神くんのマブダチ
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「お前なあ、はは、また寝てただろ」
「は?寝てないけど」
「いーや、証拠がある」
「は?」
おでこを指でなぞられると、ほんのり痛む。自分で触ってそのへこみに気付く、ああペンケースを枕にして寝てたから。
わたしのおでこをぐりぐりして楽しそうに笑う神宗一郎は、中学からの同級生だ。テニス部のわたしは体育館で練習するバスケ部の神と顔を合わせることはなく、背が高くてなんとなく目立つ程度で話したこともなかったけど、むこうの認識も同じくらいはあって、高校で同じクラスになって意気投合し今ではすっかりマブダチだ。かわいい顔でまあまあモテる神なので、仲良くていいねなんて言われることもあるけどいやいやいや。よくねえよおでこが痛いって。
「ねえおでこへこむほど寝るやつなんか初めて見たよ俺」
「そりゃあおめでとうございますね、いたいっつの」
げしげし肩や胸にパンチをいれたけど全然きいてない、まあ力もいれてないけど。こうやって雑にのんきに一緒にいれる友達はだいじにしたいというのが本音だ。
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「聞いてよ木原」
「おーす、おはよ」
「フッキーがいたんだよ、覚えてる?」
「フッキー?」
「福田吉兆、中学で一緒だったろ」
「あー!なんかわかる、独特な雰囲気の人」
「ははは、そうそう。びっくりしたよ陵南のレギュラーでさあ、中学の頃よりすごい上手くなっててびっくりしちゃった!」
「仲良かったの?」
「んー、まあ同じバスケ部だったしね。あの上達のはやさは見てて飽きないよ」
出た出た悪癖、最近可愛がってるやけに声がでかくてばかっぽい後輩、ちっちゃくてメガネの将棋部とみせかけてバスケ部の先輩、老けてて見た目怖いのに話してみるとおっとりした色黒の先輩、
「あんたほんと変なやつ好きだよね」
「はははは、確かにそうかもね。なんたってお前とつるんでるくらいだからね」
「…………は?」
「ベランダでシャボン玉してるのみたときはすごいやつがいると思ったけど、いやー中学のうちに気付きたかったな」
「…うそお………まじい……」
「面白選手権したらお前が優勝」
「まっじかーーーー」
愕然とするわたしの顔をみて、マブダチは大変ごきげんだ。
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