“海賊女帝”ボア・ハンコック
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モモンガが眠った隙にジンはハンコックを連れ、マリージョアに戻る。そして人気ない部屋に入った。 ドアを閉めた後、右目に眼帯をつける。
(これくらいの使用なら問題はないですね…)
ジンは、ふぅっと息をつく。ハンコックはジンの顔を見ながら尋ねる。
「“渡り鳥”! そなた、さっきは何を…??」
『お答えはしません』
まったく取り合う気のないジンの言葉にハンコックはムッとする。
「なっ!!?……。ならば、なぜわらわをマリージョアに!! 邪魔をしに来たのか!!?」
『……そんなことは致しません。マリージョアに来たのは本部にいる必要がなくなったからです』
「?……どういうことじゃ??」
『そのままの意味ですよ。貴女はとても目立つ方ですので、あれ以上は不審を煽るだけです』
そう言うとジンはハンコックの目の前に手を出す。
「……なんじゃ?」
『お手を』
「?」
ハンコックはジンに手のひら見せる。ジンはハンコックの手に自分の手を重ね、何かをハンコックに渡すと手を離した。
「??」
ハンコックは手の中に収まっているモノを見て、目を見張る。
「!?…これは、まさか!!?」
ハンコックの手のひらには“鍵”が置かれていた。
『お察しの通り、“火拳”のエースさんの手錠の鍵です』
「……!? どうやって」
その言葉にジンは人差し指を口に寄せ、秘密です、と笑顔で答える。
「そなた、何者だ…?」
『僕はただのマジシャンですよ』
「……。教える気はないと言うことか」
『マジシャンが“種明かし”をするなんて本末転倒ですから』
呆れた声を出すハンコックにクスクス笑うジン。
『ちなみに鍵のレプリカを紙で生成し置いて来ました。ですので海軍が気付くことはないでしょう』
「……」
ハンコックは鍵を握り締める。そして厳しい目でジンを見た。
「なぜ急に協力した?」
ジンは笑うのをやめ、静かに言う。
『……僕はルフィさんがどうなってもいいとは言っていません』
「ならば!!」
ハンコックは鍵を持った手をジンの胸に突き付ける。
「そなたが渡せ…!! わらわが持っておく必要はない」
『……』
ジンはハンコックの言葉に首を横に振る。
『残念ですが、それは出来ません』
「!? こんなことをして、そなたはまだ、契約が…と言うつもりか?」
ハンコックの言葉にジンは頷く。そしてジンはハンコックの突き出した手を取り、引き寄せた。
「!?」
ハンコックはジンの胸に飛び込む形になる。ジンはそんなハンコックの耳元で囁く様に言った。
『貴女にお願いがあります』
「な、なんじゃ…!!?」
ハンコックは突然引き寄せられたことに戸惑いつつジンの顔を見る。
「……!?」
ジンのあまりに真剣な瞳にハンコックは息をのんだ。ハンコックの肩を抱くジンは静かに、しかしはっきりとハンコックに言葉を紡ぐ。
『ルフィさんに“僕は敵だ”とお伝え下さい』
「!?」
ジンは続ける、その声は少し悲しそうな色をしていた。
『僕は僕の事情でここに居ます。そして海軍との契約は今の僕にとって“絶対”なのです…!!』
「……」
『ですので、マリンフォードにルフィさんが現れたとしても…! 僕は立ちはだかることしか出来ません!!』
グッとジンの手に力が入る。ハンコックは心配そうにジンを見た。
「……そなた」
『ボア・ハンコックさん、お願いします…!! この鍵をルフィさんに渡して下さい。そして、ルフィさんの力になってあげて下さい……!!』
「……」
ハンコックは鍵を握っていない方の手をジンの頬に添える。
『あっ…!?』
ジンは驚き、ハンコックの肩から手を離す。そして、引き寄せたこと等に対して、すいません…っと謝った。ハンコックは微笑む。
「やはりルフィの目に間違いはない様だな」
『……?』
ハンコックはジンの頬から手を引く。そして意志の強い、綺麗な笑顔でジンに言った。
「安心せよ。わらわはいつでもルフィの味方じゃ!!」
*
それ以降ジンはハンコックと話さなかった。 二人はそれぞれ部屋に戻り、戦争まで時間を過ごす。
コンコンコン
『……はい』
ベッドで寝ころんでいたジンは目を開ける。
「クロスロード様、申し訳ありませんがここからは円卓で待機して頂きます」
ジンは腰の金時計に手を伸ばす。
『正午まで後、5時間強ですか……』
ジンは静かに呟いた。そしてカチャッと金時計のフタを閉じ、起き上がる。
『今、行きます』
ジンは身なりを整え、机に置いたシルクハットをかぶり、ドアを開ける。 ドアを出てからは数人の海兵の先導により、円卓の部屋に向かった。
*
円卓の部屋に着いたジンは最初と同様、ミホークの横に座る。ハンコックはドフラミンゴの隣に座っていた。
『……“黒ひげ”さんはまだいらしてないのですか?』
「……」
ジンベエを除き、ここに召集されているはずの七武海。しかし黒ひげの姿が見えない。ジンはつるに尋ねた。しかしつるは眉をひそめるだけ。
『?』
「フフ…どうやら奴は消えたらしいぜ」
『消えた……? どういうことです??』
ドフラミンゴがつるの代わりに答える。ジンは聞き返した。
「言葉のまんまだ。この島からいなくなったんだとよ」
「……」
モリアがつまらなさそうに言う。ジンはつるを見たが否定はしない。
(嘘ではない…か。“黒ひげ”なぜ、今…)
ジンは疑問が頭を過 る。考えるジンを尻目にハンコックが言った。
「一人消えようがわらわ達には関係あるまい」
「そりゃそうだ」
「フフ…フフフフ」
「「「………」」」
ハンコックの言葉でこの会話は終わりを告げる。ジンは円卓から窓の外を見た。外はすでに“火拳”のエースを死へ送る準備が整っている。
“黒ひげ”の失踪…これは何を意味するのか。ジンは言い様のない不安に駆られていた。
ポートガス・D・エースの処刑まで残り5時間……。
(残念ながら悪い予感しかしませんね……)
ジンは金時計を握り締めた。
⇒あとがき
(これくらいの使用なら問題はないですね…)
ジンは、ふぅっと息をつく。ハンコックはジンの顔を見ながら尋ねる。
「“渡り鳥”! そなた、さっきは何を…??」
『お答えはしません』
まったく取り合う気のないジンの言葉にハンコックはムッとする。
「なっ!!?……。ならば、なぜわらわをマリージョアに!! 邪魔をしに来たのか!!?」
『……そんなことは致しません。マリージョアに来たのは本部にいる必要がなくなったからです』
「?……どういうことじゃ??」
『そのままの意味ですよ。貴女はとても目立つ方ですので、あれ以上は不審を煽るだけです』
そう言うとジンはハンコックの目の前に手を出す。
「……なんじゃ?」
『お手を』
「?」
ハンコックはジンに手のひら見せる。ジンはハンコックの手に自分の手を重ね、何かをハンコックに渡すと手を離した。
「??」
ハンコックは手の中に収まっているモノを見て、目を見張る。
「!?…これは、まさか!!?」
ハンコックの手のひらには“鍵”が置かれていた。
『お察しの通り、“火拳”のエースさんの手錠の鍵です』
「……!? どうやって」
その言葉にジンは人差し指を口に寄せ、秘密です、と笑顔で答える。
「そなた、何者だ…?」
『僕はただのマジシャンですよ』
「……。教える気はないと言うことか」
『マジシャンが“種明かし”をするなんて本末転倒ですから』
呆れた声を出すハンコックにクスクス笑うジン。
『ちなみに鍵のレプリカを紙で生成し置いて来ました。ですので海軍が気付くことはないでしょう』
「……」
ハンコックは鍵を握り締める。そして厳しい目でジンを見た。
「なぜ急に協力した?」
ジンは笑うのをやめ、静かに言う。
『……僕はルフィさんがどうなってもいいとは言っていません』
「ならば!!」
ハンコックは鍵を持った手をジンの胸に突き付ける。
「そなたが渡せ…!! わらわが持っておく必要はない」
『……』
ジンはハンコックの言葉に首を横に振る。
『残念ですが、それは出来ません』
「!? こんなことをして、そなたはまだ、契約が…と言うつもりか?」
ハンコックの言葉にジンは頷く。そしてジンはハンコックの突き出した手を取り、引き寄せた。
「!?」
ハンコックはジンの胸に飛び込む形になる。ジンはそんなハンコックの耳元で囁く様に言った。
『貴女にお願いがあります』
「な、なんじゃ…!!?」
ハンコックは突然引き寄せられたことに戸惑いつつジンの顔を見る。
「……!?」
ジンのあまりに真剣な瞳にハンコックは息をのんだ。ハンコックの肩を抱くジンは静かに、しかしはっきりとハンコックに言葉を紡ぐ。
『ルフィさんに“僕は敵だ”とお伝え下さい』
「!?」
ジンは続ける、その声は少し悲しそうな色をしていた。
『僕は僕の事情でここに居ます。そして海軍との契約は今の僕にとって“絶対”なのです…!!』
「……」
『ですので、マリンフォードにルフィさんが現れたとしても…! 僕は立ちはだかることしか出来ません!!』
グッとジンの手に力が入る。ハンコックは心配そうにジンを見た。
「……そなた」
『ボア・ハンコックさん、お願いします…!! この鍵をルフィさんに渡して下さい。そして、ルフィさんの力になってあげて下さい……!!』
「……」
ハンコックは鍵を握っていない方の手をジンの頬に添える。
『あっ…!?』
ジンは驚き、ハンコックの肩から手を離す。そして、引き寄せたこと等に対して、すいません…っと謝った。ハンコックは微笑む。
「やはりルフィの目に間違いはない様だな」
『……?』
ハンコックはジンの頬から手を引く。そして意志の強い、綺麗な笑顔でジンに言った。
「安心せよ。わらわはいつでもルフィの味方じゃ!!」
*
それ以降ジンはハンコックと話さなかった。 二人はそれぞれ部屋に戻り、戦争まで時間を過ごす。
コンコンコン
『……はい』
ベッドで寝ころんでいたジンは目を開ける。
「クロスロード様、申し訳ありませんがここからは円卓で待機して頂きます」
ジンは腰の金時計に手を伸ばす。
『正午まで後、5時間強ですか……』
ジンは静かに呟いた。そしてカチャッと金時計のフタを閉じ、起き上がる。
『今、行きます』
ジンは身なりを整え、机に置いたシルクハットをかぶり、ドアを開ける。 ドアを出てからは数人の海兵の先導により、円卓の部屋に向かった。
*
円卓の部屋に着いたジンは最初と同様、ミホークの横に座る。ハンコックはドフラミンゴの隣に座っていた。
『……“黒ひげ”さんはまだいらしてないのですか?』
「……」
ジンベエを除き、ここに召集されているはずの七武海。しかし黒ひげの姿が見えない。ジンはつるに尋ねた。しかしつるは眉をひそめるだけ。
『?』
「フフ…どうやら奴は消えたらしいぜ」
『消えた……? どういうことです??』
ドフラミンゴがつるの代わりに答える。ジンは聞き返した。
「言葉のまんまだ。この島からいなくなったんだとよ」
「……」
モリアがつまらなさそうに言う。ジンはつるを見たが否定はしない。
(嘘ではない…か。“黒ひげ”なぜ、今…)
ジンは疑問が頭を
「一人消えようがわらわ達には関係あるまい」
「そりゃそうだ」
「フフ…フフフフ」
「「「………」」」
ハンコックの言葉でこの会話は終わりを告げる。ジンは円卓から窓の外を見た。外はすでに“火拳”のエースを死へ送る準備が整っている。
“黒ひげ”の失踪…これは何を意味するのか。ジンは言い様のない不安に駆られていた。
ポートガス・D・エースの処刑まで残り5時間……。
(残念ながら悪い予感しかしませんね……)
ジンは金時計を握り締めた。
⇒あとがき