「迫撃砲！！　撃てェ！！！」

オークション会場前では、大佐の掛け声で一斉に迫撃砲を3人のキャプテンに撃つ。


「“ゴムゴムの”っ！！……“風船”～っ！！！」

ルフィは腹を膨らませ迫撃砲を腹で跳ね返す。


ドゴォ…ン！！


「「「どわぁ～～～っ！！！」」」

「“反発（リペル）”」

キッドが迫撃砲に手をかざしたと思えば、ドウッ！！っとまるで反発する磁石の様に勢いよく跳ね返す。


ボカァ……ン！！


「「「うわああああ」」」

「“ＲＯＯＭ（ルーム）”！！」

ローは左手を出すとその下の空気がうずを巻く。するとブゥ……ン！！とサークルが現れた。海兵一人をサークルに入れる。


「！！？何だこの円（サークル）！！」

ローが刀を抜く。すると海兵の首が飛んだ。


「！！？」

「“シャンブルズ”」

さらにローが手を動かすと海兵の首と迫撃砲の位置が入れ替わった。


「「「えェ！！？」」」


ボカァ……ン！！


「「ぐわあぁあ」」

「気をつけろ！！！　こいつらに大砲は効かねェ！！！3人共……！！！“能力者”だ！！！」

海兵が叫ぶ。一瞬で前衛がボロボロになった。


「やれやれ…思ったより数が多いな……」

ローが騒ぐ海兵の首を投げながら言う。


「お前ら変な能力持ってんな――！！」

「てめェのが一番変だろ」

ルフィが２人を見て言うと即座にキッドが否定した。


「3人共迫撃砲も効かねェなんて…」

「轟く悪名は本物の様だ……！！」

「感心している場合か！！　何とか“大将黄猿”到着まで持ち堪えろ！！」

「そんなに待ってられるかよ……」

ローは海兵の首を投げた。それを合図に戦闘が始まった。








『だいぶ、外が騒がしくなりましたね』

オークション会場内。一人になったジンはローブをかぶったまま、席に座っていた。


「よし、ロズワード一家の身柄を保護しろ！！」

『……おや』

海兵が舞台から数名出てくる。 舞台にいるシャルリア宮、中央にいるロズワード聖と順に救出した。チャルロス聖を助けようとした時、海兵がジンの存在に気付く。


「お前！！　何者だ！！？」

「海賊の仲間か！！？」

『……タイミングが悪いですね』

ジンは立ち上がる。


『すいませんが、僕のことは“忘れて”人質をお助けください』

ジンはローブを取り笑顔で言う。青い瞳と紅い瞳が海兵達を見た。





「准将殿！！　全員出て来た模様です！！！」

「逃げる気だ、ナメられるな小僧共に！！！　援軍もまた来る！！！」

「裏口より、人質3名の身柄を保護！！　もう中には“誰もいません”」

「よし。迫撃砲は能力者以外を狙え！！！」

「銃撃隊後列へ！！！」

「全兵一斉攻撃を開始する！！！　海賊共を討ち取れ～～～っ！！！」

「「「ウオオオオ～っ！！！！」」」

海兵達が大声で叫び、ルフィ達に向かってくる。


「来たな。もう向こうは作戦なんかねェ…後は、大乱闘だ………！！！――それじゃあな、麦わら…！！　お前に一目会えてよかった…」

「おー戻った」

ルフィはギア３の反動で小さくなっていた体が元の大きさに戻った。キッドが続ける。


「次は出食わした時は容赦しねェ……！！」

「……ふーんでも、“ひとつなぎの大秘宝（ワンピース）”はおれが見つけるぞ！！！」

「「！！」」

ルフィはにぃっと笑う。キッドとローはルフィの言葉に大きな反応を見せた。


「………」

ルフィに顔を向けていたキッドに海兵が襲いかかる。


「ぬ！！！」


ガキィン！！
海兵の振り下ろした斧をキラーは武器で受け止めた。そして、武器の刃を回転させ流れるように斬る。 キラーはキッドの方へ振り向いた。


「おい、キッド！！！　何をつっ立ってる！」

「なァ、キラー……！！　おれ達の通って来た航路じゃあ…“そんな事”口にすると大口開けて笑われたモンだ」

「………」

「その度におれは…笑った奴らを皆殺しにして来たがな……！！」

キラーだけでなく、ルフィとローは静かに耳を傾ける。


「――だがこの先は…それを口にする度胸のねェ奴が死ぬ海だ…！！　“新世界”で会おうぜ」

キッドはそう言うと、自分のクルーに向けて言う。


「行くぞお前らァ！！！」

「「「おう！！！」」」

キッド海賊団は脱出に向けて動き出した。





「トラファルガー・ロー。さっきはよくも同胞を！！！」

海兵がローに向けて武器を振り上げる。


「ベポ！」

「アイアイキャプテン！！」

「！！？」

ドカンっと！！海兵に蹴りを入れぶっ飛ばすベポ。その後も攻撃の手を休めない。


「アイアイアイアイ～～～！！」

「ぐわぁあ～っ」

「何だこのクマ！！！」

「アイ～～～～イ！！！……アレ！！　キャプテン戻るの！？」





「よっ！！」

「お！！　サンジ！！」

ルフィの前にいる海兵を蹴り飛ばすサンジ。


「ルフィ、あっち見ろ」

「ん？……あっ」

サンジの指さした先にはトビウオ達。脱出準備をしてくれていた。


「またアレらの世話になるのは心外だが今は事を急ぐ」

「よし！！　行こう！！」

ルフィ達はトビウオ達の下へ急ぐ。


「じいさん！！フランキー！！　先に行け！！」

「！　おう！！すまん」

「おおお。どんだけいんだよしかし」

ゾロがレイリーとフランキーの道をつくる。近くで応戦していたウソップは息を切らしていた。


「わはははは！！　血が騒ぐなァ！！」

「元気なジジイだよ！！」

レイリーが豪快に笑う。フランキーは呆れていた。


「おい！！　3人共急げ！！」

「おう！！」

ウソップに呼ばれ、ルフィ、ブルック、サンジは走る。


「“麦わらの一味”を逃がすな！！！　あいつらが主犯だ！！！………ん？」

海兵達の上には黒い雲が…。


「“サンダーボルト=”……“テンポ”！！！」

「「「ウギャアアアアアアアア！！！」」」





「あいつ！！　ロズワード聖の奴隷を！！」

「どうやって錠を外したんだ！！？」

騒ぐ海兵。ローは気にせず、奴隷に話す。


「おれと来るか？　海賊キャプテンジャンパール」

「――そう呼ばれるのは久しぶりだ。天竜人から解放されるなら喜んでお前の部下になろう！！！」

ジャンパールは近くの海兵を薙ぎ倒しながらローの申し出に応じた。


「――半分は“麦わら屋”に感謝しな……！！」