【スキット】 死の外科医と渡り鳥(出会い編)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『………ハァ…ハァ』
ジンの呼吸が戻り、体温上昇により汗がわっと出る。ジンはゆっくりと目を開けた。
『……ハァ……』
最初に目に飛び込んで来たのは見慣れない天井。次に体がベッドに寝てるのに気付く。そして地面が安定しないこの感じ、海の上にいることをジンは理解した。
ジンはゆっくりと体を起こす。
『……ここは…』
ジンは辺りを見渡した。どうやらここはどこかの船の医務室らしい。それほど広くはないが、薬品やら機材やらが普通の船よりはしっかり揃っていた。
ガチャッとドアが開く。そこに顔を出したのは、ローだった。
「起きたのか? “クロスロード”屋」
ジンは名を呼ばれ、少し警戒する。
『……貴方は?』
「警戒しなくていい。おれはトラファルガー・ロー、海賊だ」
『……』
ジンは転写した手配書を検索する。 程なくして手配書が出てきた。
『ノースブルー出身ハートの海賊団船長、トラファルガー・ロー……。貴方が“死の外科医”さんですか』
「おれを知ってんのか?」
『手配書の限り、ですが…』
ジンはニコッと笑う。ローはふーんとジンを見る。
「で、お前はあの“渡り鳥”でいいのか?」
ローの言葉にジンはベッドから立ち上がり、頷く。
『ええ。僕はクロスロード・ジン。通り名は“渡り鳥”と申します。助けて頂きありがとうございました』
ジンはローに頭を下げた。
「起きてもいいのか?」
『はい。もう大丈夫です』
「……信じられんな」
『そうですか?』
話しながらジンはポンッと手からシルクハットを出す。
「!!? 何だ、それは?」
『? ああ、これはマジックとでも申しましょうか…』
「はぁ?」
『僕はマジシャンなんですよ。“死の外科医”さん』
「フッ…冗談は格好だけかと思ったぜ」
『僕のこの格好は大真面目なんですが…。貴方も一見海賊には見えませんよ』
ジンはニコニコとローの嫌味を返す。
「……てめェ。性格悪そうだな」
『そんなことありませんよ』
ジンはまた笑った。
「キャプテン!! 鳥さん起きた?」
ガチャッとベポがドアから顔を出す。ジンはびっくりした。
『おや、白熊さんですか?』
「わぁ、鳥さん起きたんだね! 良かった!!」
ベポは医務室に入って来てジンの手を取る。
「よかった。あったかい!! あっ、はじめまして、鳥さん。おれ、ベポ。白熊なんだ」
『ご丁寧にありがとうございます。僕はクロスロード・ジンと言います。……』
二人は仲良く会話をする。ウマが合う様だ。忘れられた感のあるローは眉間にシワを寄せる。
「ベポ! 少し、外に出てろ。おれはクロスロード屋とまだ話し中だ」
「アイアイ! じゃあ、鳥さん…あっジンのこと皆に話して来るね」
ベポはジンに手を振り出ていった。ジンも手を振る。
「………はぁ」
『かわいらしいお仲間ですね。…おや“死の外科医”さんどうかなさいましたか?』
「……通り名で呼ぶな。ここはおれの船だ」
『失礼。では、トラファルガー・ローさんでよろしいですか?』
「長い。それに敬称はいらん」
『……申し訳ありません、癖なのです。ではトラファルガー・ローと呼びましょう』
「……(大して変わってねェ)。ところでお前はこの島で何をしていた?」
『……それは、少しばかりお答えしかねます』
ジンはシルクハットをなおす。ローは鋭い目をジンに向ける。
「答えろ。あの廃墟はなんだ? 太刀筋があったが、戦闘でもしていたのか…?」
『おや、よくわかりましたね』
ジンは感心した。ローは短く言う。
「話せ」
ジンはハハッと笑った。
『わかりました。と言ってもトラファルガー・ロー、貴方のお察しの通りです。僕はこの島で丸一日程、戦闘をしていました』
「一日中だと? 相手は?」
『“鷹の目”……と言えばお分かりですよね?』
「七武海か…!?」
『ええ』
ジンは目を細める。スケールの大きさに流石のローも息を飲んだ。
「……なぜだ?と聞くのはおかしいか? 七武海と5億の賞金首なら当たってもおかしくはない」
『そんなことはありませんよ。流石に連戦続きでしたから…“全力”でなければ死ぬかと思いました』
ジンは鷹の目との戦闘を思い出したのか苦笑した。
「連戦続き?」
『追われる身なので』
「………」
ロー息をついた。そしてこれ以上進展しそうにないと感じ、少し話題を変える。
「クロスロード屋は、ここのログがいつ溜まるか知っているか?」
ジンはシルクハットからログポースを取り出す。
「どこに入れてんだ…」
『どこから出てくるか、わからない方が面白くないですか?』
「………面白くない」
『そうですか、残念です。……さて。正確にはわかりませんが、3日くらいでしょう。僕のログポースのログがすでに溜まっている様なので』
「お前は3日前に来たのか?」
『……ええ。多少誤差があるかもしれませんが…。僕は鷹の目さんと戦闘後、丸一日寝ていたと思われます。そう考えると今日で3日目となります』
「丸一日戦って、丸一日寝てたのか…」
『はい』
普通のことだという様に答えるジン。ローは腕を組む。
「燃費がいいとは言えないな。能力者か?」
『マジシャンは自身のことはすぐには明かさないのですよ』
ジンはニコッと笑う。ローはその笑顔にカチンと眉間にしわを寄せた。
「いいだろう、お前の体に直接聞いてやる。表へ出ろ!!」
ローは身の丈程ある太刀を左手に持ち、殺気が漂よわせた。
『短気は損ですよ、トラファルガー・ロー』
そうジンは息をつくが、ローに促され甲板に出る。
甲板にはハートの海賊団のクルー達が興味津々にジンを見つめていた。ジンは会釈する。ベポが聞いた。
「キャプテン、ジンとお話終わった?」
「まだだ」
短く答えるロー。そのピリッとした空気に何が始まるのだとクルー達は緊張しながら見守る。
『………ここでよろしいですか?』
ジンは甲板の真ん中に立ち止まり、ローと向き合った。ローは口角をあげる。
「……おれを舐めてたら痛い目見るぜ」
「!?」
クルー達はただならぬ気配にローとジンを少し離れて囲む。
「お前ら巻き込まれたくなかったら離れていろ」
『??』
クルーに放つローのその言葉にクルー達の緊張は一気に増した。ベポも一歩下がる。
『お仲間が下がると言う事は遠距離系の能力なんですね』
ジンはふむっと周りを見ながら言う。ローは何も答えず右手を出した。
「“ROOM”…!!」
ローの右手から空気の気流で輪になったかの様なものが現れる。
そしてジンとローを包む様にドーム状の空間が現れた。
『……』
ジンはローの作った空間を興味津々に見上げる。
「余所見してる暇はねェぞ」
ローはニヤニヤと笑みを浮かべ、身の丈程ある太刀を抜いた。
スパッ!!
『!!?』
ローの一振りでジンの体がバラバラに斬られる。斬られた体はふわふわと浮いていた。ジンは瞬きをする。
『びっくりしました。面白い能力ですね』
「本当に驚いてるのか?」
ローは不服そうに言う。もっとジンが怯えるなり、叫ぶなりすると思っていたのに、意外に冷静に話すからだ。
『変わった能力です。一瞬斬られたのが判りませんでした。痛くもありませんし…指等の感覚も普通にありますね』
ジンは浮いている自分の身体に神経が通っているのを確かめる。そしてローを見た。
『……貴方自身に変化がないことから超人系なのですね』
「まったくつまらん反応だ。もっと刻んでやろうか?」
ローは首だけになったジンを引き寄せ、脅す。
「お前の能力はなんだ?」
『……そうですね。能力を見せて頂いたのでお返しはしないと。…それにこの状態は流石に少し落ち着きませんし』
そういうとローの目の前で首だけのジンは目を閉じる。そして呟いた。
『“無数の聖書 ”……』
「!!?」
ローの手にあったジンの首が消える。同時にジンの体も細かい紙になり消えた。
「「「!!!」」」
クルー達は目を見張る。ローは気配を探す。
「ロー後ろだ!」
「!?」
ペンギンの言葉にバッと後ろを向く。細かい何か、紙が塊になる。
「??」
ローが怪訝な顔した。そんな中、紙は集合しジンが姿を現した。
『ふう……面白い体験をさせて頂きました』
「……チッ。自然系の能力者か…。紙人間ってとこか?」
ジンはニコッと笑う。
『正解です。トラファルガー・ロー。そしてハートの海賊団の皆さま初めまして、どうぞよろしくお願い致します』
ジンはシルクハットを取り、お辞儀をした。
ジンの呼吸が戻り、体温上昇により汗がわっと出る。ジンはゆっくりと目を開けた。
『……ハァ……』
最初に目に飛び込んで来たのは見慣れない天井。次に体がベッドに寝てるのに気付く。そして地面が安定しないこの感じ、海の上にいることをジンは理解した。
ジンはゆっくりと体を起こす。
『……ここは…』
ジンは辺りを見渡した。どうやらここはどこかの船の医務室らしい。それほど広くはないが、薬品やら機材やらが普通の船よりはしっかり揃っていた。
ガチャッとドアが開く。そこに顔を出したのは、ローだった。
「起きたのか? “クロスロード”屋」
ジンは名を呼ばれ、少し警戒する。
『……貴方は?』
「警戒しなくていい。おれはトラファルガー・ロー、海賊だ」
『……』
ジンは転写した手配書を検索する。 程なくして手配書が出てきた。
『ノースブルー出身ハートの海賊団船長、トラファルガー・ロー……。貴方が“死の外科医”さんですか』
「おれを知ってんのか?」
『手配書の限り、ですが…』
ジンはニコッと笑う。ローはふーんとジンを見る。
「で、お前はあの“渡り鳥”でいいのか?」
ローの言葉にジンはベッドから立ち上がり、頷く。
『ええ。僕はクロスロード・ジン。通り名は“渡り鳥”と申します。助けて頂きありがとうございました』
ジンはローに頭を下げた。
「起きてもいいのか?」
『はい。もう大丈夫です』
「……信じられんな」
『そうですか?』
話しながらジンはポンッと手からシルクハットを出す。
「!!? 何だ、それは?」
『? ああ、これはマジックとでも申しましょうか…』
「はぁ?」
『僕はマジシャンなんですよ。“死の外科医”さん』
「フッ…冗談は格好だけかと思ったぜ」
『僕のこの格好は大真面目なんですが…。貴方も一見海賊には見えませんよ』
ジンはニコニコとローの嫌味を返す。
「……てめェ。性格悪そうだな」
『そんなことありませんよ』
ジンはまた笑った。
「キャプテン!! 鳥さん起きた?」
ガチャッとベポがドアから顔を出す。ジンはびっくりした。
『おや、白熊さんですか?』
「わぁ、鳥さん起きたんだね! 良かった!!」
ベポは医務室に入って来てジンの手を取る。
「よかった。あったかい!! あっ、はじめまして、鳥さん。おれ、ベポ。白熊なんだ」
『ご丁寧にありがとうございます。僕はクロスロード・ジンと言います。……』
二人は仲良く会話をする。ウマが合う様だ。忘れられた感のあるローは眉間にシワを寄せる。
「ベポ! 少し、外に出てろ。おれはクロスロード屋とまだ話し中だ」
「アイアイ! じゃあ、鳥さん…あっジンのこと皆に話して来るね」
ベポはジンに手を振り出ていった。ジンも手を振る。
「………はぁ」
『かわいらしいお仲間ですね。…おや“死の外科医”さんどうかなさいましたか?』
「……通り名で呼ぶな。ここはおれの船だ」
『失礼。では、トラファルガー・ローさんでよろしいですか?』
「長い。それに敬称はいらん」
『……申し訳ありません、癖なのです。ではトラファルガー・ローと呼びましょう』
「……(大して変わってねェ)。ところでお前はこの島で何をしていた?」
『……それは、少しばかりお答えしかねます』
ジンはシルクハットをなおす。ローは鋭い目をジンに向ける。
「答えろ。あの廃墟はなんだ? 太刀筋があったが、戦闘でもしていたのか…?」
『おや、よくわかりましたね』
ジンは感心した。ローは短く言う。
「話せ」
ジンはハハッと笑った。
『わかりました。と言ってもトラファルガー・ロー、貴方のお察しの通りです。僕はこの島で丸一日程、戦闘をしていました』
「一日中だと? 相手は?」
『“鷹の目”……と言えばお分かりですよね?』
「七武海か…!?」
『ええ』
ジンは目を細める。スケールの大きさに流石のローも息を飲んだ。
「……なぜだ?と聞くのはおかしいか? 七武海と5億の賞金首なら当たってもおかしくはない」
『そんなことはありませんよ。流石に連戦続きでしたから…“全力”でなければ死ぬかと思いました』
ジンは鷹の目との戦闘を思い出したのか苦笑した。
「連戦続き?」
『追われる身なので』
「………」
ロー息をついた。そしてこれ以上進展しそうにないと感じ、少し話題を変える。
「クロスロード屋は、ここのログがいつ溜まるか知っているか?」
ジンはシルクハットからログポースを取り出す。
「どこに入れてんだ…」
『どこから出てくるか、わからない方が面白くないですか?』
「………面白くない」
『そうですか、残念です。……さて。正確にはわかりませんが、3日くらいでしょう。僕のログポースのログがすでに溜まっている様なので』
「お前は3日前に来たのか?」
『……ええ。多少誤差があるかもしれませんが…。僕は鷹の目さんと戦闘後、丸一日寝ていたと思われます。そう考えると今日で3日目となります』
「丸一日戦って、丸一日寝てたのか…」
『はい』
普通のことだという様に答えるジン。ローは腕を組む。
「燃費がいいとは言えないな。能力者か?」
『マジシャンは自身のことはすぐには明かさないのですよ』
ジンはニコッと笑う。ローはその笑顔にカチンと眉間にしわを寄せた。
「いいだろう、お前の体に直接聞いてやる。表へ出ろ!!」
ローは身の丈程ある太刀を左手に持ち、殺気が漂よわせた。
『短気は損ですよ、トラファルガー・ロー』
そうジンは息をつくが、ローに促され甲板に出る。
甲板にはハートの海賊団のクルー達が興味津々にジンを見つめていた。ジンは会釈する。ベポが聞いた。
「キャプテン、ジンとお話終わった?」
「まだだ」
短く答えるロー。そのピリッとした空気に何が始まるのだとクルー達は緊張しながら見守る。
『………ここでよろしいですか?』
ジンは甲板の真ん中に立ち止まり、ローと向き合った。ローは口角をあげる。
「……おれを舐めてたら痛い目見るぜ」
「!?」
クルー達はただならぬ気配にローとジンを少し離れて囲む。
「お前ら巻き込まれたくなかったら離れていろ」
『??』
クルーに放つローのその言葉にクルー達の緊張は一気に増した。ベポも一歩下がる。
『お仲間が下がると言う事は遠距離系の能力なんですね』
ジンはふむっと周りを見ながら言う。ローは何も答えず右手を出した。
「“ROOM”…!!」
ローの右手から空気の気流で輪になったかの様なものが現れる。
そしてジンとローを包む様にドーム状の空間が現れた。
『……』
ジンはローの作った空間を興味津々に見上げる。
「余所見してる暇はねェぞ」
ローはニヤニヤと笑みを浮かべ、身の丈程ある太刀を抜いた。
スパッ!!
『!!?』
ローの一振りでジンの体がバラバラに斬られる。斬られた体はふわふわと浮いていた。ジンは瞬きをする。
『びっくりしました。面白い能力ですね』
「本当に驚いてるのか?」
ローは不服そうに言う。もっとジンが怯えるなり、叫ぶなりすると思っていたのに、意外に冷静に話すからだ。
『変わった能力です。一瞬斬られたのが判りませんでした。痛くもありませんし…指等の感覚も普通にありますね』
ジンは浮いている自分の身体に神経が通っているのを確かめる。そしてローを見た。
『……貴方自身に変化がないことから超人系なのですね』
「まったくつまらん反応だ。もっと刻んでやろうか?」
ローは首だけになったジンを引き寄せ、脅す。
「お前の能力はなんだ?」
『……そうですね。能力を見せて頂いたのでお返しはしないと。…それにこの状態は流石に少し落ち着きませんし』
そういうとローの目の前で首だけのジンは目を閉じる。そして呟いた。
『“
「!!?」
ローの手にあったジンの首が消える。同時にジンの体も細かい紙になり消えた。
「「「!!!」」」
クルー達は目を見張る。ローは気配を探す。
「ロー後ろだ!」
「!?」
ペンギンの言葉にバッと後ろを向く。細かい何か、紙が塊になる。
「??」
ローが怪訝な顔した。そんな中、紙は集合しジンが姿を現した。
『ふう……面白い体験をさせて頂きました』
「……チッ。自然系の能力者か…。紙人間ってとこか?」
ジンはニコッと笑う。
『正解です。トラファルガー・ロー。そしてハートの海賊団の皆さま初めまして、どうぞよろしくお願い致します』
ジンはシルクハットを取り、お辞儀をした。