ぶっ飛んでる藤真
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「好きだ」
「んー?…………ん?」
「だから、お前のことが好きだ」
「………は?」
部活のあとマネージャーの木原は女子更衣室でとっとと着替えると、俺たちと一緒に帰るために部室でこまごま用事をしている。溜まってきた雑誌やらなんやらを紙紐で束ねているのを、なんか藤真がじっとみてるな、と思ったらこのざまだ。部員たちもマネージャーも意味がわからんという顔をしていて、対照的に藤真の方はいたって真剣って顔だ。えーっとほら!やばい!俺の出番だ!こういうときなんとかするのが俺の役目のはずだ、
「頭でも打った?」
「打ってない、俺は本気だ」
「いや、意味分かんないんだけど。わたしいま古紙まとめてたのよ」
「みればわかる」
「そーじゃないでしょ」
「でも好きなんだ」
「だめだこいつ、花形助けて」
「ま、まずは二人でちゃんと話してみたらどうだ藤真。こういうことはその、ほら、俺たちもいるし落ち着かないだろ」
「そーだ花形さすが!いいこと言う!」
「なるほど!じゃあちょっと顔貸せ!」
「なんでよ!遅いわ!だいたいなんでいま突然そんなはなしになんのよ!ばかじゃないのあんた!ほんとに顔だけ王子だわ!」
「仕方ないだろ!今思い立ったんだから!」
「は!?思い立ってソッコー告白するやつがあるか!もうちょっと色々考えなさいよ」
「いや!間違いない!俺にはお前しかいない!たのむ付き合ってくれ!」
「今思い立ったにしてはすごい自信ね……誰かなんとかしてくれ…」
「藤真を止めようと思ったら牧くらい連れてこないと」
「人選!牧くんはどー考えてもボケ倒し側の人間でしょーが!大惨事になるわ!」
「なあ、だめか?」
「こら!良いお顔すんな!あんたの中身がゴリラってことはばれてんのよ!」
「くそ、だめか」
「ほら、帰るぞ藤真。木原ゴミまとめてくれてありがとな、古紙のとこ出して帰ろうぜ」
「はー、もつべきものは花形だわ~」
一件落着の雰囲気になりみんなわらわら帰り始めて俺はほっと胸をなでおろした。みんなは古紙の束を抱えて先を歩き出した。部室の鍵が閉まる音がして振り返ると、鍵を握った木原の手を、藤真が後ろから握ったところだった。
「ほんとにだめか?」
「、だから、」
「馬鹿だよな俺も、ずっと一緒だったのにな。でも悪いけど、絶対振り向かせるから覚悟しろよ」
「ヒッ!」
藤真は流れるようにマネージャーの髪を梳くと、反対の手でスクールバッグを奪って歩き出す。様子をうかがう俺のことも全く気にせず、先に行ってしまった。
「木原?いくぞ?大丈夫か?」
「だ、あ、は、はながた、」
「は!?」
ようやく顔を上げたマネージャー、顔が真っ赤だ。もしや満更でもなかったか?なんて言ったら殺されそうだから今のところは黙っといてやるよ。(はやくつきあえ)
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