渡り鳥の仰ぐ空
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「!?」
「なっ…!!?」
戦場に響き渡る新たな声。その声ははっきりと強い意志がうかがえるものだった。
手を海につけた青キジは自分の能力が働かないことに驚きの顔をする。
『“麦わらのルフィ並びにトラファルガー・ローへの攻撃を禁止します…!!”』
そう声を出したジンは潜水艦を守るように、海兵達に立ちふさがった。
「ジン!!」
『“……ロー行ってください。ここは引き受けます”』
ジンはローに背を向けたまま言う。その背に向かってローが言った。
「!お前も一緒に来い!!」
『“……。ありがとうございます。しかし僕にはこれから行くべき場所(トコロ)があるのです”』
「?」
『“ロー”』
「!」
『“―――ルフィさんを頼みます”』
「…!!」
ローは驚きに目を丸くした。しかし、フッと口角をあげる。
「任せろ!!」
ローはクルーに“出るぞ!!”っと指示を出す。
ローがドアを閉めると同時に潜水艦は海底深くに潜って行った。
『(ルフィさん、どうぞご無事で…)』
「“渡り鳥”ィ~なんのつもりだい…?“七武海”が敵を逃がすなんてェ…」
黄猿が忌々しそうに、マストからジンを見る。
『“貴方達との契約は白ひげ海賊団との交戦。それは十分に果たしました。これ以上は協定外とみなします”』
「それは双方が決めることでしょうが」
攻撃を止められた青キジが空に浮かぶジンに言った。
『“では、海賊らしく暴力をもって権利を行使させて頂きます”』
ジンの右目の赤が鈍く光ると共にニコッと笑顔を見せる。
「「??」」
この時、抑えていたジンの“声の能力”を完全に解放されていた。
自分の身体をめぐる能力の感覚。その充実した力はジンの精神に余裕を持たす結果となっていた。
『“言うことを聞いて頂けないのならば、今ここで、“あの日”を再現しましょう”』
「「!!?」」
『“リミッター解除に少しばかり時間を要しましたが…。今はあの時と同じ、いえ…あの時以上の力を有しています。
この場で大事な“10万もの戦力”を“全て失うこと”はそちらとしても望んでいないでしょう”』
「「「!!!」」」
「あらら…。どうやら本気みたいだな」
「めんどうだねェ~…」
「急ぐのじゃ!!潜水艦を追え!!」
戦場の視線がジンへ注がれる中、一つの軍艦ではハンコックが海兵相手に声を上げていた。
「追うって海底ですし…」
「よいな!わらわは“七武海”として“麦わらのルフィ”を必ず追い仕留めると軍に報告するのじゃ!!」
「は…はい!!」
「しかしどこをどう追っていいやら…!!」
「ともかく進め!!」
「はーァ!!無茶だけど美しい…!!」
「宝の地図はウソだと!?てめェェ!!!」
「とっさだったんだ。―――バギー、久しぶりだな」
また一方では、バギーはシャンクスの胸ぐらをつかんで怒鳴っていた。
「ナニが久しぶりだァ!!おれァてめェに恨みさえある事を忘れんな、シャンクス!!!
このおれ様をタダで使いやがって!!」
「赤髪……!!!」
そんなシャンクスにマルコが声をかける。
「マルコ…これ以上応戦するな、大人しく手を引け」
「!?“鷹の目”!!どこへ行く!!」
広場でいきさつをを見ていたミホークは背を向け、歩き出す。
「……。“白ひげ”と戦う事は承諾したが“赤髪”は協定の範囲外だ…」
「―――――これ以上を欲しても、両軍被害は無益に拡大する一方だ…!!!まだ暴れ足りねェ奴がいるのなら」
「来い…!!!おれ達が相手をしてやる!!!」
「「「……!!」」」
どよっと戦場がわく。シャンクスはティーチに目を向けた。
「どうだティーチ……!!―――――いや、……“黒ひげ”」
「……。…ゼハハハハ、やめとこう……!!欲しい物は手に入れたんだ、お前らと戦うにゃあ―――――まだ時期が早ェ…!!!」
「ゼハハハハ…行くぞ野郎共!!」
「……」
ティーチは仲間を引き連れ、マリンフォードを後にする。センゴクはそれを目だけで見送ると、シャンクスに視線を寄越した。
「全員―――――この場はおれの顔を立てて貰おう」
「“白ひげ”“エース”二人の弔いはおれ達に任せて貰う。戦いの映像は世に発信されていたんだ…!!
これ以上そいつらの死を晒す様なマネはさせない!!」
「何を!!?この二人の首を晒してこそ海軍の勝鬨(カチドキ)は上がるのだ」
ブルドック中将がシャンクスに怒鳴る。それを後ろからセンゴクが制した。
「構わん!!」
「!?」
「元帥殿……!?」
「お前なら…いい。赤髪…責任は私が取る」
「すまん」
「負傷者の手当てを急げ…!!」
「戦争は…!!!終わりだァ!!!!」
かくして“大海賊時代”開幕以来最大の戦い、“マリンフォード頂上戦争”はここに幕を閉じ、歴史に深く刻まれる―――――
『……』
ジンは救護で慌ただしい湾内に降り立つ。裏切り者だと視線を投げられる中、ジンは本部へ歩を進めた。
「お!お前が“渡り鳥”か」
『!』
ジンの前に現れたのは先の戦争を治めた“赤髪”のシャンクス。
「さっきはありがとうな。ルフィを守ってくれて」
『“!……いえ…僕は何も”』
「そんな事ねェよ。“言葉”だけで戦い止めちまうとは大した奴だな!!」
『“……違います”』
「?」
ジンは首を横に振る。
『“僕は、最後の最後までルフィさんを助けるか否かで迷いました”』
「……」
『“だから、僕は…”』
「それでも、助けたじゃないか」
『“え…?”』
「迷っても最後にはルフィを助けた。おれはそのお前の行動に感謝したいんだ」
『……』
「ありがとう」
シャンクスはそう言いいニコッと笑うと、仲間の下へ歩き出す。すれ違う時にジンの肩にポンッと手を置いた。
「いつかまた、会えるといいな。次は酒でも飲みながら話せるといい」
手が離れ、ジンが振り返ると、手をひらひらと振っていた。
.
「なっ…!!?」
戦場に響き渡る新たな声。その声ははっきりと強い意志がうかがえるものだった。
手を海につけた青キジは自分の能力が働かないことに驚きの顔をする。
『“麦わらのルフィ並びにトラファルガー・ローへの攻撃を禁止します…!!”』
そう声を出したジンは潜水艦を守るように、海兵達に立ちふさがった。
「ジン!!」
『“……ロー行ってください。ここは引き受けます”』
ジンはローに背を向けたまま言う。その背に向かってローが言った。
「!お前も一緒に来い!!」
『“……。ありがとうございます。しかし僕にはこれから行くべき場所(トコロ)があるのです”』
「?」
『“ロー”』
「!」
『“―――ルフィさんを頼みます”』
「…!!」
ローは驚きに目を丸くした。しかし、フッと口角をあげる。
「任せろ!!」
ローはクルーに“出るぞ!!”っと指示を出す。
ローがドアを閉めると同時に潜水艦は海底深くに潜って行った。
『(ルフィさん、どうぞご無事で…)』
「“渡り鳥”ィ~なんのつもりだい…?“七武海”が敵を逃がすなんてェ…」
黄猿が忌々しそうに、マストからジンを見る。
『“貴方達との契約は白ひげ海賊団との交戦。それは十分に果たしました。これ以上は協定外とみなします”』
「それは双方が決めることでしょうが」
攻撃を止められた青キジが空に浮かぶジンに言った。
『“では、海賊らしく暴力をもって権利を行使させて頂きます”』
ジンの右目の赤が鈍く光ると共にニコッと笑顔を見せる。
「「??」」
この時、抑えていたジンの“声の能力”を完全に解放されていた。
自分の身体をめぐる能力の感覚。その充実した力はジンの精神に余裕を持たす結果となっていた。
『“言うことを聞いて頂けないのならば、今ここで、“あの日”を再現しましょう”』
「「!!?」」
『“リミッター解除に少しばかり時間を要しましたが…。今はあの時と同じ、いえ…あの時以上の力を有しています。
この場で大事な“10万もの戦力”を“全て失うこと”はそちらとしても望んでいないでしょう”』
「「「!!!」」」
「あらら…。どうやら本気みたいだな」
「めんどうだねェ~…」
「急ぐのじゃ!!潜水艦を追え!!」
戦場の視線がジンへ注がれる中、一つの軍艦ではハンコックが海兵相手に声を上げていた。
「追うって海底ですし…」
「よいな!わらわは“七武海”として“麦わらのルフィ”を必ず追い仕留めると軍に報告するのじゃ!!」
「は…はい!!」
「しかしどこをどう追っていいやら…!!」
「ともかく進め!!」
「はーァ!!無茶だけど美しい…!!」
「宝の地図はウソだと!?てめェェ!!!」
「とっさだったんだ。―――バギー、久しぶりだな」
また一方では、バギーはシャンクスの胸ぐらをつかんで怒鳴っていた。
「ナニが久しぶりだァ!!おれァてめェに恨みさえある事を忘れんな、シャンクス!!!
このおれ様をタダで使いやがって!!」
「赤髪……!!!」
そんなシャンクスにマルコが声をかける。
「マルコ…これ以上応戦するな、大人しく手を引け」
「!?“鷹の目”!!どこへ行く!!」
広場でいきさつをを見ていたミホークは背を向け、歩き出す。
「……。“白ひげ”と戦う事は承諾したが“赤髪”は協定の範囲外だ…」
「―――――これ以上を欲しても、両軍被害は無益に拡大する一方だ…!!!まだ暴れ足りねェ奴がいるのなら」
「来い…!!!おれ達が相手をしてやる!!!」
「「「……!!」」」
どよっと戦場がわく。シャンクスはティーチに目を向けた。
「どうだティーチ……!!―――――いや、……“黒ひげ”」
「……。…ゼハハハハ、やめとこう……!!欲しい物は手に入れたんだ、お前らと戦うにゃあ―――――まだ時期が早ェ…!!!」
「ゼハハハハ…行くぞ野郎共!!」
「……」
ティーチは仲間を引き連れ、マリンフォードを後にする。センゴクはそれを目だけで見送ると、シャンクスに視線を寄越した。
「全員―――――この場はおれの顔を立てて貰おう」
「“白ひげ”“エース”二人の弔いはおれ達に任せて貰う。戦いの映像は世に発信されていたんだ…!!
これ以上そいつらの死を晒す様なマネはさせない!!」
「何を!!?この二人の首を晒してこそ海軍の勝鬨(カチドキ)は上がるのだ」
ブルドック中将がシャンクスに怒鳴る。それを後ろからセンゴクが制した。
「構わん!!」
「!?」
「元帥殿……!?」
「お前なら…いい。赤髪…責任は私が取る」
「すまん」
「負傷者の手当てを急げ…!!」
「戦争は…!!!終わりだァ!!!!」
かくして“大海賊時代”開幕以来最大の戦い、“マリンフォード頂上戦争”はここに幕を閉じ、歴史に深く刻まれる―――――
『……』
ジンは救護で慌ただしい湾内に降り立つ。裏切り者だと視線を投げられる中、ジンは本部へ歩を進めた。
「お!お前が“渡り鳥”か」
『!』
ジンの前に現れたのは先の戦争を治めた“赤髪”のシャンクス。
「さっきはありがとうな。ルフィを守ってくれて」
『“!……いえ…僕は何も”』
「そんな事ねェよ。“言葉”だけで戦い止めちまうとは大した奴だな!!」
『“……違います”』
「?」
ジンは首を横に振る。
『“僕は、最後の最後までルフィさんを助けるか否かで迷いました”』
「……」
『“だから、僕は…”』
「それでも、助けたじゃないか」
『“え…?”』
「迷っても最後にはルフィを助けた。おれはそのお前の行動に感謝したいんだ」
『……』
「ありがとう」
シャンクスはそう言いいニコッと笑うと、仲間の下へ歩き出す。すれ違う時にジンの肩にポンッと手を置いた。
「いつかまた、会えるといいな。次は酒でも飲みながら話せるといい」
手が離れ、ジンが振り返ると、手をひらひらと振っていた。
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