり、力なく倒れた。
「ギャーーー!!タララン隊長ー!!」
「隊長がやられたーー!!」
「完全に停止した……何をしたんだ!?」
「浄化です」
「……見ろ!! 間違いないあいつ…“ハナウタ”だ!!!」
「5年前にこのスリラーバークをメチャクチャにした男だ!!」
「「ご主人様に報告だ―――!!!」」
スパイダーマウスたちは血相を変えて屋敷の奥に逃げて行った。
「あっ、このクモの糸は“力”にはつよいですが火に弱いので」
「ホントだ、溶けてく」
ボウッと火を吹き掛けるフランキー。自分が糸から脱出すると、ロビンを助けた。
「よし、次はてめぇだな」
『あの……火は弱めにお願いします…』
「あん? なんでだよ??」
首を傾げるフランキー。ジンは苦笑しながら言う。
『僕、紙なので火は苦手なのです』
「ああ、そういうことか。便利なようで難儀な能力だな」
『はは、まったくです』
フランキーは弱めに糸だけを焼く。ようやくジンは自由になった。
3人はブルックに向き直る。
「麦わら達が連れ去られたんだ!! お前この島の事いろいろ知ってそうだな」
「ハイ。しかし…何から話せばいいやら。すでに彼らに捕まったとなるともう手遅れの可能性も高いですね」
「なぁにぉ!! 手遅れだとぉ!!」
「そ……そんな私に怒鳴らないで下さい。面食らってしまいますよ!!
ガイコツだから、私。面なんてないんですけども!!! ヨホホホ!!スカルジョーク!!!」
『ははは』
「ムカッ………!!!」
ジャキンとウエポンズを向けるフランキー。
「やめなさい。すでに死んでるわ」
「―――とにかく、ふざけずに聞いて下さい」
「ムカッ……!!!!」
「やめなさい、すでに死んでるわ」
『ははは』
「一度お話しした通り、船の舵もきかず私がこの海をさ迷い始めて数十年……。この“魔の海”を脱出したいと思えど、舵は壊れていて潮の流れに翻弄されるばかり。
そんな折――5年以上前になりますか。あなた方と同じ様にこのスリラーバークへ誘われたのです…」
『………』
「どうしても“魔の三角地帯 ”を抜け出したかった私は、この島に舵を直せる部品でもあればとひた歩きましたが、出てくるのは怪物やゾンビばかり――やがて捕まり着いたのはこの建物」
「………」
「その内部で見たのは先に捕まった格闘ダンサーが一人と…運ばれてきた“没人形 ”と呼ばれるつぎはぎの死体。――そこへ見るも恐ろしい大男が現れなんと…男の“影”を床から引きはがし!!切り取ったのです!!」
(それがゲッコー・モリアと言うわけですね)
「影を…切り取った……!?」
「私も目を疑いました……目は…ないんですけど―――!!!ヨホホホ」
「いい加減シバくぞてめぇ!!!」
「もうシバいたらいいわ」
『ははは』
ボカッ
フランキーに殴られ、ブルックは大きなタンコブをこしらえた。
「ほどなく私も同じ運命を辿るのですが…影を取られた男はその場に倒れ、切り取られた影は一方の動かぬ“没人形 ”の体内に押し込まれました。――するとどうでしょう…
ただの死体であるハズの“没人形 ”が動き出すじゃあありませんか!?」
「どういうこった!?」
「“影”とは…いつどこにいても人に従い動く“もう一つの魂”なのです。
あなた方の落とす影も然り。本来…人が生まれて死ぬまで絶対に離れる事なく従い続けるハズの“魂”」
「………」
「それを捕らえて自分に従わせてしまえる、その大男こそが王下七武海ゲッコー・モリア!!! “カゲカゲの実”の能力者です!!」
「悪魔の実か」
「そこに死体さえあれば影を使って彼はゾンビを生み出せるのですが、厄介なのは生物の死体をより強靭に組み上げる天才外科医、ドクトル・ホグバックが仲間である事。
彼の医術は時として各地の墓場から伝説的な戦士の肉体をも復活させ、おびただしい数の“没人形 ”が今も研究所の冷凍室に保管されています」
「………」
「Dr.ホグバック…あの有名な医師が失踪事件以来、こんな所で海賊の手助けをしてたなんて」
「だが…じゃあゾンビってのは肉体は動いちゃるが、何も死者が蘇ってたわけじゃねぇんだな」
「その通り…“性格”や“戦闘能力”は全て“影”の持ち主のものです。肉体の持つ“パワー”は“没人形 ”の持つ筋力しだい。
強い肉体と強い影を融合させる程、より強いゾンビ兵が生まれる。だからモリアは手っ取り早く賞金首の影を欲しているのです」
「成程…おれ達が狙われるわけだな」
『そしてより強い肉体の“没人形 ”を使うことで元々より強い兵士を造ることが可能になると…』
「そうですね」
「それがスリラーバークの全貌ね。モリアにとってゾンビの一番の特性は従順である事かも知れないわね。本来なら強い戦士程従わせる事は困難なはず」
「――そう…本人と同じ戦闘能力を持つ“影”だけ戴いたら、
言う事を聞く筈もない本体など要りません。強い者程気を失ってる内にすぐに海に流されます」
「!?」
「え…!! じゃああいつらヤベェ…」
「まだ大丈夫!! 時間はあります。今から私が最善の策をお教えしますから、私を信じてその通りに動いて下さい!!」
「……アァ!? お前を信じる~~~!?」
フランキーはすごく嫌そうな顔をする。
「グサーーッ!!スカルショック!!!
――なんて掛け合いも私、数年振りで!!ちょっと楽シ~~~~~~ヨホホホ」
「聞くから早く話なさい」
ヨホホホとくるくる回るブルック。ロビンはスパッと切る。
「ハイ」
「船に戻る!?おれ達がサニー号に!?」
「そうです。すでに捕まったであろう仲間達の身に起きる最悪の事態とは影を取られる事! しかし影を取られようとも死ぬわけではありません。
見て下さいこの通り私の様に!! あっ!!私死んでました!!!」
「そこは別の話だろ!!」
ブルックに思いっきり突っ込む。
『影が取られても、とりあえず死なないということですね』
「そういう事です! しかし取られた瞬間みな気を失ってしまうのが難点。2日は目覚めません」
「マジか」
「その間に強い者程船に乗せられたこのスリラーバークから追い出される。――とはさっき言いましたがなぜだかわかりますか?」
「犠牲者が影を取り返す為に島へ戻って来れない様にね」
「そうです!」
「―んじゃ気ぃ失ってる間に殺しちまえばいいものを」
「それは“できない”のです!」
「?」
「ここ重要です。よく聞いて下さい。“本体”と“影”は引き離されても一心同体!!“本体”が死ねば“影”も消滅してしまいます。
――つまり同時にゾンビも命を失うという事です!! 敵もこれでは困る為“本体”を必ず生かすのです」
『なるほど…』
「――ですからお仲間達が影を取られていた場合でも、必ず生きて船に返されている筈なのです。
このままあなた方まで犠牲者になる様な事になれば、それこそ事態は最悪!! 全員が影を失くし海をさ迷う事に…!!!
まだ対処できる今の内に仲間達の目を覚ます事が影奪回のチャンスを見出だす唯一の方法なのです!!」
「成程…話にスジが通ってやがる」
「お三人さん、コレを…」
「なに?」
「ゾンビ達の弱点です。効果は先程スパイダーモンキーで実証した通り!!」
「弱点…!! これは何なんだよ」
「“塩”デスネ」
「………塩ぉ!? 邪悪な存在を清めて倒すなんて、呪いか何かか?」
「――まぁ平たく言えばそんな所で。元々悪魔の実の能力で動いているのゾンビ達“海”の力を持つ塩によって、その肉体はニセ物の魂と結合していられなくなるというわけで」
『悪魔の実の能力者が海に弱いのと原理は同じということですね』
「じゃあ、この猿がさっき口から吐き出したのが、コイツの中にいた“影”って事だな」
「……そんな弱点があったなんて」
「ちなみにゾンビを倒すには口の中へ塩を押し込んで下さい!! それが“コツ”です!!!」
骨だけに!!っと強く言う。
「コツなのです!!」
「――でも、あなたがゾンビやこの島の事にこうも詳しいのはなぜ?」
ブルックは3人に背を向ける。
「私が影を取られた5年前、当然船で流されたのですが運よく引き返せる時点で目覚め、島へ戻り戦った事があるのです……結果は……大敗!!」
ブルックは下を向く。
「…命惜しくて逃げました…!!!どうしても!!死にたくなかった!!」
『………』
「―――私は船でたった一人の生き残りですから…いつかこの“魔の海域”を抜けて…!!
仲間との“約束”を果たしたくて……命惜しさに逃げました」
(……仲間との約束…)
「――ですが生きながらえる事は実際何の解決にもならなかった。――だから今度は…もう逃げません!!! “あの男”に勝って影を取り返すまでは!!」
ブルックはぶるぶると震える。息も荒くなった。
―――ジン! はやく!逃げろ!!
頭の中で声が聞こえる。一瞬の紅い世界が広がる。ジンは固まる。
「ジン、大丈夫?顔色が悪いわ」
『……!? そうですか?大丈夫ですよ』
「…?」
ロビンの心配そうにジンを見る。ジンはニコッ笑顔をつくる。
「――では私…!!すいません!! 先を急ぎますので!ごきげんよう!!」
「ちょっと待て!!!」
「…………!?」
去ろうとするブルックをフランキーは止めた。
「――話のついでに……もう一つだけ、おれの質問に答えてけ」
タラランは斬られたことに気づかす、戸惑った。フランキーが叫ぶ。
「まだだ、斬ったところでゾンビだぞまた立ち上がる」
「………コノォ~~~~……」
ゴゴゴゴっと立ち上がる、タララン。
「ヨホホホ…ご心配なく、対処もしました」
「?」
「対処?」
「ゾンビにも弱点があるのです!!」
『……?』
「!?」
「アーアー―――!!アアー―――!!!」
「何だありゃ!!」
「あれこそがゾンビの“魂”…!!」
「…魂!? 目に見えて抜けてくぞ!!」
「アアアーー」
黒い“魂”がタラランの口から出てくる。
「さぁ、帰りなさい!!主人の下へ!!!」
ひゅーんと魂が飛んでいく。タラランは抜け殻となり、力なく倒れた。
「ギャーーー!!タララン隊長ー!!」
「隊長がやられたーー!!」
「完全に停止した……何をしたんだ!?」
「浄化です」
「……見ろ!! 間違いないあいつ…“ハナウタ”だ!!!」
「5年前にこのスリラーバークをメチャクチャにした男だ!!」
「「ご主人様に報告だ―――!!!」」
スパイダーマウスたちは血相を変えて屋敷の奥に逃げて行った。
「あっ、このクモの糸は“力”にはつよいですが火に弱いので」
「ホントだ、溶けてく」
ボウッと火を吹き掛けるフランキー。自分が糸から脱出すると、ロビンを助けた。
「よし、次はてめぇだな」
『あの……火は弱めにお願いします…』
「あん? なんでだよ??」
首を傾げるフランキー。ジンは苦笑しながら言う。
『僕、紙なので火は苦手なのです』
「ああ、そういうことか。便利なようで難儀な能力だな」
『はは、まったくです』
フランキーは弱めに糸だけを焼く。ようやくジンは自由になった。
3人はブルックに向き直る。
「麦わら達が連れ去られたんだ!! お前この島の事いろいろ知ってそうだな」
「ハイ。しかし…何から話せばいいやら。すでに彼らに捕まったとなるともう手遅れの可能性も高いですね」
「なぁにぉ!! 手遅れだとぉ!!」
「そ……そんな私に怒鳴らないで下さい。面食らってしまいますよ!!
ガイコツだから、私。面なんてないんですけども!!! ヨホホホ!!スカルジョーク!!!」
『ははは』
「ムカッ………!!!」
ジャキンとウエポンズを向けるフランキー。
「やめなさい。すでに死んでるわ」
「―――とにかく、ふざけずに聞いて下さい」
「ムカッ……!!!!」
「やめなさい、すでに死んでるわ」
『ははは』
「一度お話しした通り、船の舵もきかず私がこの海をさ迷い始めて数十年……。この“魔の海”を脱出したいと思えど、舵は壊れていて潮の流れに翻弄されるばかり。
そんな折――5年以上前になりますか。あなた方と同じ様にこのスリラーバークへ誘われたのです…」
『………』
「どうしても“
「………」
「その内部で見たのは先に捕まった格闘ダンサーが一人と…運ばれてきた“
(それがゲッコー・モリアと言うわけですね)
「影を…切り取った……!?」
「私も目を疑いました……目は…ないんですけど―――!!!ヨホホホ」
「いい加減シバくぞてめぇ!!!」
「もうシバいたらいいわ」
『ははは』
ボカッ
フランキーに殴られ、ブルックは大きなタンコブをこしらえた。
「ほどなく私も同じ運命を辿るのですが…影を取られた男はその場に倒れ、切り取られた影は一方の動かぬ“
ただの死体であるハズの“
「どういうこった!?」
「“影”とは…いつどこにいても人に従い動く“もう一つの魂”なのです。
あなた方の落とす影も然り。本来…人が生まれて死ぬまで絶対に離れる事なく従い続けるハズの“魂”」
「………」
「それを捕らえて自分に従わせてしまえる、その大男こそが王下七武海ゲッコー・モリア!!! “カゲカゲの実”の能力者です!!」
「悪魔の実か」
「そこに死体さえあれば影を使って彼はゾンビを生み出せるのですが、厄介なのは生物の死体をより強靭に組み上げる天才外科医、ドクトル・ホグバックが仲間である事。
彼の医術は時として各地の墓場から伝説的な戦士の肉体をも復活させ、おびただしい数の“
「………」
「Dr.ホグバック…あの有名な医師が失踪事件以来、こんな所で海賊の手助けをしてたなんて」
「だが…じゃあゾンビってのは肉体は動いちゃるが、何も死者が蘇ってたわけじゃねぇんだな」
「その通り…“性格”や“戦闘能力”は全て“影”の持ち主のものです。肉体の持つ“パワー”は“
強い肉体と強い影を融合させる程、より強いゾンビ兵が生まれる。だからモリアは手っ取り早く賞金首の影を欲しているのです」
「成程…おれ達が狙われるわけだな」
『そしてより強い肉体の“
「そうですね」
「それがスリラーバークの全貌ね。モリアにとってゾンビの一番の特性は従順である事かも知れないわね。本来なら強い戦士程従わせる事は困難なはず」
「――そう…本人と同じ戦闘能力を持つ“影”だけ戴いたら、
言う事を聞く筈もない本体など要りません。強い者程気を失ってる内にすぐに海に流されます」
「!?」
「え…!! じゃああいつらヤベェ…」
「まだ大丈夫!! 時間はあります。今から私が最善の策をお教えしますから、私を信じてその通りに動いて下さい!!」
「……アァ!? お前を信じる~~~!?」
フランキーはすごく嫌そうな顔をする。
「グサーーッ!!スカルショック!!!
――なんて掛け合いも私、数年振りで!!ちょっと楽シ~~~~~~ヨホホホ」
「聞くから早く話なさい」
ヨホホホとくるくる回るブルック。ロビンはスパッと切る。
「ハイ」
「船に戻る!?おれ達がサニー号に!?」
「そうです。すでに捕まったであろう仲間達の身に起きる最悪の事態とは影を取られる事! しかし影を取られようとも死ぬわけではありません。
見て下さいこの通り私の様に!! あっ!!私死んでました!!!」
「そこは別の話だろ!!」
ブルックに思いっきり突っ込む。
『影が取られても、とりあえず死なないということですね』
「そういう事です! しかし取られた瞬間みな気を失ってしまうのが難点。2日は目覚めません」
「マジか」
「その間に強い者程船に乗せられたこのスリラーバークから追い出される。――とはさっき言いましたがなぜだかわかりますか?」
「犠牲者が影を取り返す為に島へ戻って来れない様にね」
「そうです!」
「―んじゃ気ぃ失ってる間に殺しちまえばいいものを」
「それは“できない”のです!」
「?」
「ここ重要です。よく聞いて下さい。“本体”と“影”は引き離されても一心同体!!“本体”が死ねば“影”も消滅してしまいます。
――つまり同時にゾンビも命を失うという事です!! 敵もこれでは困る為“本体”を必ず生かすのです」
『なるほど…』
「――ですからお仲間達が影を取られていた場合でも、必ず生きて船に返されている筈なのです。
このままあなた方まで犠牲者になる様な事になれば、それこそ事態は最悪!! 全員が影を失くし海をさ迷う事に…!!!
まだ対処できる今の内に仲間達の目を覚ます事が影奪回のチャンスを見出だす唯一の方法なのです!!」
「成程…話にスジが通ってやがる」
「お三人さん、コレを…」
「なに?」
「ゾンビ達の弱点です。効果は先程スパイダーモンキーで実証した通り!!」
「弱点…!! これは何なんだよ」
「“塩”デスネ」
「………塩ぉ!? 邪悪な存在を清めて倒すなんて、呪いか何かか?」
「――まぁ平たく言えばそんな所で。元々悪魔の実の能力で動いているのゾンビ達“海”の力を持つ塩によって、その肉体はニセ物の魂と結合していられなくなるというわけで」
『悪魔の実の能力者が海に弱いのと原理は同じということですね』
「じゃあ、この猿がさっき口から吐き出したのが、コイツの中にいた“影”って事だな」
「……そんな弱点があったなんて」
「ちなみにゾンビを倒すには口の中へ塩を押し込んで下さい!! それが“コツ”です!!!」
骨だけに!!っと強く言う。
「コツなのです!!」
「――でも、あなたがゾンビやこの島の事にこうも詳しいのはなぜ?」
ブルックは3人に背を向ける。
「私が影を取られた5年前、当然船で流されたのですが運よく引き返せる時点で目覚め、島へ戻り戦った事があるのです……結果は……大敗!!」
ブルックは下を向く。
「…命惜しくて逃げました…!!!どうしても!!死にたくなかった!!」
『………』
「―――私は船でたった一人の生き残りですから…いつかこの“魔の海域”を抜けて…!!
仲間との“約束”を果たしたくて……命惜しさに逃げました」
(……仲間との約束…)
「――ですが生きながらえる事は実際何の解決にもならなかった。――だから今度は…もう逃げません!!! “あの男”に勝って影を取り返すまでは!!」
ブルックはぶるぶると震える。息も荒くなった。
―――ジン! はやく!逃げろ!!
頭の中で声が聞こえる。一瞬の紅い世界が広がる。ジンは固まる。
「ジン、大丈夫?顔色が悪いわ」
『……!? そうですか?大丈夫ですよ』
「…?」
ロビンの心配そうにジンを見る。ジンはニコッ笑顔をつくる。
「――では私…!!すいません!! 先を急ぎますので!ごきげんよう!!」
「ちょっと待て!!!」
「…………!?」
去ろうとするブルックをフランキーは止めた。
「――話のついでに……もう一つだけ、おれの質問に答えてけ」