高校生
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「おばちゃーん!たーだいまー!」
「おかえり名前ちゃーん!ハジメね、ちょっとお遣い頼んだから留守にしてんのよ」
「そーなん?名前てつだうよ、ごはんなーに?」
「名前ちゃんゆっくりしとき、とおるちゃん来てるし」
「…は?」
「名前ちゃんっ!おかえり待ってたよ」
「…なんでいんの、ここはじめちゃんちなんだけど」
「え?岩ちゃんと俺の仲だし?」
「わ、しね!おばちゃん!名前おばちゃんのお手伝いがいい!」
「あはは、アンタたち相変わらずだねえ」
あとは煮るだけだから、と
台所から追いやられ
しかたなくはじめちゃんの部屋にいる
及川の隣に着地。
この野郎色白で腹立たしい。
「名前ちゃんさー」
「あ?」
「あの爽やかくんデショ、見に来てたの」
「誰、爽やかくんって」
「烏野のセッターくんのこと。飛雄に注目してたけど、あんないいセッターいるなんて」
「それはさ、スガのこと?」
「あーたしか、そんな名前だったっけ。名前ちゃんあのあと爽やかくんといちゃついてたでしょ、俺見たもん」
「いちゃ…?ああもしかして自販機に行ってるとき?勘違いしないでよ、スガとか1年からクラスが一緒で長いこと友達やってんの」
「…そーやって名前ちゃんが思ってても、スガくんの方に下心がないとは限らないでしょ」
口にはしないけど
及川のことが嫌いなわけではない。
でもへらへらした口ぶりで
私の何かをえぐりだそうとしている
こんなとこは、苦手だ、ヤダ。
及川の掌がぬっとのびてくる。
指が長い
イメージに反しごつごつしている
私の頬を、瞼を、唇を、
なぞるように触ってくる
寒気がする
「やめてよ」
「男なんてそんなもんだよ?ねえ名前ちゃん」
「やだ、こっちくんな、」
「あいつ結構したたかだと思うけどな。スガくんにこうされたらさ、名前ちゃんどーすんの?」
「スガは!」
「お前はスガの、なにを知ってんの?」
「おーい名前…っ及川!?おまえら!」
「あ、岩ちゃんおかえり~」
「はじめちゃんんん!おいかわがまじでくずだこいつ!」
「落ち着け名前、それ元からだぞ!」
「ねえはじめちゃんこいつほんとにモテてんの!?ねえわたしゴリラ系なのに今なんかすごいえっちな触られ方したんだけど!ぜったい飢えてるだろこいつ!」
「ちょ!え!?名前こっちこいおまえ!」
「岩ちゃんも名前ちゃんも落ち着きなよ~、名前ちゃんはゴリラ系なんかじゃないし、あんまし可愛いからちょっとイジメたくなっちゃっただけだって、ごめんごめん」
「お前さすがに名前に手ェ出したら殺すぞ?」
「やだなあ岩ちゃん物騒な!てゆーか岩ちゃんこそね、イトコって結婚できるって知ってた?」
「わたし及川とはじめちゃんの二択だったらはじめちゃんと結婚する」
「俺も名前が俺か及川を選ぶ状況なら全力で俺の嫁にするわ」
「もうやだなんなのこのイトコ」
「ああそーだメシできるってオフクロが」
「じゃあお手伝いしてくるね」
「おいクソ川てめえ、名前に何した」
「だからさ、ちょっとからかっただけだって。名前ちゃんピュアでかわいいんだもん」
「だからってあんな顔させることねえだろ」
「んー、強いて言うならあのサワヤカ君が現れて、俺はちょっと焦ると同時にヤキモチやいてるな」
「いい加減にしろよ」
****
明日は休みで
名前ちゃんと岩ちゃんは
一緒にライブに行くらしく
名前ちゃんは今日はお泊りらしい。
岩ちゃんのお母さんの料理はとってもおいしい。
名前ちゃんも俺たちと同じように
2回お替わりをした。
俺も泊まると言い出すと
岩ちゃんは結構マジで怒った顔をしたけど
岩ちゃんの家にはパンツもパジャマも置いてある。
風呂上がりに部屋に戻ると
名前ちゃんは岩ちゃんの服を寝巻にして
ベッドでごろんと月バレを読んでいる。
「名前ちゃん、そんなの面白い?」
「んー…バレーのことは詳しくないけど、ほらー全日本の選手とかはまあそこそこ知ってるし」
「そーいえばテニスってあんまし放送されないよね」
「全英だけね、でも深夜、0時から4時とかよ」
「えー、お肌によくないじゃん」
「死ね」
「あれ、お前らちゃんと仲直りしたか」
「してない!わたし今日はじめちゃんの布団で寝るもん!」
「え~ここは名前ちゃんがベッドで男二人は雑魚寝が妥当じゃないの?」
「やだ貞操の危機を感じる!ねーはいはじめちゃんこっち!電気きりまーすおやすみー」
「え!早くない!?暗い暗い、」
「明日おでかけやもん!」
「いわちゃーん」
「俺は疲れた、寝る」
名前ちゃんのことは
けっこう本気。
怪我とか日焼けを気にせずに
テニスにのめりこんでいるところ
色気がなければ下心もなく
ただバレーのことを褒めてもらえるよろこびを
教えてくれたのは誰でもない名前ちゃんなのだ。
岩ちゃんの言ってることは正しい。
力ずくなんてカッコ悪いし
名前ちゃんにきっと嫌われた。
余裕の及川君がこんなことしてしまったのも
すべては突然の爽やかクンの登場の所為だ。
むくりと起き上がると
名前ちゃんは岩ちゃんの胸に顔をうずめて
岩ちゃんは名前ちゃんの背中に腕を回して
すよすよ熟睡しているらしい。
もうやだこのイトコ
一線を越えちゃってるカップルにしかみえない。
「じゃあオレ帰るね」
「珍しいな、追い返してもついてくるかと思ったわ」
「たまには二人でラブラブしておいでよ、オレは病院、総体すんだら来いって言われてたから」
「そ、なんかあったらすぐ言えよ」
「岩ちゃんは俺のお母ちゃんですか~」
「死ね」
◎こころは私のもの