スリラーバーク
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「勝手に錨が!!!」
錨が独りでに降りる。
「錨なんて誰も触ってねぇぞ」
「…!? 造ったばっかで歯車が緩むわけねぇしな……」
「とにかく巻き上げろ、船がバランスを失うぞ!!」
ゾロが錨を上げに行こうとする。すると急にハッチが開く。
「……!? 何だ!ハッチが勝手に開いた!?…誰か触ったか!?」
『……』
「……!!」
「いや…誰も近づいてやしねぇ」
皆が、ハッチに目を向けていた。
「ん?」
ルフィは何か触られている違和感を覚える、すると頬が勝手に伸びた。
「おいルフィ!! てめえ何やってんだこんな時にフザケやがって!!」
「にっ!! ひがうんら!!ひがう!ひがう!! おえ、あんおやっええよ!!」
「何がやってねぇだ!! じゃその口は何だ!!」
サンジはカンカンになりルフィを怒る。すると突然ルフィの頬が勢いよく元に戻る。
「ぷぉ!!」
ガルル…
「うわっ!!」
ルフィは何かに押されたように開いたハッチにはまる。
「だから何遊んでんだよ、おめぇは!!」
サンジが怒鳴る。
「?……猛獣の声」
「ん!!?」
スラッとゾロの刀が独りでに鞘から抜ける。それがビュッとルフィに向かって放たれた。
「あぶねぇ、麦わら!!」
フランキーはドカッとルフィを蹴る。ルフィは寸での所で助かった。
『良かった』
「おい!! どういうつもりだ!!!」
フランキーがゾロに怒鳴る。しかしゾロは皆目見当がつかず、困惑の色を隠せない。
「悪ぃ!!刀が勝手に…!!!」
「…………妙だな」
「…おれ達以外に…この甲板に……!!」
「何かいるって事か……!?」
「やっぱり、ゴーストの仕業か……? それとも超能力者か何かか……?」
「……!! 誰かに触られた感覚はあったぞ」
『と言うことは確実に居ますね、何かが』
「…さっき猛獣の唸り声を聞いたわ」
「猛獣!?…ますますわからねぇ……!!」
サンジはクソッ!!と船の縁に立つ。
「とにかくここが得体の知れねぇ場所だって事は間違いねぇ! なおさらナミさん達が心配だ…!! 船はお前らに任せたぞ!!」
ダンッと力強く飛び出すサンジ。逆光で格好良く輝いていた。
「おれは島へ3人を助けに行ってくる!!」
ガシッガシッ
「!?」
サンジは何かに両足を捕まれる。途端にバランスを崩した。
「ほげ―――!!!」
「「「え――っ!!?カッコ悪っ!!!」」」
ルフィ、ゾロ、フランキーが口を揃えて叫ぶ。
「うわっ!! サンジが浮いてきた!」
「どういうこった!!?」
サンジは何かに吊られるように浮き、思いっ切り投げられた。
ドカァン!!
「どわ!!」
「おい、サンジ!!!」
「…くっ………何だ今のは畜生!!」
「お前、“ほげ―”って言ったぞ」
「うっせぇーーてめえ!!同じ目にあえ!!」
ゾロは不憫な目でサンジを見る。サンジは鼻血を出しながら怒る。
「…おれ達を船から出さねぇ気か…!?」
「目的が見えねぇな…殺す気ならいくらでも攻撃出来るハズだ!!」
皆が臨戦態勢に入る。ジンも辺りの気配を探ろうとしていた。
『…うわっ!!』
ジンは後ろから何かに抱きつかれる感覚を感じた。一気に悪寒が走る。
(気持ち悪い!!!)
「「ジン!?」」
動かないジンを見て、びっくりするみんな。
触られる感覚に気持ち悪さを覚えたジンは叫んだ。
『…“栞 ”…!!』
「!?」
ジンは栞型の紙を後ろにたくさん出現させる。
『っ――“無数の聖書 ”!』
栞 が降り注ぐと同時に、ジンはその場から消え、後方に現れた。
ガルル!?
降り注いだ栞は甲板の芝生に刺さる。しかし一枚だけ、空中に浮いていた。
「「「紙が浮いてる!!?」」」
『そこですね』
ジンはその一枚に手を向ける。
『……!?』
しかし、その紙はみるみるうちに消えていく。
『“栞 ”!!』
さらに技を重ねるが、浮いていた紙は見えなくなり、栞はただサクサクサクっと芝生に刺さるだけだった。
『しくじりましたか…』
「あっ!?」
「ロビン!!」
「どうしたロビンちゃん!!」
「…!! ……何かに!! 捕まってる……!!」
「おのれコノ好き勝手やりやがって!!!」
ロビンは必死に能力で防御する。
ガルルルル!!!
「本当に猛獣の声だ!!! 猛獣ゴーストか!!?」
ルフィが困惑しながら見ていると船が大きく揺れる。
ドォ―――ン!!
「「「うわぁ!!!」」」
「なんだ!?」
「波だ!! 塀の中で不自然な波が!! 船が流されてくぞ!!」
サンジはロビンに駆け寄る。
「ロビンちゃん、敵は!?」
「ハァハァ…大丈夫……消えた……!!」
『完全に船からはいなくなりましたね』
目を瞑り、手を胸にあてていたジンはシルクハットを整えながら言う。
「…とりあえず、おい“ほげー”錨を上げろ! 船の自由が利かねぇ!!!」
「誰が“ほげー”じゃコラァ!!!」
ゾロの言葉にキレるサンジ。しかし思い出したように慌てて錨を上げに走る。
「いかん!! ナミさんとはぐれちまう!!」
「ウソップ! チョッパー! 返事しろ――っ!!!」
「おいフランキー! 船の秘密兵器で何とかしてくれ!!!」
「よし“飛び出すびっくりプール”ってのがあるぜ!!」
「「「わぁ―楽しそうだなぁ――!! って、アホか!!!」」」
ルフィ、ゾロ、サンジが声を合わせて突っ込んだ。
『ロビン、これを』
ジンはロビンにタオルを差し出す。
「ありがとう。あなたは大丈夫だったの?」
『ええ…まぁ』
(なぜ、ロビンだけでなく僕にまで…)
ジンはあのときの不快感を思い出し、ブルッと震えた。
「さて…じっとしてても、仕方ねぇぞ」
波に捕まって流れに流れたどり着いたのはクモ巣だらけの港。
「この船は巨大クモの巣から逃れられねぇ様だ」
「ガイコツの野郎のゴーストシップも、ウソップ・ナミ・チョッパーを乗せてた“ハズの”ミニメリー号もクモの巣で身動き取れず……
正面には計算されたとしか思えねぇ位置で、島の入口が誘ってる……ゴースト達の手招きまで見えてきそうだ」
ゾロは、はぁっとため息をつく。
「なーにをごちゃごちゃ言ってんだゾロ!! ホラ、おめぇも来い!!」
「わざわざ敵の誘いに乗る必要がねぇと思ってるだけだ」
「ここにいたってヒマなんだ、行くぞ!! 弁当わけてやるからよ、ししし!!」
「わーったよ」
ゾロは船から飛び降りる。
「ジン。やけに静かじゃねぇか」
『いえ……先程の透明人間の行方が気になったもので。どうやらこの島の奥にいる様ですね』
「わかるのか!?」
『はい、大体の位置ならですが…』
「スゲェなぁーなんでわかるんだ?」
『先程の一戦で紙を投げたら浮いていたのは覚えてますか?』
「ああ、すぐに消えたが」
『あれは“栞 ”と言って飛び道具的な技なのですが。それを相手に張り付けることで、相手の位置を知ることが出来るように仕掛けをしてるんです』
「便利だな」
『はい、なかなか重宝します。しかし、複数につけると解らなくなるので、多様は出来ません』
「じゃあ、その透明人間を探しに行くのかしら?」
「とりあえず、そうしよう! ナミたちにも会えるかもしんねぇし。ジン、透明人間はどこにいるんだ?」
『こちらです』
ポンッとジンの手から紙の矢印が現れ、ふわふわと浮かぶ。
「すんげー!!浮いてるぞ!」
『この矢印の方向に進めば透明人間がいると思いますよ』
「変な力だな。仕組みがわかんねぇよ」
フランキーの言葉にははっと笑うジン。
「さて、早ぇとこナミさんたちを助けに行こうぜ」
「おう、冒険だ!!」
「違うわ!」
ルフィの発言にサンジは踵落としを決めた。
一行は進む。
「で、何でいきなりこんな下り階段」
「ここが“入口”なんだら考えても仕方ねぇ」
ルフィは先行して階段を駆け降りる。
グルルルル…
「ゲッ、堀の奥に何かいるぞ」
ルフィが叫ぶ。みんなが駆けおりてきた。
ワン!!
ワン!!
ゴォーン!!!
そこに現れたのはケルベロス。ルフィ達に威嚇をする。
「ヘェ…ケルベロスか……地獄の方が安全だろうに」
『わざわざ下界からご苦労様です』
「あら、かわいいわね」
「あいつケンカ売ってねぇか?」
「生意気だな…」
「お、うめぇのかな?」
「!!?(えぇ~~~~!!?)」
好戦的な一行にケルベロスが心の声で叫ぶ。
グルルルル…
ガルルルル…
「何だ、やる気になったぞ」
ケルベロスはさらに威嚇する。ゾロは刀を構える。
「じゃあ、おれが」
しかしそれをルフィが止めた。
「いや待てよ。手懐けてみよう」
その言葉に構えを解くゾロ。そして呆れたように言う。
「バカ、犬っつても、お前…犬の元締めみてぇな奴だぞ!?」
「犬は犬だ。よ――し、よしよし……お手!」
「!」
ルフィは手を差し出す。一瞬躊躇したように止まったケルベロスだが、次の瞬間には3匹ともルフィに噛みついた。
「言われたそばから…」
フランキーが呟く。しかしルフィは諦めていないのか、咬まれていないてでケルベロスを撫でる。
「よしよし、いい子だ…よ―し、よしよし、そうだゆっくり離せ…いい子だな…」
「…………」
ケルベロスが少し咬むのを緩めた瞬間――
「こんにゃろぉ!!!!」
ドゴゴゴン
「グギャウッ!!!」
ルフィは思い切りケルベロスを殴り飛ばした。
「ふせ」
ぐったりしているケルベロスにルフィが言う。
「イヤイヤ…」
それをサンジとゾロは静かに突っ込んだ。
「それにしてもひどい傷ね。生きているのが不思議だわ」
「その前にキツネが混ざってる時点で、すでに生物としてどうかと思うがな」
ケルベロスを見ながらそんな話をする。ルフィはそんなことも気にせずウキウキしている。
「でも、入ってすぐこんなオモロいの出てくんだから、この島楽しみだなぁ―!!」
「堀を出でこの先は森か…」
「ナミさーん、おーい!!ナミさんどこだ~!!?」
「元気がないわね、ケルベロスさん」
「まぁ…敗者に妙な同情はしねぇこった、プライドに触る。」
『森の先にいるようですね、透明人間さんも』
ケルベロスを従え森に入る一行。
「ん?……!!!」
ルフィが見た先には酒を酌み交わす生物。
「おっさんの木と…ユニコーンが一杯やってる!!」
ガタガタと震えるルフィ。武者震い…?
ギャアァアァァ
「捕まえた――!!!」
「こっちもだ!! こりゃ珍しいな!!」
ルフィとフランキーはそれぞれおっさんの木とユニコーンを捕まえる。
「お前ら!! おれと一緒に海賊やら…」
「「フザけんなぁ!!」」
サンジとゾロは口を揃えて突っ込んだ。
-----ドクトル・ホグバックの屋敷、外
「…ふぅ、危なかった……」
「おい!!アブサロム!! いるんだろう。今の騒ぎは何だ!! また風呂場にいたのか貴様!!」
「ガルル…ホグバック……花嫁探しだ。あの女気に入ったぜ!! おいらのものにするぞ!!」
「あれでも一応賞金首、お前には渡さん」
「今回は6人も賞金首がいるんだ内一人は一億越え、船長は3億だ!!」
「3億…軽く言うがペローナ。政府が3億懸けるってのは並の海賊じゃないぜ?」
「それがわかっているなら獲物の捕獲に全力を注げ…アブサロム」
「ホロホロ。そういえば、女がもうひとりいたな。シルクハットを被った奴だ」
霊体のペローナが言う。
「違う、あいつは女じゃねぇよ。胸がなかった」
「てめえ、アブサロム!! 手出したのか!」
「グルル」
「紙を投げて来やがった、あぶねぇやつだ」
「……紙? 女みたいな男? シルクハット?」
ホグバックは何かを思い出しそうに呟く。そしてカッと怒鳴った。
「そいつは!!あの“渡り鳥”じゃねぇのか!! 早く、モリア様に伝えねぇと!」
「「“渡り鳥”??」」
ペローナ・アブサロムは首を傾げた。そんな二人を差し置いて、ホグバックは口角を上げる。
「今夜は大仕事になりそうだ……!!」
錨が独りでに降りる。
「錨なんて誰も触ってねぇぞ」
「…!? 造ったばっかで歯車が緩むわけねぇしな……」
「とにかく巻き上げろ、船がバランスを失うぞ!!」
ゾロが錨を上げに行こうとする。すると急にハッチが開く。
「……!? 何だ!ハッチが勝手に開いた!?…誰か触ったか!?」
『……』
「……!!」
「いや…誰も近づいてやしねぇ」
皆が、ハッチに目を向けていた。
「ん?」
ルフィは何か触られている違和感を覚える、すると頬が勝手に伸びた。
「おいルフィ!! てめえ何やってんだこんな時にフザケやがって!!」
「にっ!! ひがうんら!!ひがう!ひがう!! おえ、あんおやっええよ!!」
「何がやってねぇだ!! じゃその口は何だ!!」
サンジはカンカンになりルフィを怒る。すると突然ルフィの頬が勢いよく元に戻る。
「ぷぉ!!」
ガルル…
「うわっ!!」
ルフィは何かに押されたように開いたハッチにはまる。
「だから何遊んでんだよ、おめぇは!!」
サンジが怒鳴る。
「?……猛獣の声」
「ん!!?」
スラッとゾロの刀が独りでに鞘から抜ける。それがビュッとルフィに向かって放たれた。
「あぶねぇ、麦わら!!」
フランキーはドカッとルフィを蹴る。ルフィは寸での所で助かった。
『良かった』
「おい!! どういうつもりだ!!!」
フランキーがゾロに怒鳴る。しかしゾロは皆目見当がつかず、困惑の色を隠せない。
「悪ぃ!!刀が勝手に…!!!」
「…………妙だな」
「…おれ達以外に…この甲板に……!!」
「何かいるって事か……!?」
「やっぱり、ゴーストの仕業か……? それとも超能力者か何かか……?」
「……!! 誰かに触られた感覚はあったぞ」
『と言うことは確実に居ますね、何かが』
「…さっき猛獣の唸り声を聞いたわ」
「猛獣!?…ますますわからねぇ……!!」
サンジはクソッ!!と船の縁に立つ。
「とにかくここが得体の知れねぇ場所だって事は間違いねぇ! なおさらナミさん達が心配だ…!! 船はお前らに任せたぞ!!」
ダンッと力強く飛び出すサンジ。逆光で格好良く輝いていた。
「おれは島へ3人を助けに行ってくる!!」
ガシッガシッ
「!?」
サンジは何かに両足を捕まれる。途端にバランスを崩した。
「ほげ―――!!!」
「「「え――っ!!?カッコ悪っ!!!」」」
ルフィ、ゾロ、フランキーが口を揃えて叫ぶ。
「うわっ!! サンジが浮いてきた!」
「どういうこった!!?」
サンジは何かに吊られるように浮き、思いっ切り投げられた。
ドカァン!!
「どわ!!」
「おい、サンジ!!!」
「…くっ………何だ今のは畜生!!」
「お前、“ほげ―”って言ったぞ」
「うっせぇーーてめえ!!同じ目にあえ!!」
ゾロは不憫な目でサンジを見る。サンジは鼻血を出しながら怒る。
「…おれ達を船から出さねぇ気か…!?」
「目的が見えねぇな…殺す気ならいくらでも攻撃出来るハズだ!!」
皆が臨戦態勢に入る。ジンも辺りの気配を探ろうとしていた。
『…うわっ!!』
ジンは後ろから何かに抱きつかれる感覚を感じた。一気に悪寒が走る。
(気持ち悪い!!!)
「「ジン!?」」
動かないジンを見て、びっくりするみんな。
触られる感覚に気持ち悪さを覚えたジンは叫んだ。
『…“
「!?」
ジンは栞型の紙を後ろにたくさん出現させる。
『っ――“
ガルル!?
降り注いだ栞は甲板の芝生に刺さる。しかし一枚だけ、空中に浮いていた。
「「「紙が浮いてる!!?」」」
『そこですね』
ジンはその一枚に手を向ける。
『……!?』
しかし、その紙はみるみるうちに消えていく。
『“
さらに技を重ねるが、浮いていた紙は見えなくなり、栞はただサクサクサクっと芝生に刺さるだけだった。
『しくじりましたか…』
「あっ!?」
「ロビン!!」
「どうしたロビンちゃん!!」
「…!! ……何かに!! 捕まってる……!!」
「おのれコノ好き勝手やりやがって!!!」
ロビンは必死に能力で防御する。
ガルルルル!!!
「本当に猛獣の声だ!!! 猛獣ゴーストか!!?」
ルフィが困惑しながら見ていると船が大きく揺れる。
ドォ―――ン!!
「「「うわぁ!!!」」」
「なんだ!?」
「波だ!! 塀の中で不自然な波が!! 船が流されてくぞ!!」
サンジはロビンに駆け寄る。
「ロビンちゃん、敵は!?」
「ハァハァ…大丈夫……消えた……!!」
『完全に船からはいなくなりましたね』
目を瞑り、手を胸にあてていたジンはシルクハットを整えながら言う。
「…とりあえず、おい“ほげー”錨を上げろ! 船の自由が利かねぇ!!!」
「誰が“ほげー”じゃコラァ!!!」
ゾロの言葉にキレるサンジ。しかし思い出したように慌てて錨を上げに走る。
「いかん!! ナミさんとはぐれちまう!!」
「ウソップ! チョッパー! 返事しろ――っ!!!」
「おいフランキー! 船の秘密兵器で何とかしてくれ!!!」
「よし“飛び出すびっくりプール”ってのがあるぜ!!」
「「「わぁ―楽しそうだなぁ――!! って、アホか!!!」」」
ルフィ、ゾロ、サンジが声を合わせて突っ込んだ。
『ロビン、これを』
ジンはロビンにタオルを差し出す。
「ありがとう。あなたは大丈夫だったの?」
『ええ…まぁ』
(なぜ、ロビンだけでなく僕にまで…)
ジンはあのときの不快感を思い出し、ブルッと震えた。
「さて…じっとしてても、仕方ねぇぞ」
波に捕まって流れに流れたどり着いたのはクモ巣だらけの港。
「この船は巨大クモの巣から逃れられねぇ様だ」
「ガイコツの野郎のゴーストシップも、ウソップ・ナミ・チョッパーを乗せてた“ハズの”ミニメリー号もクモの巣で身動き取れず……
正面には計算されたとしか思えねぇ位置で、島の入口が誘ってる……ゴースト達の手招きまで見えてきそうだ」
ゾロは、はぁっとため息をつく。
「なーにをごちゃごちゃ言ってんだゾロ!! ホラ、おめぇも来い!!」
「わざわざ敵の誘いに乗る必要がねぇと思ってるだけだ」
「ここにいたってヒマなんだ、行くぞ!! 弁当わけてやるからよ、ししし!!」
「わーったよ」
ゾロは船から飛び降りる。
「ジン。やけに静かじゃねぇか」
『いえ……先程の透明人間の行方が気になったもので。どうやらこの島の奥にいる様ですね』
「わかるのか!?」
『はい、大体の位置ならですが…』
「スゲェなぁーなんでわかるんだ?」
『先程の一戦で紙を投げたら浮いていたのは覚えてますか?』
「ああ、すぐに消えたが」
『あれは“
「便利だな」
『はい、なかなか重宝します。しかし、複数につけると解らなくなるので、多様は出来ません』
「じゃあ、その透明人間を探しに行くのかしら?」
「とりあえず、そうしよう! ナミたちにも会えるかもしんねぇし。ジン、透明人間はどこにいるんだ?」
『こちらです』
ポンッとジンの手から紙の矢印が現れ、ふわふわと浮かぶ。
「すんげー!!浮いてるぞ!」
『この矢印の方向に進めば透明人間がいると思いますよ』
「変な力だな。仕組みがわかんねぇよ」
フランキーの言葉にははっと笑うジン。
「さて、早ぇとこナミさんたちを助けに行こうぜ」
「おう、冒険だ!!」
「違うわ!」
ルフィの発言にサンジは踵落としを決めた。
一行は進む。
「で、何でいきなりこんな下り階段」
「ここが“入口”なんだら考えても仕方ねぇ」
ルフィは先行して階段を駆け降りる。
グルルルル…
「ゲッ、堀の奥に何かいるぞ」
ルフィが叫ぶ。みんなが駆けおりてきた。
ワン!!
ワン!!
ゴォーン!!!
そこに現れたのはケルベロス。ルフィ達に威嚇をする。
「ヘェ…ケルベロスか……地獄の方が安全だろうに」
『わざわざ下界からご苦労様です』
「あら、かわいいわね」
「あいつケンカ売ってねぇか?」
「生意気だな…」
「お、うめぇのかな?」
「!!?(えぇ~~~~!!?)」
好戦的な一行にケルベロスが心の声で叫ぶ。
グルルルル…
ガルルルル…
「何だ、やる気になったぞ」
ケルベロスはさらに威嚇する。ゾロは刀を構える。
「じゃあ、おれが」
しかしそれをルフィが止めた。
「いや待てよ。手懐けてみよう」
その言葉に構えを解くゾロ。そして呆れたように言う。
「バカ、犬っつても、お前…犬の元締めみてぇな奴だぞ!?」
「犬は犬だ。よ――し、よしよし……お手!」
「!」
ルフィは手を差し出す。一瞬躊躇したように止まったケルベロスだが、次の瞬間には3匹ともルフィに噛みついた。
「言われたそばから…」
フランキーが呟く。しかしルフィは諦めていないのか、咬まれていないてでケルベロスを撫でる。
「よしよし、いい子だ…よ―し、よしよし、そうだゆっくり離せ…いい子だな…」
「…………」
ケルベロスが少し咬むのを緩めた瞬間――
「こんにゃろぉ!!!!」
ドゴゴゴン
「グギャウッ!!!」
ルフィは思い切りケルベロスを殴り飛ばした。
「ふせ」
ぐったりしているケルベロスにルフィが言う。
「イヤイヤ…」
それをサンジとゾロは静かに突っ込んだ。
「それにしてもひどい傷ね。生きているのが不思議だわ」
「その前にキツネが混ざってる時点で、すでに生物としてどうかと思うがな」
ケルベロスを見ながらそんな話をする。ルフィはそんなことも気にせずウキウキしている。
「でも、入ってすぐこんなオモロいの出てくんだから、この島楽しみだなぁ―!!」
「堀を出でこの先は森か…」
「ナミさーん、おーい!!ナミさんどこだ~!!?」
「元気がないわね、ケルベロスさん」
「まぁ…敗者に妙な同情はしねぇこった、プライドに触る。」
『森の先にいるようですね、透明人間さんも』
ケルベロスを従え森に入る一行。
「ん?……!!!」
ルフィが見た先には酒を酌み交わす生物。
「おっさんの木と…ユニコーンが一杯やってる!!」
ガタガタと震えるルフィ。武者震い…?
ギャアァアァァ
「捕まえた――!!!」
「こっちもだ!! こりゃ珍しいな!!」
ルフィとフランキーはそれぞれおっさんの木とユニコーンを捕まえる。
「お前ら!! おれと一緒に海賊やら…」
「「フザけんなぁ!!」」
サンジとゾロは口を揃えて突っ込んだ。
-----ドクトル・ホグバックの屋敷、外
「…ふぅ、危なかった……」
「おい!!アブサロム!! いるんだろう。今の騒ぎは何だ!! また風呂場にいたのか貴様!!」
「ガルル…ホグバック……花嫁探しだ。あの女気に入ったぜ!! おいらのものにするぞ!!」
「あれでも一応賞金首、お前には渡さん」
「今回は6人も賞金首がいるんだ内一人は一億越え、船長は3億だ!!」
「3億…軽く言うがペローナ。政府が3億懸けるってのは並の海賊じゃないぜ?」
「それがわかっているなら獲物の捕獲に全力を注げ…アブサロム」
「ホロホロ。そういえば、女がもうひとりいたな。シルクハットを被った奴だ」
霊体のペローナが言う。
「違う、あいつは女じゃねぇよ。胸がなかった」
「てめえ、アブサロム!! 手出したのか!」
「グルル」
「紙を投げて来やがった、あぶねぇやつだ」
「……紙? 女みたいな男? シルクハット?」
ホグバックは何かを思い出しそうに呟く。そしてカッと怒鳴った。
「そいつは!!あの“渡り鳥”じゃねぇのか!! 早く、モリア様に伝えねぇと!」
「「“渡り鳥”??」」
ペローナ・アブサロムは首を傾げた。そんな二人を差し置いて、ホグバックは口角を上げる。
「今夜は大仕事になりそうだ……!!」