渡り鳥の仰ぐ空
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
――――海底研究所、“鳥かご島”
『……』
ジンは視界に入ってくる懐かしい景色を静かに見上げていた。
その耳に海兵の声が聞こえる。
「“鳥かご島”に到着いたしました!!」
―――“鳥かご島”。金色の柵が地面から高々と伸び、頂点に集まる鳥かごのような姿をした政府公認の研究施設である。
その名の起源となった巨大な柵は海楼石で作られており、研究施設に張られているシャボン玉を守る役割と、海王類から見つからない役割を担っていた。
「クロスロード様」
『…“最初にご説明した通り、この“鳥かご島”は政府の認定に伴い、僕の所有となります”』
「はい」
『“トランプ少将にも辞令が出ていると思いますが、鳥かご島への上陸許可は定期的な食糧供給のみとし、それ以外に関してはこちらの申し出がない限り許可されません”』
「お伺いしております」
『“では食料供給の作業へ移行してください。移行後は速やかに島を離れてください”』
「はっ!!只今から食料供給を開始いたします!!」
『……』
海兵達が慌ただしく動き出す。ジンはそんな艦から静かに降りた。
『……』
ジンは施設に伸びる道を歩く。
この研究施設は地上にいるのでは…と錯覚する大地や川、果ては古風な城が立てられている。とても変わった施設だった。
そうなったのは、“対象”の居住していた景色に似せるためであり、この対象にそうする必要があったことを示す。
ここは長期間の研究を見据えた…“対象”を逃がさないために作られた施設だった。
『……』
ザッザッと大地を踏みしめ、ジンは城の外れにある丘へ登る。
一歩踏み出すと、そこには花が沢山咲き、鮮やかな光景が広がっていた。ジンは膝を折り、地面の花に手を触れる。
『“…あの時すべてダメになったと思ったのに…”』
ジンは花をなで、そうつぶやくと立ち上がった。
その視線に入るのは二つの大きな石。
『……』
ジンはその二つの石に頭を深々と下げる。
「ジン!!」
『!』
自分を呼ぶ声がして、ジンは頭を上げた。ゆっくりと振り返る。
『!』
ジンは目を見張った。
ジンの前に立つ黒髪に赤い瞳をもつ少女は満面の笑顔をジンに向ける。
「おかえりなさい、ジン…!」
.
『……』
ジンは視界に入ってくる懐かしい景色を静かに見上げていた。
その耳に海兵の声が聞こえる。
「“鳥かご島”に到着いたしました!!」
―――“鳥かご島”。金色の柵が地面から高々と伸び、頂点に集まる鳥かごのような姿をした政府公認の研究施設である。
その名の起源となった巨大な柵は海楼石で作られており、研究施設に張られているシャボン玉を守る役割と、海王類から見つからない役割を担っていた。
「クロスロード様」
『…“最初にご説明した通り、この“鳥かご島”は政府の認定に伴い、僕の所有となります”』
「はい」
『“トランプ少将にも辞令が出ていると思いますが、鳥かご島への上陸許可は定期的な食糧供給のみとし、それ以外に関してはこちらの申し出がない限り許可されません”』
「お伺いしております」
『“では食料供給の作業へ移行してください。移行後は速やかに島を離れてください”』
「はっ!!只今から食料供給を開始いたします!!」
『……』
海兵達が慌ただしく動き出す。ジンはそんな艦から静かに降りた。
『……』
ジンは施設に伸びる道を歩く。
この研究施設は地上にいるのでは…と錯覚する大地や川、果ては古風な城が立てられている。とても変わった施設だった。
そうなったのは、“対象”の居住していた景色に似せるためであり、この対象にそうする必要があったことを示す。
ここは長期間の研究を見据えた…“対象”を逃がさないために作られた施設だった。
『……』
ザッザッと大地を踏みしめ、ジンは城の外れにある丘へ登る。
一歩踏み出すと、そこには花が沢山咲き、鮮やかな光景が広がっていた。ジンは膝を折り、地面の花に手を触れる。
『“…あの時すべてダメになったと思ったのに…”』
ジンは花をなで、そうつぶやくと立ち上がった。
その視線に入るのは二つの大きな石。
『……』
ジンはその二つの石に頭を深々と下げる。
「ジン!!」
『!』
自分を呼ぶ声がして、ジンは頭を上げた。ゆっくりと振り返る。
『!』
ジンは目を見張った。
ジンの前に立つ黒髪に赤い瞳をもつ少女は満面の笑顔をジンに向ける。
「おかえりなさい、ジン…!」
.