松川くんの片思い
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
結局仲のいい友達として
高校生活を全うした俺は
東京にやってきた。
バレー部の連中と時々集まって酒を飲んで
タバコも覚えて
マネージャーだった名前と
国見が付き合い始めたのには
それはそれは驚いた。
やるよね、あいつ。
俺は高校の頃からかわいいと思ってました、なんて
さらっと言ってのけて
俺は一体、名前のこと
めちゃめちゃ可愛いと思いながら
顔にも出さずゴリラみたいな扱いしてきたので
状況は悪くなっているとしか考えられない
長期休みや連休なんかに
鈍行列車で上京してくる名前は
俺の部屋をいつでも泊まれるホテル扱いしている
最初こそ東京駅まで迎えに行ったが
今では自力で俺の部屋までやってきて
「今回もおせわになりまーす」と
嬉しそうに上がってくる
ちょっと意識させようと思って
「しょっちゅう来るんだし歯ブラシくらい置いてていいよ」と言ってみたところ
「まっつんが女の子連れこめないじゃーん」と笑い飛ばされて撃沈
高校の時と同じ原理で連れ込む女の子なんかいないのが現実だ。
ほんとうに好きな子は自分からやってくるのに
やっぱり指一本触れられないまま
「松川、携帯鳴ってたぞ」
「え?」
よく行く上野の居酒屋で、
トイレから戻ってくると。
「名前だ」
「げ、お前まだ拗らせてんの?」
「もしかして付き合ってる?」
「…付き合ってないけど、明日来るって」
「来る?こっちに?」
「宿として活用されてんの、うち」
「げ、いつの間に進展してたの」
「進展?全然してないけど?」
「うっそ、据え膳じゃん!完全に据え膳じゃん!!」
「……あいつまじでばかなんだよ…俺には裏切れない…」
「…まじで言ってる?」
「じゃあお前もしかして童貞なん」
「…喧嘩売ってる?」
****
珍しい。
大体こっちに来るときは
一か月前くらいには連絡あるのに。
いつもより小さい荷物で
スーパーの袋を提げた名前は
お酒飲もう、と玄関で笑った
「何、飲みたいの?外行こうか?」
「いい、家で」
「そう?冷えるし入りな」
名前はすごくよく飲むけれど
名前とは違って酔いつぶれたり絡み酒みたいなことはない
二人で飲んだことは何度かあるけど
俺も割と強いもんで
飲んでるのかどうか不思議な気持ちになったりもする
「鬼殺しって…お前どうしたの」
「んー、ちょっと酔っぱらおうかなと思って」
「それ、至難の業なんじゃない?」
わざとらしい笑顔に
一体何を隠しているのか
もうちょっと酒を飲んでから
聞いてみようと。
高校生活を全うした俺は
東京にやってきた。
バレー部の連中と時々集まって酒を飲んで
タバコも覚えて
マネージャーだった名前と
国見が付き合い始めたのには
それはそれは驚いた。
やるよね、あいつ。
俺は高校の頃からかわいいと思ってました、なんて
さらっと言ってのけて
俺は一体、名前のこと
めちゃめちゃ可愛いと思いながら
顔にも出さずゴリラみたいな扱いしてきたので
状況は悪くなっているとしか考えられない
長期休みや連休なんかに
鈍行列車で上京してくる名前は
俺の部屋をいつでも泊まれるホテル扱いしている
最初こそ東京駅まで迎えに行ったが
今では自力で俺の部屋までやってきて
「今回もおせわになりまーす」と
嬉しそうに上がってくる
ちょっと意識させようと思って
「しょっちゅう来るんだし歯ブラシくらい置いてていいよ」と言ってみたところ
「まっつんが女の子連れこめないじゃーん」と笑い飛ばされて撃沈
高校の時と同じ原理で連れ込む女の子なんかいないのが現実だ。
ほんとうに好きな子は自分からやってくるのに
やっぱり指一本触れられないまま
「松川、携帯鳴ってたぞ」
「え?」
よく行く上野の居酒屋で、
トイレから戻ってくると。
「名前だ」
「げ、お前まだ拗らせてんの?」
「もしかして付き合ってる?」
「…付き合ってないけど、明日来るって」
「来る?こっちに?」
「宿として活用されてんの、うち」
「げ、いつの間に進展してたの」
「進展?全然してないけど?」
「うっそ、据え膳じゃん!完全に据え膳じゃん!!」
「……あいつまじでばかなんだよ…俺には裏切れない…」
「…まじで言ってる?」
「じゃあお前もしかして童貞なん」
「…喧嘩売ってる?」
****
珍しい。
大体こっちに来るときは
一か月前くらいには連絡あるのに。
いつもより小さい荷物で
スーパーの袋を提げた名前は
お酒飲もう、と玄関で笑った
「何、飲みたいの?外行こうか?」
「いい、家で」
「そう?冷えるし入りな」
名前はすごくよく飲むけれど
名前とは違って酔いつぶれたり絡み酒みたいなことはない
二人で飲んだことは何度かあるけど
俺も割と強いもんで
飲んでるのかどうか不思議な気持ちになったりもする
「鬼殺しって…お前どうしたの」
「んー、ちょっと酔っぱらおうかなと思って」
「それ、至難の業なんじゃない?」
わざとらしい笑顔に
一体何を隠しているのか
もうちょっと酒を飲んでから
聞いてみようと。