高校生
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スガくんの方に下心がないとは限らないでしょ。
嫌いだ、及川嫌いだ。
あいつまじ腹立つ。
私に精神的ダメージを与えたって
一体誰も、たぶん及川すら得しないのに。
(らしく、ないっちゃないな)
早くスガに会いたい。
でもスガに会いたくない。
及川の指先や掌の感触が
消えなくて気持ち悪い。
スガは、そうだ
ほっぺたをつつくもつねるも、
背中を叩くも抱きしめるも
いつも力いっぱい。
「はよー」
「ウッス」
「えー名前さんなんでそんな嫌な顔。ライブ行くって言ってたじゃん」
「ライブはよかった…あのクズ野郎さえいなければ…」
「…もしかしなくてもそれって及川のこと?」
「スガー!会いたかったよ私のマイナスイオン!」
「はいはい、よしよーし」
「もっとー!」
「うりうり、って名前泣いてる!?なに痛かった!?どした!」
「スガぎゅーしてー」
「はいはい、いつもよく頑張ってるからね、よしよし」
「ねえお前らなにしてんの」
***
教室入るなり
いつもの二人が抱き合ってるのは
いったいなんなの。
よく見たら名前はガチ泣きだし
スガはけっこう困った顔。
珍しい、というかこんなこと。
名前は西谷のような
大体の問題は
心の強さで跳ね除けたり
気にしないことで強く生きている。
たまっていた何かが一気にあふれ出したとか
そういう訳でもなさそうだけど
俺だってちょっとくらいは
名前のこと心配だ。
「さわむら~…って名前!?ちょっと何やってんのよ菅原!」
「道宮おはよー、オレが聞きたいべ、名前さん突然これなん」
「名前どしたのー!菅原に泣かされたのー!だいすきだよー!」
「ゆいー!!」
「あ、はがれた」
「あーあ道宮、そいつなかなかはがれないよ」
「名前テスト休み入ったらケーキでも食べにいこーねー」
「んー」
(あ、そこは返事するんだ)
**
スガはぎゅうってしてくれた
息が苦しくなるくらい
強い力で、ためらいもせず。
おでこに擦り付けた
柔らかいシャツ
ふんわり香る洗剤とデオドラント
「名前今日早弁しないんだ」
「あーわすれてたー」
「そんなら昼、食堂いくべ、マーボーおごったるよ」
「スガーすきー」
「おれもー」
こんなにも居心地が良くていいものか。
近くで息をする。
そんなら、4限寝んなよと
こっちに背中を向けたスガの
シャツをぎゅううと掴む。
下心なんかどうでもいいや
スガがいればどうだっていいや
◎こころをおちつけ、