ポーネグリフ
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約1年前。ロビンはB・W の仕事の傍ら、ある国に向かっていた。
「あの国の神殿の最深部に“ポーネグリフ”がある…」
ロビンは呟く。客船から見えるその島に、そして国の奥に見える神殿に目を向けた。
「おっと動くんじゃねェぞ。ネェチャン」
「………」
「いい気なもんだな。今、この船は俺達が襲ってんだぜェ」
そう、今ロビンが乗る客船は上陸を前に海賊達によって襲われていた。一般客は壁に張り付きガタガタと震える。船のいたるところで金品の強奪が行われていた。ロビンは自分にナイフをちらつかせる男に冷たい視線を送る。
「そんな物騒なものを私に向けないでもらえるかしら」
「ああん!!? いい気になるなよ。金目の物を出しやがれ!!」
「ないわ」
ロビンはきっぱりと言ってそっぽを向く。男はその態度に怒り、ナイフを振り上げた。
「痛い目見ねぇとわかんねぇ様だな!! 女!!?」
ナイフをロビンに振り下ろす。ロビンは能力を発動しようと手を交差させた。
キンッ
「!?」
「!!?」
男とロビンの目の前に杖が1本現れる。杖が男のナイフを受け止めていた。
『女性に手をあげるのは感心しませんよ、海賊の方』
声の方へ顔を向ける。そこにはいるのはシルバーピンクの髪を持つジンだ。中性的で整った顔なのに、右目を覆い隠すような眼帯は初めてジンを見る人間には異様さを感じさせる。
「なんだテメェ!!」
『この客船に乗り合わせた、ただのマジシャンですよ』
ジンはニコッと笑う。男は怪訝な顔をした。ロビンはスキをつく様に目を閉じる。
「“二輪咲き ”……“クラッチ”」
ギャアアア
男の体から突然、手が生え関節技を仕掛けた。男は悲鳴をそこそこに倒れる。ジンはその光景に目を見開いた。
『お強いんですね』
「……」
ロビンはジンの言葉を無視し、イスから立ち上がった。
「おい! 大丈夫か!!?」
男の悲鳴を聞いた海賊達が客室に入って来る。 男は倒れてるのを見て怒り出した。一番近くにいるロビンとジンに矛先が行く。
「テメェらか! 生きて帰れると思うなよ」
海賊達は手に持つ凶器をギラギラと二人に向ける。
「あなた達に構ってる暇はないわ」
『同じくです』
ロビンは手を交差し、ジンは杖を構える。
「やっちまえ!!」
海賊達は二人に襲いかかる。しかし数分も経たぬうちに海賊達はいとも簡単に地に伏した。
客船が無事、港に着く。ロビンは海軍が現れる前にと、足早に港から離れた。
そして港が見えなくなった林の道に来たとき、ふと足を止める。
「いつまでついて来る気なのかしら?」
『……やはりお気づきでしたか』
ジンは苦笑し、茂みから出てきた。
「何か用?」
『いえ、先程これを落とされたのでお渡ししようと…』
ジンは茶色い表紙の少し年季の入った手帳を差し出す。
ロビンは目を見開いた。それはロビンがポーネグリフについて書いた手記だったからだ。
「返して!!」
奪う様に手帳を取り、ジンを睨む。
「…中を見たの?」
『“開けては”いません。ただ…内容は知っています』
「!!? 見たのね…なら生かしてはおけない。死になさい」
ロビンは手を交差する。
「“六輪咲き ”…!!」
『!!?』
ジンの体に6本の手が咲く。手はジンの体を抑えつけ、首を持ち、曲がらない方向へ無理矢理曲げる。
「邪魔はさせない………“クラッチ”!!」
バキッと鈍い音がし、ジンは倒れた……かに見えた。
「!!?」
ロビンは目を見張る。ロビンの目の前にはジンの姿はなく。人間の形をした紙の塊があるだけ。
「紙……!!?」
『それは“文字化け ”……と言います』
後ろから声が聞こえロビンは振り返った。
「能力者…?」
『はい。貴女もですよね?』
ジンは笑う。 ロビンは深呼吸をし、少し冷静になった。
「ええ。そうよ」
ジンはシルクハットを取り、頭を下げる。
『手帳のことは本当に申し訳ありませんでした。僕は、紙に触ると自動で“転写 ”してしまう癖があるのです』
ジンの真摯な態度にロビンは素直に好感を持った。
「…私もごめんなさい。ついカッとなって」
ロビンの言葉にジンは笑顔になる。
『いえ、お気になさらずに。あの、もしよろしければ…貴女の探し物に同行させて頂けませんか?』
「……なぜ?」
『興味があります……と言うだけではいけませんか?』
「ダメよ。そんな簡単なものではないわ」
ロビンは強く否定する。ジンは目を伏せる。
『…どうしても知りたいことがあるのです』
「…?」
『“ポーネグリフ”は歴史を知ることが可能なのですね。僕も“ある民族の歴史”を知るためにここに来ました。ぜひ、ご同行させて頂きたいのです』
「……」
『お邪魔はしません』
ジンは真剣にロビンを見る。 ロビンは少し思案した後、頷いた。
「……わかったわ。でも、あなたがほしい情報が得れるかわからないわよ」
『構いません。解らなければまた探します』
「そう。なら行きましょう。時間はあまりかけられないわ」
『はい!』
二人は連れだって神殿がある山の上につく。
「すごい…この神殿も長い歴史を持っている」
『見ただけでわかるものですか?』
「ええ。柱の形とかで建った年代くらいは…。それにしても人影がないわね」
辺りを見渡すロビン。ジンは金時計を見て、ロビンに話す。
『今日はこの国挙げての神様の祭だそうですよ。今はちょうど式典の時間なので、誰もいないのでしょう』
「…よく知ってるわね」
『先程乗っていたあの客船は僕ら以外は皆巡礼者だった様です』
「!? そう、だから…」
『ええ。海賊がわざわざあの客船を襲ったのは巡礼者が御布施として持ってきた金品を狙ったためでしょう』
「…なるほど。じゃあ調べるなら今ということね」
『その様です』
二人は別れて下に行くための手がかりを探す。
「あったわ」
ロビンが見つけたのは祭壇のスミに書かれた小さな文字だった。
『……読めますか?』
「ええ。…………“羽根のある者の左翼に触れる”と書いてあるわ」
『……?』
ジンは辺りを見渡す。
『ありましたよ。“羽根のある者”。たぶんあれでしょう』
ジンは指差す先は人の手には届かない上の方にある壁画。そこには天から舞い降りる天使が描かれている。
「確かにあれのようね。左翼に触れば扉が開くはず…」
ロビンは手を交差し、壁画の天使の近くに手を生やす。そして左翼に触った。
ゴゴゴゴ……
「『!!?』」
祭壇が動き出す。 ロビンとジンは祭壇から離れた。
祭壇は音をたてて動く。そしてその下には階段が現れた。
「あの国の神殿の最深部に“ポーネグリフ”がある…」
ロビンは呟く。客船から見えるその島に、そして国の奥に見える神殿に目を向けた。
「おっと動くんじゃねェぞ。ネェチャン」
「………」
「いい気なもんだな。今、この船は俺達が襲ってんだぜェ」
そう、今ロビンが乗る客船は上陸を前に海賊達によって襲われていた。一般客は壁に張り付きガタガタと震える。船のいたるところで金品の強奪が行われていた。ロビンは自分にナイフをちらつかせる男に冷たい視線を送る。
「そんな物騒なものを私に向けないでもらえるかしら」
「ああん!!? いい気になるなよ。金目の物を出しやがれ!!」
「ないわ」
ロビンはきっぱりと言ってそっぽを向く。男はその態度に怒り、ナイフを振り上げた。
「痛い目見ねぇとわかんねぇ様だな!! 女!!?」
ナイフをロビンに振り下ろす。ロビンは能力を発動しようと手を交差させた。
キンッ
「!?」
「!!?」
男とロビンの目の前に杖が1本現れる。杖が男のナイフを受け止めていた。
『女性に手をあげるのは感心しませんよ、海賊の方』
声の方へ顔を向ける。そこにはいるのはシルバーピンクの髪を持つジンだ。中性的で整った顔なのに、右目を覆い隠すような眼帯は初めてジンを見る人間には異様さを感じさせる。
「なんだテメェ!!」
『この客船に乗り合わせた、ただのマジシャンですよ』
ジンはニコッと笑う。男は怪訝な顔をした。ロビンはスキをつく様に目を閉じる。
「“
ギャアアア
男の体から突然、手が生え関節技を仕掛けた。男は悲鳴をそこそこに倒れる。ジンはその光景に目を見開いた。
『お強いんですね』
「……」
ロビンはジンの言葉を無視し、イスから立ち上がった。
「おい! 大丈夫か!!?」
男の悲鳴を聞いた海賊達が客室に入って来る。 男は倒れてるのを見て怒り出した。一番近くにいるロビンとジンに矛先が行く。
「テメェらか! 生きて帰れると思うなよ」
海賊達は手に持つ凶器をギラギラと二人に向ける。
「あなた達に構ってる暇はないわ」
『同じくです』
ロビンは手を交差し、ジンは杖を構える。
「やっちまえ!!」
海賊達は二人に襲いかかる。しかし数分も経たぬうちに海賊達はいとも簡単に地に伏した。
客船が無事、港に着く。ロビンは海軍が現れる前にと、足早に港から離れた。
そして港が見えなくなった林の道に来たとき、ふと足を止める。
「いつまでついて来る気なのかしら?」
『……やはりお気づきでしたか』
ジンは苦笑し、茂みから出てきた。
「何か用?」
『いえ、先程これを落とされたのでお渡ししようと…』
ジンは茶色い表紙の少し年季の入った手帳を差し出す。
ロビンは目を見開いた。それはロビンがポーネグリフについて書いた手記だったからだ。
「返して!!」
奪う様に手帳を取り、ジンを睨む。
「…中を見たの?」
『“開けては”いません。ただ…内容は知っています』
「!!? 見たのね…なら生かしてはおけない。死になさい」
ロビンは手を交差する。
「“
『!!?』
ジンの体に6本の手が咲く。手はジンの体を抑えつけ、首を持ち、曲がらない方向へ無理矢理曲げる。
「邪魔はさせない………“クラッチ”!!」
バキッと鈍い音がし、ジンは倒れた……かに見えた。
「!!?」
ロビンは目を見張る。ロビンの目の前にはジンの姿はなく。人間の形をした紙の塊があるだけ。
「紙……!!?」
『それは“
後ろから声が聞こえロビンは振り返った。
「能力者…?」
『はい。貴女もですよね?』
ジンは笑う。 ロビンは深呼吸をし、少し冷静になった。
「ええ。そうよ」
ジンはシルクハットを取り、頭を下げる。
『手帳のことは本当に申し訳ありませんでした。僕は、紙に触ると自動で“
ジンの真摯な態度にロビンは素直に好感を持った。
「…私もごめんなさい。ついカッとなって」
ロビンの言葉にジンは笑顔になる。
『いえ、お気になさらずに。あの、もしよろしければ…貴女の探し物に同行させて頂けませんか?』
「……なぜ?」
『興味があります……と言うだけではいけませんか?』
「ダメよ。そんな簡単なものではないわ」
ロビンは強く否定する。ジンは目を伏せる。
『…どうしても知りたいことがあるのです』
「…?」
『“ポーネグリフ”は歴史を知ることが可能なのですね。僕も“ある民族の歴史”を知るためにここに来ました。ぜひ、ご同行させて頂きたいのです』
「……」
『お邪魔はしません』
ジンは真剣にロビンを見る。 ロビンは少し思案した後、頷いた。
「……わかったわ。でも、あなたがほしい情報が得れるかわからないわよ」
『構いません。解らなければまた探します』
「そう。なら行きましょう。時間はあまりかけられないわ」
『はい!』
二人は連れだって神殿がある山の上につく。
「すごい…この神殿も長い歴史を持っている」
『見ただけでわかるものですか?』
「ええ。柱の形とかで建った年代くらいは…。それにしても人影がないわね」
辺りを見渡すロビン。ジンは金時計を見て、ロビンに話す。
『今日はこの国挙げての神様の祭だそうですよ。今はちょうど式典の時間なので、誰もいないのでしょう』
「…よく知ってるわね」
『先程乗っていたあの客船は僕ら以外は皆巡礼者だった様です』
「!? そう、だから…」
『ええ。海賊がわざわざあの客船を襲ったのは巡礼者が御布施として持ってきた金品を狙ったためでしょう』
「…なるほど。じゃあ調べるなら今ということね」
『その様です』
二人は別れて下に行くための手がかりを探す。
「あったわ」
ロビンが見つけたのは祭壇のスミに書かれた小さな文字だった。
『……読めますか?』
「ええ。…………“羽根のある者の左翼に触れる”と書いてあるわ」
『……?』
ジンは辺りを見渡す。
『ありましたよ。“羽根のある者”。たぶんあれでしょう』
ジンは指差す先は人の手には届かない上の方にある壁画。そこには天から舞い降りる天使が描かれている。
「確かにあれのようね。左翼に触れば扉が開くはず…」
ロビンは手を交差し、壁画の天使の近くに手を生やす。そして左翼に触った。
ゴゴゴゴ……
「『!!?』」
祭壇が動き出す。 ロビンとジンは祭壇から離れた。
祭壇は音をたてて動く。そしてその下には階段が現れた。