こまちちゃんと沢北くん
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「あのっ」
「えっ!?」
「あの、お米」
「…おこめ?」
ピンポンのおとに、宅配ですかね?とでていった沢北が変な声をあげたのでピンときて慌てて玄関に向かう。俺の顔をみたその子は深津先輩、と安心したように笑った。
「え、ふかっさん彼女ですか?」
「俺じゃない、河田だベシ。米運ぶからみんな呼んでくるベシ」
「え?は、はい!」
河田の幼馴染みの澄田夏、おいしいあきたこまちを運んでくるので、部員からはこまちちゃんと呼ばれている。俺達が米を運ぶのをよそに、味噌や野菜を抱えて勝手に台所に入っていく。去年の新米の時期に初めて、河田の母さんの軽トラの荷台にのってやってきたこまちちゃんは、入学してからすっかり背が伸びた河田をみてしばらく動けなくなってしまった。あの時の顔はすごかった。色白でふっくらした美人が、ギャグマンガみたいな顔していたので忘れられない。
「あっ1年生ちょっと」
「おーす!」
「河田の母さんのまきこさん、毎月お米を届けてくれてる」
「ちわーす!」
「えっと、そっちの子は…」
「妹さん…?」
「こまちちゃんだベシ」
「こまちちゃん?」
「澄田夏です」
「こまちじゃないじゃないっすかふかっさん!」
「うるさい沢北、あきたこまち持ってきてくれるからこまちちゃんだベシ。先輩たちがつけたベシ。河田の隣の家だベシ」
「なんでもいいです…」
「かわいい…!つ、付き合ってください!」
「ヒッ!無理です!何この人!」
「沢北ぁ、創部以来の男前とか言われてチョーシこいてんべ!」
「いてててててて!!!ギブギブギブ!なんでですか!付き合ってる訳じゃないんでしょ!」
「っ、お、大きくなったらまさしくんのお嫁さんになるんだもん!」
「は!?はあああああ!?付き合ってんの!?彼女いないって言ったじゃないすかあ!」
「こいつこれ、4歳からずっと言ってるから」
「よん、さい」
どう考えても自分の方が男前とでも考えてたんだろう。それはそれは、去年のこまちちゃんを彷彿とさせる面白い顔で沢北はかたまった。まさしくんがあんまり大きくなったらびっくりしちゃうから、と毎月おばさんと一緒にやってくるこまちちゃん、果たして来月は来るんだろうか。
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