“七武海”渡り鳥
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「ジン、何言ってんだよ!!」
ルフィは信じられないと言った声で尋ねる。ジンは淡々と話した。
『“海峡”のジンベエさんが七武海を降りた今、僕は正式な“七武海”となりました』
「!?」
『この戦場で“この称号”の意味、説明は不要ですよね』
「!? 嘘だ!!」
『……』
ジンは手を前に出す。
『“栞 ”……!!』
「うわっ!?」
ザクザクザク!!っとルフィの足元に栞を投げる。ルフィは避けた。
『“真実”です。僕はこの戦場で“政府に”力を貸すためにいます』
「……ジン、お前」
『ルフィさん。僕を倒さねば、“火拳”のエースさんには辿り着けません』
「!!」
ルフィの瞳が揺らぐ。しかし、すぐに力強く言った。
「いやだ!! ジンは仲間だ!!」
『……』
「エースは助ける!! けど、そのために仲間を倒すなんて出来ねェよ!!」
『……では助けられませんよ』
「!?」
シルクハットを上げたジンの双方の瞳が冷たくルフィを見る。
『現在僕は、政府との契約下に協定を結び…白ひげ海賊団とは敵対関係にあります』
「契約?協定?なんだよ、それ!!」
『……』
「ジン!!」
ルフィは叫んだ。ジンは目を一度閉じた後、静かに言う。
『僕の大事な人を“助ける”ためのものです』
「!!」
『―――今のルフィさんと同じ理由ですよ』
「でも……!!」
『僕は!! “彼女”を助けるためならば、貴方だって倒します!』
「!」
ルフィの言葉を切り、ジンが強く言った。そして魔法の槌をルフィに突き付ける。
「………!!」
『ルフィさん、貴方に“その覚悟”はおありですか?』
ジンはルフィに問うた。
「覚……悟…?」
『“失う”覚悟です。その覚悟がないのであれば、簡単に“死”を賭す戦いに臨むべきではありません』
「……!!いやだ!! おれは、ジンとは戦わない!! でもエースも助けてみせる!!」
『それは強い者の定理です。今の僕らは何かを得るためには何かを失わなければいけない状況にあるのです』
「そんなことねェ!!」
シュンッとルフィは蒸気を出しジンの横を駆け抜けようとした。
「え…!」
ドンッ!
「ぶへっ!」
ジンの魔法の槌がルフィの顔にヒットする。ルフィはさっきの位置へ戻された。
『残念ですが、先程の“不死鳥のマルコ”さんとの一戦で僕のスピードとパワーは貴方を超えています』
「……っ」
「「「強ェ…!!」」」
紙の草で固定された囚人や海兵達がゴクリとジンの強さに息をのんだ。
『これでわかったでしょう。“火拳”のエースさんを助けたいのならば…』
「いやだ!!!!」
『……。まだ僕と戦う気にはなりませんか?』
「当たり前だろ!! 仲間と戦うのはもういやだ!」
『僕が“兄を処刑する側の”…貴方の敵だとしても?』
「違う!! ジンは敵じゃねェ!!」
『……水かけ論ですね』
冷たく言い放つジン。ルフィは強い眼でジンを見た。
「おれは、あの時…シャボンティ諸島でジンを“信じる”って約束した!!」
『!』
「だから、おれはジンを信じる! お前は敵じゃねェ!!」
『……。はぁ』
ジンは視線を落とし、小さくため息をついた。そのため息には相変わらずだと呆れたような、でも嬉しいような色が浮かぶ。そして呟いた。
『貴方は本当に…僕にないものをたくさん持っていらっしゃいますね』
「?」
『ルフィさん』
ジンが顔をあげると、ルフィに優しく笑う。
『貴方はとてもまっすぐな人だ』
「…?」
『でも、これだけは覚えておいてください。誰もが、貴方のようにまっすぐは生きられないと言う事を』
「! ジン!?」
ルフィがジンに言葉を掛けようとした瞬間、ルフィの視界からジンが消える。
「!」
『ここから先は判断を間違えれば即、死が待っています』
「えっ!?」
ルフィの後ろに現れたジンは魔法の槌をルフィの背中に添えながら、ルフィにだけ聞えるように言った。
『この戦場で僕はお力にはなれません。…――どうか“生き残って”ください』
「ジン?……っうわ!?」
バコォン!!
ジンは魔法の槌を思いっきり振り抜く。その反動でルフィは一気に広場近くまで飛んだ。
「!!?」
ドカァン!!と氷塊に降り立つルフィ。処刑台がさっきよりも近くに見えた。ルフィは立ち上がると、すぐに後ろを向く。
「ジン!!」
『……』
ジンは背を向けたまま軽くシルクハットを上げる。
「!!」
ルフィはそれを見て笑顔で大きく頷く。そして先へ進んだ。
『あらら……逃げられましたね』
ルフィを送った後、囚人達も逃がしたジンは呑気な声で言う。
「“渡り鳥”!! 貴様、今わざと広場の方へ麦わらを飛ばしただろ!!」
将校の一人が、ジンに剣を向けながら言った。ジンはその将校にケロッとした顔を向ける。
『何のことですか?』
ニコッと笑うジン。将校は怒鳴った。
「しらばっくれるな! 協定を無視する気……」
『“話すことを禁止”します』
「…!!?」
ジンが将校に対し“声”を発する。将校は途端に話せなくなり、驚きの表情になった。ジンはシルクハットをかぶりなおしながら、将校に言う。
『僕と政府との協定は戦争で善戦すること、そして白ひげ討伐に協力することです。貴方達海兵の言葉を聞くことではありません』
「……」
『それにあの第3勢力を抑えるのは、本来貴方達の役目。僕ら“七武海”ではありません。協定を逸脱したお言葉は控えてください』
「……!!」
凍りつくような声色に反比例するように、穏やかな顔をするジン。将校は悪寒が走った。そしてジンはニコッと微笑む。
『でなければ―――“次はありませんよ”』
「――っ!!?」
言葉と表情のギャップに将校は声の出ない口を大きく開きガタガタと震えた。ジンはそんな将校から目を背け、ルフィの背中を見送る。
『……』
その背中はジンにはとても眩しく見えた。
ルフィは信じられないと言った声で尋ねる。ジンは淡々と話した。
『“海峡”のジンベエさんが七武海を降りた今、僕は正式な“七武海”となりました』
「!?」
『この戦場で“この称号”の意味、説明は不要ですよね』
「!? 嘘だ!!」
『……』
ジンは手を前に出す。
『“
「うわっ!?」
ザクザクザク!!っとルフィの足元に栞を投げる。ルフィは避けた。
『“真実”です。僕はこの戦場で“政府に”力を貸すためにいます』
「……ジン、お前」
『ルフィさん。僕を倒さねば、“火拳”のエースさんには辿り着けません』
「!!」
ルフィの瞳が揺らぐ。しかし、すぐに力強く言った。
「いやだ!! ジンは仲間だ!!」
『……』
「エースは助ける!! けど、そのために仲間を倒すなんて出来ねェよ!!」
『……では助けられませんよ』
「!?」
シルクハットを上げたジンの双方の瞳が冷たくルフィを見る。
『現在僕は、政府との契約下に協定を結び…白ひげ海賊団とは敵対関係にあります』
「契約?協定?なんだよ、それ!!」
『……』
「ジン!!」
ルフィは叫んだ。ジンは目を一度閉じた後、静かに言う。
『僕の大事な人を“助ける”ためのものです』
「!!」
『―――今のルフィさんと同じ理由ですよ』
「でも……!!」
『僕は!! “彼女”を助けるためならば、貴方だって倒します!』
「!」
ルフィの言葉を切り、ジンが強く言った。そして魔法の槌をルフィに突き付ける。
「………!!」
『ルフィさん、貴方に“その覚悟”はおありですか?』
ジンはルフィに問うた。
「覚……悟…?」
『“失う”覚悟です。その覚悟がないのであれば、簡単に“死”を賭す戦いに臨むべきではありません』
「……!!いやだ!! おれは、ジンとは戦わない!! でもエースも助けてみせる!!」
『それは強い者の定理です。今の僕らは何かを得るためには何かを失わなければいけない状況にあるのです』
「そんなことねェ!!」
シュンッとルフィは蒸気を出しジンの横を駆け抜けようとした。
「え…!」
ドンッ!
「ぶへっ!」
ジンの魔法の槌がルフィの顔にヒットする。ルフィはさっきの位置へ戻された。
『残念ですが、先程の“不死鳥のマルコ”さんとの一戦で僕のスピードとパワーは貴方を超えています』
「……っ」
「「「強ェ…!!」」」
紙の草で固定された囚人や海兵達がゴクリとジンの強さに息をのんだ。
『これでわかったでしょう。“火拳”のエースさんを助けたいのならば…』
「いやだ!!!!」
『……。まだ僕と戦う気にはなりませんか?』
「当たり前だろ!! 仲間と戦うのはもういやだ!」
『僕が“兄を処刑する側の”…貴方の敵だとしても?』
「違う!! ジンは敵じゃねェ!!」
『……水かけ論ですね』
冷たく言い放つジン。ルフィは強い眼でジンを見た。
「おれは、あの時…シャボンティ諸島でジンを“信じる”って約束した!!」
『!』
「だから、おれはジンを信じる! お前は敵じゃねェ!!」
『……。はぁ』
ジンは視線を落とし、小さくため息をついた。そのため息には相変わらずだと呆れたような、でも嬉しいような色が浮かぶ。そして呟いた。
『貴方は本当に…僕にないものをたくさん持っていらっしゃいますね』
「?」
『ルフィさん』
ジンが顔をあげると、ルフィに優しく笑う。
『貴方はとてもまっすぐな人だ』
「…?」
『でも、これだけは覚えておいてください。誰もが、貴方のようにまっすぐは生きられないと言う事を』
「! ジン!?」
ルフィがジンに言葉を掛けようとした瞬間、ルフィの視界からジンが消える。
「!」
『ここから先は判断を間違えれば即、死が待っています』
「えっ!?」
ルフィの後ろに現れたジンは魔法の槌をルフィの背中に添えながら、ルフィにだけ聞えるように言った。
『この戦場で僕はお力にはなれません。…――どうか“生き残って”ください』
「ジン?……っうわ!?」
バコォン!!
ジンは魔法の槌を思いっきり振り抜く。その反動でルフィは一気に広場近くまで飛んだ。
「!!?」
ドカァン!!と氷塊に降り立つルフィ。処刑台がさっきよりも近くに見えた。ルフィは立ち上がると、すぐに後ろを向く。
「ジン!!」
『……』
ジンは背を向けたまま軽くシルクハットを上げる。
「!!」
ルフィはそれを見て笑顔で大きく頷く。そして先へ進んだ。
『あらら……逃げられましたね』
ルフィを送った後、囚人達も逃がしたジンは呑気な声で言う。
「“渡り鳥”!! 貴様、今わざと広場の方へ麦わらを飛ばしただろ!!」
将校の一人が、ジンに剣を向けながら言った。ジンはその将校にケロッとした顔を向ける。
『何のことですか?』
ニコッと笑うジン。将校は怒鳴った。
「しらばっくれるな! 協定を無視する気……」
『“話すことを禁止”します』
「…!!?」
ジンが将校に対し“声”を発する。将校は途端に話せなくなり、驚きの表情になった。ジンはシルクハットをかぶりなおしながら、将校に言う。
『僕と政府との協定は戦争で善戦すること、そして白ひげ討伐に協力することです。貴方達海兵の言葉を聞くことではありません』
「……」
『それにあの第3勢力を抑えるのは、本来貴方達の役目。僕ら“七武海”ではありません。協定を逸脱したお言葉は控えてください』
「……!!」
凍りつくような声色に反比例するように、穏やかな顔をするジン。将校は悪寒が走った。そしてジンはニコッと微笑む。
『でなければ―――“次はありませんよ”』
「――っ!!?」
言葉と表情のギャップに将校は声の出ない口を大きく開きガタガタと震えた。ジンはそんな将校から目を背け、ルフィの背中を見送る。
『……』
その背中はジンにはとても眩しく見えた。