高校生
「ねえねえ、こないだ一年生でちょっとかっこいい子見つけちゃった」
「まじ?どんな人?」
「えーっと、背が高くてね、目つき悪い感じで」
「え!?こわいじゃん!」
「ちがうの、なんかこうクールな感じというか、つんとした感じというか」
「私知ってる!ツキシマくんでしょ?眼鏡似合っていいなって思ってた」
「え?、メガネはしてないよ?」
「え?誰だ?おーい、唯!」
「聞こえてたよ!一年生で眼鏡じゃなくて目つき悪いのはたぶんカゲヤマくんだよ。中学の頃から有名だったんだって」
「え?そーなの?男バレの一年生気になるね!放課後こっそり見に行ってみる?」
「てゆーか男バレ正直いいよね…なんというか…」
「東峰くんもぱっと見怖いけどめっちゃいい人らしいよ!背も高くてかっこいいよね~」
(いや~東峰はひげちょこですよ~)
「いやいや菅原だべ!普通に美男子だし目の保養になる」
(おい菅原こんなこと言われてるぞ)
「あ、澤村は?」
(ほら来た、澤村は無いってやつでしょ中学の頃だって…)
「澤村くん頼りになるし正直かっこいいと思う」
「え!?」
「どうした唯」
「いやややや?なんでも???」
澤村はちょっと地味とか
え?澤村ってそういう感じしないとか
そういうリアクションじゃないの!?
いや澤村は頼りになるよ?
澤村はかっこいいよ?
みんなそれに気づいてしまったの!?
はっはっは遅かったな!じゃなくて!!
…とられる?いや私の物じゃないし
いやいや澤村はバレー一筋だから!
しかも成績だっていいんだよ!
そんなそんなあれもこれも手が回るか?回るか
「唯?顔やばいよ?」
「え?顔?もとからだよ?」
「いやいやいや。女バレと男バレはだれか付き合ったりしてないの?」
「私は知らないけどな。別の体育館だし。清水さんもそういう感じじゃないしね」
「あー、清水さんキレイだよねー!」
…うまくごまかせたかよ!!
***
「…ということがあってね!」
「そっか~…まあでも澤村がざっくりアリかナシかだとアリだよね~」
「え!?あんたまで!?」
「落ち着け唯、真緒のタイプは細身の塩顔だから。アリかナシかの話だから」
「お、おう」
「その二択で、中学生の頃はナシ寄りだったわけね、周りは」
「そうなの~~安心してたの~~澤村のいいところを知ってるのは私だけだと思ってたのに~~」
「だからさ、告白すればいいじゃん」
「なんでそうなるの!?」
「あんたこそなんでそうなるのよ」
「あーあ、澤村もたいがい鈍いからな~、菅原がなんとかしてくれないかな~」
「いやあいくらあいつでもそりゃ無理でしょ」