高砂くんの表情筋
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朝起きると、高砂くんは小さなソファに体を沈めて寝息をたてていた。じょりじょりになった顎を撫でると、ん、と声が漏れて目があいた。
「は?」
「あ、おきた」
「ああ、そうか、お前んちだ」
「うん、ありがとう、わがまま聞いてくれて」
「そうだな、わがままだった」
「えー、なにそれ」
「ん、おはよう」
「…おはよう」
高砂くんは起き上がって首や肩をゆっくり回すと、よし帰るぞと玄関に向かう。
「はやすぎ」
「あのなあ、女の人の家で朝おきるのなんか初めてなんだ俺は。次はないからな。」
「あの、また会えるかな」
「携帯の番号、そこに書いておいてる」
「うん」
「あと火曜の午後、またお前んとこ」
「じゃあランチ」
「うん」
寝起きのままのぐしゃぐしゃの髪の毛を大きな掌でくしゃりと撫でると、高砂くんは行ってしまった。内側から鍵を閉めたあと、わたしはその場にしゃがみこむ。どうしよう、好きかもしれない、いや、これはもう。