天竜人に手をかけるということ
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1番GR・ヒューマンオークション会場
ハートの海賊団はオークション会場に入り、入口に近い後ろの席を2列に別れて座る。 ベポから降りたジンはローの隣に座るように言われた。
『……トラファルガー・ロー。貴方にこのような趣味があるとは…』
「んな趣味ねェよ」
『では、なぜここに…??』
「ヒューマンショップやオークションなんざここでしか拝めない。こんなイベントはぜひ見ておくべきだろ? なぁペンギン」
「おれに意見を求めないでくれ」
ジンの左隣にいたペンギンはため息混じりに言う。
『………相変わらず大変ですね、ペンギンさん』
「お前に言われると実感してしまう」
ペンギンの言葉にジンはニコッと笑った。
そしてジンは会場を見渡す。 派手な服を来た人々。中には既に奴隷を連れた客もいる。周りを見るだけで気分も冷めてしまうのを感じた。
『………』
「なんだ、気分が悪いのかクロスロード屋」
『……いい訳ありません。わざわざ海軍の見張るここに来たくはありませんでした』
「お前は苦労性だな」
ローは鼻で笑った。ジンは後ろに気配がして振り向く。
「チャルロス兄さま、遅いアマスね……」
「グズな“人間”などに乗るからだえ。乗るなら魚人に限る。腕力が人間の10倍あるからな」
入って来たのは天竜人。ジンはさらに気分を害した。
「“天竜人”……!! “奴隷”に“ヒューマンショップ”……」
どよっと空気が動き、ジンは天竜人の奥にいる人物、団体に目を向ける。 黒いコートに逆立てた赤い髪、自信家を思わせる表情の男。その横には鉄仮面に長い金髪の男。後ろに控えている他の面々から見ても海賊だとわかる。
「欲をかいた権力者の“純心”に比べたら世の悪党の方がいくらか人道的だ。グズが世界を支配するからグズが生まれる、こんな事もわからねェか。おれ達は悪気がある分かわいいもんだな、キラー」
「違いない」
「面白ェ奴がいたら買って行こうか、ハハハ…」
『ユースタス・“キャプテン”・キッドさんと“殺戮武人”のキラーさん……キッド海賊団ですね』
「その様だな。それにしてもうるさい奴らだ」
「キッドの頭、アレを……」
「ん?」
「見た顔だな…」
「“ノースブルー”の2億の賞金首。トラファルガー・ローだ…ずいぶん悪ィ噂を聞いてる」
説明を受けるキッドがローを見ながら口角をあげる。
「行儀も悪ィな…」
ローはニヤ…っと笑いながら中指を立てる。ジンはそんなローを諌める。
『トラファルガー・ロー。わざわざことを荒立てないで下さい』
「そんなナリで言われても威嚇にならねェぞ。クロスロード屋」
デコピンされるジン。痛っと眉間にシワを寄せる。
「キャプテン!!」
「船長ひどいっすよ!!」
ベポとキャスケットが騒ぐ。ハートの海賊団は賑やかになる。
「あのガキはなんだ?」
「……さぁ。仲間でしょうか」
キッドの問いに首を傾げるクルー。キラーがふと言った。
「あいつはまさか…“渡り鳥”じゃ」
「あん? 本当かキラー!!?」
キッドはキラーの言葉でジンに目を向ける。 しかしすぐに、キッドとジンの間にサッと手が入った。
「……」
『トラファルガー・ロー……??』
ローは片手でジンをおさえ、もう片手でキッド達からジンを見えなくする。またニヤっと笑った。
「本ッ当に行儀が悪ィ……」
キッドはローを睨み付けた。
『どうしたんですか、トラファルガー・ロー?』
ローの行動の意味がわからず首を傾げるジン。
「なんもねェよ。そろそろ始まるぞ」
舞台にピエロに扮した男が出てきた。
「それではみなさん長らくお待たせ致したました!! まもなく毎月恒例1番GR、ヒューマン大オークションを開催したいと思います!! 司会はもちろんこの人!!」
舞台袖から軽快な足取りで出てくるのは変わった形の帽子に星形のサングラス、派手な衣装の男。
「歩くスーパーバザールこと~!!! Mr.~~~~~ァッ!!!ディスコ!!!」
ピエロの紹介に異様な程、沸き立つ会場。ディスコがマイクを持って叫ぶ。
「今回も良質な奴隷達を取り揃える事ができました。皆様ラッキー!! 本日は超目玉商品もございます!! お好みの奴隷をお持ち帰り頂けます事を心よりお祈りしております!!!」
『……ここは』
「?」
ジンが何かを呟いたが、ローには聞こえなかった。 ディスコの声に舞台に目を向ける。
「それでは早速オークションを始めましょう」
「エントリーNO.1!! “ウエストブルー”はトロア出身。なんと音楽家の家系で楽器は万能!! 誇り高き海賊!!……」
ディスコが“商品”を紹介し、続いて競りが始まる。
「プレートを挙げて意思表示を!! 52万ベリー出ました。ハイ、そちら55万ベリー!!」
次々と挙がるプレート。ローは片目を瞑り、会場を静かに見る。キッドは楽しむ様に口角をあげていた。
「………」
ローは会場の盛り上がりを目の端に置きながら、ジンに尋ねる。
「おい、クロスロード屋」
『なんですか、トラファルガー・ロー』
「お前、麦わら屋の船から本当に“降りた”のか?」
『………』
ジンの沈黙にローは息をつく。
「“逃げた”のか、おれ達の時と同じ様に」
ローは肘をつきながらジンを見る。ジンは顔を舞台に向けたままなのでローからは表情が見えない。
しかし雰囲気がさっきと少し違うとローは感じた。そんなジンが静かに話し出す。
『……そうですね、トラファルガー・ロー。僕は“逃げ”ました。』
「………なぜだ?」
『……皆さんの大切な未来を“僕が”奪う訳にはいかないからです』
「……?? どういうことだ?お前に“そんな力”があると言ってるのか」
周りは騒がしいが、二人の間はやけに静かだった。
『…そう思って頂いて構いません』
「どんな力な……」
『言いたくありません』
ローの言葉をジンは切った。ローはムッとする。
「クロスロード屋、そんな理由でおれの仲間にならないつもりか?」
『はい。そんな理由でも僕にとっては譲れないのです。それに、貴方達と僕とでは“目的”が違います』
「……“目的”が違う? 答えが見えないぞ。海に出る奴らなんて皆、目的が違うものじゃないのか?」
『もっと根本的な部分の話しですよ』
「………相変わらずまわりくどいな、クロスロード屋は」
『そうですか?』
ジンの口元が自然に笑う。それを見たローはいつものジンだと安心し、口角をあげる。
「まぁ、とりあえずおれの仲間に…」
『なりません』
「………チッ」
『舌打ちしてもダメですよ』
二人は会話を一区切りつけ、舞台に目を向ける。オークションは順調に進んでいる様で、ディスコが調子良く喋っていた。
「さァさァ盛り上がって参りました!!! 続いても“買いの一品”エントリーNO.15は絶世の美女奴隷! ご覧ください!!この奇跡のプロポーション20歳の“踊り子”パシアです!!」
ガチャッ
会場が盛り上がる中、後ろの入り口のドアが開く。 ジンはその音を聞いて、ふと振り向く。
『………!!? そんな』
「?」
ジンは目を見開き、呟いた。ローも目を向ける。入って来たのは、チョッパーを先頭にナミ、フランキー、サンジの4人。
紛れもなく麦わら海賊団だった。
ハートの海賊団はオークション会場に入り、入口に近い後ろの席を2列に別れて座る。 ベポから降りたジンはローの隣に座るように言われた。
『……トラファルガー・ロー。貴方にこのような趣味があるとは…』
「んな趣味ねェよ」
『では、なぜここに…??』
「ヒューマンショップやオークションなんざここでしか拝めない。こんなイベントはぜひ見ておくべきだろ? なぁペンギン」
「おれに意見を求めないでくれ」
ジンの左隣にいたペンギンはため息混じりに言う。
『………相変わらず大変ですね、ペンギンさん』
「お前に言われると実感してしまう」
ペンギンの言葉にジンはニコッと笑った。
そしてジンは会場を見渡す。 派手な服を来た人々。中には既に奴隷を連れた客もいる。周りを見るだけで気分も冷めてしまうのを感じた。
『………』
「なんだ、気分が悪いのかクロスロード屋」
『……いい訳ありません。わざわざ海軍の見張るここに来たくはありませんでした』
「お前は苦労性だな」
ローは鼻で笑った。ジンは後ろに気配がして振り向く。
「チャルロス兄さま、遅いアマスね……」
「グズな“人間”などに乗るからだえ。乗るなら魚人に限る。腕力が人間の10倍あるからな」
入って来たのは天竜人。ジンはさらに気分を害した。
「“天竜人”……!! “奴隷”に“ヒューマンショップ”……」
どよっと空気が動き、ジンは天竜人の奥にいる人物、団体に目を向ける。 黒いコートに逆立てた赤い髪、自信家を思わせる表情の男。その横には鉄仮面に長い金髪の男。後ろに控えている他の面々から見ても海賊だとわかる。
「欲をかいた権力者の“純心”に比べたら世の悪党の方がいくらか人道的だ。グズが世界を支配するからグズが生まれる、こんな事もわからねェか。おれ達は悪気がある分かわいいもんだな、キラー」
「違いない」
「面白ェ奴がいたら買って行こうか、ハハハ…」
『ユースタス・“キャプテン”・キッドさんと“殺戮武人”のキラーさん……キッド海賊団ですね』
「その様だな。それにしてもうるさい奴らだ」
「キッドの頭、アレを……」
「ん?」
「見た顔だな…」
「“ノースブルー”の2億の賞金首。トラファルガー・ローだ…ずいぶん悪ィ噂を聞いてる」
説明を受けるキッドがローを見ながら口角をあげる。
「行儀も悪ィな…」
ローはニヤ…っと笑いながら中指を立てる。ジンはそんなローを諌める。
『トラファルガー・ロー。わざわざことを荒立てないで下さい』
「そんなナリで言われても威嚇にならねェぞ。クロスロード屋」
デコピンされるジン。痛っと眉間にシワを寄せる。
「キャプテン!!」
「船長ひどいっすよ!!」
ベポとキャスケットが騒ぐ。ハートの海賊団は賑やかになる。
「あのガキはなんだ?」
「……さぁ。仲間でしょうか」
キッドの問いに首を傾げるクルー。キラーがふと言った。
「あいつはまさか…“渡り鳥”じゃ」
「あん? 本当かキラー!!?」
キッドはキラーの言葉でジンに目を向ける。 しかしすぐに、キッドとジンの間にサッと手が入った。
「……」
『トラファルガー・ロー……??』
ローは片手でジンをおさえ、もう片手でキッド達からジンを見えなくする。またニヤっと笑った。
「本ッ当に行儀が悪ィ……」
キッドはローを睨み付けた。
『どうしたんですか、トラファルガー・ロー?』
ローの行動の意味がわからず首を傾げるジン。
「なんもねェよ。そろそろ始まるぞ」
舞台にピエロに扮した男が出てきた。
「それではみなさん長らくお待たせ致したました!! まもなく毎月恒例1番GR、ヒューマン大オークションを開催したいと思います!! 司会はもちろんこの人!!」
舞台袖から軽快な足取りで出てくるのは変わった形の帽子に星形のサングラス、派手な衣装の男。
「歩くスーパーバザールこと~!!! Mr.~~~~~ァッ!!!ディスコ!!!」
ピエロの紹介に異様な程、沸き立つ会場。ディスコがマイクを持って叫ぶ。
「今回も良質な奴隷達を取り揃える事ができました。皆様ラッキー!! 本日は超目玉商品もございます!! お好みの奴隷をお持ち帰り頂けます事を心よりお祈りしております!!!」
『……ここは』
「?」
ジンが何かを呟いたが、ローには聞こえなかった。 ディスコの声に舞台に目を向ける。
「それでは早速オークションを始めましょう」
「エントリーNO.1!! “ウエストブルー”はトロア出身。なんと音楽家の家系で楽器は万能!! 誇り高き海賊!!……」
ディスコが“商品”を紹介し、続いて競りが始まる。
「プレートを挙げて意思表示を!! 52万ベリー出ました。ハイ、そちら55万ベリー!!」
次々と挙がるプレート。ローは片目を瞑り、会場を静かに見る。キッドは楽しむ様に口角をあげていた。
「………」
ローは会場の盛り上がりを目の端に置きながら、ジンに尋ねる。
「おい、クロスロード屋」
『なんですか、トラファルガー・ロー』
「お前、麦わら屋の船から本当に“降りた”のか?」
『………』
ジンの沈黙にローは息をつく。
「“逃げた”のか、おれ達の時と同じ様に」
ローは肘をつきながらジンを見る。ジンは顔を舞台に向けたままなのでローからは表情が見えない。
しかし雰囲気がさっきと少し違うとローは感じた。そんなジンが静かに話し出す。
『……そうですね、トラファルガー・ロー。僕は“逃げ”ました。』
「………なぜだ?」
『……皆さんの大切な未来を“僕が”奪う訳にはいかないからです』
「……?? どういうことだ?お前に“そんな力”があると言ってるのか」
周りは騒がしいが、二人の間はやけに静かだった。
『…そう思って頂いて構いません』
「どんな力な……」
『言いたくありません』
ローの言葉をジンは切った。ローはムッとする。
「クロスロード屋、そんな理由でおれの仲間にならないつもりか?」
『はい。そんな理由でも僕にとっては譲れないのです。それに、貴方達と僕とでは“目的”が違います』
「……“目的”が違う? 答えが見えないぞ。海に出る奴らなんて皆、目的が違うものじゃないのか?」
『もっと根本的な部分の話しですよ』
「………相変わらずまわりくどいな、クロスロード屋は」
『そうですか?』
ジンの口元が自然に笑う。それを見たローはいつものジンだと安心し、口角をあげる。
「まぁ、とりあえずおれの仲間に…」
『なりません』
「………チッ」
『舌打ちしてもダメですよ』
二人は会話を一区切りつけ、舞台に目を向ける。オークションは順調に進んでいる様で、ディスコが調子良く喋っていた。
「さァさァ盛り上がって参りました!!! 続いても“買いの一品”エントリーNO.15は絶世の美女奴隷! ご覧ください!!この奇跡のプロポーション20歳の“踊り子”パシアです!!」
ガチャッ
会場が盛り上がる中、後ろの入り口のドアが開く。 ジンはその音を聞いて、ふと振り向く。
『………!!? そんな』
「?」
ジンは目を見開き、呟いた。ローも目を向ける。入って来たのは、チョッパーを先頭にナミ、フランキー、サンジの4人。
紛れもなく麦わら海賊団だった。