渡り鳥を探せ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「――――っと、まぁ無事出航できたのはよかったけど…」
シャボンティ諸島から慌ただしく出港したサウザントサニー号。
その甲板にいるナミは、サニー船を包むシャボンに目を向けながら、何ともいえない声を出した。
そしてそのナミの言葉に他のクルーも同じような気持ちで、それぞれに難しい顔をしている。
もっとも顔に出ているのは、甲板の真ん中で胡坐をかき、
腕を組み、口を尖がらせたルフィだった。
「なんでジンがいねェんだ!!」
「そりゃ、あいつが“七武海”だからじゃないのか?」
「そんなの関係ねェ!! ジンはおれ達の仲間だろ!」
ウソップの言葉にルフィが噛みつく。それを腕を組んだフランキーが諌めた。
「おいおい、まだ賭けの途中だろ?」
「ジン……本当に“七武海”になっちゃったのかな…」
「チョッパー、アンタも2年前にその新聞は見たんでしょ?」
チョッパーはうなずき、大きく肩を落とす。ナミはそんなチョッパーのそばに腰を下ろした。
2年前の新聞記事、それは海軍と白ひげ海賊団の"戦争"の後に流れた新聞の事。
ルフィが起こしたあの事件が新聞の一面を飾る中、その次に大きな見出しになっていたのは、
戦争に参加する、ジンの姿に“七武海”と見出しがついた記事だった。
「わたしだって信じたくないわ。でも…」
「……なぁルフィ、海軍本部でジンと会ったのか?」
「会った!! あいつは俺を助けてくれたんだ!」
ルフィはチョッパーの言葉に力強く言う。
「…単純にレイリーのビブルカードを持ってなかったからとは考えられねェのか?」
ルフィ達の会話にゾロが口を挟んだ。
しかしサンジがタバコに火をつけながら、ゾロの意見を否定する。
「いや、あいつは合流しようと思えば合流できる」
「そ、そうなのか!?」
「ああ、これをおれが持ってる限りな」
サンジはそう言うと、胸ポケットから小さな白い紙切れを取り出す。
「サンジくん、それは何?」
「……みんなに言うつもりはなかったんだが…。スリラーバーグでくま野郎に殺されかけたのを覚えているか?」
「えらく前の話だな。でも覚えてるぜ、肉きゅうの形の空気の塊をこう小さくして……」
ウソップはくまのマネをしながら、その時の状況を振り返る。サンジは頷いた。
「そうだ。あの爆発で“誰一人命を落とさずに済んだ”のは、ジンがあの場にいた全員に“紙の盾”を張ったからだったんだよ」
「「「!!!」」」
「そんな…!?」
「そしてこの紙はジンの能力の切れ端。これがあれば、あいつはおれの居場所がわかると言っていた」
「!? じゃあ、2年前。あの広い諸島で私達の前に急に現れたのは、サンジくんが “それ”を持っていたから……?」
「ああ、 そうだ。あいつも言っていた。それにジンはそこのマリモじゃねェんだ。
ルフィが残した新聞のメッセージにも気づくだろう。
だから来なかったのは、意図してやったことだと仮定できる」
「そんなぁ……じゃあ、ジンはもう仲間にはならないのか……」
「チョッパーさん。気を落とさないでください」
涙が今にも溢れそうなチョッパーの肩に、膝をついたブルックが手を置き、なぐさめる。
「ねェ、ロビン。どう思……、ってあれ?ロビンは??」
ナミは、意見を発していないロビンに問いかけた。しかし、甲板にロビンの姿はない。
ナミは立ち上がり辺りを見渡す。ゾロは首を傾げながら言った。
「ああん? さっきまでいたハズだせ」
「みんな!」
「! どうしたの??」
甲板に、血相を変えたロビンの姿があった。その手には数枚の紙が握られていた。
「ロビンちゃん! どうしたんだ??」
「…その手の“紙”はなんだ?」
サンジが聞き、ゾロがロビンの手元を見つめながら続いて尋ねた。
「これは……ジンが私達に宛てた手紙よ」
「「「!!!」」」
ロビンの手にあったのは、“古代文字で書かれた”手紙だった。
.
シャボンティ諸島から慌ただしく出港したサウザントサニー号。
その甲板にいるナミは、サニー船を包むシャボンに目を向けながら、何ともいえない声を出した。
そしてそのナミの言葉に他のクルーも同じような気持ちで、それぞれに難しい顔をしている。
もっとも顔に出ているのは、甲板の真ん中で胡坐をかき、
腕を組み、口を尖がらせたルフィだった。
「なんでジンがいねェんだ!!」
「そりゃ、あいつが“七武海”だからじゃないのか?」
「そんなの関係ねェ!! ジンはおれ達の仲間だろ!」
ウソップの言葉にルフィが噛みつく。それを腕を組んだフランキーが諌めた。
「おいおい、まだ賭けの途中だろ?」
「ジン……本当に“七武海”になっちゃったのかな…」
「チョッパー、アンタも2年前にその新聞は見たんでしょ?」
チョッパーはうなずき、大きく肩を落とす。ナミはそんなチョッパーのそばに腰を下ろした。
2年前の新聞記事、それは海軍と白ひげ海賊団の"戦争"の後に流れた新聞の事。
ルフィが起こしたあの事件が新聞の一面を飾る中、その次に大きな見出しになっていたのは、
戦争に参加する、ジンの姿に“七武海”と見出しがついた記事だった。
「わたしだって信じたくないわ。でも…」
「……なぁルフィ、海軍本部でジンと会ったのか?」
「会った!! あいつは俺を助けてくれたんだ!」
ルフィはチョッパーの言葉に力強く言う。
「…単純にレイリーのビブルカードを持ってなかったからとは考えられねェのか?」
ルフィ達の会話にゾロが口を挟んだ。
しかしサンジがタバコに火をつけながら、ゾロの意見を否定する。
「いや、あいつは合流しようと思えば合流できる」
「そ、そうなのか!?」
「ああ、これをおれが持ってる限りな」
サンジはそう言うと、胸ポケットから小さな白い紙切れを取り出す。
「サンジくん、それは何?」
「……みんなに言うつもりはなかったんだが…。スリラーバーグでくま野郎に殺されかけたのを覚えているか?」
「えらく前の話だな。でも覚えてるぜ、肉きゅうの形の空気の塊をこう小さくして……」
ウソップはくまのマネをしながら、その時の状況を振り返る。サンジは頷いた。
「そうだ。あの爆発で“誰一人命を落とさずに済んだ”のは、ジンがあの場にいた全員に“紙の盾”を張ったからだったんだよ」
「「「!!!」」」
「そんな…!?」
「そしてこの紙はジンの能力の切れ端。これがあれば、あいつはおれの居場所がわかると言っていた」
「!? じゃあ、2年前。あの広い諸島で私達の前に急に現れたのは、サンジくんが “それ”を持っていたから……?」
「ああ、 そうだ。あいつも言っていた。それにジンはそこのマリモじゃねェんだ。
ルフィが残した新聞のメッセージにも気づくだろう。
だから来なかったのは、意図してやったことだと仮定できる」
「そんなぁ……じゃあ、ジンはもう仲間にはならないのか……」
「チョッパーさん。気を落とさないでください」
涙が今にも溢れそうなチョッパーの肩に、膝をついたブルックが手を置き、なぐさめる。
「ねェ、ロビン。どう思……、ってあれ?ロビンは??」
ナミは、意見を発していないロビンに問いかけた。しかし、甲板にロビンの姿はない。
ナミは立ち上がり辺りを見渡す。ゾロは首を傾げながら言った。
「ああん? さっきまでいたハズだせ」
「みんな!」
「! どうしたの??」
甲板に、血相を変えたロビンの姿があった。その手には数枚の紙が握られていた。
「ロビンちゃん! どうしたんだ??」
「…その手の“紙”はなんだ?」
サンジが聞き、ゾロがロビンの手元を見つめながら続いて尋ねた。
「これは……ジンが私達に宛てた手紙よ」
「「「!!!」」」
ロビンの手にあったのは、“古代文字で書かれた”手紙だった。
.