松川くんの片思い
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2年1月
「ふられた」
「…はやくね?」
「ラインで。受験に集中するからごめんって。なんで付き合おうっていったんだろうあの人」
「ほんとね。お前さんがこんなにしょげてんの、先輩はしってんの?」
「知るわけないじゃん、会ってないもん」
「会わなくていいの」
「最後、顔見たいって言ったけど、断られた。東京の大学、受験するか迷ってたんだって。ごめんって言われた。なんも言えないよね。私がばかだったのかな~、あ~あ~」
「ま、俺としてはお前に、男と付き合うって概念があったのがびっくりだけどね」
「まっつん、喧嘩うってる?」
あーあー、何言ってるんだ俺は
つけこめる、と
及川の声が頭に響く
つけこむ?どうすればいい?
俺たちはずっと気の合う友達だったから
これ以上どうやって近づけばいいのか全然わからない
いちばん近くて一番遠い
「まー、テスト週間はいったら、なんかお前の好きなもん食いに行こ」
「…チャーシュー麺」
「…お前のそういうとこすきよ」
***
学校の近くは青城生であふれてる
特にテスト期間で部活がなく
ほとんどの生徒が一斉に下校するから
約束を楽しみにしてくれていたらしい名前は
バレー部御用達のラーメン屋で
チャーシュー麺に煮卵をトッピングする
その勢いのいい食いっぷり
お前ほんとに傷心なのかよ
二人分の勘定を済ませると
ごちになりまーすと
久しぶりのいい笑顔
ここまではけっこういい感じだったが
俺としたことが、結構道にカップルが多い
鈍感でいてくれ、と
すがるような思いで振り向くと
驚くほどくっしゃくしゃの顔で泣いているので
慌てて人の少ない横道に引っ張り込む
しゃがみこんでしくしく泣く名前に
何も言えない
指一本触れられない
同じように横に座り込んで
咳込んだ背中を強くさすった
「まだ好きなんだ」
「うん」
「なんで泣いてるの?」
「わたしがみんなみたいに、うまくできなかったから」
「お前のせいじゃないよ」
お前がどんなでも
俺は好きなのに
「はーあ、私まっつんのこと好きになればよかった。まーでも私たちそんなかんじじゃないもんね。」
いや俺はおもい切りそんな感じですけど
結局先輩はとは会えなかったらしい
卒業式を入試で欠席していたのは
衝撃的な展開だったけど
春休みを終えると男テニのやつから
ユウキさんはどうやら東京の私大に行ったと聞いた
俺たちは高校生活最後の一年を迎える
女テニは団体でインターハイを狙えるレベルらしい
俺たちはお互い部活で一生懸命だ
教室で顔を合わせて
部活のことや昨日のテレビのことを話して
「で、まっつんは名前ちゃんの弱みにつけ込みそびれたんだ」
「俺はお前とはちがうのよ」
「俺が協力しようか?」
「それ、いいことになる気がしないから、遠慮します」
「なんだよ失礼だな」
「ふられた」
「…はやくね?」
「ラインで。受験に集中するからごめんって。なんで付き合おうっていったんだろうあの人」
「ほんとね。お前さんがこんなにしょげてんの、先輩はしってんの?」
「知るわけないじゃん、会ってないもん」
「会わなくていいの」
「最後、顔見たいって言ったけど、断られた。東京の大学、受験するか迷ってたんだって。ごめんって言われた。なんも言えないよね。私がばかだったのかな~、あ~あ~」
「ま、俺としてはお前に、男と付き合うって概念があったのがびっくりだけどね」
「まっつん、喧嘩うってる?」
あーあー、何言ってるんだ俺は
つけこめる、と
及川の声が頭に響く
つけこむ?どうすればいい?
俺たちはずっと気の合う友達だったから
これ以上どうやって近づけばいいのか全然わからない
いちばん近くて一番遠い
「まー、テスト週間はいったら、なんかお前の好きなもん食いに行こ」
「…チャーシュー麺」
「…お前のそういうとこすきよ」
***
学校の近くは青城生であふれてる
特にテスト期間で部活がなく
ほとんどの生徒が一斉に下校するから
約束を楽しみにしてくれていたらしい名前は
バレー部御用達のラーメン屋で
チャーシュー麺に煮卵をトッピングする
その勢いのいい食いっぷり
お前ほんとに傷心なのかよ
二人分の勘定を済ませると
ごちになりまーすと
久しぶりのいい笑顔
ここまではけっこういい感じだったが
俺としたことが、結構道にカップルが多い
鈍感でいてくれ、と
すがるような思いで振り向くと
驚くほどくっしゃくしゃの顔で泣いているので
慌てて人の少ない横道に引っ張り込む
しゃがみこんでしくしく泣く名前に
何も言えない
指一本触れられない
同じように横に座り込んで
咳込んだ背中を強くさすった
「まだ好きなんだ」
「うん」
「なんで泣いてるの?」
「わたしがみんなみたいに、うまくできなかったから」
「お前のせいじゃないよ」
お前がどんなでも
俺は好きなのに
「はーあ、私まっつんのこと好きになればよかった。まーでも私たちそんなかんじじゃないもんね。」
いや俺はおもい切りそんな感じですけど
結局先輩はとは会えなかったらしい
卒業式を入試で欠席していたのは
衝撃的な展開だったけど
春休みを終えると男テニのやつから
ユウキさんはどうやら東京の私大に行ったと聞いた
俺たちは高校生活最後の一年を迎える
女テニは団体でインターハイを狙えるレベルらしい
俺たちはお互い部活で一生懸命だ
教室で顔を合わせて
部活のことや昨日のテレビのことを話して
「で、まっつんは名前ちゃんの弱みにつけ込みそびれたんだ」
「俺はお前とはちがうのよ」
「俺が協力しようか?」
「それ、いいことになる気がしないから、遠慮します」
「なんだよ失礼だな」