幽霊船と動くガイコツ
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ワイワイと騒ぐみんなをよそにサンジがジンにつめ寄る。
「ジン! どういうトリックだ?」
『それは秘密ですよ、マジックなので。ちなみにサンジさんは僕が能力でマジックをしていると思われたんですよね?』
「ああ、お前の能力なら簡単だろう。違うのか?」
『はい、簡単です。しかし僕は演出以外で能力は使いませんよ。マジックは本気でやっています。貴方の料理にかけるプライドと同じように。もちろん下ごしらえは怠りません』
ジンは笑顔になる。いつかの朝にサンジと話したこと。サンジはああっと納得しように頷く。
『次もまたタネ明かし期待しています』
「ああ、次はまかせろ」
「おい!海に何か浮いてるぞ」
ワイワイと賑やかだったアクアリウムバーに拡声器を通してゾロの声が聞こえた。ゾロの声になんだなんだとみんな甲板に出てくる。
ルフィは船から体を乗り出して辺りを見る。
「タル!? 見ろ!! “宝”って書いてあるぞ!! もしかして!! “宝船の落とし物”じゃねぇか!?」
「「お宝!?」」
ルフィの言葉にウソップとチョッパーが喜ぶ。タルを急いで引き上げた3人は芝生の真ん中に置く。それを見てナミがああっと笑う。
「残念。中身はお酒と保存食よ」
「なんで見てねぇのにわかんだよ!!」
『“海神御宝前”だからですね』
「そう。それは“流しタル”と言って誰かが航海の無事を祈って海の守護神にお供え物をしたって事よ。“宝前”は“神様へ”って意味なのよ」
「なんだ…じゃ拾っても意味ねぇじゃねぇか」
ナミの言葉に落胆するルフィ。
「おう、せっかくの酒だろ飲もうぜ」
「バカ!お前バチが当たるぞ!!」
「お祈りすれば飲んでもいいのよ?」
「おれは神には祈らねぇ」
『はは。とてもゾロさんらしい言葉です』
「波にもまれたお酒は格別に美味しいんだって」
「そりゃ味わうべきだ!! よし乾杯するぞ!!」
ナミの言葉に反応したフランキーの一声でタルをあけることになった。ウソップがロープを緩めはじめる。
「飲んだ後の空ダルにまた新しいお供えを入れて流すのがならわしよ」
「へー」
「ジンは見たことあるのか?」
『いえ、知識としては知ってはいましたが、見るのは初めてですね』
「そっか! なら一緒だな!!」
『ええ、チョッパーくん』
ワクワクと目を輝かせるチョッパーにニコッとジンは笑顔で返した。
「開けろ開けろ、早く!」
「もうすぐだって」
「おい神様ー!!! おやつ貰うぞーー!!」
「空島で“神”をぶっ飛ばしてきたのはどこのどいつだよ」
ニンニンと手を合わせるルフィ。それを見てゾロは呆れたように言う。そうしている間にロープが外れる。ウソップにいいぞっと言われたルフィは蓋に手をかける。
「よし開いた」
ガポッ!
ボシュ!!!
「わっ!!!」
「「「!!!?」」」
「なんか飛んだ!!」
シュルルルルル
パァー――――ン!!
タルから飛んだ何かが弾け眩しく光った。
「!!?」
「なんだ!?」
「…赤い光……?」
みんな何が起こったか分からず光に目を細めた。
「何!? どういう事!?」
「酒が飛んで光って消えた!!」
「“発光弾”よ」
「はっはっはっ。海の神の呪いじゃねぇのか?」
驚くナミやチョッパーたちを尻目にロビンは冷静に、ゾロは冷やかし半分に言う。
「ただのイタズラならいいけど…もしかして……」
『……』
「この船はこれから誰かに狙われるかも知れない」
「「「!!」」」
「まさか…そういう罠なのか!? タルを開けたことで俺達がここにいると誰かに知らせちまったのか!?」
ウソップがガタガタと震え、チョッパーに辺りに誰かいないか探すよう指示した。
「どこにも、誰も見えないぞ!!!」
チョッパーが双眼鏡片手に叫ぶ。
「誰も…見えないけど……(この気圧は…)」
ナミはハッとした。
「みんな持ち場に!!」
「「「!」」」
「南南東へ逃げるわよ!! “大嵐”が来る!!5分後よ!!!」
「見えねぇけどあいつが言うんだからまた急に来るんだろうな。ナミ進路は!!?」
「2時へまっすぐ!!」
ナミの的確な指示の下みんなが持ち場に行く。
『僕は何をしましょうか?』
手持ちぶさたのジンは辺りを見渡す。すると下に降りようとしたサンジに声をかけられた。
「おい、ジン!! 手が開いてんならこっち手伝え!」
『はい!』
下に降りると、まもなくしてナミの声が聞こえる。
「みんな帆をたたんで!! “外輪 ”を出すわよ!!」
「アレか!!」
「おれ、アレ好きだ! やれーー!!」
ナミの言葉にウソップとルフィの歓声が聞こえる。
『外輪 ?』
「ああ、スゲェ仕掛けだ。帆を畳んだら見れるから、とりあえず回せ」
『わかりました』
ふたりでメインマストを畳み、上に登る。サンジがナミにメインマストを畳んだことを告げるとナミはフランキーに指示を出す。
フランキーはおうっと舵を操作を開始した。
「ソルジャードックシステム!! チャンネル“0”!! コーラエンジン“外輪船(パドルシップ)”サニー号!!!」
「「「進め―!!」」」
船内部から外輪が現れる。向かい風にも負けず前に進み始める。
『帆船が帆を張らず海を進めるなんて、すごい技術ですね』
ジンは素直な感想を述べながら、外輪 を眺めた。
「はぁ……越えた」
ウソップが安心した声を出す。
「越えたはいいが…なんだこの海は。まだ夜でもねぇだろうに、霧が深すぎて不気味なほど暗いな」
ゾロは先の見えない深い霧を眺めながら言った。
「……もしかして…………例の海域に踏み込んだって事かしら。……まだ心の準備が…!!」
「お!?もう魚人島に着くのか!?」
ナミの不安な声を他所にウソップはウキウキする。
「いや、その前にオバケが出る海だ!!」
「!」
ルフィの言葉でウソップは耳を疑う。フランキーが続ける。
「そうだ、気ぃ抜くなよ…まさにこの海域はもう…あの有名な“魔の三角地帯 ”。何もかも謎に消える怪奇の海だ…!!!」
「!!?」
ウソップはガチガチと震えだす。
「え…オ…オバ……オババ……オバ」
「オバケ出るんだここの海」
ウソップとは対照的にうひひひと笑うルフィ。
「ふざけんな――――!!!! 何だみんな知った風だな! おれぁ聞いてねぇぞ、そんな話~~~!!!」
『僕も初耳です』
何気に便乗するジン。ウソップには届いていないようだ。
「ココロばーさんが教えてくれたんだ。動くガイコツがいるんだぞ」
「そりゃ、お前のイメージだろ。ムダにビビらせてやるなよ」
ため息をつくサンジ。おもむろにポケットからマッチを取りだし、火をつけながら話をする。
「いいかウソップ。この海では毎年100隻以上の船が謎の消失を遂げる……。さらに死者をのせたゴースト船がさ迷ってるってだけの話だ」
周りが暗い分サンジの顔が火に照らされた部分しか見えない。
「ギャァアアアアいやだぁ!! 先に言えよそんなこと!!」
「言ったらどうしたんだよ」
「!……準備だ!! 悪霊退散グッズで身をかためねば!!」
ウソップの慌てようが感染したのかチョッパーも、あああああっと慌て出す。チョッパーは思わずウソップにしがみついた。
「ウソップおれにもかしてくれそれーー!!」
ギャーギャーと慌てるふたりを他のクルーは面白がっていた。
ギギギ…
「ジン! どういうトリックだ?」
『それは秘密ですよ、マジックなので。ちなみにサンジさんは僕が能力でマジックをしていると思われたんですよね?』
「ああ、お前の能力なら簡単だろう。違うのか?」
『はい、簡単です。しかし僕は演出以外で能力は使いませんよ。マジックは本気でやっています。貴方の料理にかけるプライドと同じように。もちろん下ごしらえは怠りません』
ジンは笑顔になる。いつかの朝にサンジと話したこと。サンジはああっと納得しように頷く。
『次もまたタネ明かし期待しています』
「ああ、次はまかせろ」
「おい!海に何か浮いてるぞ」
ワイワイと賑やかだったアクアリウムバーに拡声器を通してゾロの声が聞こえた。ゾロの声になんだなんだとみんな甲板に出てくる。
ルフィは船から体を乗り出して辺りを見る。
「タル!? 見ろ!! “宝”って書いてあるぞ!! もしかして!! “宝船の落とし物”じゃねぇか!?」
「「お宝!?」」
ルフィの言葉にウソップとチョッパーが喜ぶ。タルを急いで引き上げた3人は芝生の真ん中に置く。それを見てナミがああっと笑う。
「残念。中身はお酒と保存食よ」
「なんで見てねぇのにわかんだよ!!」
『“海神御宝前”だからですね』
「そう。それは“流しタル”と言って誰かが航海の無事を祈って海の守護神にお供え物をしたって事よ。“宝前”は“神様へ”って意味なのよ」
「なんだ…じゃ拾っても意味ねぇじゃねぇか」
ナミの言葉に落胆するルフィ。
「おう、せっかくの酒だろ飲もうぜ」
「バカ!お前バチが当たるぞ!!」
「お祈りすれば飲んでもいいのよ?」
「おれは神には祈らねぇ」
『はは。とてもゾロさんらしい言葉です』
「波にもまれたお酒は格別に美味しいんだって」
「そりゃ味わうべきだ!! よし乾杯するぞ!!」
ナミの言葉に反応したフランキーの一声でタルをあけることになった。ウソップがロープを緩めはじめる。
「飲んだ後の空ダルにまた新しいお供えを入れて流すのがならわしよ」
「へー」
「ジンは見たことあるのか?」
『いえ、知識としては知ってはいましたが、見るのは初めてですね』
「そっか! なら一緒だな!!」
『ええ、チョッパーくん』
ワクワクと目を輝かせるチョッパーにニコッとジンは笑顔で返した。
「開けろ開けろ、早く!」
「もうすぐだって」
「おい神様ー!!! おやつ貰うぞーー!!」
「空島で“神”をぶっ飛ばしてきたのはどこのどいつだよ」
ニンニンと手を合わせるルフィ。それを見てゾロは呆れたように言う。そうしている間にロープが外れる。ウソップにいいぞっと言われたルフィは蓋に手をかける。
「よし開いた」
ガポッ!
ボシュ!!!
「わっ!!!」
「「「!!!?」」」
「なんか飛んだ!!」
シュルルルルル
パァー――――ン!!
タルから飛んだ何かが弾け眩しく光った。
「!!?」
「なんだ!?」
「…赤い光……?」
みんな何が起こったか分からず光に目を細めた。
「何!? どういう事!?」
「酒が飛んで光って消えた!!」
「“発光弾”よ」
「はっはっはっ。海の神の呪いじゃねぇのか?」
驚くナミやチョッパーたちを尻目にロビンは冷静に、ゾロは冷やかし半分に言う。
「ただのイタズラならいいけど…もしかして……」
『……』
「この船はこれから誰かに狙われるかも知れない」
「「「!!」」」
「まさか…そういう罠なのか!? タルを開けたことで俺達がここにいると誰かに知らせちまったのか!?」
ウソップがガタガタと震え、チョッパーに辺りに誰かいないか探すよう指示した。
「どこにも、誰も見えないぞ!!!」
チョッパーが双眼鏡片手に叫ぶ。
「誰も…見えないけど……(この気圧は…)」
ナミはハッとした。
「みんな持ち場に!!」
「「「!」」」
「南南東へ逃げるわよ!! “大嵐”が来る!!5分後よ!!!」
「見えねぇけどあいつが言うんだからまた急に来るんだろうな。ナミ進路は!!?」
「2時へまっすぐ!!」
ナミの的確な指示の下みんなが持ち場に行く。
『僕は何をしましょうか?』
手持ちぶさたのジンは辺りを見渡す。すると下に降りようとしたサンジに声をかけられた。
「おい、ジン!! 手が開いてんならこっち手伝え!」
『はい!』
下に降りると、まもなくしてナミの声が聞こえる。
「みんな帆をたたんで!! “
「アレか!!」
「おれ、アレ好きだ! やれーー!!」
ナミの言葉にウソップとルフィの歓声が聞こえる。
『
「ああ、スゲェ仕掛けだ。帆を畳んだら見れるから、とりあえず回せ」
『わかりました』
ふたりでメインマストを畳み、上に登る。サンジがナミにメインマストを畳んだことを告げるとナミはフランキーに指示を出す。
フランキーはおうっと舵を操作を開始した。
「ソルジャードックシステム!! チャンネル“0”!! コーラエンジン“外輪船(パドルシップ)”サニー号!!!」
「「「進め―!!」」」
船内部から外輪が現れる。向かい風にも負けず前に進み始める。
『帆船が帆を張らず海を進めるなんて、すごい技術ですね』
ジンは素直な感想を述べながら、
「はぁ……越えた」
ウソップが安心した声を出す。
「越えたはいいが…なんだこの海は。まだ夜でもねぇだろうに、霧が深すぎて不気味なほど暗いな」
ゾロは先の見えない深い霧を眺めながら言った。
「……もしかして…………例の海域に踏み込んだって事かしら。……まだ心の準備が…!!」
「お!?もう魚人島に着くのか!?」
ナミの不安な声を他所にウソップはウキウキする。
「いや、その前にオバケが出る海だ!!」
「!」
ルフィの言葉でウソップは耳を疑う。フランキーが続ける。
「そうだ、気ぃ抜くなよ…まさにこの海域はもう…あの有名な“
「!!?」
ウソップはガチガチと震えだす。
「え…オ…オバ……オババ……オバ」
「オバケ出るんだここの海」
ウソップとは対照的にうひひひと笑うルフィ。
「ふざけんな――――!!!! 何だみんな知った風だな! おれぁ聞いてねぇぞ、そんな話~~~!!!」
『僕も初耳です』
何気に便乗するジン。ウソップには届いていないようだ。
「ココロばーさんが教えてくれたんだ。動くガイコツがいるんだぞ」
「そりゃ、お前のイメージだろ。ムダにビビらせてやるなよ」
ため息をつくサンジ。おもむろにポケットからマッチを取りだし、火をつけながら話をする。
「いいかウソップ。この海では毎年100隻以上の船が謎の消失を遂げる……。さらに死者をのせたゴースト船がさ迷ってるってだけの話だ」
周りが暗い分サンジの顔が火に照らされた部分しか見えない。
「ギャァアアアアいやだぁ!! 先に言えよそんなこと!!」
「言ったらどうしたんだよ」
「!……準備だ!! 悪霊退散グッズで身をかためねば!!」
ウソップの慌てようが感染したのかチョッパーも、あああああっと慌て出す。チョッパーは思わずウソップにしがみついた。
「ウソップおれにもかしてくれそれーー!!」
ギャーギャーと慌てるふたりを他のクルーは面白がっていた。
ギギギ…