紙人間とダイヤモンド人間
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麦わらの一味が出て行ったのを見て、ジンは町長の方に振り向く。
『町長さん。明日の昼に海軍を呼ぶことは可能ですか?』
「なっ?」
町長は心底驚いた顔をした。
「まさか、彼らを捕まえるのか?」
町長は出て行った麦わら海賊のことを指し、困惑の表情を浮かべる。ジンはそんな町長の言葉に首を横に振った。
『彼らではありません。こちらの山賊の方ですよ』
すっかり伸びているカッティノ山賊たちを見て言う。
「しかし…」
『彼らには明日の朝、出航してもらいます。そして僕は、今からカッティノさんを捕まえて来ますね』
さらりとジンは言う。町長は驚きの声をあげた。
「なに!? あんた正気か!」
『はい』
「ちょっと待て、確かにあんたは強いかもしれないが、カッティノはこいつらと違う!!」
『しかし。カッティノさんを捕まえなければ、この街は明日までの命と思いますが…』
「!!」
そう、明日には麦わらの一味もジンも出て行ってしまう。そうなれば、またカッティノたちがのさばってしまうのだ。
『明日の朝までには済ませますので、町長さんには海軍に引渡しをお願いしたいのです』
「引渡しを?」
『はい。彼らをここに置いて行くことになりますので。後、このダスターさんとお頭のカッティノさんは賞金首とお聞きしました。
このおふたりの懸賞金はここの修繕費用にしてください』
「なっ、しかしそれじゃあ…」
『これはここをボロボロにしてしまったこと、また皆さんにマジックを楽しんで頂けなかったお詫びです。受け取ってください』
「だが、額がでかすぎる!」
町長はせめてお金はもらってほしいと懇願する。そんな町長にジンは困った顔をし、シルクハットのツバを少し下に引く。町長からはジンの口元しか見えなくなる。
『…残念ながら僕や彼らはどちらにしても懸賞金はもらえません』
「? …彼らなら分からないでもないが、あなたが?」
ジンはその言葉にクスッと口角をあげる。そしてゆっくりとした歩調で扉に向けて歩き出す。町長の横を通り過ぎるときジンは呟いた。
「!」
唖然となる町長。ジンはドアの前で立ち止まり、町長や街の人々にシルクハットを上げお辞儀すると扉から出て行った。
立ち尽くす町長。その耳にはジンの言葉が蘇る。
『僕も海賊ですから』
と。
ジンが外に出ると麦わら一味が神妙な面持ちで待っていた。
ひとりを除いては…
「なぁ、仲間になろう!」
「「あほか!!」」
「ぶふぇ」
ナミとウソップにチョップを入れられるルフィ。
『…お待たせ致しました、麦わら一味の皆さん』
「ちょっと待たせ過ぎよ、あんた」
ナミがずいっとジンに近づく。ジンは後退りする。
『申し訳ございません。“泥棒猫”のナミさん』
「!」
ナミはびっくりして一歩引いた。
「やっぱり俺らのこと知ってんじゃねぇか!」
ウソップはいつの間にかゾロの後ろに震えながら隠れていた。
『?』
ジンはウソップを見てもピンとこないようだ。考えていると、ふと左手に気配を感じる。
「カッコウちゃん、貴女のマジックとても素晴らしかった。よければ、おれに愛のマジックをかけてくれませんか?」
どこからかやって来たサンジはひざまつき右手でジンの左手を掴み、キラキラと輝く笑顔で言う。
『…(まさか、女性に思われているとは…)』
すごくにこやかに手を握られているジンは絶句していた。チラッと、ジンはロビンに目を向ける。 するとロビンはフフフっと、聞こえて来そうなくらい笑っていた。
『あの、、』
ジンは言いづらそうにサンジを見る。
「どうしたんだい、カッコウちゃん?」
『……大変申し上げにくいのですか…僕は“男”です』
「「「えぇ!?」」」
ロビンとチョッパーのふたり以外が盛大に驚いた。
「(あいつ、男だったのか!!)」
ゾロもこれにはびっくりする。なにより手を握っているサンジは悲痛な声を出す。
「嘘だ…そんな…こんな綺麗な子が…」
サンジは固まったまま、倒れてしまった。
『あの…大丈夫でしょうか、黒足のサンジさんは…』
「そいつはいつもそんな感じだから気にしなくていいぜ」
『そうですか…』
ジンは倒れてしまったサンジを心配するが、フランキーが腕を組みながら呆れた声で言った。
「で、話を戻してもいいか?」
ゾロが言う。ウソップは相変わらず後ろにいる。
『あっ、はい。で何をお話すれば…』
「あんたが何者なのかよ!」
ナミがジンの言葉を遮る。
『何者か…ですか。ロビンからお聞きではないのですね』
「私から言うことじゃないと思ったから」
ニコッと笑うロビン。
「おまえら知り合いなのか!?」
ウソップはびっくりした顔でふたりの顔を見る。
『はい。古い知り合いです。ああ、ロビン。挨拶がありませんでした。お久しぶりです』
「久しぶりね」
ジンの挨拶にロビンが返す。
「何を和やかに再会の挨拶をしてんだよ!」
ウソップはゾロの後ろから突っ込みを入れる。
『あぁ、あなたはソゲキングさんですか』
やっと誰か思い当たり笑顔になるジン。ウソップの突っ込みはまるで効いていないようだ。
「あーーもう、早く言いなさいよ!」
ナミが痺れを切らす。
『はい、失礼しました。しかし、何者かですか…難しいですね』
「賞金稼ぎじゃねェならなんなんだ?」
『えーっと…』
「マジシャンはダメよ」
『はは…』
ナミに先回りされてしまい、ジンは苦笑いする。
『(仕方ないですね…)』
ジンは目を瞑り、ひと呼吸する。そして笑顔で言った。
『僕は、海賊です』
『町長さん。明日の昼に海軍を呼ぶことは可能ですか?』
「なっ?」
町長は心底驚いた顔をした。
「まさか、彼らを捕まえるのか?」
町長は出て行った麦わら海賊のことを指し、困惑の表情を浮かべる。ジンはそんな町長の言葉に首を横に振った。
『彼らではありません。こちらの山賊の方ですよ』
すっかり伸びているカッティノ山賊たちを見て言う。
「しかし…」
『彼らには明日の朝、出航してもらいます。そして僕は、今からカッティノさんを捕まえて来ますね』
さらりとジンは言う。町長は驚きの声をあげた。
「なに!? あんた正気か!」
『はい』
「ちょっと待て、確かにあんたは強いかもしれないが、カッティノはこいつらと違う!!」
『しかし。カッティノさんを捕まえなければ、この街は明日までの命と思いますが…』
「!!」
そう、明日には麦わらの一味もジンも出て行ってしまう。そうなれば、またカッティノたちがのさばってしまうのだ。
『明日の朝までには済ませますので、町長さんには海軍に引渡しをお願いしたいのです』
「引渡しを?」
『はい。彼らをここに置いて行くことになりますので。後、このダスターさんとお頭のカッティノさんは賞金首とお聞きしました。
このおふたりの懸賞金はここの修繕費用にしてください』
「なっ、しかしそれじゃあ…」
『これはここをボロボロにしてしまったこと、また皆さんにマジックを楽しんで頂けなかったお詫びです。受け取ってください』
「だが、額がでかすぎる!」
町長はせめてお金はもらってほしいと懇願する。そんな町長にジンは困った顔をし、シルクハットのツバを少し下に引く。町長からはジンの口元しか見えなくなる。
『…残念ながら僕や彼らはどちらにしても懸賞金はもらえません』
「? …彼らなら分からないでもないが、あなたが?」
ジンはその言葉にクスッと口角をあげる。そしてゆっくりとした歩調で扉に向けて歩き出す。町長の横を通り過ぎるときジンは呟いた。
「!」
唖然となる町長。ジンはドアの前で立ち止まり、町長や街の人々にシルクハットを上げお辞儀すると扉から出て行った。
立ち尽くす町長。その耳にはジンの言葉が蘇る。
『僕も海賊ですから』
と。
ジンが外に出ると麦わら一味が神妙な面持ちで待っていた。
ひとりを除いては…
「なぁ、仲間になろう!」
「「あほか!!」」
「ぶふぇ」
ナミとウソップにチョップを入れられるルフィ。
『…お待たせ致しました、麦わら一味の皆さん』
「ちょっと待たせ過ぎよ、あんた」
ナミがずいっとジンに近づく。ジンは後退りする。
『申し訳ございません。“泥棒猫”のナミさん』
「!」
ナミはびっくりして一歩引いた。
「やっぱり俺らのこと知ってんじゃねぇか!」
ウソップはいつの間にかゾロの後ろに震えながら隠れていた。
『?』
ジンはウソップを見てもピンとこないようだ。考えていると、ふと左手に気配を感じる。
「カッコウちゃん、貴女のマジックとても素晴らしかった。よければ、おれに愛のマジックをかけてくれませんか?」
どこからかやって来たサンジはひざまつき右手でジンの左手を掴み、キラキラと輝く笑顔で言う。
『…(まさか、女性に思われているとは…)』
すごくにこやかに手を握られているジンは絶句していた。チラッと、ジンはロビンに目を向ける。 するとロビンはフフフっと、聞こえて来そうなくらい笑っていた。
『あの、、』
ジンは言いづらそうにサンジを見る。
「どうしたんだい、カッコウちゃん?」
『……大変申し上げにくいのですか…僕は“男”です』
「「「えぇ!?」」」
ロビンとチョッパーのふたり以外が盛大に驚いた。
「(あいつ、男だったのか!!)」
ゾロもこれにはびっくりする。なにより手を握っているサンジは悲痛な声を出す。
「嘘だ…そんな…こんな綺麗な子が…」
サンジは固まったまま、倒れてしまった。
『あの…大丈夫でしょうか、黒足のサンジさんは…』
「そいつはいつもそんな感じだから気にしなくていいぜ」
『そうですか…』
ジンは倒れてしまったサンジを心配するが、フランキーが腕を組みながら呆れた声で言った。
「で、話を戻してもいいか?」
ゾロが言う。ウソップは相変わらず後ろにいる。
『あっ、はい。で何をお話すれば…』
「あんたが何者なのかよ!」
ナミがジンの言葉を遮る。
『何者か…ですか。ロビンからお聞きではないのですね』
「私から言うことじゃないと思ったから」
ニコッと笑うロビン。
「おまえら知り合いなのか!?」
ウソップはびっくりした顔でふたりの顔を見る。
『はい。古い知り合いです。ああ、ロビン。挨拶がありませんでした。お久しぶりです』
「久しぶりね」
ジンの挨拶にロビンが返す。
「何を和やかに再会の挨拶をしてんだよ!」
ウソップはゾロの後ろから突っ込みを入れる。
『あぁ、あなたはソゲキングさんですか』
やっと誰か思い当たり笑顔になるジン。ウソップの突っ込みはまるで効いていないようだ。
「あーーもう、早く言いなさいよ!」
ナミが痺れを切らす。
『はい、失礼しました。しかし、何者かですか…難しいですね』
「賞金稼ぎじゃねェならなんなんだ?」
『えーっと…』
「マジシャンはダメよ」
『はは…』
ナミに先回りされてしまい、ジンは苦笑いする。
『(仕方ないですね…)』
ジンは目を瞑り、ひと呼吸する。そして笑顔で言った。
『僕は、海賊です』