大学生
仙台に出てきた道宮と待ち合わせた新幹線口
ぱっとみて見当たらないと思いきや
高校の時より少し長い髪を
控えめに茶色くした道宮を見つけた。
ひざ下まで伸びた花柄のワンピースが
なんだか大人っぽくてまぶしい。
スガも一緒にどうだと誘ったけど
やだね、とあっさり断られた。
あれ?俺道宮とどうやって話してたっけ?
困り果てて
ぽんと肩を叩いた
「さ、さわむらだ」
「おう、久しぶり」
「わ~!うれしい!会いたかった!」
「うん、俺も」
東京には驚くほどのイケメンや
見とれるほどの美人がたくさんいる
もちろん同じように地方から出てきて
右往左往しているやつもたくさんいる
地元にはない華やかな街並み
慣れない服屋や飯屋
バイトして飲み会して
徐々に自分も慣れていくのがわかる
そして、久しぶりの地元。
牛タンの店なんて初めて入った、かも。
近況報告とか
成人式のこととか
他愛無いことを話しながら
時間が過ぎる
短いようで
何を話したらいいかわからないようで
あっという間に最寄りの3駅前
「同窓会、駅前の大きい居酒屋だよな」
「そうそう、行ったことないんだよね」
「なんかでかい座敷があるらしいな」
「へー」
「久しぶりだからな、みんなどんなになってっかな」
「そんな変わんないでしょ、まだ5年くらいしかたってないし」
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