赤木と恋が始まらない
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前期の発表の日、どうしようか、と声をかけてきたのは木暮だった。後期試験にむけて最後の追い込みの息抜きで集まった図書館で、私と木暮は顔を見合わせて黙った。
「2人とも受かってると思いたいけど」
「片方受かって片方落ちるのが一番しんどいな」
「郵便、夕方だよね」
「受かったら赤木んちに集まるか。赤木は決まってるんだから」
「いいね、晴子もいるし気が紛れるね」
「たしかに」
その2日後、郵便がくるのは夕方なのに、なんだか朝から落ち着かない。後期試験の勉強をしようと、一応ノートを広げたけど、なんだか落ち着かない。歩き回ったり、寝転んだり、無駄にコーヒーを飲んだりして時計の針がなかなか進まないのを気に病む。今日だけ1日がやけに長く感じる。郵便やさんのバイクの音がして、階段をかけおりて4段目から飛び降りた。赤木がどんと叩いてくれた背中の感触を、目をつぶって思い出す。
合格、の文字に
ふぅーーーと息を吐く。
ちょっと出てくる、と母親に言い置いて、赤木の家を目指す。歩いていたのが、だんだん早足になって、とうとう走り出した。
「あかぎーっ!」
「なんだお前ら次々と」
「ってことは木暮もいる?」
「おーい草野!おめでとうってことでいいか?」
「やったー!木暮もおめでとうー!」
「お前ら、人んちを待ち合わせに使いやがって」
「あれ?言ってなかった?落ちてたとき気まずいし、晴子もいるし元気でるかなと思って。でも受かってよかった~」
「何はともあれ、おめでとう」
「赤木のおかげだね」
「数学がんばってたもんなあ」
「ちがう、秘密のおまじないがあるの」
「なんだそれ」