「あ…！！またエースを処刑する気だ、あいつら！！！」

「麦わらボーイ！！次倒れたらもう二度とこの世に帰って来れないと思いなよ！！！」

「ﾊｧ…ﾊｧ…」

「テンション・ホルモンは体をダマすダッキャブル！！ダメージが回復したわけじゃない！！！」

「もう……倒れねェ！！」

「止まれ！海賊共～～！！！」

「おどきィ～～！！！ヒーハー！！！」


バチョーン！！


わあああああああぁあ……！？

イワンコフのまばたきで海兵達が吹き飛ぶ。ルフィはイワンコフの開いた道を走った。


「！コビー！！」

その道の先に、コビーが立ちはだかる。


「……！！(戦わなきゃ、変われない！！！ここは戦場だ！！！あの人を殺す気でやるんだ！！！)」

「“ゴムゴムの”」

「“剃(ｿﾙ)”！！！」

「“ブレッ…”」

「！！？」

「“トォ”！！！」


ガァァン！！！


ルフィの拳がコビーの顔にあたる。コビーは地面に叩きつけられた。
ルフィは泡を吹くコビーを置いて先を急ぐ。


ﾋﾟｭﾝ！！……ズム！！


「わ！！」

「モンキー・D・ルフィ」

「しまった、コイツら厄介だ！！ニセくま！！」

ルフィはﾀﾝｯとビームを避ける。しかし別のパシフィスタがルフィに手を向けた。


ﾋｭﾝﾋｭﾝ…


「……っ！！」

「！」

ばっ！！とパシフィスタとルフィの間にハンコックが割り込む。


「！？あっ」

「ボア・ハンコック……“七武海”」

「おい！！あぶねェぞ、お前！！」

ルフィはハンコックに叫ぶ。ハンコックは手を広げ、じっとパシフィスタを見つめた。


「攻撃中止……！！味方だ」

「そうか！！お前ら味方か！！」

ルフィはﾎｯと息をつく。


「ありがとう、“ハンコック”！！」

「また、名前を…！！」

ｽﾞｷｭｰﾝと胸を撃たれるハンコック。顔を赤らめながら、ルフィを見送る。


「アレ“女帝”でしょ！？何でヴァナタ知っチャブルの！？」

ルフィの後を追うイワンコフはハンコックを見ながら首を傾げた。


「どけ。ボア・ハンコック」

「！」

ハンコックはｷｯとパシフィスタを睨む。そして足を振り上げた。


「お前達に名を呼ばれとうない！」







「オヤジィ～～～～～～～～！！！」


「オォ～…油断したねェ～…」

「く…」

マルコは走りながら身体を不死鳥化させる。


「しかし…再生するよね～…“不死鳥”マルコ…」


ガチャン…！！


「！！？…――“海楼石”！！」

マルコは自信の腕につけられたら海楼石を見て焦りの色が見えた。そんなマルコに黄猿のビームが襲う。


ズバ！！ズバ！！


「うァ！！！」

「「「マルコ隊長ォ！！！」」」

「ジョス隊長もやられた！！！」

「崩れたな、“白ひげ海賊団”…」

凍りついたジョス。その側に立つ青キジは冷気を纏いながら言った。


「隊長達まで次々に！！！」

「グズグズするな！！！全員で“白ひげ”の首を取れェ～～～！！！」

「「「オヤジ～～～～～～！！！」」」


ドンドスドスドスドス！！！


海兵達がセンゴクの言葉で一斉に白ひげに攻撃を仕掛ける。


「「「オヤジ！！」」」

「来るな！！！」

砲弾にさらされる白ひげは駆け寄るクルー達に叫んだ。


「……こいつらァ……これしきで……！！ﾊｧ…ﾊｧ…おれを殺せると思ってやがる」

「「「……」」」

「助けなんざいらねェよ……ﾊｧ…ﾊｧ…」

ギロッ！！！と白ひげは覇気を纏う。


「おれァ“白ひげ”だァア！！！！」


ドン……！！！


身体腕や胸に刀が刺さる中、白ひげは槍を振り抜く。周辺にいた海兵達はそのたった一振りで吹き飛ばされた。


(((か…怪物！！！)))


「……おれが死ぬ事……それが何を意味するか…」

「……」

「おれァ知ってる……！！！」

血を流す白ひげは処刑台を見上げる。


「……だったらおめェ…息子達の明るい未来を見届けねェと。おれァ、死ぬ訳にはいかねェじゃねェか…！！！なァ、エース」

「………！」

「何だ！？コイツら“白ひげ”の後ろに構えて！！」

「………」

白ひげの背を守るように、ジンベエと隊長達が立つ。


「ﾊｧ…ﾊｧ…お前らにゃあ…わからんでええわい」

「おれ達はオヤジの“誇り”を守る！！！」

「気を効きすぎだアホンダラ」

白ひげは小さく口元が弧を描いた。


「「「！？」」」

「未来が見たけりゃ今すぐに見せてやるぞ、“白ひげ”！！」

センゴクは処刑台から白ひげを見下ろしそう言うと、見せつけるように言った。


「やれ！！！」

「「「エース～～！！！」」」

「ムダだ。それをおれが止められねェとでも…ｺﾞﾌ！！――！！！」

白ひげは胸の痛みに襲われる。


「見ろ“白ひげ”ェ！！！」

「ウッ！！！(…しまった！！)」

エースに振り下ろされる2つの刃。それらがまもなくエースに到達しようとしていた。
瞬間……


「やめろォ～～～～～！！！！」

「「！！？」」

ドンッと強い覇気が広場中に広まった。


「「「………」」」

ルフィの覇気に当てられた処刑人達や海兵達、果ては白ひげクルー達が気絶する。


「……覇王色の…！！」

「………」

「おいおいマジか……！！」

「ヴァナタ今の！！」

「今助けるぞォ～～～～～～！！！」

「……(あの小僧…！！！)」

『やはり“覇王色”……』

広場の中央付近に立つジンはﾋﾞﾘﾋﾞﾘと身体を走る覇気に驚いていた。


「おい！！しっかりしろ！！」

「危ねェ！！意識が飛びかけた」

「エースの弟……！！」

「オヤジや赤髪と同じ“覇王色”の覇気！！」

「あいつがやったのかよい……！！？」

「どうやら今のは……無意識じゃのう……」

「恐ろしい力を秘めてるねェ～」

「……」

「――やはり、持って生まれたか…」

「お前も…」

「気の弱い者は下がれ！！！ただのルーキーだと思うな！！」

「革命家ドラゴンの息子だ…当然といえば当然の資質……！！」

「ドーベルマン中将！！」

「奴をこの戦いから逃がすなよ。逃がせばいずれ必ず強大な敵となる！！！」

「ヴァナタいつどこで“そんな力”身につけチャブルなの！？」

「あァ！？何が！！！」

「！！何でもない！！！(……気づいてないんだわ。今はまだ眠れる力…しかし道理で人を引きつける！！……――血は争えナッシブルな様ね！！ドラゴン！！！)」

「！？」

ルフィは黙り込んだイワンコフを不思議そうに見上げた。





「まず“白ひげ”だ！！！“怪物”とはいえこれだけの手負い！！！」

「何としても薙ぎ倒せば！！！」


ﾌﾞﾝ…ｯドゴォン…！！！


「うわあァあ！！！」

「野郎共ォ～～！！！」

「オヤジ！？」

白ひげに向かう海兵達は白ひげに一網打尽にされる。白ひげは身体に力を込め、広場中に届く声を叫んだ。



「麦わらのルフィを全力で援護しろォ！！！！」



「「「！！！？」」」

「(……！！やってみろ、小僧……！！お前も“Dの意志”を継ぐ者ならば、この時代のその先をおれに見せてみろ！！！)」

「危ない！麦わらボーイ！！！」

「！！」

ルフィに海軍の手がかかる。しかし次の瞬間……！！


わあああああああ…！！


「「！！？」」

「急げ！！エースの弟！！」

「今、海軍の戦力はオヤジに向いている！！！」

「この機を逃すと大将は越えられねェぞ！！！」

「一点突破だ！！おれ達と来い！！！」

「！！」

「一大事よ、麦わらボーイ！！世界一の海賊がヴァナタを試してる！！！」

「！？」

イワンコフは白ひげクルーの雰囲気が変わるのを感じ取っていた。


「ヴァナタ“白ひげ”の心当てに応える覚悟あんのかいってきいてんノッキャブル！！！ヒ～～ハーァ！！！」

「白ひげのおっさんが何だか知らねェけど！！！おれが来た理由は！！はじめから一つだ！！！」

海兵を薙ぎ倒せしながら、ルフィは言う。


「避けな、麦わらボーイ！！」

「！！？」

「“鷹の目”だ！！！」

直線的な斬撃がルフィに迫る。


ガキィン…！！


「！！？――お前！！」

「社長命令だ。一旦海軍を敵とする」

「ダズ・ボーネスだな」

「ウッ！！！」

ｽﾞﾊﾞｯ！！とミホークは素早く、ダズに斬りつける。ダズは反応に間に合わず切り捨てられた。
ミホークはそのままルフィに黒刀を向ける。


「！！」


ギィン！！！


「クロコダイル」

「……！！」

「今…！！虫の居所が悪ィんだ。気ィつけな“鷹の目”」




「どういうつもりだ！！！おめェ“七武海”じゃねェのか！！
パシフィスタを何人も止めやがって！！！“政府側”だろ！！？」

戦闘丸は次々に壊されたパシフィスタへの怒りをハンコックに向ける。ハンコックはそんな戦闘丸を見下した。


「お前に一つ教えてやろう…」

「ん？」

「“恋はいつでもハリケーンなのじゃ”！！！」

「なんじゃそりゃあ！！！」


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