懸賞金5億、“渡り鳥”の本領!!
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「え~~~~~~~~~~~!!? “海賊王”の船にィ~~~~!!?」
シャッキーのバーに逃げたルフィ達はレイリーが、かの“海賊王”の船にいた事を知った。ルフィはアゴが外れるくらい叫ぶ。レイリーはああっと頷く。
「副船長をやっていた…シルバーズ・レイリーだ。よろしくな」
「「「副船長~~~~!!?」」」
声を揃えて驚くクルー達。ウソップに関しては飲み物をブーっと吐いてしまった。ロビンが涼しい顔でクルーに言う。
「――あら、気づいてなかったの?」
「その名前メチャメチャ知ってる~~~~!!!」
「いろんな本に載ってる~~~~~!!!」
「確かに誰でも一度は聞く名だ」
「………」
ウソップとナミが涙を流す。サンジとフランキーは深刻な顔をしていた。 そんなクルーを尻目に煮豆を食べながらブルックが呟く。
「ゴールド・ロジャー、そういうルーキーが昔いた様ないなかった様な……」
「何でそんな大物とタコが知り合いなんだ?」
静かだったゾロがレイリーに尋ねる。
「ハチはな…20年以上前に…私が海で遭難した所を助けてくれた」
「この人の命の恩人なのよ…まだ子供だったけどね」
「――以来コイツが“タイヨウの海賊団”に入るまで仲良くしていた」
レイリーの言葉にサンジはタバコを吸いながら疑問を抱く。
「しかしよ、ゴールド・ロジャーは22年前に処刑されたのに、副船長のあんたが討ち首にならなかったのか…。一味は海軍に捕まったんだろ?」
レイリーは静かに酒を飲む。そして言った。
「捕まったのではない………ロジャーは自首したのだ…」
「「「!!!」」」
「政府としては…力の誇示の為…あいつを捕らえたかの様に公表したかもしれんがな…」
「……“海賊王”が自首!? なんで!!?」
ナミが驚き聞く。
「……我々の旅に…限界が見えたからだ」
レイリーはロジャーについて語り出す。 ロジャーの不治の病、双子岬のクロッカスを仲間にしてのグランドライン制覇。そして死にゆく男に与えられた“海賊王”の称号。ロジャー海賊団の解散、ロジャーの自首、そして処刑。
「あの日の広場には…今海で名を挙げている海賊達の若き日のそうそうたる顔ぶれが並んでいたと聞く…海賊王の処刑に世界が注目していた。
――私は行かなかったよ。あいつの言った最後の言葉はこうだ…」
――おれは“死なねェ”ぜ……?相棒…
「世界政府も海軍も………驚いたろう。他の海賊達への“見せしめ”の為に行った公開処刑の場が、ロジャーの死に際のたった一言で“大海賊時代”の幕開けの式典へと一変したのだからな…!!」
――おれの財宝か?欲しけりゃくれてやるぜ……探してみろ、この世の全てをそこに置いてきた!!
「残り数秒、僅かに灯った“命の火”を、奴は世界に燃え広がる“業火”に変えた」
レイリーは懐かしむように語る。
「あの日ほど笑った夜はない…!! あの日ほど泣いた夜も…
酒を飲んだ夜もない……!! 我が船長ながら…見事な人生だった…………!!!」
「「「………!!」」」
一同息をのむ。シャッキーは目を瞑り、耳を傾ける。
「なんかスゴイ話聞いちゃったみたい…当事者から聞くとまた別の話みたい」
「じゃあ…まるでこの海賊時代は意図してロジャーが作ったみてェだな」
ウソップの言葉にレイリーは口角をあげる。
「……そこは“まだ”…答えかねる…ロジャーは死んだのだ」
レイリーは酒を飲む。
「今の時代を作れるのは、今を生きている人間だけだよ」
「あの日広場でロジャーから何かを受け取った者達が確かにいるとは思うがね……」
レイリーはルフィに目を向ける。
「キミのよく知るシャンクスもその一人だろう」
「え? おっさん、シャンクス知ってんのか!?」
口一杯にモノを放り込んだルフィがレイリーに聞く。
「“イーストブルー”ならバギーという海賊も知らんか?」
「「バギー」」
バギーと言う言葉にナミとゾロが苦い顔をする。
「アレは二人共、ウチの船で見習いをやっていた」
「えー――――っ!!! シャンクスは海賊王の船にいたのか!!?」
ルフィはびっくりして口のモノが飛び出す。
「何だ…聞いとらんのか……」
レイリーはルフィに目を向ける。
「10年程前か…この島でばったりあいつと会ってな。トレードマークの麦わら帽子と……左腕が失くなってた」
「うっ」
レイリーの言葉がクザッとルフィの胸を突く。ルフィは口を抑え、食べ物を一気に飲み込んだ。レイリーは続ける。
「理由 を聞くと嬉しそうにキミの事を話すんだ………!!」
「?」
――レイリーさん、おれァ本当に驚いたよ!!! “イーストブルー”に……!!
ロジャー船長と同じ事を言うガキがいたんだ………!! 船長の“あの言葉”を……!!!
「まぁ、シャンクスが君に話していない事まで、私がべらべら喋るわけにはいかんのでな…。――とにかくここまでよくたどり着いた………!! “新世界”であいつはキミを待ち詫びているだろう」
「………そうか!!…そうかな!! ……おれも会いてェなァ~~~~!!!」
ルフィはシャンクスの再会を楽しみ思い、笑顔を浮かべた。
「――さて、状況も状況。船のコーティングの依頼だったな。私も今の本職を果たすとしよう……」
レイリーは立ち上がる。手当てを受けたハチが申し訳なさそうにレイリーに尋ねる。
「ニュ~~そういやコーティングって、すげェ金かかるんだけど」
「いやァいいんだ。ハチ、お前の友達から金は取らん」
「よかった…ありがとうレイリー」
「うぉー――っ!!何か知らねェがタダでいいんだと!!」
「ありがてェなそりゃ、さすが太っ腹だ」
ウソップやサンジ、ナミが笑顔で喜ぶ。ロビンが神妙な顔で立ち上がった。
「レイリーさん……質問が……!!」
「!」
「“Dの意志”って……一体何…??」
「……!!」
「空島で見た“ポーネグリフ”に古代文字を使って、ロジャーの名が刻まれていた。彼はなぜあの文字を操れたの……!?」
ロビンは真相が知りたくて焦っている様だ。声が大きくなる。
「……あなた達は900年前に始まる“空白の100年”に世界に何が起きたのかを知ってるの!?」
「…………。……ああ、知っている」
「!!?」
「我々は…歴史の全てを知った…」
「…………!!!」
ロビン心臓が高鳴るのを感じながらレイリーを見つめる。
「……――だが、お嬢さん。慌ててはいけない……。キミ達の船で…一歩ずつ進みなさい。我々もまた……“オハラ”もまた…」
「!」
「少々…急ぎすぎたのかも知れん…」
レイリーは語る。
「キミ達に今ここで…歴史の全てを私が話しても、今のキミらには…何もできやしない……!! ……ゆっくりと世界を見渡してその後、導き出す答えが我々と同じとも限らない…!!」
レイリーは静かにロビンに問う。
「――それでも聞きたいと言うならば、この世界の全てを今、話そう」
「………」
ロビンはレイリーの言葉の意味を噛み締める、そして首を横に振った。
「いいえ、やめておくわ…。旅を続ける…」
「いずれ全てが見えて来る…キミの故郷“オハラ”の事は気の毒だったな…。――だがロジャーはあの文字を解読できたわけじゃない」
「?」
「我々は海賊。天才クローバーやオハラの学者の頭脳に敵うハズがない…」
レイリーは微笑む。
「“あいつ”はな…“万物”の声を聞けた……それだけの事…」
「………」
「何だ、いいのか!?ロビン! 今何かすげェチャンスを逃したんじゃねェか!?」
ウソップが聞く。そして立ち上がり、手を挙げた。
「――あの、おっさん!! おれも1コだけ聞きてェんだけど!!……“ひとつなぎの大秘宝”、“ワンピース”ってのは本当に最後の島に……」
「ウソップ~~~~~~~~~~~っ!!!!」
「……!!」
ウソップが最後まで言うのをルフィが大きな声で阻止した。
カウンターに足をおき、ウソップに怒鳴る。
「宝がどこにあるかなんて聞きたくねェ!!! 宝があるかないかだって聞きたくねェ!! 何もわかんねェけど、みんなそうやって命懸けで海へ出てんだよっ!!!」
レイリーは目を閉じ、ルフィの言葉を聞く。
「ここでおっさんから何か教えて貰うんなら……おれは海賊やめる!!」
「「「!!?」」」
ルフィの言葉にクルー達は驚く。
「つまらねェ冒険なら、おれはしねェ!!!!」
ルフィの言葉にウソップは慌てて自分のしたことを恥じた。
「わわわ…悪かった。わかってたんだけど、口が勝手に今……滑ってよ!!! おれだって聞きたくねェよ!! そうだおれ!!“ワンピースについて知ったら死ぬ病”だったァ!! おいおっさん、何も喋べんじゃねェぞ!!」
「アハハハ……」
ウソップの弁解にシャッキーは笑う。 レイリーはルフィを見て尋ねた。
「やれるかキミに……。“グランドライン”はまだまだキミらの想像を遥かに凌ぐぞ!! 敵も強い。キミにこの強固な海を支配できるか!?」
「!」
レイリーの言葉にルフィは当然の様に笑顔で答えた。
「支配なんかしねェよ。この海で一番“自由”な奴が海賊王だ!!!」
「………。そうか……」
「やっぱり私、モンキーちゃんのファンだわ」
レイリーは静かに、少し嬉しそうに微笑んだ。シャッキーも笑顔で言った。
「なァ…ジンはどこにいるのかな…??」
心配そうにチョッパーが投げ掛けた。ブルックが煮豆を食べるのをやめ、心配そうに言った。
「……あの海賊さんが言ってた様に、ジンさんが船から降りたなんてこと」
「そんなことねェよ!! なんで降りる必要があるんだ!」
サンジがタバコを噛み締め怒鳴る。みんな神妙な顔になった。
「……あり得ないことでは…ないわ」
「「「!!?」」」
「どういう意味だ?」
ゾロが眉間にシワを寄せ、ロビンを見る。
「………」
ロビンが煮え切らない表情になる。レイリーが話を割った。
「話を割って済まないが、ジンと言うのは?」
「例の“渡り鳥”よ、レイリー」
シャッキーが言う。レイリーはヒゲを触り頷く。
「なるほど。では先程の“彼”が、噂の“渡り鳥”クロスロード・ジンか…」
「えっ、おっさん。ジンに会ったのか…!!?」
ウソップがレイリーに尋ねる。
「オークション会場に居たと思ったが……」
「「「!!?」」」
「嘘……!!?」
ナミが驚きの声をあげる。ルフィもレイリーに尋ねた。
「本当か、おっさん!?」
「確証はないが。布をかぶっていた人物と目があった時、青い瞳と眼帯が見えた」
「……ジンだ」
「じゃあ、あのトラファルガーって奴の仲間に…??」
「あいつ知ってて!!」
チョッパーが言い、ナミが疑問を抱く。サンジに至ってはあの時のローを思い出し、怒っていた。
「待て。あの海賊は“ジンがフリーなら”って言ってたじゃねェか。ってことは仲間じゃねェってことだろ?」
「じゃあ、なんであん時出てこなかったんだ? おれ達が居たんだ、ちっとおかしくねェか?」
ゾロがサンジを諌めたが、フランキーが新たに疑問を投げ掛ける。
「………」
みんな沈黙したところで、ロビンが静かに話を切り出す。
「ジンは“自分が恐い”と言っていたわ」
シャッキーのバーに逃げたルフィ達はレイリーが、かの“海賊王”の船にいた事を知った。ルフィはアゴが外れるくらい叫ぶ。レイリーはああっと頷く。
「副船長をやっていた…シルバーズ・レイリーだ。よろしくな」
「「「副船長~~~~!!?」」」
声を揃えて驚くクルー達。ウソップに関しては飲み物をブーっと吐いてしまった。ロビンが涼しい顔でクルーに言う。
「――あら、気づいてなかったの?」
「その名前メチャメチャ知ってる~~~~!!!」
「いろんな本に載ってる~~~~~!!!」
「確かに誰でも一度は聞く名だ」
「………」
ウソップとナミが涙を流す。サンジとフランキーは深刻な顔をしていた。 そんなクルーを尻目に煮豆を食べながらブルックが呟く。
「ゴールド・ロジャー、そういうルーキーが昔いた様ないなかった様な……」
「何でそんな大物とタコが知り合いなんだ?」
静かだったゾロがレイリーに尋ねる。
「ハチはな…20年以上前に…私が海で遭難した所を助けてくれた」
「この人の命の恩人なのよ…まだ子供だったけどね」
「――以来コイツが“タイヨウの海賊団”に入るまで仲良くしていた」
レイリーの言葉にサンジはタバコを吸いながら疑問を抱く。
「しかしよ、ゴールド・ロジャーは22年前に処刑されたのに、副船長のあんたが討ち首にならなかったのか…。一味は海軍に捕まったんだろ?」
レイリーは静かに酒を飲む。そして言った。
「捕まったのではない………ロジャーは自首したのだ…」
「「「!!!」」」
「政府としては…力の誇示の為…あいつを捕らえたかの様に公表したかもしれんがな…」
「……“海賊王”が自首!? なんで!!?」
ナミが驚き聞く。
「……我々の旅に…限界が見えたからだ」
レイリーはロジャーについて語り出す。 ロジャーの不治の病、双子岬のクロッカスを仲間にしてのグランドライン制覇。そして死にゆく男に与えられた“海賊王”の称号。ロジャー海賊団の解散、ロジャーの自首、そして処刑。
「あの日の広場には…今海で名を挙げている海賊達の若き日のそうそうたる顔ぶれが並んでいたと聞く…海賊王の処刑に世界が注目していた。
――私は行かなかったよ。あいつの言った最後の言葉はこうだ…」
――おれは“死なねェ”ぜ……?相棒…
「世界政府も海軍も………驚いたろう。他の海賊達への“見せしめ”の為に行った公開処刑の場が、ロジャーの死に際のたった一言で“大海賊時代”の幕開けの式典へと一変したのだからな…!!」
――おれの財宝か?欲しけりゃくれてやるぜ……探してみろ、この世の全てをそこに置いてきた!!
「残り数秒、僅かに灯った“命の火”を、奴は世界に燃え広がる“業火”に変えた」
レイリーは懐かしむように語る。
「あの日ほど笑った夜はない…!! あの日ほど泣いた夜も…
酒を飲んだ夜もない……!! 我が船長ながら…見事な人生だった…………!!!」
「「「………!!」」」
一同息をのむ。シャッキーは目を瞑り、耳を傾ける。
「なんかスゴイ話聞いちゃったみたい…当事者から聞くとまた別の話みたい」
「じゃあ…まるでこの海賊時代は意図してロジャーが作ったみてェだな」
ウソップの言葉にレイリーは口角をあげる。
「……そこは“まだ”…答えかねる…ロジャーは死んだのだ」
レイリーは酒を飲む。
「今の時代を作れるのは、今を生きている人間だけだよ」
「あの日広場でロジャーから何かを受け取った者達が確かにいるとは思うがね……」
レイリーはルフィに目を向ける。
「キミのよく知るシャンクスもその一人だろう」
「え? おっさん、シャンクス知ってんのか!?」
口一杯にモノを放り込んだルフィがレイリーに聞く。
「“イーストブルー”ならバギーという海賊も知らんか?」
「「バギー」」
バギーと言う言葉にナミとゾロが苦い顔をする。
「アレは二人共、ウチの船で見習いをやっていた」
「えー――――っ!!! シャンクスは海賊王の船にいたのか!!?」
ルフィはびっくりして口のモノが飛び出す。
「何だ…聞いとらんのか……」
レイリーはルフィに目を向ける。
「10年程前か…この島でばったりあいつと会ってな。トレードマークの麦わら帽子と……左腕が失くなってた」
「うっ」
レイリーの言葉がクザッとルフィの胸を突く。ルフィは口を抑え、食べ物を一気に飲み込んだ。レイリーは続ける。
「
「?」
――レイリーさん、おれァ本当に驚いたよ!!! “イーストブルー”に……!!
ロジャー船長と同じ事を言うガキがいたんだ………!! 船長の“あの言葉”を……!!!
「まぁ、シャンクスが君に話していない事まで、私がべらべら喋るわけにはいかんのでな…。――とにかくここまでよくたどり着いた………!! “新世界”であいつはキミを待ち詫びているだろう」
「………そうか!!…そうかな!! ……おれも会いてェなァ~~~~!!!」
ルフィはシャンクスの再会を楽しみ思い、笑顔を浮かべた。
「――さて、状況も状況。船のコーティングの依頼だったな。私も今の本職を果たすとしよう……」
レイリーは立ち上がる。手当てを受けたハチが申し訳なさそうにレイリーに尋ねる。
「ニュ~~そういやコーティングって、すげェ金かかるんだけど」
「いやァいいんだ。ハチ、お前の友達から金は取らん」
「よかった…ありがとうレイリー」
「うぉー――っ!!何か知らねェがタダでいいんだと!!」
「ありがてェなそりゃ、さすが太っ腹だ」
ウソップやサンジ、ナミが笑顔で喜ぶ。ロビンが神妙な顔で立ち上がった。
「レイリーさん……質問が……!!」
「!」
「“Dの意志”って……一体何…??」
「……!!」
「空島で見た“ポーネグリフ”に古代文字を使って、ロジャーの名が刻まれていた。彼はなぜあの文字を操れたの……!?」
ロビンは真相が知りたくて焦っている様だ。声が大きくなる。
「……あなた達は900年前に始まる“空白の100年”に世界に何が起きたのかを知ってるの!?」
「…………。……ああ、知っている」
「!!?」
「我々は…歴史の全てを知った…」
「…………!!!」
ロビン心臓が高鳴るのを感じながらレイリーを見つめる。
「……――だが、お嬢さん。慌ててはいけない……。キミ達の船で…一歩ずつ進みなさい。我々もまた……“オハラ”もまた…」
「!」
「少々…急ぎすぎたのかも知れん…」
レイリーは語る。
「キミ達に今ここで…歴史の全てを私が話しても、今のキミらには…何もできやしない……!! ……ゆっくりと世界を見渡してその後、導き出す答えが我々と同じとも限らない…!!」
レイリーは静かにロビンに問う。
「――それでも聞きたいと言うならば、この世界の全てを今、話そう」
「………」
ロビンはレイリーの言葉の意味を噛み締める、そして首を横に振った。
「いいえ、やめておくわ…。旅を続ける…」
「いずれ全てが見えて来る…キミの故郷“オハラ”の事は気の毒だったな…。――だがロジャーはあの文字を解読できたわけじゃない」
「?」
「我々は海賊。天才クローバーやオハラの学者の頭脳に敵うハズがない…」
レイリーは微笑む。
「“あいつ”はな…“万物”の声を聞けた……それだけの事…」
「………」
「何だ、いいのか!?ロビン! 今何かすげェチャンスを逃したんじゃねェか!?」
ウソップが聞く。そして立ち上がり、手を挙げた。
「――あの、おっさん!! おれも1コだけ聞きてェんだけど!!……“ひとつなぎの大秘宝”、“ワンピース”ってのは本当に最後の島に……」
「ウソップ~~~~~~~~~~~っ!!!!」
「……!!」
ウソップが最後まで言うのをルフィが大きな声で阻止した。
カウンターに足をおき、ウソップに怒鳴る。
「宝がどこにあるかなんて聞きたくねェ!!! 宝があるかないかだって聞きたくねェ!! 何もわかんねェけど、みんなそうやって命懸けで海へ出てんだよっ!!!」
レイリーは目を閉じ、ルフィの言葉を聞く。
「ここでおっさんから何か教えて貰うんなら……おれは海賊やめる!!」
「「「!!?」」」
ルフィの言葉にクルー達は驚く。
「つまらねェ冒険なら、おれはしねェ!!!!」
ルフィの言葉にウソップは慌てて自分のしたことを恥じた。
「わわわ…悪かった。わかってたんだけど、口が勝手に今……滑ってよ!!! おれだって聞きたくねェよ!! そうだおれ!!“ワンピースについて知ったら死ぬ病”だったァ!! おいおっさん、何も喋べんじゃねェぞ!!」
「アハハハ……」
ウソップの弁解にシャッキーは笑う。 レイリーはルフィを見て尋ねた。
「やれるかキミに……。“グランドライン”はまだまだキミらの想像を遥かに凌ぐぞ!! 敵も強い。キミにこの強固な海を支配できるか!?」
「!」
レイリーの言葉にルフィは当然の様に笑顔で答えた。
「支配なんかしねェよ。この海で一番“自由”な奴が海賊王だ!!!」
「………。そうか……」
「やっぱり私、モンキーちゃんのファンだわ」
レイリーは静かに、少し嬉しそうに微笑んだ。シャッキーも笑顔で言った。
「なァ…ジンはどこにいるのかな…??」
心配そうにチョッパーが投げ掛けた。ブルックが煮豆を食べるのをやめ、心配そうに言った。
「……あの海賊さんが言ってた様に、ジンさんが船から降りたなんてこと」
「そんなことねェよ!! なんで降りる必要があるんだ!」
サンジがタバコを噛み締め怒鳴る。みんな神妙な顔になった。
「……あり得ないことでは…ないわ」
「「「!!?」」」
「どういう意味だ?」
ゾロが眉間にシワを寄せ、ロビンを見る。
「………」
ロビンが煮え切らない表情になる。レイリーが話を割った。
「話を割って済まないが、ジンと言うのは?」
「例の“渡り鳥”よ、レイリー」
シャッキーが言う。レイリーはヒゲを触り頷く。
「なるほど。では先程の“彼”が、噂の“渡り鳥”クロスロード・ジンか…」
「えっ、おっさん。ジンに会ったのか…!!?」
ウソップがレイリーに尋ねる。
「オークション会場に居たと思ったが……」
「「「!!?」」」
「嘘……!!?」
ナミが驚きの声をあげる。ルフィもレイリーに尋ねた。
「本当か、おっさん!?」
「確証はないが。布をかぶっていた人物と目があった時、青い瞳と眼帯が見えた」
「……ジンだ」
「じゃあ、あのトラファルガーって奴の仲間に…??」
「あいつ知ってて!!」
チョッパーが言い、ナミが疑問を抱く。サンジに至ってはあの時のローを思い出し、怒っていた。
「待て。あの海賊は“ジンがフリーなら”って言ってたじゃねェか。ってことは仲間じゃねェってことだろ?」
「じゃあ、なんであん時出てこなかったんだ? おれ達が居たんだ、ちっとおかしくねェか?」
ゾロがサンジを諌めたが、フランキーが新たに疑問を投げ掛ける。
「………」
みんな沈黙したところで、ロビンが静かに話を切り出す。
「ジンは“自分が恐い”と言っていたわ」