年下男子の仙道くん
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「葉子ちゃん、ちょっと」
「はい?」
大学入学で神奈川県にやってきた。横浜ほど大都会でもないけど、海が近くてのんびりしたきれいなところだ。アパートの一階に大家さんがやってる定食屋があって、ちょうどよくアルバイトをさせてもらえることになった。マカロニサラダを小鉢に分けていたら、ちょいちょいと呼ばれていくと、カウンターに髪の毛をつんつんさせた、長身の男の子が座っている。
「アキラくん、新しくバイトで入った葉子ちゃんだよ」
「こんにちは、木本葉子です」
「アキラくんねえ、毎日来るんだよ」
「毎日?」
「陵南高校のバスケ部にスカウトされてきてなあ。東京からきて一人暮らしだから」
「へえ、高校生で一人暮らしなんて大変ですねえ」
「監督の田岡ってのが、こいつもその辺に住んでる知り合いでな、頼まれて隣のアパート貸してるんだ」
「隣?ここの?」
「そう、B棟」
「うそ、ご近所さんだ」
「お姉さんもここですか?」
「わたし、ここの2階で」
「そうですか。電球変える時はいつでも呼んでください。俺は103号室」
「アキラくんは190センチもあるんだよ」
「そりゃ大きい」
こうして私は彰くんと出会った。色白で人懐こい。こっちの高校のことはよく知らないけど、なかなかの強豪らしく、よれよれになってやってくることも少なくない。それなのに山ほど食べる。彰くんにはこれにご飯いれて、という専用のどんぶりに山盛りごはんをいれて、それでもおかわりをする。おじさんやおばさんがまかないの分からこっそりおかずをおすそわけしていることもしょっちゅうだ。2年生で去年から通いつめているので、常連のおじさんたちとも仲がいい。お店が休みの日曜日はコンビニ弁当で凌いでいるという、まさに男子という生活だ。ご近所さんでバイト先の常連さんなんだから、まあ可もなく不可もなくそこそこ友好的に関われればいいかなあなどと思ったのは、甘かったと思い知らされるのにそう時間はかからなかった。
1/7ページ