高校生
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俺はこの状況をどうとらえればいい。
3-3に備えての
日向との昼練の最中
クラスメイトが現れたかと思ったら
後輩に絞め技を、いや抱き着いて…いや絞め技を、
「名前!日向放してあげて、そろそろ死んじゃいそう」
「あ!」
「なに、お前ら知り合い?」
「知り合いもなんも家が近所で!日向よかったな、やっとちゃんとしたバレー部入れたんだな!烏野にくるならあたしに連絡くれればよかったのに」
「…っぷは!名前姉!」
岩泉名前は
俺の後ろの席で
更に云うなら
今年で3年連続同じクラス。
テニス部に入っていて
その腕はホンモノ
去年は2年生にして
団体メンバーとしてIHに出場している。
見るからに同じ系統の
道宮と仲がいいのはわかるけど
これで清水とも
ときどき一緒にいたりする不思議な奴。
「名前姉!え!名前姉と菅原さん、知り合い?」
「だべ~、1年ときから同じクラスだし、腐れ縁だって」
「えー!そうだったんですか!」
「いや、うれしーわあ!頼むね菅原、こいつきっととてつもなくへたくそだけどね、誰よりもバレーが好きよ」
「はは、名前と日向って、似てるかもしんね」
仲のいい様子のふたりに
なんというか、癒される、すごく。
(パーソナルスペース、狭くね?)
***
「え、入部テストなんかあったの?」
「あれ、日向から聞いてるかと思った」
「ううん、昼休み偶然会うくらいで」
「あいつな、すごいよ。あいつってゆーか、影山って一年がいてな、ほんと、あいつらそろったらな、」
「ふーん…そりゃ、けっこう、見てみたい、かな」
「あれ、もっと食いついてくるかと思った」
「なに、そんなにあたしに見せたい?逆にスガがこんな言い方すんの珍しくてビックリした」
1限と2限のすきまに
名前は握り飯を食べている。
朝練で腹が減って力が出ない、なんて
がははと説明されたのはもう2年前。
「名前はさ、日向の試合見たの?」
「見てないよ、練習だったから。おばさんから聞いたけどけっこう強いとこと当たったんでしょ」
「俺あれ見に行ってて…その時のな、相手のセッターが、例の影山だったんだべ」
「へえ、なんか運命的じゃん」
「そ、あ、おい、田中?」
「たなか?」
「おーなんかよーか?」
「いいいいいいいいえ俺は別にまたあとでくるんでおじゃましてすみませんでした!」
「ちょ!!!待ておまえなんか勘違いしてるべ」
「いやああああああスガさんにあんな親しげな女子がいるなんて知らなかったんですすみませんんん「バカか!!!」
「おっまえ!ばか近づいてよく見てみろお前、太ももの逞しさをおおっぴらに気にしてる道宮の一回り逞しいし更に腕もむっきむきだし蛍光灯当たると反射する程度に日焼けしてんだべ!」
「な…!」
「ちょっと!スガこのやろうそんな身も蓋もない言い方すんなちょっと後輩君もまじまじ見てんじゃねえよばかやろう!この剛腕でしばき倒すぞ!」
名前は俺の襟元を締め上げながら
初対面のはずの田中に蹴りを入れる。
忙しくて騒がしくて途轍もなく温かい。
眉間に皺の寄ったブッサイクな表情で
俺を下から睨みあげると
突然ぱっと手を離す。
「あーやだやだ、スガってばちょー美肌なんだもん!後輩君も強面のくせに色白だしね、あーあ並ぶとわたしが際立って黒く見えるもんね、やだなー!」
かかか、と名前が笑う。
つられて俺も笑う
田中も困ったように笑う
「親しげな女子」とは
なんだかおもしろい表現だけど
俺にとっては腐れ縁で
仲良くなった名前が
偶然スカートをはいている、くらいにしか
やっぱり思えない。
「そっかー、日向の相棒くん見に行きたいんだけどさ、なんせ私も総体前で休みないんだよね」
「ん、名前今年は第一シードだろ?」
「うん、ほんと、やんなっちゃう」
「え、先輩何部なんすか?陸部とかですか」
「んーん、テニス部」
「ばか、陸上に第一シードとかないだろ」
「あ、そっか」
「そーそお、あたしこれでもスコートはいてんのよ~」
「な!す!すこ!なに!」
「ばか田中いくら飢えてるからってそんな虚しい妄想で興奮すんな」
「ねえスガもちょっとくらい興奮してもいいんだよ」
◎おれたちともだち
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