“七武海”渡り鳥
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ルフィ!!!」
「エ~~~~~~~ス~~~~~~~~~~!!!……やっと会えたァ!!!」
空から降って来たルフィはエースの姿を認め、自然と笑みが零れた。 戦場では突然空から降って来た軍艦に視線が集中する。
「「「!!!」」」
「おい!! アレまさかクロコダイル!!」
「それ所じゃないぞ!! 何だあの面子はっ!!!」
海兵達が驚くのも無理はない。半壊した軍艦にいるのはルフィをはじめ、“元七武海”サー・クロコダイル、“革命軍”幹部エンポリオ・イワンコフ、“七武海”ジンベエ、そして“道化”のバギー率いるインペルダウン脱獄囚達だったからだ。
「助けにきたぞ~~~!!!」
「ぎゃははははは!!! 世界よ覚悟しろ!!!」
「さすがに総戦力!! ハンパじゃナッシブルね!!!」
「ガープ! また貴様の“家族”だぞ!!!」
「ルフィ~~!!!」
センゴクが怒鳴る。ガープは頭を抱えた。
「話題に事欠かん男だ…“麦わら”………」
「ム~~~~ギィ~~~~ワァ~~~~ラァ~~~~!!?」
鷹の目は戦場でルフィに視線を注ぐ。モリアは怒りで顔が歪んでいた。
「なんであいつがこんな所に!?」
「いつもの仲間じゃねェだろ、ありゃ!!!」
「ルフィ…………!! そなたよくぞ無事で……!!!」
ハンコックは瞳を輝かせながら、ルフィに見惚れる。
「麦わら~~!!?」
「インペルダウンに捕まったって聞いたのに!! やっぱり…あの人はすごい!!!」
「えれェの引き連れてんじゃないの」
「……」
「こんなに早くまた会えるとはねェ~」
青キジと黄猿は白ひげクルーを薙ぎ払いながら半壊した軍艦に目をやっていた。
「アレはエースの言ってた弟じゃねェかよい!」
『……』
マルコとジンは互いに戦闘を中止し、ルフィに目を向ける。ドフラミンゴはニヤニヤと笑った。
「“七武海”も新旧お揃いで……!!フッフッフッ。そしてアレが、噂の大問題ルーキー“麦わら”か……!!!」
「スモーカーさん!! あれ」
「ああ……。“麦わら”にクロコダイル!! どういう組み合わせだ」
応戦中のスモーカーとたしぎはルフィとクロコダイルと組み合わせに怪訝な視線を送る。
「アイツがそうか…。英雄ガープの孫にしてドラゴンの息子……―――あいつも確実に消しとかにゃいけんのう」
戦争の行われている広場の裏手から出てきた赤犬はルフィを見据え、静かに怒気を増した。
「――それが貴様の答えだな、ジンベエ!!」
「そうじゃ、わしゃあ七武海をやめる!!!」
センゴクの問いにジンベエは力強く、はっきりと答えた。腕を組んだガープが言う。
「何にせよあのチームはおかしいぞ。到底まとまった目的があるとは思えん……。少なくともこの戦場では」
「ん? クロコボーイは?」
「「ん?」」
ガープの予想通り、白ひげの背後にクロコダイルが殺気立てながら現れた。
「!」
「あそこだ!! あんにゃろ抜け駆けしやがって!!」
バギーが怒鳴る。その声で白ひげクルー達が振り返った。
「「「オヤジィ!!!」」」
「久しぶりだな、白ひげ」
クロコダイルは左手のフックを振り上げる。そして斬りかかった。
ドカン!!!
「!!!」
ルフィが白ひげとクロコダイルの間に割り込むと、そのまま濡れた脚でクロコダイルの手を蹴り上げる。クロコダイルは砂になりつつ、後退した。
「おれとお前との協定は達成された。なぜお前が白ひげをかばう」
「やっぱりこのおっさんが“白ひげ”か!! じゃあ手ェ出すな。エースはこのおっさんを気に入ってんだ」
「!」
ばばっ!!とクロコダイルを阻むように白ひげのクルー達がクロコダイルへ剣や銃を向ける。
「……」
白ひげはふと、背を向けるルフィの麦わら帽子に目をやった。その後ろ姿が赤い髪の男と重なる。
―――“東の海 ”で…どんな敵にくれてやったんだ、その左腕
――……コレか――――新しい時代に懸けてきた
「小僧、その麦わら帽子…“赤髪”が昔被ってたやつによく似てるな……」
その言葉にルフィは振り返る。
「おっさん、シャンクス知ってんのか! これ預かってんだ、シャンクスから」
「……」
ルフィの顔を見た白ひげはエースの喜ぶ顔が浮かんだ。
――見てくれオヤジ!! これおれの弟なんだ!!
「兄貴を助けに来たのか?」
「そうだ!!」
「相手が誰だかわかってんだろうな。おめェごときじゃ命はねぇぞ」
ギロッと睨みを利かせた白ひげが言う。ルフィはカッと言葉を返した。
「うるせェ!!!お前がそんな事決めんな!!! おれは知ってんだぞ、お前海賊王になりてェんだろ!!―――“海賊王”になるのはおれだ!!!」
「「「(え~~~!!?)」」」
囚人や海兵達はあまりの驚きにのけぞった。
「……。……クソ生意気な…」
白ひげは悪態をつきながらもニヤリと笑う。そして高らかに言った。
「足引っぱりやがったら承知しねェぞ、ハナッタレ!!!」
「おれはおれのやりてェ様にやる!!! エースはおれが助ける!!!」
「「(“白ひげ”に張り合っとるー―――!!!)」」
イワンコフやバギーをはじめ、白ひげを知る囚人達は泡を吹かんばかりの驚きに白目をむいていた。
「なかなかやるよい、エースの弟」
マルコはクロコダイルの初撃を防いだルフィを見て、感心の声を上げた。
『……“不死鳥のマルコ”さん』
「? なんだよい?」
『海軍は“火拳”のエースさんの処刑を早めるつもりです』
「!?」
『今海兵達が子電伝虫に耳を傾けているのは、その情報が通達されているからでしょう』
「待て! なんでおれに教えるんだよい。何を企んでんだよい?」
マルコの言葉にジンは首を横に振る。
『……。先程も申しましたが、僕は利害の一致で政府側にいるだけです。利害以上の利益を企 む必要は僕にはありません』
「……」
ジンはそう言うとモビーディックの甲板を見る。
『ルフィさん……いえ、白ひげさんにお伝え下さい。戦況把握に役立つと思いますので』
「おい……!?」
『失礼します』
シルクハットを押さえたジンはフワッと細かな紙になり、その場から消えた。
「あれ!?」
「!?」
「麦わらボーイ、どうしたっブル??」
「あそこにいるの……」
ルフィは目を凝らす。戦場の中にジンの姿を見つけたのだ。
「ジン!!」
「ジン?」
「おーい!! ジン!!!」
ルフィは呼び掛ける。ジンは一瞬目を向けたかと思えば、近くにいる白ひげクルーを斬っただけで反応しなかった。
「あれ、違うのか? でも絶対ジンだ」
「……。弟、あいつは知り合いか?」
白ひげが尋ねる。ルフィは頷いた。
「ああ、ジンはおれの仲間だ!!」
「だからジンって誰だよ……!!」
「まさか、“渡り鳥”か!」
「ジンベエ知ってんのか!」
「ああ……。政府から知らされておったからな」
「?」
「“渡り鳥”ってのは確か、ルーキーの中でも頭一つ出ためちゃくちゃ強いキャンディでしょ」
「クハハハ。あれが“イカれた噂”の帳本人か」
「イカれた噂…クロコボーイそれはどういう意味?」
戦場のジンを見てクロコダイルが笑う。首を傾げたイワンコフにジンベエが答えた。
「我々七武海にはあの“渡り鳥”と呼ばれる彼の拿捕 命令が出ていた」
「「!!?」」
「彼は少し前に“海兵を殺した”という逸話があってな」
「はん? 海兵殺しなんざよくあることじゃねェか」
「確かに。しかしその数は500を超えると言われておる」
「500人以上だとォ!!?」
「化け物だガネ!!」
バギーとMr.3は悲鳴を上げた。
「おいおいジンベエ、情報が正確じゃねェな。“一瞬”で500人消したって話だろうが」
「い…いいいい一瞬!!!?」
「やっぱり化け物だガネ!!」
「ジンは化け物なんじゃねェ!! “紙”と“声”の能力を持ってる強ェ奴なんだ!!!」
「「「はぁ!!?」」」
皆、ルフィの言葉に目を見開く。
「む、麦わらボーイ!! “紙”と“声”ってどういう事チャッブル!!?」
「え?」
イワンコフは驚き尋ねる。ルフィは首を傾げた。
「一人の人間が能力を二つ保持するなんて有り得ないって言ってんのよ!」
「でも、ジンは本当に両方持ってんだ」
「クハハ。そう言うことか」
「それが政府が欲しがる意味か」
クロコダイルとジンベエが納得したように頷く。ルフィが尋ねた。
「?? みんなそんなこと言ってたけど、何の話なんだ?」
「ルフィくんの言うように彼が“2つの能力”を持っておるのならば、政府は必ず利用したがる」
「!!」
「フン…面白くねェ。政府の思惑通りに進んでんじゃねェか」
「なんだと!!」
クロコダイルの言葉にルフィは声を荒げた。クロコダイルは葉巻を吹かしながら指をさす。
「突っかかんじゃねェ。良く見てみろ。あいつが攻撃してるのは白ひげの部下ばかりだ。つまり海軍側……大方、七武海の称号にでも釣られたんじゃねェか」
「ジンはそんな奴じゃねェ!!」
クロコダイルの言葉にルフィは強い否定を示した。ジンベエが付け足す。
「だが、ルフィくん。わしの後任としてあらかじめ彼が選ばれたのかもしれん」
「……。おれ、ジンに聞いてくる!! 絶対違うし、ジンならきっとエース助けるの手伝ってくれるしな!!」
決心したルフィは白ひげの方を向いた。
「エースの処刑時刻が早まる!? 確かにそう言ったのか!?」
「なんかの準備が出来てからって言ってたけど、他は暗号でよくわかんなかった。エースを助けてェのは同じだからそれだけ教えてといてやる!!」
準備運動で脚を屈伸させるルフィは白ひげに海軍側の作戦を伝える。白ひげは素直にルフィに礼を言った。
「そうか…それは大事なことを聞いた。すまねぇな……!!」
「いいんだ気にすんな!!」
「「「(何であいつ“白ひげ”と対等に喋ってんだよ―――っ!!!)」」」
「「「(何だあの自信!!?)」」」
ルフィの白ひげとの堂々とした会話に、イワンコフ達はガビーンとショックを受ける。
「よし、待ってろ!エース!! だぁぁああああ!!!」
叫びながら無計画に飛び出したルフィを見ながら、白ひげは考察する。
「海賊相手に処刑時刻を守る必要はねェってわけか。“何かの準備の後”ってのがカギだな…」
「オヤジ!! エースの処刑を早めるって情報が…」
「ああ、聞いた……」
ばっ!!っと現れたマルコの言葉に頷く、白ひげは処刑台に目を向けた。
「だが冷静になれ。そうやってもれた情報でおれ達が焦る事も計画の内だ。“うっかり”作戦を聞かれるヘマ…あいつはやらねェ……そういう男だ!!」
「エ~~~~~~~ス~~~~~~~~~~!!!……やっと会えたァ!!!」
空から降って来たルフィはエースの姿を認め、自然と笑みが零れた。 戦場では突然空から降って来た軍艦に視線が集中する。
「「「!!!」」」
「おい!! アレまさかクロコダイル!!」
「それ所じゃないぞ!! 何だあの面子はっ!!!」
海兵達が驚くのも無理はない。半壊した軍艦にいるのはルフィをはじめ、“元七武海”サー・クロコダイル、“革命軍”幹部エンポリオ・イワンコフ、“七武海”ジンベエ、そして“道化”のバギー率いるインペルダウン脱獄囚達だったからだ。
「助けにきたぞ~~~!!!」
「ぎゃははははは!!! 世界よ覚悟しろ!!!」
「さすがに総戦力!! ハンパじゃナッシブルね!!!」
「ガープ! また貴様の“家族”だぞ!!!」
「ルフィ~~!!!」
センゴクが怒鳴る。ガープは頭を抱えた。
「話題に事欠かん男だ…“麦わら”………」
「ム~~~~ギィ~~~~ワァ~~~~ラァ~~~~!!?」
鷹の目は戦場でルフィに視線を注ぐ。モリアは怒りで顔が歪んでいた。
「なんであいつがこんな所に!?」
「いつもの仲間じゃねェだろ、ありゃ!!!」
「ルフィ…………!! そなたよくぞ無事で……!!!」
ハンコックは瞳を輝かせながら、ルフィに見惚れる。
「麦わら~~!!?」
「インペルダウンに捕まったって聞いたのに!! やっぱり…あの人はすごい!!!」
「えれェの引き連れてんじゃないの」
「……」
「こんなに早くまた会えるとはねェ~」
青キジと黄猿は白ひげクルーを薙ぎ払いながら半壊した軍艦に目をやっていた。
「アレはエースの言ってた弟じゃねェかよい!」
『……』
マルコとジンは互いに戦闘を中止し、ルフィに目を向ける。ドフラミンゴはニヤニヤと笑った。
「“七武海”も新旧お揃いで……!!フッフッフッ。そしてアレが、噂の大問題ルーキー“麦わら”か……!!!」
「スモーカーさん!! あれ」
「ああ……。“麦わら”にクロコダイル!! どういう組み合わせだ」
応戦中のスモーカーとたしぎはルフィとクロコダイルと組み合わせに怪訝な視線を送る。
「アイツがそうか…。英雄ガープの孫にしてドラゴンの息子……―――あいつも確実に消しとかにゃいけんのう」
戦争の行われている広場の裏手から出てきた赤犬はルフィを見据え、静かに怒気を増した。
「――それが貴様の答えだな、ジンベエ!!」
「そうじゃ、わしゃあ七武海をやめる!!!」
センゴクの問いにジンベエは力強く、はっきりと答えた。腕を組んだガープが言う。
「何にせよあのチームはおかしいぞ。到底まとまった目的があるとは思えん……。少なくともこの戦場では」
「ん? クロコボーイは?」
「「ん?」」
ガープの予想通り、白ひげの背後にクロコダイルが殺気立てながら現れた。
「!」
「あそこだ!! あんにゃろ抜け駆けしやがって!!」
バギーが怒鳴る。その声で白ひげクルー達が振り返った。
「「「オヤジィ!!!」」」
「久しぶりだな、白ひげ」
クロコダイルは左手のフックを振り上げる。そして斬りかかった。
ドカン!!!
「!!!」
ルフィが白ひげとクロコダイルの間に割り込むと、そのまま濡れた脚でクロコダイルの手を蹴り上げる。クロコダイルは砂になりつつ、後退した。
「おれとお前との協定は達成された。なぜお前が白ひげをかばう」
「やっぱりこのおっさんが“白ひげ”か!! じゃあ手ェ出すな。エースはこのおっさんを気に入ってんだ」
「!」
ばばっ!!とクロコダイルを阻むように白ひげのクルー達がクロコダイルへ剣や銃を向ける。
「……」
白ひげはふと、背を向けるルフィの麦わら帽子に目をやった。その後ろ姿が赤い髪の男と重なる。
―――“
――……コレか――――新しい時代に懸けてきた
「小僧、その麦わら帽子…“赤髪”が昔被ってたやつによく似てるな……」
その言葉にルフィは振り返る。
「おっさん、シャンクス知ってんのか! これ預かってんだ、シャンクスから」
「……」
ルフィの顔を見た白ひげはエースの喜ぶ顔が浮かんだ。
――見てくれオヤジ!! これおれの弟なんだ!!
「兄貴を助けに来たのか?」
「そうだ!!」
「相手が誰だかわかってんだろうな。おめェごときじゃ命はねぇぞ」
ギロッと睨みを利かせた白ひげが言う。ルフィはカッと言葉を返した。
「うるせェ!!!お前がそんな事決めんな!!! おれは知ってんだぞ、お前海賊王になりてェんだろ!!―――“海賊王”になるのはおれだ!!!」
「「「(え~~~!!?)」」」
囚人や海兵達はあまりの驚きにのけぞった。
「……。……クソ生意気な…」
白ひげは悪態をつきながらもニヤリと笑う。そして高らかに言った。
「足引っぱりやがったら承知しねェぞ、ハナッタレ!!!」
「おれはおれのやりてェ様にやる!!! エースはおれが助ける!!!」
「「(“白ひげ”に張り合っとるー―――!!!)」」
イワンコフやバギーをはじめ、白ひげを知る囚人達は泡を吹かんばかりの驚きに白目をむいていた。
「なかなかやるよい、エースの弟」
マルコはクロコダイルの初撃を防いだルフィを見て、感心の声を上げた。
『……“不死鳥のマルコ”さん』
「? なんだよい?」
『海軍は“火拳”のエースさんの処刑を早めるつもりです』
「!?」
『今海兵達が子電伝虫に耳を傾けているのは、その情報が通達されているからでしょう』
「待て! なんでおれに教えるんだよい。何を企んでんだよい?」
マルコの言葉にジンは首を横に振る。
『……。先程も申しましたが、僕は利害の一致で政府側にいるだけです。利害以上の利益を
「……」
ジンはそう言うとモビーディックの甲板を見る。
『ルフィさん……いえ、白ひげさんにお伝え下さい。戦況把握に役立つと思いますので』
「おい……!?」
『失礼します』
シルクハットを押さえたジンはフワッと細かな紙になり、その場から消えた。
「あれ!?」
「!?」
「麦わらボーイ、どうしたっブル??」
「あそこにいるの……」
ルフィは目を凝らす。戦場の中にジンの姿を見つけたのだ。
「ジン!!」
「ジン?」
「おーい!! ジン!!!」
ルフィは呼び掛ける。ジンは一瞬目を向けたかと思えば、近くにいる白ひげクルーを斬っただけで反応しなかった。
「あれ、違うのか? でも絶対ジンだ」
「……。弟、あいつは知り合いか?」
白ひげが尋ねる。ルフィは頷いた。
「ああ、ジンはおれの仲間だ!!」
「だからジンって誰だよ……!!」
「まさか、“渡り鳥”か!」
「ジンベエ知ってんのか!」
「ああ……。政府から知らされておったからな」
「?」
「“渡り鳥”ってのは確か、ルーキーの中でも頭一つ出ためちゃくちゃ強いキャンディでしょ」
「クハハハ。あれが“イカれた噂”の帳本人か」
「イカれた噂…クロコボーイそれはどういう意味?」
戦場のジンを見てクロコダイルが笑う。首を傾げたイワンコフにジンベエが答えた。
「我々七武海にはあの“渡り鳥”と呼ばれる彼の
「「!!?」」
「彼は少し前に“海兵を殺した”という逸話があってな」
「はん? 海兵殺しなんざよくあることじゃねェか」
「確かに。しかしその数は500を超えると言われておる」
「500人以上だとォ!!?」
「化け物だガネ!!」
バギーとMr.3は悲鳴を上げた。
「おいおいジンベエ、情報が正確じゃねェな。“一瞬”で500人消したって話だろうが」
「い…いいいい一瞬!!!?」
「やっぱり化け物だガネ!!」
「ジンは化け物なんじゃねェ!! “紙”と“声”の能力を持ってる強ェ奴なんだ!!!」
「「「はぁ!!?」」」
皆、ルフィの言葉に目を見開く。
「む、麦わらボーイ!! “紙”と“声”ってどういう事チャッブル!!?」
「え?」
イワンコフは驚き尋ねる。ルフィは首を傾げた。
「一人の人間が能力を二つ保持するなんて有り得ないって言ってんのよ!」
「でも、ジンは本当に両方持ってんだ」
「クハハ。そう言うことか」
「それが政府が欲しがる意味か」
クロコダイルとジンベエが納得したように頷く。ルフィが尋ねた。
「?? みんなそんなこと言ってたけど、何の話なんだ?」
「ルフィくんの言うように彼が“2つの能力”を持っておるのならば、政府は必ず利用したがる」
「!!」
「フン…面白くねェ。政府の思惑通りに進んでんじゃねェか」
「なんだと!!」
クロコダイルの言葉にルフィは声を荒げた。クロコダイルは葉巻を吹かしながら指をさす。
「突っかかんじゃねェ。良く見てみろ。あいつが攻撃してるのは白ひげの部下ばかりだ。つまり海軍側……大方、七武海の称号にでも釣られたんじゃねェか」
「ジンはそんな奴じゃねェ!!」
クロコダイルの言葉にルフィは強い否定を示した。ジンベエが付け足す。
「だが、ルフィくん。わしの後任としてあらかじめ彼が選ばれたのかもしれん」
「……。おれ、ジンに聞いてくる!! 絶対違うし、ジンならきっとエース助けるの手伝ってくれるしな!!」
決心したルフィは白ひげの方を向いた。
「エースの処刑時刻が早まる!? 確かにそう言ったのか!?」
「なんかの準備が出来てからって言ってたけど、他は暗号でよくわかんなかった。エースを助けてェのは同じだからそれだけ教えてといてやる!!」
準備運動で脚を屈伸させるルフィは白ひげに海軍側の作戦を伝える。白ひげは素直にルフィに礼を言った。
「そうか…それは大事なことを聞いた。すまねぇな……!!」
「いいんだ気にすんな!!」
「「「(何であいつ“白ひげ”と対等に喋ってんだよ―――っ!!!)」」」
「「「(何だあの自信!!?)」」」
ルフィの白ひげとの堂々とした会話に、イワンコフ達はガビーンとショックを受ける。
「よし、待ってろ!エース!! だぁぁああああ!!!」
叫びながら無計画に飛び出したルフィを見ながら、白ひげは考察する。
「海賊相手に処刑時刻を守る必要はねェってわけか。“何かの準備の後”ってのがカギだな…」
「オヤジ!! エースの処刑を早めるって情報が…」
「ああ、聞いた……」
ばっ!!っと現れたマルコの言葉に頷く、白ひげは処刑台に目を向けた。
「だが冷静になれ。そうやってもれた情報でおれ達が焦る事も計画の内だ。“うっかり”作戦を聞かれるヘマ…あいつはやらねェ……そういう男だ!!」