赤木と恋が始まらない
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「シャンプーとかなんでも、好きなの使って!あれ、その髪型リンスいるの?」
「これでも普段はリンスインシャンプー使っとるんだ」
「ふ、おしゃれなゴリラ」
「っるさいわ!お前が先に行け」
「いや、洗濯はやく回してしまいたいから」
「そうか、じゃあ」
俺を脱衣所に押し込んだあと、食器を洗っているらしいがちゃがちゃした音がして、浴室に入ったのを見計らったように、脱衣所で洗濯を回しはじめた。バスタオル置いとくねーという声に返事をして、俺は混乱しながら、なんとか体を洗い終える。
タオルをかけて居間に戻ると、目を逸らしながら風呂場に入っていった。忙しないばたばたした音が気になり、テレビをつけても内容が入ってこない。髪の毛を乾かすドライヤーの音が、洗濯機の終了音のあとに切れる。早く乾くように広げて吊り下げた俺のジーンズとTシャツを、バルコニーの物干し竿に吊り下げて呑気にお茶を飲んでいる。
「これで朝には乾くよ。作業着も乾くくらいだからね」
「助かる」
「はみがきした?」
「した」
「よし、じゃあ寝よう」
「おお、」
「冷房切ったけど、さすがにパンイチは寒くない?扇風機も切る?」
「お前だって似たようなもんだろ」
「まあね。ほら電気切るよ」
「ああ」
ほら寄って、と暗い布団で壁際におされる。細くて柔らかい脚が絡んで息をのむ。唇の合わせ方もわからないのにどうしろってんだ。三十路目前、やけくその大人の夜が今はじまる。