高校生
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「げーなに名前ちゃんどうしたの!びしょびしょ!」
「…ケッ」
「いやなにケッってなに俺なんかした!?」
「にわか雨降られた」
「げ!名前ちゃんそれあかんやつや!下着すけてる!」
「大声で言うなクソバカ及川!みんな興奮して練習どころじゃなくなっちゃうだろ!」
「おおおおおおいいい!!!俺たちの名誉のためにそれは全力で否定するぞ!」
「なにマッキーそんなに図星で悔しい?急にテンションあげて来ないでよ」
「げーなに名前さんピンクのお花じゃないっすか」
「文句あるか矢巾てめえ顔貸せや」
「名前、これ」
「なにいわいずみ」
「予備だから着ていいから。透けてるのはともかく風邪ひくだろ、着替えろ」
「…ウイッス」
キャーいわちゃんおとこまえー
*****
「うわあ名前ちゃん寝てるかわいい」
「あ?授業中だって毎日寝てんだろ」
「なに言ってるの岩ちゃんこの小っちゃく丸まってる感じがいいんだよ」
「お前は名前のなんなんだ」
「いやでも小さいよこれは、スポーツバッグに収まりそう」
「え…つめてみる…」
「なあに国見ちゃん死んだ魚みたいな目して」
「いや、センパイたちほんと名前さんのこと大好きだなあと思って」
「…俺今褒められてるのかバカにされてるのかわかんないや」
***
俺が昔からのくせでつい及川の世話を焼くから
保護者扱いされているけれど
及川が俺に依存しているように見えて
実は俺もかなり及川に依存している、くやしいけど。
それを見抜いたのは名前だった。
試合後のロッカールーム
頭からタオルをかぶった及川に
ずけずけと近付いていくと
名前はしょぼくれた頭を
勢い良く抱きしめた。
タオルがふわっと床に落ちて
クズ野郎のハトマメ顔が露わになる。
「勝ったんだから、もうちょっと嬉しそうにしなさい」
「名前、ちゃん、」
「うちの選手はみんなよく力が出てたよ。それってあんたの力だし、トビオちゃんがどうだか知らないけど、私にとって最高のセッターはあんただからね」
「…なんか名前ちゃんが優しいと落ち込むなア」
「ほう、死にたいか」
「ぎゃあやめて及川さん死んじゃう死んじゃう」
時々忘れてしまうけど
名前は本当にもったいぶらず俺たちを褒める。
それは俺たちにとって
特効薬のようで酸素のようで。
及川に影山影山って言うなと言いながら
俺はウシワカをずっと意識している。
誰より優秀なセッターであるはずの及川が上げるトス
ウシワカなら打ち抜けるだろうと
奴の顔がよぎったことも何度もあった。
「わりーな」
「いーえ、あんたの方もしっかりしてよね、目の前の試合一個一個やってくしかないのよ」
「おう」
小さな拳が胸を叩く
俺達は負けない。
***
「名前~」
「マッキー、どしたん?」
「いや見えたから。送ってく」
「あいつら大丈夫かね」
「…マッキーこそ大丈夫?」
「俺はお前が心配だけどね」
「あれ、なに私いま気ぃ遣われてる?」
「まーね、及川と岩泉はさ、死ぬほど意地張って頑張ってるじゃん」
「そうそう、だからちょっと力抜いてやりたいんだけどねえ」
「名前はどう思う?影山クンのこと」
「さあ、クズの言う通りなんじゃない?あのさあ、彼の才能とか成長の可能性は底知れないけど、それをあいつの努力が、今回は上回ってるんだからもっと自信持てばって思うんだよね。それをあいつができなくって、焦ってんのは目に見えてるから毎日だってしつこく相手するけどね」
「あーあー、ほんとよくできたマネージャーですこと~」
「そんなマネージャーにアイスをおごってあげる気はないかい」
「ねえよ」
「即答かい」
「…まあ今日くらいいっか」
「やったあさっすがマッキー」
***
「岩泉さん」
「あ?」
「クラスのやつが名前さんのこと可愛いって」
「なんでそれを俺に報告するんだ」
「そういうことを言われた時にどう返すのが正しいのかなって」
「別に正しいもなんもねえだろ」
「いや俺言葉が出なくなっちゃって。肯定も否定もできなかったんで」
「…なんつーか…言われてみるとそうだな…」
「かわいいってなんなんですか?褒めてるんですか?」
「わからん…見た目のことか?あいつ口開いたらどうしようもねえからな」
「そう考えると女子ってよくカワイイカワイイって言いますよね」
「そうだな…あれって一体どんな意味なんだろうな…」
ゲシュタルト崩壊
***
「ボランチがもっとがんがんパス回していかないと」
「いや前線の運動量だろ」
「守備が不安定だな」
「あんたたち見事自分のポジション当てはめてみてるよね」
4年に1度のワールドカップの日本戦が
休日にあたったので3年で集まって観戦しているが
(サッカー見てるのにバレーバカとは重症だな)
え、私?選手のコンディションに注目してるあたりみんなのこと言えないよね
****
「名前ちゃんの太腿柔らかい!」
「突然変態発言すんな」
「及川さんは膝枕を所望します」
「勝手にすればいいけど私に彼氏ができないのって絶対お前のせいだと思う」
「えー名前ちゃん彼氏とかほしいの?」
「いや別に」
「ねえすっごい触り心地いい!」
「いわいずみ~コイツどうしようか~」
「後頭部か絞殺だな」
「エッなにそれ俺ちゃんと許可とったもん」
「勘違いすんなよ私じゃなかったら通報されるからな」
「名前ちゃんこそなんなの及川さんに密着されてドキドキしたりくすぐったかったりしないの!」
「するかよボケ」
「…名前ちゃん岩ちゃんに似てきた…」