“海賊女帝”ボア・ハンコック
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ハンコックの登場に海兵達は目がハートになる程興奮し、部屋の熱気は一気に高まった。それを静観するのはジンとミホーク。
そしてミホークは興味無くした様で机に足を乗せた、いつもの姿勢のまま再び目を閉じた。ハンコックも机にいるミホークに軽く目をやるだけで、次にジンに目を向ける。
ジンを“渡り鳥”と認識したハンコックは驚いた様に目を見開いた。
「……!? そなたは、まさか“渡り鳥”か!!?」
『ええ、はじめましてボア・ハンコックさん。僕はクロスロード・ジンと……』
ジンが答える切る前に、ハンコックはカツカツとジンの目の前に来た。そして心底驚いた顔のまま尋ねる。
「なぜ、そなたがここにおるのじゃ…!!?」
『? なぜ…と言われましても』
首を傾げるジン。ハンコックが何に慌てているかわからない。
「そなたはル……あっ」
ハンコックはとっさに口を手で抑えた。聞き取れなかったジンは怪訝な顔でハンコックを見る。ふぅ…っと落ち着き、息をついたハンコック。口から手を離し、後ろの海兵に言った。
「わらわは“渡り鳥”と二人で話がしたい。二人になれる部屋へ案内せよ」
「は…!? し、しかし」
「わらわの命令が聞けぬのか!!!」
「ひぃ……!! 無茶苦茶だけど美しい…!!」
ハンコックは反論した海兵達を指差し、見下し過ぎて上を向いてしまった。 海兵達はそんな黄色い悲鳴をあげながら、こちらへと先導を始めた。ハンコックはそれに続こうと歩き出す。
「“渡り鳥”そなたも早よう来い」
『は、はぁ……』
ジンは状況がわからないまま、ハンコックについて行った。
*
「こちらの部屋をお使い下さい。ただし、お二人には出来ませんので、ここで監視させて頂きます」
「……どうしてもダメか?」
さっきの怒鳴り声はどこへ行ったのか、ハンコックはもじもじと上目遣いで海兵を見た。海兵はハンコックのあまり可愛さに目がさらにハートになる。
ハンコックはその隙を逃さなかった。すかさず両手の人差し指と親指でハートの形を作る。
「“メロメロ甘風 ”」
カチーン……!!
ハンコックの“メロメロの実”の力で海兵達と机に置かれていた電伝虫は目をハートにしたまま石になった。
「これでよい」
(人や電伝虫を石に……。七武海ともなれば能力もモノが違いますね)
ジンは感心した。一方ハンコックは石にした海兵には目もくれず、部屋の奥にあるソファに腰掛ける。座り心地は悪くない様だ。
「ふむ。これで邪魔は入らず、ゆっくり話も出来そうじゃな」
ジンは座らず、立ったまま尋ねる。
『ボア・ハンコックさん、貴女がここまでして僕と話したい理由がわからないのですが…』
「……。そなたはルフィの仲間なのだろ?」
『!!?』
ハンコックの言葉にジンは目を見張った。なぜ七武海が大物ルーキーと言えどルフィを知っているのか。
“それ以前に”なぜ自分とルフィが関係していると知っているのか。ジンは警戒を強めつつ尋ねる。
『……。なぜ、貴女がルフィさんを知っているのです…?』
その問いにハンコックは待ってましたと言う微笑みをし、答えた。
「わらわはルフィと出逢い、先程まで一緒に行動しておったからじゃ。そなたのこともルフィから聞いた」
『!?』
驚きが隠せなかった。同時にジンの脳裏に一瞬レイリーから聞いた言葉が蘇る。
(良かった…バーソロミュー・くまは言葉通りに…。)
ルフィが生きているのなら他のクルーも生きていると確信出来る。自然に笑みが零れた。その顔を見てハンコックが聞く。
「安心したか」
『はい、不安はひとつ解消されました。…ところで先程までと言いますと、ルフィさんは今どこに……??』
ジンの言葉にハンコックは目を伏せる。心配の色が濃いハンコックの目にジンは不安を感じた。ハンコックが言葉を紡ぐ。
「……。ルフィは今、“インペルダウン”じゃ」
『!! “大監獄インペルダウン”…!!? なぜ、ルフィさんはそんなところに!!?』
ジンは驚き、ハンコックに尋ねる。
「インペルダウンに“兄”を助けに行きたいと言ってな。わらわに軍艦に乗る様頼んで来たのじゃ。だからわらわは中央に赴く条件としてインペルダウンにいるルフィの兄、
……今回の戦争の引き金となった“ポートガス・D・エース”と面会を海軍に求めた」
『!?』
「そして、インペルダウンへルフィを送り届け、わらわはルフィの兄に会ってここに来たのじゃ」
『“火拳”のエース……彼がルフィさんのお兄さん!?』
「なんじゃ、知らなかったのか?」
『……』
(確か、スリラーバークの時にそんな話を…していた様な……)
ジンは考える。しかしあの時は倒れる直前で意識が定かではなかったため、確信がない。ジンは首を縦に振る。
「そうか…」
『しかし、インペルダウンに潜入なんて無茶なことを!!』
「そんなことルフィには関係なかったのだろう。兄を思う気持ちだけで行ったのじゃ」
『……』
ジンは押し黙る。ルフィの考えがまったく間違っているとは今のジンには否定出来ない。ハンコックは続けて話す。
「兄だけでなく、仲間のことも案じておった。もちろんそなたのこともな」
『僕、ですか…!?』
「ああ」
*
日を2日程遡る。女ヶ島から軍艦に乗り、インペルダウンに向かうルフィとハンコック。 二人はハンコックに用意された部屋で過ごしていた。
「それでゾロは本当によく寝るんだ」
「ふふ」
ルフィが自分の仲間のことを楽しそうに話す、ハンコックは相づちを打っていた。 そして尋ねる。
「それで仲間は全員か?」
「いや、まだジンがいる!って言ってもまだ正式な仲間じゃねェんだけどな。今仲間になる賭けをしてるんだ」
「ジン? もしかしてクロスロード・ジン……“渡り鳥”か?」
「ん? ハンモック、おめェ! ジンを知ってんのか…!!?」
「ハンコックと…。ルフィ、“渡り鳥”は政府が血眼になって探しておる能力者で、わらわを含めた七武海にも捕獲命令が出ておる」
「そういや黄猿もそんなことを言ってたな」
「ルフィは何故か知っておるか?」
「……知らねェ。そんなのどうでもいいしな。だってジンはスゲェいい奴なんだ」
「?」
「スリラーバークの時も、シャボンティの時もジンは自分の命を張っておれ達を助けてくれたんだ。……なのにおれはジンを助けてやれてねェ…!!」
「助ける…?」
「ああ。ジンには助けが必要なんだ。だからおれはジンを絶対仲間にするんだ…!!」
「ルフィ……」
*
『……。僕を助ける…と?』
「ああ。ルフィらしい言葉じゃ」
『……』
ジンはシルクハットを前に引く。ハンコックからジンの顔が見えなくなった。
『フッ…ははは、ははは』
「“渡り鳥”?」
突然笑い出すジンにハンコックは首を傾げる。ジンは一通り笑った後、言った。
『……そんな権利ないのに』
「!?」
ジンの声色は低く、吐き捨てた様な言葉だった。ルフィに言ったのか、自分に言ったのかハンコックには判断できない。
それよりもハンコックは目の前のただの優男だと思っていたジンが、そんな言葉を発したことにただただ驚く。しかしシルクハットを上げたジンは最初に話した時と同じ笑顔だった。
『ボア・ハンコックさん、面白いお話ありがとうございました』
そしてミホークは興味無くした様で机に足を乗せた、いつもの姿勢のまま再び目を閉じた。ハンコックも机にいるミホークに軽く目をやるだけで、次にジンに目を向ける。
ジンを“渡り鳥”と認識したハンコックは驚いた様に目を見開いた。
「……!? そなたは、まさか“渡り鳥”か!!?」
『ええ、はじめましてボア・ハンコックさん。僕はクロスロード・ジンと……』
ジンが答える切る前に、ハンコックはカツカツとジンの目の前に来た。そして心底驚いた顔のまま尋ねる。
「なぜ、そなたがここにおるのじゃ…!!?」
『? なぜ…と言われましても』
首を傾げるジン。ハンコックが何に慌てているかわからない。
「そなたはル……あっ」
ハンコックはとっさに口を手で抑えた。聞き取れなかったジンは怪訝な顔でハンコックを見る。ふぅ…っと落ち着き、息をついたハンコック。口から手を離し、後ろの海兵に言った。
「わらわは“渡り鳥”と二人で話がしたい。二人になれる部屋へ案内せよ」
「は…!? し、しかし」
「わらわの命令が聞けぬのか!!!」
「ひぃ……!! 無茶苦茶だけど美しい…!!」
ハンコックは反論した海兵達を指差し、見下し過ぎて上を向いてしまった。 海兵達はそんな黄色い悲鳴をあげながら、こちらへと先導を始めた。ハンコックはそれに続こうと歩き出す。
「“渡り鳥”そなたも早よう来い」
『は、はぁ……』
ジンは状況がわからないまま、ハンコックについて行った。
*
「こちらの部屋をお使い下さい。ただし、お二人には出来ませんので、ここで監視させて頂きます」
「……どうしてもダメか?」
さっきの怒鳴り声はどこへ行ったのか、ハンコックはもじもじと上目遣いで海兵を見た。海兵はハンコックのあまり可愛さに目がさらにハートになる。
ハンコックはその隙を逃さなかった。すかさず両手の人差し指と親指でハートの形を作る。
「“メロメロ
カチーン……!!
ハンコックの“メロメロの実”の力で海兵達と机に置かれていた電伝虫は目をハートにしたまま石になった。
「これでよい」
(人や電伝虫を石に……。七武海ともなれば能力もモノが違いますね)
ジンは感心した。一方ハンコックは石にした海兵には目もくれず、部屋の奥にあるソファに腰掛ける。座り心地は悪くない様だ。
「ふむ。これで邪魔は入らず、ゆっくり話も出来そうじゃな」
ジンは座らず、立ったまま尋ねる。
『ボア・ハンコックさん、貴女がここまでして僕と話したい理由がわからないのですが…』
「……。そなたはルフィの仲間なのだろ?」
『!!?』
ハンコックの言葉にジンは目を見張った。なぜ七武海が大物ルーキーと言えどルフィを知っているのか。
“それ以前に”なぜ自分とルフィが関係していると知っているのか。ジンは警戒を強めつつ尋ねる。
『……。なぜ、貴女がルフィさんを知っているのです…?』
その問いにハンコックは待ってましたと言う微笑みをし、答えた。
「わらわはルフィと出逢い、先程まで一緒に行動しておったからじゃ。そなたのこともルフィから聞いた」
『!?』
驚きが隠せなかった。同時にジンの脳裏に一瞬レイリーから聞いた言葉が蘇る。
(良かった…バーソロミュー・くまは言葉通りに…。)
ルフィが生きているのなら他のクルーも生きていると確信出来る。自然に笑みが零れた。その顔を見てハンコックが聞く。
「安心したか」
『はい、不安はひとつ解消されました。…ところで先程までと言いますと、ルフィさんは今どこに……??』
ジンの言葉にハンコックは目を伏せる。心配の色が濃いハンコックの目にジンは不安を感じた。ハンコックが言葉を紡ぐ。
「……。ルフィは今、“インペルダウン”じゃ」
『!! “大監獄インペルダウン”…!!? なぜ、ルフィさんはそんなところに!!?』
ジンは驚き、ハンコックに尋ねる。
「インペルダウンに“兄”を助けに行きたいと言ってな。わらわに軍艦に乗る様頼んで来たのじゃ。だからわらわは中央に赴く条件としてインペルダウンにいるルフィの兄、
……今回の戦争の引き金となった“ポートガス・D・エース”と面会を海軍に求めた」
『!?』
「そして、インペルダウンへルフィを送り届け、わらわはルフィの兄に会ってここに来たのじゃ」
『“火拳”のエース……彼がルフィさんのお兄さん!?』
「なんじゃ、知らなかったのか?」
『……』
(確か、スリラーバークの時にそんな話を…していた様な……)
ジンは考える。しかしあの時は倒れる直前で意識が定かではなかったため、確信がない。ジンは首を縦に振る。
「そうか…」
『しかし、インペルダウンに潜入なんて無茶なことを!!』
「そんなことルフィには関係なかったのだろう。兄を思う気持ちだけで行ったのじゃ」
『……』
ジンは押し黙る。ルフィの考えがまったく間違っているとは今のジンには否定出来ない。ハンコックは続けて話す。
「兄だけでなく、仲間のことも案じておった。もちろんそなたのこともな」
『僕、ですか…!?』
「ああ」
*
日を2日程遡る。女ヶ島から軍艦に乗り、インペルダウンに向かうルフィとハンコック。 二人はハンコックに用意された部屋で過ごしていた。
「それでゾロは本当によく寝るんだ」
「ふふ」
ルフィが自分の仲間のことを楽しそうに話す、ハンコックは相づちを打っていた。 そして尋ねる。
「それで仲間は全員か?」
「いや、まだジンがいる!って言ってもまだ正式な仲間じゃねェんだけどな。今仲間になる賭けをしてるんだ」
「ジン? もしかしてクロスロード・ジン……“渡り鳥”か?」
「ん? ハンモック、おめェ! ジンを知ってんのか…!!?」
「ハンコックと…。ルフィ、“渡り鳥”は政府が血眼になって探しておる能力者で、わらわを含めた七武海にも捕獲命令が出ておる」
「そういや黄猿もそんなことを言ってたな」
「ルフィは何故か知っておるか?」
「……知らねェ。そんなのどうでもいいしな。だってジンはスゲェいい奴なんだ」
「?」
「スリラーバークの時も、シャボンティの時もジンは自分の命を張っておれ達を助けてくれたんだ。……なのにおれはジンを助けてやれてねェ…!!」
「助ける…?」
「ああ。ジンには助けが必要なんだ。だからおれはジンを絶対仲間にするんだ…!!」
「ルフィ……」
*
『……。僕を助ける…と?』
「ああ。ルフィらしい言葉じゃ」
『……』
ジンはシルクハットを前に引く。ハンコックからジンの顔が見えなくなった。
『フッ…ははは、ははは』
「“渡り鳥”?」
突然笑い出すジンにハンコックは首を傾げる。ジンは一通り笑った後、言った。
『……そんな権利ないのに』
「!?」
ジンの声色は低く、吐き捨てた様な言葉だった。ルフィに言ったのか、自分に言ったのかハンコックには判断できない。
それよりもハンコックは目の前のただの優男だと思っていたジンが、そんな言葉を発したことにただただ驚く。しかしシルクハットを上げたジンは最初に話した時と同じ笑顔だった。
『ボア・ハンコックさん、面白いお話ありがとうございました』